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市議団の実績


2001年5月25日市議会本会議での山中智子議員の討論

 国保会計の修正を求める

私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第110号「平成13年度大阪市国民健康保険事業会計補正予算」に対する修正を求める動議についてご説明をいたします。
 動議の内容は、国民健康保険料を10%値下げし、その財源は、国庫補助金の増額でまかなおうというものです。
 以下提案の理由を申し上げます。

 提案理由の第一は、保険料が、市民の負担の限界を超えていることが明瞭だからです。長引く不況のなか、市民の暮らしは深刻さを増しています。それなのに、大阪市は昨年度、国民健康保険料を3%、一人年額2,402円の値上げをおこないました。昨年度は介護保険が導入された年であり、介護保険料分とあわせれば、21.4%、一人年額17,900円もの値上げとなったのです。
 相次ぐ保険料の値上げの結果、1995年度は92.62%だった保険料の徴収率は、1999年度は87.34%に、2000年度はさらにそれを0.5ポイント下回ることが予想されています。そのため、徴収率が下がると交付金をカットするという国の不当なペナルティーによって、本来入るべき国庫支出金が18億円も減らされているのです。昨年の大幅な値上げがいかに間違いであったか、はっきりしているではありませんか。にもかかわらず、大阪市は、今年度も、国民健康保険料を3%、国保加入の第2号被保険者の介護保険料を7%、あわせて、1人あたり3,463円の値上げを強行しました。
その結果、大阪市の国民健康保険料は、3人家族の場合、年所得300万円では、319,224円、所得に占める比率=負担率は10.6%、年所得400万円で負担率は11.8%というものになりました。所得の1割を超える保険料など、とうてい払えるものではありません。ご商売の人の多くは、この不況で月の大半仕事がないのにと、保険料の納付書を見て途方にくれておられます。そのうえ、介護保険第1号被保険者の方は、10月から介護保険料が倍になる、まさにダブルパンチで、相次いで届いた納付書をにぎりしめ、わずかな年金でどうしてこんなに払えるのか、年寄りは死ねというのかと、驚きと怒りに震えておられます。こういう方たちの怒りや苦情、悲鳴で区役所の窓口はパニックです。払いたくても払えないのです。だからこそ、保険料業務センターをつくって夜間や休日の取り立てをおこなうなど、徴収事務の強化に血道をあげても、収納率は上がるどころか、むしろ下がっているではありませんか。
徴収の強化だけでは、問題が解決しないことは明白です。これまで繰り返してきた、赤字が出れば保険料を値上げし、値上げによって滞納が増え、それが赤字を拡大し、また値上げを招くという悪循環を、いまこそ断ち切るときです。そのために、10%値下げをして、昨年度の値上げより以前の水準に戻すことを提案するものです。
 提案理由の第二は、国民健康保険法にうたわれているように、国保会計の健全な運営に国が責任を果たすべきだからです。だからこそ、提案は、その財源を、国庫支出金の増額に求めているのです。
 国保会計赤字の最大の原因が、国庫補助の削減にあることは明らかです。退職者医療の導入の際、国の負担率が医療費の45%から38.5%に削減され、本市国民健康保険会計の歳入に占める国庫支出金の割合も1982年の58.3%から、今年度の予算では40.5%に激減しています。しかも、国は高すぎる保険料を払えない人が増えて収納率が下がると、追い討ちをかけるように普通調整交付金を減らすという不当なペナルティーを続けています。その額はペナルティーが課せられた1997年度、98年度、2000年度の3ヵ年で総額40億円近くにのぼっているのです。
 国によるこれらの措置が、どれだけ国保会計に打撃をあたえ、必死で保険料を払っている被保険者を苦しめているかを考えるとき、これまでのように国に対して要望をするという生やさしい対応ではなく、まず市自らが、負担の限界を超えていることを率直に認めたうえで、市民の命と健康に責任をもつものとして、国にたいして、市民の実態をつきつけ、補助率をもとに戻すとともに、不当なペナルティーをただちにやめるよう、強く迫るべきです。以上、議員各位のご賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明といたします。