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市議団の実績

くらし・営業の支援に全力を

日本共産党大阪市議団、平松市長に予算要望

 日本共産党大阪市会議員団は、12月18日、平松邦夫市長に対し、2010年度大阪市予算編成と当面の施策に関する要望をおこないました。

2008年10月から2009年末にかけ、職を失う人が25万人と、最悪の雇用情勢が続くなど、市民生活がきびしいなか、なによりもくらし・福祉・営業を守ることが大事だという立場から、市民のくらし・健康・福祉を最優先する」「雇用の確保・安定につとめるとともに、中小企業の経営を守る」 「憲法・子どもの権利条約にもとづく、子どもたちのひとみ輝く教育を進める」「巨大開発を改め、住みよい街づくりを推進する」「同和行政を完全に終結する」「平和施策を推進し、清潔で市民に開かれた市政にするの6つの柱、332項目の要望を提出しました。

 「敬老パス」「水道料金福祉措置」は現行制度を継続させること、国保料は一般会計からの繰り入れを増やし保険料を一人1万円減額すること、公立保育所の民間委託をやめ民間・公立保育所の増設で待機児を解消すること、新型インフルエンザ予防接種への市独自の補助制度をつくること、中小企業への官公需発注を70%以上に増やすこと、少人数学級や普通教室へのクーラーなど教育条件を拡充すること、耐震診断・耐震改修補助制度を拡充すること、ゴミ減量など環境対策に全力をあげること、などを求めました。

 高校新卒者の就職が深刻ななか、新卒者採用の市内中小企業に補助制度をもうけるよう提案しました。


20091218

大阪市長  平松 邦夫 殿

 

2010年度大阪市予算編成

当面の施策に関する要望書

                      

日本共産党大阪市会議員団

 団長  下田 敏人

 

 日本経済は、昨秋のリーマンショック以来、尚、きわめて厳しい状況が続いている。この79月期は、実質GDPが1.2%増加したものの、相変わらず輸出大企業中心であり、内需主導への転換のきざしはまったく見られない。

 とりわけ、雇用情勢は、昨年10月から今年12月末までの失職・失職予定者が247000人に及ぶなど、最悪の水準で推移し、雇用者報酬の落ち込みにも歯止めがかかっていない。

 加えて、自民・公明政権のもとでの年2200億円削減による社会保障改悪や庶民増税が国民のくらしを圧迫するとともに、雇用保険等の制度の貧困が、これに追いうちをかけている。

 こういう中で、230兆円もの内部留保を有している大企業・大銀行に対し、雇用の確保や中小企業への資金供給など、その社会的責任をしっかりと果たさせることが強く求められている。

 同時に、「コンクリートから人へ」の如く、社会保障等の抜本的な拡充で、家計を応援し、日本経済を土台から温めることである。

 よって、265万市民のくらしに責任を負う大阪市として、雇い止めで仕事を失った人たちが寒空のもと路頭に迷うことがないよう緊急の対策をとることをはじめ、国民生活を守る施策の実施を、強く国に求めるとともに、みずからは、「経費削減」による市民への負担増を撤回し、なによりも、市民のくらし・福祉・営業を守ることである。

とりわけ、「事務事業総点検」の名で、子ども・高齢者・障害者への本市単費事業全般を圧縮するなどは、断じておこなってはならない。また、府庁のWTC移転をテコとしてベイエリア開発とムダなインフラ整備に巨額の税金を投入する計画を推進することは論外と言わなければならない。

 以下、このような立場から、6つの柱からなる2010年度予算編成ならびに当面の施策について、その実現をはかられるよう要望する。

 

1、市民のくらし・健康・福祉を最優先する

(1) 高齢者に係わる医療について

@ 「後期高齢者医療制度」は、すみやかに廃止するよう国に強く求める。

A 制度が継続された場合は、保険料負担軽減のために必要な財政的支援を国・府に求め、本市としてもおこなう。

B 高齢者の医療費無料制度を創設するよう国に求める。

C 療養病床の削減を中止・撤回させるよう国に強く求める。

  

(2) 介護保険を安心・有効に活用できる制度に改善する。

@  「誰もが安心して必要な介護サービスを受けられる」制度にするため、国庫負担を直ちに30%に引き上げるとともに、計画的に50%に引き上げるよう国に求める。

A 施設運営の安定化と介護労働者の労働条件を改善するため、介護報酬を引き上げるとともに、介護報酬とは別枠で公費を投入し、介護労働者の賃金を月3万円以上引き上げるよう国に求める。

B ケアマネージャー一人当たりの受け持ち基準を見直し、報酬を引き上げるよう国に求める。

C 収入基準の緩和など、市独自の保険料減免制度を拡充する。

D 低所得者のすべての介護及び介護予防サービス利用料を3%に軽減する。また、居住費や食費などの施設利用料負担の軽減措置を講ずる。

E  介護サービスから除外されている「要支援1・2」「要介護1」などの高齢者を対象に、その生活実態に即し、ヘルパーによる家事支援や介護ベッド・電動車いすの貸し出しなど、市独自にでも必要な介護サービスを保障する。

F 介護認定にあたって、実態と認定結果に著しく乖離している事例がある。その際、本人と家族及び関係者等の「異議申し立て」が尊重され、短期間に「再認定」がおこなえるようにする。

G  「地域包括支援センター」は、地域密着型にふさわしい設置数に増やして、委託料を増額し、専門職の安定的な人材確保をおこなうなど、体制を強化する。

H 待機者を早急に解消する特別養護老人ホーム建設計画を立て、実施する。そのために、市遊休地の活用を図る。

I 大阪市として「障害者に準ずる」認定は、介護保険制度で「要介護」の認定を受けたすべての高齢者まで対象を拡大し、税法での「障害者控除」を受けられるようにする。同時に、「障害者控除認定書」があれば、文化施設等の現行の障害者サービスを受けられるようにする。

 

(3)  市独自の高齢者福祉施策をいっそう充実させる。

@ 「敬老優待乗車証(敬老パス)」・上下水道料金福祉措置は、現行制度を継続する。201011年度に見直すべきものとの健康福祉局の評価は撤回する。 

A 高齢者電話貸与事業(高齢者福祉電話)は元の制度にもどす。 

B 「高齢者住宅改修費助成事業」については、「事務事業見直し」の対象事業から除外し、所得制限をなくし、助成限度額を引き上げるとともに、対象工事を拡大する。また、手続きを簡略にするとともに、スピードアップをはかる。

C 高齢者の在宅での「熱中症」対策として、クーラー設置補助・クーラー稼動電気料金補助制度を新設する。

 

(4) 国民健康保険制度の改善をはかる。

@      国に対して、以下の項目について強く求める。

ア 国庫負担率の引き上げをおこなう。

イ 資格証明書交付義務付け条項を廃止する。

ウ 国保料の収納率低下や乳幼児医療費助成等の本市独自施策を理由にした国庫支出金減額ペナルティーをやめる。

エ 特定健診・特定保健指導の実施にあたっては、後期高齢者医療制度交付金への制裁措置をとらないよう国に求める。

A 保険料の算定にあたっては、被保険者の生活実態が反映されるものに改善する。

B 一般会計からの繰入金を増額し、当面、国保料一人当たり1万円の減額をおこなう。

C 65歳以上の国保料の年金天引き廃止を国に求めるとともに、運用にあたっては、加入者の実状に合わして、弾力的なものにする。

D 短期保険証や資格証明書の発行はただちにやめる。とりわけ、高校卒業前の「児童(児童福祉法規定)」を有する世帯が資格証交付対象となっている場合であっても、「児童」には「短期証」ではなく無条件で「通常保険証」を交付する。また、短期証交付世帯も同様に扱う。その際には、保険証を「直接郵送」する。

E 保険料減免制度の拡充をはかる。また、所得割の算定にあたっては、基礎控除に加え、高齢者・障害者・一人親世帯などの特別控除をおこなう。

F 医療機関窓口での「一部負担の免除、減額又は徴収猶予」の制度について、基準を緩和し、対象枠を拡大する。

G  傷病手当・産休手当の給付制度を創設する。

H 特定健診の対象年齢を「30歳以上」に引き下げ、病気・予防・早期発見という本来の主旨にたち、従来の「基本健診項目」を含んだ健診を実施する。

I B型・C型肝炎ウイルス健診については、一定の基準を設けて繰り返しチェックできるシステムに改善し、「BUN(腎臓機能)」を加えるなど、検査項目を拡充する。

J 特定健診対象者への個別案内通知や中小零細企業・個人商店などの事業主・従業員への配慮など、特定健診の受診率を抜本的に高めるための手だてを講じる。 

 

(5 国負担による月額5万円以上の最低保障年金制度の導入など、安心できる年金制度へ改善することを国に求める。

 

(6)  「高齢者」「乳幼児」「重度障害者」「ひとり親家庭」の4医療費助成制度は、現行通り継続するよう府に求める。

 

(7) 大阪市乳幼児医療費助成制度は、所得制限・一部負担金制度を撤廃し、対象年齢を義務教育終了(中学校卒業)年度末までに拡充する。また、国には制度創設、府にたいしては制度の拡充を求める。

 

(8) 子どもたちのすこやかな成長と父母が働きつづけられる条件整備を進める。

@    公立保育所の休止・廃止計画を撤回するとともに、民間委託計画を中止する。民間とともに公立保育所を増設し、低年齢児枠の拡大に取り組み、待機児の解消をはかる。

A    福保育所については、委託法人の選定が大幅に遅れたことにより、保護者らに説明してきた「保育士の引き継ぎ」等が約束通り履行できない状況になっており、20104月からの民間委託はいったん延期の措置を講じる。

B    大正南保育所は、廃止ではなく、乳幼児保育所として建て替え、公立保育所として存続させる。

C    保育所の設置基準緩和を許さず、引き上げを国に求める。

D    公立保育所の保育士配置基準をもとにもどし、民間保育所も同じ基準にする。

E    「子ども手当」創設との関係で、保育料の非課税世帯無料化制度の見直しはおこなわない。

F    給食・おやつの改善や保育時間の延長、老朽化や劣悪な施設は改修、建替えなど、保育内容と施設の改善をはかる。

G    すべての保育所に、栄養士、看護師を配置し、子どもの安静室をつくる。

H    産休明け保育を公立でも実施するとともに、共同保育所への補助額については、大幅に引き上げる。また、「家庭保育」「ベビーセンター」の費用徴収金にも「保育所の保育料減額制度」なみの減額制度を設ける。

I 保育所駅前分園について、加配保育士の配置や、実態にあった運営助成、大気汚染の調査と対策など、支援を強める。

J 乳幼児健康支援デイサービス事業の事業者を増やすとともに、補助金のあり方を実態に見合ったものに改め、大幅に増額する。

K アレルギー疾患をもつ入所児への除去食の給食を実施している民間保育所への特別の補助をおこなう。

L 「認定子ども園」については、認可保育所の基準を下回らないよう公的責任を果たす。

M 乳幼児虐待等の防止対策を強化する。

 

(9) 学童保育と児童いきいき放課後事業を充実させる。

@ 大阪市の責任で児童福祉法にもとづく公設公営学童保育を実施する。

A 小学校の空き教室の提供や補助金の増額など、共同学童保育への援助を強める。また、指導員の身分・労働条件の保証を市の責任でおこなう。

B 「児童いきいき放課後事業」については、無料制度を継続するとともに、指導員体制の強化など、内容の充実をはかる。

 

(10) 児童福祉法に定められた「児童館」を復活させ、当面、中学校区に1カ所の設置をめざす。

 

(11) 生活保護行政は憲法と生活保護法の精神に基づいておこなう。

@ 国に対して以下の項目について強く求める。

ア 生活保護基準を物価高騰に見合うよう引き上げる。

イ 老齢加算を元に戻し、母子加算は新年度以降も継続する。

ウ 医療券を医療証に改める。

A 夏季・冬季一時金、市営交通料金等割引、上下水道料金福祉措置を復活させる。

B 失業・倒産を理由とする申請に対しては、法の精神に基づいた対応をおこなう。

C 生活保護申請の意思を尊重し、区役所窓口では、法の趣旨を踏まえ、生活実態に応じた懇切丁寧な対応を徹底する。生活保護制度の「案内パンフレット」とともに申請書を置き、必要な人が生活保護を受けられるようにする。

D 実態を無視した無理な就労指導や医療受給の抑制、子どもの進学断念を迫るような人権侵害は決しておこなわない。

E 「特定健診」において「個別健診」しか認めないことや申請によらないと受診券を交付しないなど、生保者への差別的扱いは中止する。

F ケースワーカーの配置については、高齢者を差別する大阪市方式を改め、社会福祉法に定める標準数を正規職員で配置する。

 

(12) 緊急援護資金の限度額を大幅に引き上げるとともに、行政が直接貸付事務をおこなうようにする。

 

(13) 野宿生活者等の対策を抜本的に強化する。

@ 野宿生活者の定期的(月1回)な巡回相談をおこない、自立支援のための働きかけを強める。また、病弱・高齢などで就労できない人には、居宅保護を基本とした生活保護を適用する。

A 自立支援センターは、個室化するなど処遇改善し、増設する。また、入居者については、「臨時のつなぎ就労」の場を確保しつつ、職業訓練などと結び、正規雇用や長期雇用などの就労対策を援助する。

B 緊急雇用創出基金事業の拡充を国に求めるとともに、「あいりん」地域高齢者清掃事業などの抜本的な拡充をおこなう。また、公的就労の機会を保障、拡大する。

C 野宿生活者等を支援するNPO法人や民間ボランティア団体の活動を援助する。

 

(14) 障害者対策を抜本的に充実させる。

@ 国に対して「障害者自立支援法」は、以下の点について明確な制度とするよう要望する。

ア 「応能負担」の原則を貫く。

イ 障害者(児)福祉施設への報酬は「月払い」制度にする。

ウ 施設経営者の経営基盤の安定化をはかるために報酬を引き上げる。

A 障害程度区分の認定については、障害者本人の障害程度の正確な反映を期するとともに、家族の実態もふまえた認定となるようにする。

B    介護給付・訓練等給付・自立支援医療などの利用者の負担については、実態に見合ったものになるよう、次の市独自の施策を実施する。

ア 月額負担上限額を国基準より低く設定し、差額を補助する。

イ 個別減免制度の拡充をはかる。

ウ 補足給付によって手元に残る金額が、5万円以上となるよう、市が独自に補足する。

C 移動支援事業については、利用目的による制限を原則としてなくすようにする。 

D 「地域生活支援センター」へ移行できない施設等については、従来どおり、市独自の運営補助を継続し、法人認可をめざす小規模作業所にたいしては、土地の提供・貸与など、必要な支援をおこなう。また、運営助成金の大幅な増額、家賃補助などもおこなう。

E 重度・重複障害者のための通所更生施設、授産施設、福祉工場、グループホーム、通勤寮を新増設する。

F 肢体不自由児療育施設や障害児の通所施設などに、重度加算金・重症児指導費等の補助をおこなう。また、通所についても保障する措置を取る。

G 成人障害者のための生活施設を建設する。

H 「発達障害者支援法」にもとづき、市として乳幼児期からの健診等の充実で、早期発見、早期支援ができる仕組みや専門的な医療機関の確保など、必要な体制をつくる。また、「発達障害者(児)手帳」の導入を国に求め、親たちの不安と負担を解消する。

I 重度障害者見舞金を復活させる。

 

(15)  社会福祉施設利用者(児)の豊かな処遇を保障するために、民間施設の職員配置は、大阪市基準を適用し、必要な助成をおこなう。

 

(16)  市民病院を充実させる。

@ 国に対して、「医療費抑制策」の転換を求める。

A  市民病院の独立行政法人化やPFI手法、民間への売却などはおこなわない。運営にあたっては、一般会計からの繰入金を確保し、安全な医療提供体制を整える。

B 北市民病院を購入する民間医療機関に対し、小児科入院ベッドの維持や外科手術の実施など、北市民病院がこれまで担ってきた総合病院的役割を今後とも果たすよう、大阪市として要請する。

C すべての市民病院で医療の公的役割を発揮するために、緊急に医師・看護師の確保や増員をはかり、医療体制強化をすすめる手立てを講じる。とりわけ、小児科・歯科などの夜間・休日救急医療の実施、産婦人科医療の拡充などは、特段のとりくみですすめる。 

 

(17)  保健所等の機能を充実させる。

@ 保健所や保健福祉センター機能強化のため、各区の保健部門の責任者は医師をもってあてるとともに、「食品偽装」「新型感染症」等々の対策を強めるために、保健師・精神保健相談員・高齢者相談員・検査技師・衛生監視員等を増員する。また、食品衛生監視員と環境衛生監視員の兼任や統合はおこなわない。

A 地域密着型の公衆衛生活動を推進するために、現行の区役所での公衆衛生機能の強化、衛生・環境等の監視員の増員による体制強化を早急にはかる。

B 保健所とすべての保健福祉センターに、常勤の歯科医師、歯科衛生士を配置するなど、乳幼児から高齢者まで一貫した口腔保健対策を確立する。

 

(18)  市民健診や感染症対策、救急医療をさらに拡充・強化する。

@ ガン検診について、受診者負担を無料にするとともに、以下の点を創設・拡充する。

  55才以上の男性を対象としたPSA(前立腺特異抗体)による前立腺ガン検診を実施する。

イ 子宮ガン検診を年一回の制度に戻し、体部検診も対象とする。

A 妊婦健診は必要な健診をすべて公費負担にするよう国に求める。また、本市独自で健診無料を実施し、里帰り出産にも適用する。

B 結核・エイズなど、感染症対策の予算を増やし、対策を強化する。

C 新型インフルエンザ予防接種への市独自の補助制度を創設する。

D ヒブワクチン、七価ワクチンの公費による定期接種化を国に求めるとともに、市独自に助成制度をもうける。

E 救急医療の抜本的拡充を国・府に求める。

 

(19) 食品安全へ抜本的なとりくみの強化をはかる。

@ 国に対し、輸入食品の検査体制を抜本的に強化するため、食品衛生監視員を大幅に増員し、検査率を50%以上に引き上げる。また、モニタリング検査などを食品検疫にふさわしい行政検査に改善するよう求める。

A       国に対し、遺伝子組み換え食品の既存の表示義務品目だけでなく、遺伝子組み換え作物が原料に混じっているものを含め、すべて表示義務化すること、また、加工品についても、すべての原料・使用添加物・栄養成分の表示を義務化することを求める。 

 

(20)  難病治療での患者の一部負担をなくすとともに、難病患者が安心して療養できるよう支援施策の充実を国に求める。

@ 特定疾患治療研究事業については、希少性の要件を理由に補助対象を縮小しないよう国に求める。

A 議会での陳情採択にもとづき、小児慢性特定疾患患者に対する本市の医療 費助成制度を早急に具体化する。また、難病見舞金は復活させる。

B 難病患者の通院交通費の補助制度をつくる。

C 在宅酸素療法に必要な「酸素供給機器」の無料貸出制度をつくり、機器稼働電気代を公費で助成する。

D 難病患者の啓発・交流活動のために、「難病センター」の建設事業には、市未利用地などの無償提供も含め、可能な限りの援助をおこなう。

E 重度・重複障害児等で、タクシー通学の必要のある児童については、市が補助してタクシー通学を保証する。

F 「在宅血液透析」利用者への電気・水道代等の助成制度をもうける。

G 難病患者の市職員採用の窓口を広げる。

 

(21) ひとり親家庭への施策の拡充をはかる。

@ 児童扶養手当を2002年の改悪前に戻すよう、国に求める。

A 母子貸付け資金の手続きを簡素化し、利用の促進をはかる。

B 大阪市立のスポーツ施設や文化施設が利用しやすいように、ひとり親家庭割引制度をもうける。

 

2、雇用の確保・安定につとめるとともに、中小企業の経営を守る

 

(1)  消費税増税を許さないために、他の地方自治体にもよびかけ共同して国にたいして働きかけをおこなう。また、食料品の非課税化を行うよう求める。

 

(2)  大阪市の公共料金の値上げは一切おこなわない。

 

(3)  大阪市として雇用対策を強力に推進する。

@ いきすぎた本市職員の削減は中止し、過重労働による精神疾患などが生じないよう、必要な人員を正規職員として確保する。なかでも、国の基準にてらしても不足している介護従事者、看護師、教員、保育士、消防職員等の雇用の拡大をすすめる。また、嘱託職員は正規職員にし、「サービス残業」の根絶に取り組む。

A 「本市の委託業務を受託した企業や本市が発注する公共事業を請け負った企業、あるいはそれらの下請会社や孫請会社などで働く労働者や派遣労働者に対しては、市長が定める最低額以上の賃金を支払わなければならない」ことを定める「大阪市公契約条例」を制定し、官製ワーキングプアをなくすとともに、市民サービスや公共工事の質を向上させる。国に対しては、公契約法の制定を求める。

B 雇用保険法第27条にもとづく「全国延長給付」の発動、ハローワークでの「ワンストップサービス」の拡充、および、労働者派遣法の抜本的改正を国に求める。

C 正規雇用が減少するもとでパートや派遣など不安定雇用が大幅に増大し、労働者の労働条件・賃金は劣悪になっている。大阪市としても民間企業に正規雇用を強く働きかけ、労働者の暮らし安定のために特別な施策を講ずる。

D 「ネットカフェ難民」など、青年の実態調査をおこない、職業訓練、就労セミナーの開催など、就労支援を強めるとともに、職業訓練履修までの間の生活費の支援などをおこなう。

E 高卒未就職者の就労を確保するために、市は積極的に地元企業・経営団体へ協力を働きかけ、新卒者採用の地元中小企業には、補助制度を創設する。

F 企業による一方的な工場移転や閉鎖、事業縮小などにたいして、労働者のくらしや地域経済の影響などの事前調査報告をおこない、必要な場合は企業の計画見直しの義務付けを含むリストラアセスメント条例を制定する。

G 関経連・関西経済同友会・在阪大手企業などへ、「解雇4要件」の遵守および雇用確保の社会的責任を果たすよう強く働きかけ、身勝手なリストラをさせないようにする。

H  府市共同で建設業協会にたいし、建設業退職金共済制度への加入、手帳の 交付、退職金の手続きなどをおこなうよう、徹底した指導を求める。また、府市の公共事業における同制度の徹底をはかり、日雇い労働者の一定率雇用を元請に指導する。

I 離職者に対する「住宅手当緊急特別措置事業」について、周知徹底をはかるとともに、継続実施されるよう国に求める。

 

(4) 大企業などへの「ばらまき補助金」となっている都市再生産業立地促進助成制度は見直す。「大型特例」の制度は廃止する。

 

(5)  中小企業対策を抜本的に強化する。

@ 大阪市経済の主要な担い手である中小企業と個人営業者の支援を        強め、地域経済の振興をはかるために、「中小企業振興条例」を制定する。

A     中小企業、個人事業者の実態を把握し行政が適切に対応できるように、「事 業所実態調査」を系統的におこなうとともに、産業創造館などでの受発注機会拡大事業を拡充する。                              

B     各区に融資相談などの窓口を設置し、専門的行政職員を配置して指導・支援を強化する。

C     同業種・異業種交流やネットワーク化などの自主的とりくみや技術開発等に財政的な支援をおこなう。

D    産業集積ごとに、経営支援・技術支援のできる「ものづくり支援センター」をつくる。

E    「住宅リフォーム助成制度」や「小規模修繕登録制度」の創設で仕事おこしに役立つようにする。その際は、区役所などの地域単位に相談窓口を設ける。

F    中小業者への官公需発注率引き上げの目標をもち、70%以上に増やす。

G     現行の小規模事業共済制度に国庫負担を導入し、「休業補償」制度を創設するよう国に働きかける。

 

(6)  無秩序な大型店の出店を規制するとともに、商店街、中小業者への支援を抜本的に強化する。

@ 大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、改正都市計画法のいわゆる「まちづくり三法」の抜本的見直しをはじめ、大型店の出店・撤退規制をもりこんだ法整備を国に求める。また、「大規模小売店舗立地法4条指針」を積極的に活用して、必要な規制措置を講ずる。

A 商店街や個人営業者、中小小売業を「地域共有財産」とする位置づけで、地域住民の生活環境の保持と商業・文化の継承・発展をすすめるための「まちづくり条例」を策定する。 

B 空き店舗対策については、「大型空き店舗活用支援事業」等、諸施策の抜本的拡充を国に求めるとともに、財政的支援を強める。

C アーケード、カラー舗装の維持・補修・撤去への公的支援をおこなう。

 

(7)  中央市場、東部市場の活性化と卸・仲卸業者の営業を守る。

@ 中央市場の現行家賃は、深刻な消費不況のなかで経営に大きな負担となっている。賃料を値下げして、営業が続けられるようにする。

A 水道料金は各戸検針・各戸収納に是正する。

B 東部市場の建て替えにあたっては、業者の意見を十分にくみ上げる。

 

(8)  中小企業融資制度を利用しやすいものに改善する。

@ 「責任共有制度」を改善し、100%保証にするよう国に求める。

A 無担保無保証人融資の限度額を1500万円に引き上げるとともに、貸付期間の延長をはかる。また、市民税所得割の納税を義務づけないことや条件変更中でも追加融資を認めるなど、条件の緩和をおこなう。

B 事業計画書を重視した融資制度や「低利借換え可能な保証制度」の拡充など、中小企業がいつでも利用できる大阪市独自の緊急融資を創設する。制度融資は、公的融資にふさわしく、不況で苦しむ中小企業・業者を救済するという立場で審査し、信用保証協会が貸し渋りをするという事態のないよう運用する。

 

(9)  自営業者の家族従事者(業者婦人)の社会的・経済的地位の向上のために、市独自に実態調査をおこなう。所得税法第56条の廃止を国に求める。

 

(10)  生産緑地法のもとでの市内農業の保護、育成のために農家の実情に見合った農業振興策を講ずる。

@ 生産緑地内で安心して営農できるよう、日照、用水、通行等を確保するなど、生産緑地にたいする施策を積極的におこなう。

A 生産緑地の追加指定を希望する農家には積極的に指定をおこなう。

B 宅地化農地にも営農意思が確認できる限り、農業振興等を講じる。

 

3、憲法・子どもの権利条約にもとづく、子どもたちのひとみ輝く教育を進める

                                

(1)  義務教育費国庫負担率は、元の2分の1にもどすよう国に求める。

 

(2)  改定教育基本法を口実とした国による学校現場への不当な介入を許さない。

 

(3)  内心の自由を侵す「日の丸」「君が代」の押付けはおこなわない。また、「新しい歴史教科書をつくる会」などの歴史教育を歪める動きに反対し、真理と歴史の事実にもとづく平和教育をおこなう姿勢を貫く。

 

(4)  1クラス30人以下学級を強く国・府にもとめるとともに、本市独自に早期に少人数学級の実現をはかる。当面、小・中学校の全学年で35人学級をただちに実施する。障害児の在籍で、実質41人以上となる学級の解消をはかる。

 

(5)  「習熟度別授業」の画一的な押付けはおこなわない。

 

(6)  全国いっせい学力テストには参加しない。

 

(7)  「いじめ問題」の解決のために、学校での早期発見の体制と全教職員が一致協力して取り組める学校運営をすすめる。

 

(8)  学校の民主的運営を阻害する教職員の評価・育成システムは中止する。

 

(9)  教育条件整備の充実をはかる。

@ 国の公立学校施設整備費補助金・負担金の廃止・縮減には反対する。

A 学校維持運営費の縮減をやめ、必要な予算を確保して教育環境の向上をはかる。

B 老朽校舎は早急に建て替えを実施する。また、必要な耐震工事をすすめ、プール、特別教室、3Kといわれているトイレなど、老朽施設の改修をすみやかにおこなう。

C すべての教室、体育館に空調設備を設置する。

D 障害児に適した養護学級教室への改修、エレベーター・障害児用のスロー プ・階段の手すり・洋式トイレなどの設置を進める。

E プールの安全管理を徹底する。

 

(10)  学校園・地域における安全確保等をすすめるため、以下の項目を実現する。

@ 警備専任者を学校に配置する。下校時の地域住民による安全見守り活動を行政として支援する。

A     開かれた学校づくりをさらにすすめるなど、積極的に保護者や地域住民の参加を促進し、地域で子どもたちを守り育てる体制を推進する。

 

(11)  市立幼稚園に希望するすべての子どもたちが入所できるようにし、統廃合はしない。3歳児保育の実施園を拡大する。幼稚園就学奨励費の拡充をはかる。また、預かり保育は保護者負担の軽減をはかる。

 

(12)  教職員の増員と配置について

@ 教員採用を計画的に行い、正規採用教員を増やすようにする。また、定員内臨時的任用教員はなくし、すべて正規採用とする。

A 病欠・産休等の代替講師はすみやかに配置する。

B 障害児学級の教員を増員する。また、養護教諭をすべての学校に複数配置 する。                                    

C 学校図書館の充実のためにすべての学校に専任、専門、正規の図書館職員を配置する。

D 児童・生徒の実情や教育現場の実態をふまえて、公正で適正な加配をおこなう。

E 幼稚園に事務職員を配置するとともに、中学校市費事務職員の削減をおこなわない。

 

(13) 学校徴収会計手数料の保護者負担をなくすよう、銀行等に強く働きかける。保護者には転嫁をしない。

 

(14)  豊かで安全、おいしい学校給食を教育の一環としてさらに充実させる。

@ 学校給食の「民間委託」をやめる。

A 学校給食法にもとづき、すべての中学校で給食を実施する。

B 全校園に食堂(ランチルーム)を設置する年次計画をたてて建設する。

C  施設・設備の改善をすすめ、全ての学校園で自校炊飯を実施する。食器からポリカーボネイトを排除し、陶磁器製のものなどにかえる。

D 調理員の増員をはかるとともに、栄養士を全校に配置する。また、アレルギー対策を拡充する。

E 特別支援学校の給食は、障害の実態に見合った献立、調理が保障できるよう充実をはかる。

 

(15)  就学援助制度については、2008年度の改悪以前の制度にもどし、認定基準の引き上げをはかるなど、希望するすべての世帯が受けやすいものにする。「こども手当」の創設を理由とする制度の改悪はおこなわない。また、子どもの心を傷つける通知書の手渡しをおこなわず、必要な郵送料を確保する。

 

(16)  特別支援学校の教育を充実させる。

@ すべての教室、体育館に空調設備を設置するなど、医療的ケアを必要とする子どもたちが安心して学校生活を送れるよう条件整備をおこなう。

A 西大阪と東南地域に知的障害養護学校、西南地域に肢体不自由養護学校を早急に建設する。

B 貝塚養護学校は復活させる。

C 難波養護学校の校舎を早急に建て替えるとともに、入学定員枠を拡大する。

D 聾学校幼稚園部、知的障害児養護学級の教室を増設し、教室不足を解消する。聾学校の校舎、寄宿舎改築についての方針を早急に示す。

E 長谷川羽曳野学園に11直に見合う職員を確保する。中学卒業後も在園しながら高等教育が受けられるよう「学校管理規則」を改正する。

F 盲・聾・養護学校においては標準法の実態をふまえて学級編成を行い、子どもたちの障害の状況にあった教職員の加配をおこなう。

G 通学条件を大幅に改善するため、スクールバスの小型化や増車、タクシー通学の導入で30分以内の通学(自宅〜学校)を確保するとともに、添乗員を複数配置して安全の確保をはかり、緊急時に保護者と連絡等がとれるようにする。

                                     

(17)  市立高校の教育条件を拡充する。

@ 市立高校の縮小・再編、学級数の削減はおこなわない。

A 30人以下の学級(定時制20人)を早期に実現できるよう国や府に働きか       け、市独自でも早期に実施する。

B 老朽校舎、老朽施設の改善や必要なグランドの確保など、教育条件整備につとめる。また、エレベーターの設置を早急におこなう。

C 授業料減免の基準の緩和・適用範囲の拡大をする。

D 定時制高校は統廃合せず、募集定数を元にもどす。補食給食・教科書無償化を復活させる。

E 市立高校の空調費の徴収は撤回する。

F 市立高校奨学費については、月額の減額を行わず、拡充をはかる。

G 市立高校新卒生の就職問題について、教育委員会に担当窓口をつくる。

 

(18)  独立行政法人・大阪市立大学の研究・教育条件を拡充する。

@ 交付金の2割削減をやめるとともに、自由な学問・研究を保障する。

A 附属病院の安定的運営につとめる。特に、高度医療機器の更新をはじめとして施設設備の拡充をすすめる。また、看護師を確保し、労働条件を改善する。

B 教職員の労働条件の改善、福利厚生の充実をはかるとともに、教職員、学生にたいするメンタルヘルス対策を講じる。

C 授業料減免制度を元に戻し、学生の学ぶ権利を保障する。

D 2部の復活を大学に求める。

 

(19)  スポーツは「市民の権利」であることを明確にし、その振興をはかる。

@ 市民スポーツ振興のために施設、設備の建設や指導者の育成、クラブや団体への助成、スポーツ関連の生理学や医学の振興についての数値目標をもった「市民スポーツ振興計画」をたて、思いきった予算措置を講ずる。

A 小・中学校や市立高校の運動場・体育館・講堂・プールなどの施設の開放を民主的におこない、自主的なスポーツ活動の場を提供する。施設使用料は無料とする。

B 廃止が打ち出されている森之宮屋内プール、春日出・歌島・瑞光寺屋外プールは廃止せず、安全対策を講じる。

 

(20)  文化・芸術の振興をはかる。

@ 文化・芸術・芸能の専門家の活動支援を強化するとともに、小・中学校や高校の演劇鑑賞等への補助を拡充する。

A 市民がおこなう文学碑等の設置を支援する。

B 動物園は直営を継続し、博物館等は独立行政法人化をおこなわない。

 

(21)  地域図書館の「民営化」はおこなわない。また、当面、行政区2館めざして増設し、学生などの自習室を増設し、蔵書も増やす。児童図書館、地域文庫の設置をすすめる。

  

(22)   「子どもの権利条例」を制定する。また、「子どもの権利条約」の内容を児童・生徒、学校関係者に周知徹底するために全文パンフにして学ぶ機会をあたえる。

 

 

4、巨大開発優先を改め、住みよい街づくりを推進する

 

(1)  WTCへの府庁移転をテコとした淀川左岸線延伸部、なにわ筋線、JR桜島線と地下鉄四ツ橋線の延伸などの交通インフラ整備は中止する。

 

(2) コスモスクエア地区に企業を誘致するための過度な優遇策はおこなわない。

 

(3) 夢洲の先行開発地区に先端産業を誘致するための土地造成と基盤整備に60億円を投じることはやめる。夢洲の土地利用については、大阪港の浚渫土砂や廃棄物を長期に受け入れる最終処分地として活用し、緑豊かな緑地とするなど、地球環境にも役立つものに転換する。

 

(4) WTCの破綻問題では、歴代市長や経営陣の責任を明確にし、市民負担を最小にとどめるよう力を尽くす。

 

(5) USJ周辺区画整理事業の保留地は地権者大手企業やUSJなどに買収を求める。大阪市が欠損金をかぶることのないよう、大企業・地権者に応分の負担を求める。

 

(6) 関西国際空港へは、いかなる名目であってもこれ以上の公金投入はおこなわない。

 

(7) オスカードリームの契約解除問題では、受託銀行の責任において解決をはかる。

 

 (8)  咲州トンネルは無料にする。

 

(9)  JR梅田貨物駅(北ヤード)の移転には反対するとともに、北ヤード移転を前提にした「大阪駅北地区」開発の推進は中止する。その上で、緑のオープンスペース、震災避難広場としても活用できるようにする。

 

(10)  小学校・区役所跡地など、市有地を民間に切り売りする計画は中止し、社会福祉施設や文化・スポーツ施設などの建設用地として有効に利用する。

 

(11)  テレビの地上テジタル化事業にかかわる対策を強める。

@ 共聴施設の整備・改修・維持管理については、国の責任で行うよう求める。

A 受信側の準備が十分に整うまでは放送の打ち切りを延期すること、および、 低所得者への助成の拡充を国に求める。

B UR住宅の受信障害については、早急に対策を明らかにするようURに求める。

 

(12)  市営住宅について。

@ 建て替え時に戸数減は行わず、市営住宅を「当面5年間に15000戸」新たにふやす計画をたてる。なかでも、福島区中央区西区など、市営住宅のない行政区には優先的に建設する。建て替え用地の民間への売却はやめ、市営住宅の建設にあてる。

A 市営住宅に市の責任で消火器を設置する。居住者の要望に基づき、エレベーター内の防犯カメラの設置やピッキング対策など防犯対策を強化する。エレベーター閉じ込め事故の再発防止対策を強化する。

B 水道の水圧・電気容量不足、風呂の設置などの改善をすみやかに進める。駐車場の複層化も進める。

C 単身者向け住宅や子育て支援の募集枠を増やし、父子家庭の募集枠を新設する。

D DV被害者が適切・早急に入居できるよう、関係機関に働きかける。

E 市営住宅の維持管理、バリアフリーの推進など、補修予算を拡充する。共用部分の維持管理は、市の責任でおこない、高齢化の進んだ自治会に依存しない。

F 市営住宅附帯駐車場については、介護・医療・来客などのための一時駐車をはじめ、必要なスペースの確保、運営のシステムを団地自治会と協議し、再構築する。

G 市営住宅の福祉減免制度の改悪はおこなわない。また、市営特別・特定賃貸住宅で減免制度をつくる。滞納者にも適用するよう制度を改善し、制度そのものを周知する。

H 家賃の滞納世帯については、機械的な対応は止め、分納期間を延長するなど、安易な強制執行はしない。

I 11回落選特別措置は存続する。

J 同居人の地位継承については、従来どおり制限をもうけない。

K 市営住宅で「孤独死」をおこさないよう、ケア付住宅などの拡充をはかる。

L 市営住宅の耐震診断を実施し、結果を公表するとともに、耐震改修工事の計画を策定し、すみやかに実施する。

 

(13) マンションなど、民間住宅への援助を強め、安心して住み続けられる街にする。

@ 良好な住環境のもとで暮らすことを住民の権利として認める「住宅条例」をもうけ、ワンルームマンションの建築規制や大規模開発業者に住環境の維持・向上を義務づける。

A 大阪市日影規制条例を実効あるものにする。最低限、他の政令指定都市の大部分で行われている近隣商業地域、及び、第1種住居地域、第2種住居地域・準居住地域における指定容積率300%の区域においても日影規制を実施する。景観法を活用し、調和のとれた街づくりをすすめる。全市的に用途地域の見直しを早急におこなう。

B 「建築計画事前公開制度」を実効あるものにする。近隣住民との協定締結を義務づけ、建設を強行しないよう求める。

C 新婚世帯向け家賃補助制度は、当初の補助額にもどす。また、適用期間内であれば、いつでも申し込めるようにするとともに、年齢制限や所得制限など資格要件を緩和し、活用しやすい制度に改善する。子育て世帯向け分譲住宅購入融資利子補給制度は、拡充するとともに、引き続き実施する。

D 高齢者、障害者、母子・父子家庭、非正規雇用など低賃金のために家賃が払えない若者や失業者のための家賃補助制度を創設する。

E 建て替え支援など、民間分譲マンション居住者への援助を強める。

ア 大規模修繕、駐輪・駐車場の増設、集会所の新設及び改築や地上デジタル放送にともなう受信設備改修などへの助成制度をつくる。また、階段手すりやエレベーター設置など、バリアフリー化の助成制度をつくる。

イ プレイロットや集会所・通路・道路など、共有地への固定資産税・都市計画税の減免制度の拡充と条件緩和をおこなう。

ウ 水道メーターの水道局への移管を望まないマンションには補助制度をつくる。

エ 防犯カメラの設置補助制度は、エレベーターや駐車場などにも設置できるよう要件を緩和する。

 

(14)  国に対して、UR賃貸住宅再編、雇用促進住宅廃止などを見直し、公的責任を果たすように働きかける。

 

(15)  震災に強い街づくりを進める。

@ 耐震診断・耐震改修工事補助制度は、地域制限の撤廃や補助金の増額、高齢者・障害者や低所得者への上乗せなど、抜本的に拡充する。また、家具固定器具や金具を高齢者・障害者や低所得者に配布する事業を創設する。

A 南海・東南海地震等に備え、防潮堤や水門の補強など、津波対策を強化する。公共施設の耐震強化を直ちにおこなうとともに、緊急避難場所となる施設はもちろん、すべての公共施設を震度7に耐えるものにする。

B耐震性地下貯水槽の大幅増、避難路・避難場所の確保と整備など、即応体制を確立する。

C 住宅用火災警報機の設置義務づけにともない、悪徳業者による被害が出ないよう対策を講じる。高齢者や低所得者に対する補助制度や無償貸与制度をつくる。国に対しては、設置義務者を明確にするよう求める。

D 個人補償の支援対象の範囲を半壊以上にし、店舗兼住宅も含める。1000万円規模の個人補償に引き上げる。被害認定のあり方を見直すなど、被災者支援法のいっそうの改正を国に求める。

E 6次配水管整備事業のスピードアップをはかるとともに、貯水池の全市的増設など耐震計画の具体化をはかる。

F マンション等の耐震強度偽装問題をふまえ、建築指導行政を強化する。

ア 市民からの相談や建築確認の再検査等の要求に対応できる窓口を設置する。

イ 1999年以降の大阪市内の建築物について、「構造計算書」の偽造などの不正がなかったかどうかを調査し、安全性を確認する。

ウ 民間機関からの建築確認報告をチェックできるよう、都市整備局建築指導部審査課の体制を強化する。

エ 民間の指定検査機関が建築確認をおこなう場合、自治体は簡単な報告を受けるだけという現行建築基準法の改善を国に求める。

G 市内のエレベーター・エスカレーターをデーターベース化し、検査体制を抜本的に強化する。

 

(16)  消防力、救急体制の強化をはかる。

@ 悲惨な「個室ビデオ火災事件」の教訓をふまえ、物的・人的・法的に抜本的な施策の充実をすすめる。

ア 猛煙・熱気等に対する救急体制の強化として、新機材を拡充する。

イ 建築基準法や消防法令上の不備を是正するため、早急に国に強く働きかけるとともに、市独自に条例制定等の措置をとる。

A 「消防力の基準」の達成めざし、消防自動車や100人以上の職員を増やす。また、経費削減案は撤回する。

B 救急隊は、消火隊との兼務をやめるなど、救急体制の強化をはかる。また、救急車の有料化、通報段階で患者の緊急性を選別・切捨てすることはおこなわない。

C すべての公共的施設に自動体外式除細動器(AED)の設置を急ぐ。

D 消防音楽隊を復活して、育成強化し、活用の場をもっと広げる。

 

(17)  「バリアフリー社会」を築くための施設・設備の改善を急いでおこなう。

@ 地下鉄駅の安全対策のために、ホームドアや可動式ホーム柵をすべての路線に設置する。

A ノンステップバスなどを増車し、車内の段差をなくするよう改善する。バス停付近・乗降口に障害がないようにする。

B バスの乗り継ぎや終点など主要なバス停に車椅子トイレを増設する。

C 対策の遅れているJRには、強力な指導を国に要請するとともに、市長自らも申し入れをおこなう。

 

(18)  浸水対策としての「1時間60ミリの雨」に対応できる幹線網の整備など、抜本対策を強化する。また、事業所や床下浸水世帯にも見舞金支給や税の減免などの措置を講じる。

 

(19) 地下鉄・地下街の耐震・水害対策を強化する。

 

(20)  大気汚染防止対策を抜本的に強化するとともに、公害被害者に対する新しい救済制度を早期に確立する。

@ NO2環境基準の達成目標値は0.04ppm以下とする。また、PM2.5(微小粒子状物質)については、国が決定した基準値を大阪市としても確認し、その実現のために全力をあげる。

A NO2環境基準達成のために、大規模事業所の保有する自動車を対象に排ガス総量規制をおこなう。NO2CO2を排出しない交通手段として自転車の活用を位置づけ、車中心の道路行政から、人・自転車・車の調和のとれた道路行政に転換する。

B PM2.5対策を強力に推し進めるために、その現状を正確に把握するための測定機器と測定点の選定を適切におこなうと共に、そのデータ集積と解析、対策を責任を持っておこなう。

C 未認定・未救済の公害健康被害者を救済するための新しい制度の実現につとめる。そのためにも患者の声を十分聞き、その実態を把握する。

D 現行の大阪市小児医療費助成制度については、その一部負担金制度を撤廃する。

E ぜん息を理由に解雇されたり、正社員としての就職を拒否されることのないよう、公害患者が安心して働き続けられる社会的ルール作りに大阪市としても積極的に取り組む。

F 大阪市環境基本条例と大阪市環境アセスメント条例は、市民の健康と環境を守る、さらには国際的課題になっているCO2削減という視点に立ってより実効性のあるものに改正する。

 

(21)  土壌汚染対策法の趣旨にもとづき、市民からの調査請求権を盛り込むなど、実効性のある大阪市条例を制定する。

 

(22)  「環境先進都市」実現のために、2015年度までのゴミ排出量110万トン目標の達成にむけて以下のとりくみを強化する。

@ 3R(発生抑制=リデュース、再使用=リユース、再生利用=リサイクル)を徹底する。

ア リユース、リサイクル情報などの広報活動をおこなう。

イ 分別品目の拡大でリサイクル率を向上させる。

ウ 事業系ゴミは、再資源化が可能な紙類等のゴミの受け入れ中止、資源化ルートへの誘導、清掃工場搬入時の点検強化等をおこなう。

エ 乾電池、蛍光管などの回収拠点を増やし、缶・瓶・ペットボトルの分別収集強化や容器包装以外のプラスチックについては可燃ゴミとせずに資源化をすすめる。

A 古紙回収活動や資源回収活動への啓発や助成の増額をおこない、草の根からのリサイクル運動をすすめる。

B 不法投棄対策を強化する。

C 温室効果ガス削減の観点から「焼却中心主義」を見直す。ゴミ減量推進の誘導策としてゴミ焼却工場の廃止を位置づけ、ゴミ減量目標とその実績推移にもとづき計画的に暫時廃止を検討していく。森之宮ゴミ焼却工場は、市民協働によってゴミを激減させる推進力として廃止し、建て替えなどはおこなわない。

D ゴミ行政のあり方について行政と市民の徹底した話し合いの場をもち、市民協働でゴミ減量をすすめる。そのために必要な人的、物的体制を確立する。

 

(23)  アスベスト対策を強化して、市民の健康を守る。

@ アスベストの健診を復活させる。

A 解体時のアスベスト飛散防止対策を強化する。

B 民間建築物等のアスベスト撤去費用について、「大阪市環境保全設備資金融資」(アスベスト除去公示等)の復活や補助を充実させる。

 

(24) 地球温暖化・ヒートアイランド対策を抜本的に強化する。

@ 本市のあらゆる施策について、温室効果ガス削減の観点から総点検をおこない、是正する。

A 京都議定書で定められた目標に見合うCO2排出量削減計画を設定する。

B 「熱帯夜日数」削減目標を定める。

 

(25)  阪神高速道路淀川左岸線1期区間には国が実用化した脱硝装置を取付ける。阪神道路公団が不採算路線だとした淀川左岸線2期計画を街路事業として建設することは中止する。淀川左岸線延伸部は計画をやめる。

 

(26)  阪神高速道路西大阪線の安治川から大正西区間の料金を無料にするなど、43号線の渋滞緩和と沿線の環境改善をはかる。

 

(27)  学校周辺などへの「ラブホテル」の進出を許さないために、規制を強め、実効ある条例を制定する。当面、現行条例を最大限活用して、計画・建設段階から監視を強め、日常的に抜き打ち調査等を実施し、「偽装ホテル」への指導を徹底する。また、大阪府との連携を強化し、「風俗営業法」等の改正も活用し、関係機関への告発もおこなう。

 

(28)  公園や緑の空間づくりを積極的にすすめる。

@ 「緑比率15%」をめざして緑の空間を大幅に増やす。一人当たりの公園面積を7uにおいた計画を具体化し早期の実現をはかる。

A 街路樹を大幅に増やし、環境にやさしい街並み、温暖化対策をすすめる。

B  景観三法にもとづき、公共施設や公共スペースなどは、屋上等も含めて緑の空間を大幅に増加させる。                                     

C 利用者や地域住民の意見を汲み、公園に街灯・トイレ・時計・チャイム・ ベンチ・水道設備などを設置、拡充する。また、子どもたちが気軽にボール遊びができる広場をつくる。

D  公園の遊具については、子どもたちの安全を第一に管理する。そのために系統的な定期点検と専門家による点検をあわせておこない、遊具に点検シールなど貼り付ける。また、安全な利用法を掲示する。

E 公園周辺の駐車場については、季節を問わず、市民ニーズに応え、利用時間の弾力的な運用をはかる。

F 公園用地などの計画決定においては、公園化の実現まで長期にわたる見通しの場合、地権者とよく話し合い、意向をくみ上げて善意の協力を無にしないようにする。 

G 市域全体の緑を増やす貴重な空間である「都市計画緑地・正蓮寺川公園」18.8ヘクタールは、地元要望の「桜千本並木」「花と緑と水の公園」などを取り入れた市内有数の公園として整備する。

 

(29)  条例路線の地下鉄建設を推進する。特に、8号線今里以南を早期に着工する。

 

(30) 地下鉄の乗車混雑率の高い時間帯には、可能な増便をはかる。

 

(31)  すべての地下鉄駅に、定期券の自動販売機を設置する。 

 

(32)  市バスの更なる民間委託はおこなわない。

 

(33)  バス路線の切り捨ては行わず、高齢者などにも配慮したきめ細かなバス路線の新設・拡充をはかる。赤バスの運行については、“廃止先にありき”ではなく、地域利用者、住民の声を尊重したものにし、運行を継続する。運行コース改善や回数を増やし、利便性を高め利用者の増加を目指す。

 

(34)  各駅や市場・商店街の周辺に自転車置場を設置する。有料駐輪場の利用料の減免制度を拡充する。サイクルサポーターを大幅に増やし、不法駐輪が集中している駅などに配置する。

 

(35) 道路交通法、駐車場法の改定によって設置の必要性が強まった二輪車の駐車場の整備を推進する。

 

(36)  大企業いいなりの経済効率優先の街づくりを許さない。歴史と文化のかおる大阪市を創る。下町に残る町並みの保存や自然環境の保全や修復をめざす対策をとる。ホープゾーンの助成措置の対象を拡大し、支援策を抜本的に強化するとともに、地区計画や景観条例などを活用し、無秩序な開発を防止する。

 

(37)  生活道路等の補修予算を増額するとともに、私道上でも必要な箇所には道路照明灯を設置し、現在町会に負担させている防犯灯の電気代等は大阪市が負担する。

 

(38)  大和川等市内河川の浄化プランをつくり、上流の「流域下水道対策」については国と府の責任で強力にすすめることを求め、計画的に実施する。

 

(39) 橋下知事が道州制ありきで進める水道事業の府市統合協議は中止し、府民・市民双方の利益となる府市協力について話し合いを進める。

 

(40) 水道料金は、現行逓増制料金制度を維持する。この間生み出されている収益は、管路の耐震工事などに優先して投入する。数年後の琵琶湖総合開発の償却終了を視野に入れ、水道料金値下げを検討する。

 

 

5、「同和行政」を完全に終結する

 

(1)  人権行政の名の「同和行政」は廃止し、一般行政のなかでの同和の特別扱いはしない。同和行政終結宣言をおこなう。

 

(2) 新たな「同和」施設となる「市民交流センター」は、設置しない。

 

(3)  人権協会への同和未利用地や駐車場の管理など、いっさいの事業委託や指定管理者選定をやめ、人権協会との関係を断つ。

 

(4) 旧ふれあい人権住宅の空き家は、早急に公募する。

 

(5) 「同和」未利用地はすみやかに売却する。

 

(6)  人権博物館・部落解放人権研究所など、「解同」主導の施設・団体への委託・助成を廃止する。

 

(7)  教員の「同和」加配を直ちに改める。また、「人権教育」の名による同和教育を廃止する。大阪市人権教育研究会への優遇処置はやめる。

 

(8)  「解同」が主導する研究集会への職員派遣や庁内での「人権研修」をやめる。

 

 

6、平和施策を推進し、清潔で市民に開かれた市政にする

 

(1) 自衛艦や米艦船など、軍艦船の大阪港入港は認めない。万やむを得ない場合は、外国艦船に対して、「非核証明書」の提出を義務づける。当面、「核密約」問題が解決されるまでは、入港を認めない。

 

(2) 二度と核兵器による犠牲者を出さないよう、被爆の実相の普及、反核・平和問題についての社会教育の取り組みを援助する。核実験全面禁止と核兵器廃絶の国際条約の締結に向けた取り組みを展開する。

 

(3) 自衛隊からの自衛官等の募集「協力」には、大阪市として、きっぱり応じられないことを表明するとともに、募集に関する事務はおこなわない。

 

(4) 「ピースおおさか」の削減した予算を元に戻し、歴史の真実を学問的にきわめる立場で学芸員を複数配置するなど充実させる。

 

(5) 政・官・業の癒着構造にメスを入れる。

@ 公共工事の入札については、入札参加業者を増やすなど、透明性・公平性・競争性を高める。

A 企業との癒着との批判が強い幹部職員の関係企業・外郭団体への「天下り」を規制する。

 

(6) まちがった地方行革を進めてきた「構想日本」による「事業仕分け」のやり方は見直しする。

 

(7) 大阪市版「市場化テスト」、とりわけ、区役所窓口での証明書発行業務の民間委託は中止する。

 

(8)  外郭団体等の補助金や運営を厳しく見直す。外郭団体役員の大幅な縮減と給与の公表と適正化をおこなう。

 

(9)  各種審議会や行政委員会を全て公開すると共に、事前に「市政だより」などで審議会の開催を知らせる。選任は公正なものにし、幅広く市民の声が反映されるようにする。女性の委員数も増やす。

 

(10)  大阪市の資産公開条例は改正し、企業・団体献金禁止を明記するとともに、市長及び議員の資産公開制度も自治省が示した準則の範囲にとどまらないで公開の対象と範囲の拡大、「審査会」の設置、市民の審査請求権の保障などを盛り込む。

 

(11)  議会選出の監査委員は全会派から公平に選任する。民間の監査委員も、法と民主主義に立脚し、厳正・公正に監査できる見識のある人物を選任する。選任手続きも民主的なものにする。

 

(12)  市民の身近な要求は区役所窓口で実現できるように区役所や局の出先機関に独自の予算を増やし、職員体制も整える。また、区長に予算要望権を付与するなど区役所機能を強化する。

 

(13)  区役所ロビーで市議会のテレビ傍聴ができるようにする。

 

(14)  「指定管理者」の選定にあたっては、給与など労働条件も評価項目に加える。経費節減の名で、公の施設の目的・精神をゆがめたり、市民サービスと安全を低下させることはしない。