日本共産党の石川かんじ議員は、19日開かれた大阪市会決算委員会で大阪市の入札について独自の調査をもとに、「入札経過から見て談合の疑いが否定できない」と厳しく追及しました。

収賄事件の教育生かせず

 1999年以降に起きた「入札妨害・あっせん収賄」事件で市議や議長の2人が逮捕される事態を受けて、4月から入札予定価格の事前公開などをしていますが、改善されていない事態が石川議員の指摘で明らかになりました。
 石川議員が調査分析したのは、2001年4月から10月までの7ヶ月間の782件の工事請負契約の入札。
 調査結果によれば、全入札の782件の落札総額は553億円、平均落札率は97.1%であります。なかでも、落札率90%以上のものが186件、23.8%にものぼっています。3億円を超える工事をとって見ても28件あり、件数は少ないものの金額としては230億円と全体の4割強を占めています。その平均落札率は98.3%とやはり高い率です。同和建設業者の場合は、もっとひどい状況にあり、談合の疑いがさらに高まります。
 石川議員は、「平均落札率で95%を超えるような状態では、果たして自由な競争性において問題なしと言えるのか。大阪市入札監視委員会委員からさえ談合の疑いありと指摘を受けているではないか」と、厳しく追及しました。
 市理事者は、「ただちに不正が行われているとは断定しがたいが、より競争性を高めるために努力してまいりたい」と、今後の課題であることを認めました。

大阪市の入札実績(2001年4月〜10月分)
(1)4月から10月までの全入札・落札状況
◇全入札状況
落札総件数 落札総額(千円) 平均落札率(%)
782 55,268,934 97.1
◇落札率別分類
落札率状況 件数 全体に占める率(%)
90%以下 95 12.1
90%以上 687 87.9
99%以上 186 23.8
3億円以上 28 3.6
◇3億円以上の入札状況
件数 総額(千円) 平均落札率(%)
28 23,032,592 98.3
◇落札率99%以上の入札状況
件数 総額(千円) 平均落札率(%)
186 17,689,136 99.3
(2)全入札に占める同建業者の入札・落札状況
◇落札における同建業者の状況
落札総件数 落札総額(千円) 平均落札率(%)
140 14,099,503 97.6
◇落札した物件における割合
落札率状況 件数 全体に占める率(%)
90%以下 15 10.7
90%以上 124 88.6
99%以上 54 38.6
3億円以上 10 7.1
◇落札した物件における3億円以上の入札状況
件数 総額(千円) 平均落札率(%)
10 8,177,000 98.8
◇落札した物件における99%以上の入札状況
件数 総額(千円) 平均落札率(%)
54 5,946,665 99.4
市工事の入札結果 “談合の疑い否定できず”
石川議員独自調査をもとに追及
改善ない異常に高い落札率

(2001年11月19日)