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市議団の実績

国保料1人当たり1万5千円の値下げを提案
大阪市議会本会議で 渡司考一議員

渡司考一市会議員

2003年5月28日

 5月28日に開かれた大阪市議会本会議で、日本共産党大の渡司考一議員は国保料の一人当たり1万5000円値下げの提案をおこないました。自民、民主・民友、公明など与党はこれを否決しました。


 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第 82号「平成15年度大阪市国民健康保険事業会計補正予算」に対する修正を求める動議について御説明いたします。動議の内容は、国民健康保険料を加入者一人あたり年1万5000円、約17%値下げし、その財源は国庫補助金の増額で賄おうというものです。
 当局提案は、繰上充用の財源を半額で156億円を国庫補助金に求めています。理由はのちほどのべますが、この措置は当然のことであり、わが党の提案は、こうした考えを繰上充用全体に広げ、312億円全額を国庫補助金とするものです。そして、本案にある保険料部分156億円については、これを本年度の保険料減額のために措置をするという修正案で、本市提案に対応したものであります。
 提案理由は、現在の保険料が払うに払えな重いものになっていますので、可能な限り引き下げるべきだと考えるからであります。
 長期の不況によって市民生活がなお一層深刻になっているにもかかわらず、大阪市は、2003年度も国保料を3%、1人年額 2588円円引き上げ、介護保険料金分と合わせれば5.5%、1人年額5640円もの値上げを行いました。毎年の値上げによって国保料は市民にとって耐え難い金額になっています。この間保険料の収納率はどんどん下がり続け02年度は前年よりもさらに1ポイント程度下がり85%台と健康福祉局は答弁しています。また、なんらかの形で滞納せざるをえなくなっている世帯も99年の約11万4千世帯から2001年度では13万3千世帯へと急増しています。大阪市が国民皆保険制度の大原則のもとで本来やるべきではない、短期証や、資格証の交付までおこない、かつてなかったような納付指導をおこなっても収納率が1995年から一貫して下がり続けている背景には未曾有の長期不況と同時に保険料が毎年値上げされ、負担が大きくなっていることが主たる原因であることはあきらかであります。
 大阪市の国保料金は、02年度で3人家族で計算すれば年所得 100万円で9万 7,743円、所得に占める比率は9.77%、 200万円では17万 1,679円、8.58%、 300万円では34万 6,679円、 11.56%、所得が 400万円になりますと約53万円の保険料、負担率は実に13.04%となるのであります。保険料負担に加え年金保険料や所得税・市府民税をくわえると相当な金額になります。滞納世帯の平均は全体で約22%ですが所得にしめる保険料の割合が高いほど滞納世帯の比率が高くなっています。所得300万円超400万円以下の世帯では滞納世帯が実に33%にものぼっています。大阪市は連続する収納率悪化の原因が保険料の値上げにあり、いまや市民がそれに耐えきれない状況にあるということを深く認識すべきであります。
 保険料値下げの財源を国庫補助金に求める理由は、
 第1に国民健康保険法では第一条で、この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。と定め第四条で国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない。と国の責任を明確に定めていますから、当然のことであります。
 第2に国保会計赤字の多くが調整交付金の不当なペナルティによる部分が大半を占めるからであります。健康福祉局は保険料収納率低下による調整交付金の減額が累積で78億円になると答弁しましたが、これ以外にも本来、国がやらなければならない乳幼児医療費助成制度はじめ、高齢者、母子、障害者これらの助成制度をおこなっているという理由で、こうした制度をおこなっている自治体を支援しないばかりか、いわば見せしめ的なペナルティを課しています。その金額は2001年度だけでも16億円の交付金減額となっており累積額は10年間だけでも単純計算で160億円にものぼります。これらの措置は前述の国民健康保険法の趣旨に反する事はもちろん、いわば「国家的いじめ行為」であり、あってはならない事であります。
 第3に我が党が毎年指摘しているように退職者医療制度導入に伴う国庫支出金の大幅な削減であります。1984年に医療費の45%であった国庫支出金は、38.5%へと大幅に減らされました。これが当時と同じ比率の負担割合であったならば、大幅な増収となり、赤字を計上しないで、国保料金も大幅に値下げが可能であることは当然であります。大阪市はこの影響はすでになくなったとしていますが、実際に歳入に占める国庫補助の割合はこの間激減しているのであり負担率を元に戻すよう求めるべきであります。

 大阪市は5つの第3セクターの再建のためにプロジェクトチームまでつくり公金貸し付けの分を出資に振り替えたり、銀行に対して損失補償をおこなうなどして支援を考えていることが伝えられていますが、言語同断であります。こうした手厚い支援は市民の4割が加入する国保会計にこそおこなうべきであります。
 大阪市が今議会に提出すべき補正予算は、公共事業でのムダを見直し、国保への一般会計繰入金を増額して、保険料を値下げする。そして、だれもが払える保険料に、社会保障にふさわしい保険料に近づける。そういう内容であるべきであります。そうした努力もしない本補正予算案は認めるわけにはいきません。
 大阪市の国保事業を安定させるためには、国が国保事業を初めとする社会保障にしっかり予算を振り向けるよう、市民とともに国に要求していくことが求められていると考え、本提案をいたしました次第であります。以上、議員各位の御賛同をお願い致しまして、提案理由の説明といたします。