意見書の経過
3月29日閉会本会議での意見書の経過
 3月29日の閉会本会議では「小児救急医療体制の整備拡充を求める意見書」「実効ある総合的な雇用対策の早期推進等に関する意見書」が全会一致で採択されました。

(賛成・採択)

        小児救急医療体制の整備拡充を求める意見書(案)                  
 地域における小児救急医療体制の確保は、安心して子どもを産み、健やかに育てるための基礎的環境整備として極めて重要であるが、近年、小児医療の重労働・不採算性等を背景として小児科を志望する医師や小児科病院・診療所の割合が低下するとともに、小児科医の高齢化や一部の医療機関への患者集中なども相まって、小児救急医療体制の確保が極めて困難な状況となっており、その整備拡充が緊急の課題となちている。
 このような状況を踏まえ、国においては、平成11年度から3か年計画で、全国360の二次医療圏ごとに、365日・24時間、いつでも診察を受けられるようにする「小児救急医療支援事業」を進めているところである。
 しかしながら、小児科医の不足や不採算性等のため、昨年12月末時点で27.7%しか整備が進んでおらず、その達成はほど遠いのが現状である。
 よって国におかれては、小児救急医療のもつ極めて重要な役割にかんがみ、引き続き補助額の増額など「小児救急医療支援事業」の拡充をはじめ、小児医療を担う人材の養成、臨床研修の充実支援、診療報酬の引き上げ等を図られるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(賛成・採択)

        実効ある総合的な雇用対策の早期推進等に関する意見書(案)               
 景気の長期にわたる低迷により、雇用情勢は、完全失業率がかつてないほど高水準で推移するなど、極めて厳しい状況にある。
 このような中で、昨年9月、政府の産業構造改革・雇用対策本部により、「雇用の受け皿整備」「雇用のミスマッチ解消」「セーフティネット整備」を柱とする、緊急かつ重点的に取り組むべき「総合雇用対策」が取りまとめられた。また、昨年12月にも、雇用の維持・創出策として近年導入論議が急速に高まっているワークシェアリング(仕事の分かち合い)について、政府、労働団体、経営者団体による3者会議が設置され、その意義・あり方、環境整備、役割分担等に関して検討が開始されたところである。
 しかしながら、今後、不良債権処理など、構造改革の進展等に伴い雇用情勢がさらに悪化することも懸念され、雇用対策の推進は、一刻の猶予もならないものとなっている。
 よって国におかれては、当面の厳しい雇用情勢への緊急的な対応は言うに及ばず、長期的な雇用機会の拡大や職業能力開発・再就職支援策を強化するなど、実効ある総合的な雇用対策の早期推進を図られるよう強く要望する。併せて、ワークシェアリングについても、労働時間の短縮や多様な労働形態の選択肢を提供するという可能性をも踏まえ、労使の共通理解をはじめ、導入に向けたふさわしい税制・社会保障制度、パートタイム労働者や短期労働者等の待遇改善など、諸環境の整備等を図られるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(日本共産党原案・合意に至らず取り下げ)
   
        医療保険制度の改悪に反対する意見書(案)
           
  小泉内閣は、健保自己負担の2割から3割への引き上げ、老人保健制度の適用年齢の75歳への段階的な引き上げなど、患者の窓日負担を引き上げることで、医療費抑制をはかろうとしている。
  しかしながら、このようなやり方では、医療制度の真の改革になりえないことは言うまでもない。むしろ、受診抑制が国民的規模での健康悪化をもたらし、かえつて、医療費を膨らませるという悪循環に陥ることになるからに他ならない。医療の基本とは、まさしく、疾病の早期発見、早期治療にあるのであつて、何よりも、国民の健康を守ると同時に、医療費の合理的節減にもつながるものである。
今日、医療保険を危機的な状況にいたらしめたものは、第一に、国が、医療保険制度への国費支出割合を大きく削減してきたことであり、また第二には、新薬の価格が異常に高く、新薬の使用比率も異常に高いという、薬剤費押し上げの構造であつて、医療改革とは、まさに、ここにこそメスが入れられるべきである。
   よって、国におかれては、患者窓口負担を引き上げるなどの医療改悪はただちに中止し、真に持続可能な国民本位の医療改革を進めることを強く要望する。
   以上地方自治法99条の規定!子より意見書を提出する。
(与党原案・合意に至らず取り下げ)

            医療制度改革に関する意見書(案)

 医療制度は、年金と並ぶ社会保障の基盤制度であるが、急速に進む高齢化、経済の低迷、
医療技術の進歩など、近年、それらを取り巻く環境は大きく変化しており、将来にわたって持続可能な制度としての再構築が求められている。
 このような中で、昨年11月29日には、政府・与党社会保障改革協議会によって「医療制度改革大綱」が取りまとめられ、特に、現下の危機的状況にある医療保険財政等を踏まえ、サラリーマン本人の患者自己負担の増(2割から3割へ)や保険料の引き上げ、高齢者の患者自己負担の原則完全定率化(70歳以上、 1割)、薬価・診療報酬の引き下げなど、取り組むべき具体的な改革案について、現在、医療制度改革関連法案として議論が進められているところである。
 しかしながら、法案の成立までには、なお関係者間の厳しい意見の対立等も予想されるところであり、調整が難航し、結果として制度改革が遅れるようでは、国民の不信感を増大させるのみならず、国民生活にも重大な影響を及ぼす事態ともなりかねない。
 よって国におかれては医療制度のもつ国民の生命と健康を支えるという極めて重要な役割にかんがみ、法案の審議等に当たっては、国民の理解と支持が得られるよう十分な議論を尽くされるとともに、引き続き、将来にわたって持続可能な安定的な医療制度となるよう保健医療システム、診療報朝体系、医療保険制度全般にわたる総合的な改革を進められるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。