12月5日に開かれた環境対策特別委員会で夢洲下水処理場建設に係る環境影響評価報告書が説明されました。
日本共産党の
石川かんじ議員は報告書が大気、水質、生態系等で影響は軽微としている問題をとりあげ、市内の小児喘息患者は5年前と比べ3390人も増加している。また水温の上昇は漁業関係者には無関心ではいられない問題ある事。さらに放流水準の目安とされているBOD(生物化学的酸素要求量)は生物の安全性をみるものではなく、専門家からも検査基準の見直しの声が出ている事などと述べ、ひとつひとつの事業の影響が軽微でも積み重なって全体を悪化させていると指摘。報告書には環境を良くするという観点がないと批判しました。
また大阪湾会議など市民は「赤字を抱えているのに、大きな処理場建設で財政は大丈夫か」といっている、計画全体を明らかにせよと迫りました。
市は夢洲下水処理場の総事業費が約750億円、一期の本体工事に470億円(本体工事は400億円で国が55%補助)、この内咲洲と夢洲とのパイプライン建設に60億円かかると答弁。
石川議員は咲洲への陸路が1本しかない街であるという特殊性を考えると、震災など災害があった場合、食料や水は3日間の蓄えはできても、3日間の汚物を蓄えることは困難である。咲洲に下水処理場があることが望ましい。咲洲に単独の処理場を作れば60億円もかけて夢洲に送る必要もなく無駄をはぶける。こうした検討は住民も理解できる。検討が必要ではないかと主張しました。
しかし当局は「せまい地域に施設を造る事は不経済」と答弁。これに対し石川議員は住民の安心・安全より経済効率を優先するものだと批判しました。また、市内の浸水被害がこの10年間で4万戸に及んでいること。浸水対策工事の進捗率は73%でこの中には工事が18%しか進んでいない地域もあると遅れを指摘。急ぐべきは市内の浸水対策ではないのかと問いかけ、「何がなんでも夢洲に急いで下水処理場建設を」という姿勢を改め、全体を見直すべきだと主張しました。