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中3まで医療無料に、党大阪市議団が条例提案

こはら孝志議員が「大阪市乳幼児医療費助成条例案」を提案説明

こはら孝志市会議員

2011年5月27日

 大阪市議会本会議が27日開かれ、日本共産党の小原孝志議員が乳幼児等医療費助成条例案の提案説明を行いました。党市議団の提案は今回で23回目です。

 条例案は、現行の助成対象の通院で小学校就学前を、中学校卒業までに対象を引き上げ、所得制限及び一部負担金を撤廃し、すべての子どもが安心して医療を受けられるよう医療費を無料化するもの。入院の対象は今年11月から中学校卒業まで拡充されます。

 小原議員は「子育て世代での非正規雇用の拡大など、経済的理由によって医療を受けられない子どもたちがいまだに残されている」と指摘。案は「20億円程度の予算の上積みで十分可能」とのべ、「財政難を叫ぶ一方で、巨大開発の失敗に懲りず、巨額の予算を梅田北ヤードや夢洲の無駄な大型開発につぎ込むことを改め、子どもたちにこそ重点投資すべきだ」と強調しました。

 条例案は、維新、公明、自民、OSAKAみらい(旧民主)の反対で否決されました。

(2011年5月31日付しんぶん赤旗)


こはら孝志議員がおこなった、「大阪市乳幼児医療費助成条例案」の提案説明

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表いたしまして、ただいま上程されました議員提出議案第32号「大阪市乳幼児医療費助成条例案」について、提案理由とその内容について説明いたします。

わが党の条例改正案は通院に関する医療費助成を中学校卒業までに年齢を引き上げるとともに、所得制限および一部負担金を撤廃し、すべての子どもが安心して医療を受けられるよう文字通り医療費を無料化することであります。

わが党は、総合的な子育て支援の実施を提案していますが、「子どもの貧困」をなくし安心して子どもを産み育てられる社会にするために、子ども医療費については国による「無料制度」の創設を求めると同時に、本市においても、独自に実施するよう、繰り返し条例提案を行ってきました。今回で23回目であります。

以下、提案理由を申し上げます。

今、子育てにかかる経済的負担を軽減することが強く求められています。子育て世帯は近年の非正規雇用の拡大により貧困と格差が広がっており、子育てにかかる経済的負担の中でも子どもの医療費は重い負担となっています。そのような中、本市では子どもの命を守るために、無保険の子をなくす措置もとられましたが、経済的理由によって医療を受けられない子ども達が未だに残されています。学校現場からは「病院での治療費が払えないために、学校の保健室に駆け込む児童が増えている」と報告があり、全国保険医団体の昨年11月の調査でも「受診抑制」や「治療の中断」が増加していることが指摘されています。

また、入院治療しか対象にならない小学生の子どもは償還払いであり、病院にいったん3割の医療費を支払ことになり、高額療養費制度があるとは言え保護者にとって重い負担です。財布の中身を気にせず病院に駆け込むことができるようにするため無料にすることは不可欠であります。

 本市は、次世代を担う子どもたちを産み、健やかに育てる環境づくりの一環として、市民の強い要望もあり、本制度を創設するとともに今日まで、度の改善・拡充をしてきましたが、経済状況や社会状況の大きな変化の中、少子化対策を本格的に実効あるものにするためにも一部負担金を撤廃し無料にすることが求められています。 

 次に、所得制限撤廃についてです。本市では前年度の所得を基準に乳幼児医療費助成の所得制限を設けています。しかし、今日ほど、多くの人が、失業、倒産、雇止めなど、不安定な雇用にさらされている時はありません。前年度より実質的に所得が大幅に減少しているケースでは、前年度所得が基準のため助成を受けられない世帯が多数あります。本制度が次世代を担う子どもたちを健やかに産み育てるという特別な位置づけがなされていることからしても、このようなことはあってはならず、所得制限の撤廃は必要です。 

わが党が提案する通院も中学校卒業まで無料にするためには、厚生労働省の患者調査における受療率から試算したわが党の推計では20億円程度の予算を上積みすれば十分可能です。本市は財政難を声高に叫びつつ、その一方で巨大開発の失敗に懲りず巨額の予算を梅田北ヤードや夢洲につぎ込もうとしています。このようなことは改めて子どものためにこそ重点投資をするべきです。乳幼児等医療費助成制度の拡充は、地方自治法の精神に基づく自治体本来の仕事をするための財政投入ですから、無駄な大型開発と違って市民の皆さんから喜ばれることはあっても批判を受けることなどまったく心配ありません。 

 最後に、本制度は、福祉医療制度として住民の強い願いを背景に全国で急速に制度改善・拡充が広がり、対象年齢引き上げが多数派になっています。すでに、東京都23区では、通院・入院とも中学校卒業までを無料にし、千代田区や日の出町では高校世代まで無料です。本市も中学校卒業まで無料にすることを重ねて申し上げまして、以上提案理由とさせていただきます。議員各位におかれましても、ご賛同たまわり、可決・成立させていただきますようお願いし、条例提案の説明とさせていただきます。