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「大阪市中小企業等振興基本条例案」 をこはら議員が提案説明 |
こはら孝志市会議員 2011年月日 |
私は日本共産党大阪市会議員団を代表いたしまして、ただいま上程されました議員提出議案第48号、「大阪市中小企業等振興基本条例案」について提案説明をいたします。 大阪の中小企業の内86.2%を小規模企業者が占めています。その多くが家族経営に支えられ製造からサービスまであらゆる分野で大阪市の活力を根底から支えてきました。わが党の条例案は、小規模企業者がこれまで果たしてきた役割を正当に評価し、事業の継続、発展に必要な配慮を払うことを市長の責務とし、市内すべての小規模企業者の振興を本市の経済政策の重要な柱として位置付け、もって大阪経済の活性化を目的とします。 以下、提案理由を申し上げます。
戦後のわが国の復興や驚異的な経済成長を支えた根底には中小企業、中でも小規模企業者が果たしてきた重要な役割があります。それは苦労をいとわず家族で支えあうことを特徴とし、経営努力を積み重ねながら技術革新を行い、日本のモノづくりを支えてきたことです。磨いてきた技能、味やサービスを次の代に引き継ぎ地域内の産業ネットワークを形成し、資金の地域内循環を高め、雇用や仕事、所得を生み出すなど、地域経済に大きな活力を生んできました。 しかし、国のこれまでの経済・産業政策の中心は、「大企業が成長すれば日本経済が良くなり、いずれ中小企業もよくなる」というかけ声で行われてきました。一握りの輸出系大企業の「国際競争力」の強化と利益確保が最優先され、中小企業はそれを補完するものとしか位置付けられず外需依存のもろい経済構造を作り出しました。国や本市の予算でも、中小企業対策は軽視され、本腰を入れて中小企業を応援する政治は行われず、1999年の国の中小企業基本法改悪によって、建前としては存在していた「格差の是正」が投げ捨てられ、不公平な取引を強いられるなど数多くの困難に晒されてきました。もともと貧弱だった中小企業政策は、グローバル化を目指す企業やベンチャーなど一部の企業だけを対象とするものに変質させられ、残された多くの中小企業、特に小規模企業者、家族経営が支援の外に置かれました。 その結果、小規模企業者の仕事が奪われ、地域で互いに助け合いながら発展してきた小規模企業者が連鎖的に苦境に立たされ、倒産・廃業が続出し、長年にわたって形成されてきた地域経済は深刻な打撃を受けました。 大阪では昨年度の府内大企業116社の内部留保の蓄積合計が25兆6587億円 前年比8930億円の大幅な利益の積み増しがされました。しかし、多くの中小企業・自営業者の実感は景気回復には程遠く、「とにかく仕事が欲しい」「久しぶりに仕事があったが、単価をまた下げられた」など、厳しい状況が続いてきました。さらに、東日本大震災が発生し原材料や建築資材の調達、物流機能の停滞等、経営悪化に更なる追い討ちをかけています。 このような経済環境の元、小規模企業者、家族経営は高い国保料や税金を負担しながら、低単価による長時間労働に耐え、なんとかギリギリで踏ん張っています。地域の雇用や経済を担ってきた中小企業、小規模企業者、家族経営の存在意義、社会的役割を今改めて見直し、外需頼みから内需を拡大するために、地域内で仕事と資金を循環させる仕組みを再生させることが欠かせません。国において昨年6月に閣議決定された中小企業憲章では小規模企業は、その多くが家族経営形態を採り、地域社会の安定をもたらす。国家の財産だと位置づけられています。この理念に基づき議員各位におかれましては、苦境に立つ大阪市の中小企業並びに小規模企業者への支援のために本条例案に賛同されますよう強く訴えまして、私の提案説明といたします。 |