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子どもの医療費助成を拡充する条例案を

てらど議員が提案説明

てらど月美市会議員

2011年9月30日

 私は日本共産党市会議員団を代表いたしまして、ただいま上程されました議員提出議案第43号「大阪市乳幼児等医療費助成条例(案)」について、提案理由とその内容について説明いたします。

 現行の本市乳幼児医療費助成制度は、通院が小学校就学前、入院は入院時食事療養費を含め、今年度11月1日より中学校卒業までとし、診療科目ごとに入院・通院各1日あたり500円以内で月2日を限度に、一部自己負担を必要とするものです。さらに、所得によって約2割の乳幼児が助成対象から排除されるという不公平を生み出しています。

 わが党の条例改正案は、通院については小学校就学前までの乳幼児医療費助成制度を入院時食事療養費含め、中学校卒業までに年齢を引き上げるとともに、通院・入院ともに所得制限および一部負担金を撤廃するという、文字通り子どもの医療費負担をなくし、等しく医療を受けられるよう改善することです。

以下、具体に提案理由を説明いたします。

 第一に、今日の貧困と格差の広がりのなかで、大阪市では年収200万円の世帯が32万8000世帯、約25%にのぼっており、とりわけ、「親の貧困」から子どもを取り巻く生活環境や子育ての環境にも大きな影響を及ぼしています。 

 学校現場からは「病院での治療費が払えないため、保健室を頼りにされる」「虫歯になっていても治療に行けない子や、歯の抜けている子が目立つようになった」、全国保険医団体の調査でも「受診抑制」や「治療の中断」が増加していることが指摘されています。

子どもが病気になった時に、治療費の心配をすることなく、安心して医療が受けられるように制度の改善・拡充を行ってこそ、真に安心して子育てのできる環境をつくることになります。深刻化する少子化対策を本格的に実行あるものとなるのは明らかです。

 第2に財源についてです。本市は財政難を理由に経費削減には熱心ですが、財政難に陥った原因は、福祉や医療、に経費をかけすぎたからではなく、阿倍野再開発や、破綻したWTCなど、市民が望みもしない大型公共事業に巨額の税金を投入してきたことにあります。

言うまでもなく、「子どもは社会の宝だ」と重んじられています。『子育て支援』を充実させること以上の『未来への投資』があるでしょうか。乳幼児等医療費助成制度の拡充は、地方自治法の精神に基づく自治体本来の仕事をするための財政投入ですから、無駄な大型開発と違って、市民の皆さんから喜ばれることはあっても、批判を受けることなどまったく心配ありません。

 わが党が提案する通院・入院ともに中学校卒業までに拡充するためには、厚生労働省の患者調査における受療率から試算したわが党の推計では、25億円程度の予算を上積みすれば充分可能です。

 第3に、本制度は福祉医療制度として、住民の強い願いを背景に全国で急速に制度改善・拡充がされているからです。すでに、東京都23区では通院・入院とも中学校卒業までを助成対象にしています。全国政令市でも一昨年10月からさいたま市が、昨年7月から堺市が所得制限なしで通院・入院とも中学校卒業まで改善・拡充し、所得制限、一部負担金なしの中学校卒業までの医療費無料制度が当たり前の状況になっています。

本市も今こそ他市に遅れず、改善・拡充を図るべきです。

議員各位におかれましても、子どもたちが身体健やかに、心豊かに成長できる社会の実現への思いは同じではないでしょうか。ぜひ、ご賛同いただきますようお願い申し上げ、わが党の24回目の条例提案とさせていただきます。