|
市情報公開条例・市会情報公開条例改正案への修正提案 5月27日本会議で瀬戸一正議員 |
瀬戸 一正市会議員 2005年5月27日 |
大阪市議会 情報公開条例の改正案可決 3公社を公開対象 共産党「原則公開」の修正案
|
以下が瀬戸一正市会議員の討論の全文です。 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、大阪市情報公開条例を改正する条例案ならびに大阪市会情報公開条例を改正する条例案に対する修正案について説明と提案理由を申し上げます。 この修正案は、市民の知る権利を保障し、大阪市や市会事務局の保有する公文書の公開をいっそう促進するために、大阪市情報公開条例ならびに大阪市会情報公開条例における公文書の公開の原則をさらに明確に規定するとともに、実施機関に市長の指定する出資等法人を加え、そして不服申し立てを審査する情報公開審査会の委員を一人以上は公募によって当てることを新たな修正点として提案するものであります。 以下、修正案の主な内容と理由を申し上げます。 まず第一の修正点は、大阪市情報公開条例の前文は情報公開に当たっては「公開を原則とすること及び個人に関する情報は最大限に保護すること」を基本とするとしておりますが、これを「大阪市の保有する情報は公開を原則とすることを基本として」に改めることであり、あわせて同趣旨を条例本文に盛り込むために、第3条の「公文書の公開を請求する権利を十分尊重するとともに」に続いて、「大阪市の保有する情報は公開を原則とすることを基本としつつ」の文言を加えるように改めることであります。 この修正は、大阪市や大阪市会事務局の保有する公文書は、市民が知る権利を行使してその公開を求めた場合には、原則これを公開するという本情報公開条例の理念を明確にするためのものであります。 昨年来明らかになった一連の大阪市の職員厚遇問題だけでなく、三セク会社の経営破綻にさいして特定調停によって巨額の公金が投入された問題などをつうじて、今大阪市政は市民の信頼を大きく失っていることは、論を待たないところであります。こうした市政の破綻とも言うべき事態にいたった背景の一つとして指摘されているのが、全国の政令市のなかで二年連続して最低ランクにあるとされた大阪市の情報公開度であり、市政改革本部の活動方針も「全国でも遅れた部類に属する」としました。 今回の市長提案の改正案は、情報公開対象に新たに住宅供給公社等地方3公社を加えることと、一度公開決定等をした公文書の取扱いを改善したことなど数点の改正を除けば、「市職員に情報公開に意を用いる責務」を課したことと、「市長は、適正な解釈・運用を確保するため、必要な措置を講ずるものとする」との新たな規定を盛り込む2点だけであります。果たしてこれで大阪市の情報公開が抜本的に改善されるのかと言えば、それは市長の今後の運用に待つしかないということになるのであります。 大阪市はこれまで市民の情報公開請求に対して、「大阪市の保有する情報は公開を原則とする」となっているが、一方で「個人に関する情報は最大限に保障する」という原則もある、この二つが基本だとして、例えば市長交際費のように個人の氏名が特定できるようなものはその多くを非公開にしてきました。しかし市長の公職の重要性を考えるならば、交際費支出相手先の個人の氏名が記載されてあっても公開すべきことは明白であります。我が党が提案している修正点の第一は、前文でうたう情報公開条例の理念については、市の保有する情報はこれを公開することを原則にするという点をまずはっきりさせること、そしてそれを条例本文にも書きこむことであります。個人情報の保護については、条例の第3条に「個人に関する情報の保護について最大限の配慮をしなければならない」と記されている訳でありますから、これで十分足りるのであります。 第二の修正点は、情報公開条例の対象を外郭団体等にさらに広げるために、今回市長が提案されている、大阪市住宅供給公社、大阪市道路公社、大阪市土地開発公社のいわゆる地方3公社に、市長の指定する出資等法人を加えるよう改めることであります。 特定調停にいたった三セク五社を含め、本市が資本金等の2分の1を超えて出資したり、多額の貸し付けを行ったりしている法人や、市が本来行うべき業務を事実上肩代わりさせてるような市政と密接な関係にある外郭団体の情報を公開せよというのは今、市民の強い声であります。これらの大阪市が出資等している法人の経営状況が本市の財政を破綻しかねないところまでに来ていることや、今後の市政改革において今まさに公金が正しく使われているのかどうかが焦点となってるときに、市の公金が多額に支出されている、市と密接な関係にある出資等法人、いわゆる市の外郭団体を情報公開の対象に加える事は緊急に求められていると言わなければなりません。大阪市は、外郭団体は市から独立した団体であり、財団法人法や会社法などそれぞれの法律に基づいて設立されていて難しい点もあるなどとしていますが、地方自治体を監督する立場にある総務大臣が「それは地方が決める問題だ」と国会答弁しているのであります。工夫をすればできることであります。 第三の修正点は、情報公開条例の非公開等の決定に不服を申し立てがあった案件を審査する大阪市情報公開審査会の審査委員のうち一人以上は、市長が行う公募に応じた者のうちから選ばなければならないことを付け加えるよう改めることであります。 理事者は今回の条例改正案について「市長が今後講じる措置の中では公開・非公開に先立って学識経験者などの意見を聞くことも行って情報公開をすすめる」と答弁されましたが、本来公開・非公開の決定は行政が主体性をもって判断するべきであり、決定の前に外部にお伺いを立てるかのようなやり方は本来のやり方ではありません。大切なのは行政が行った決定について不服申し立てがあった場合にこれを審議する審査会が、公開決定について市と異なる意見にも耳を傾け、市民の目線に立つ意見もよくきいて正しい判断をすることであります。市長が任命する審査会委員を市長が公募したものの中から1名以上採用するというのは、そのための知恵であります。 以上、今回の修正点は今緊急に必要な最小限のものにしぼりました。また大阪市情報公開条例改正案にたいする修正点を主に説明しましたが、大阪市会情報公開条例改正案にたいする修正点はこれとまったく同じ趣旨のものであることを申し上げ、修正案の議員各位のご賛同を心から期待して、提案説明といたします。
|