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市議団の実績

100条(調査特別委員会)設置提案

6月2日本会議で下田 敏人議員

職員厚遇ヤミ専従 共産党の百条委設置提案 自、民、公が否決

         (しんぶん赤旗 2005年6月3日掲載)

日開かれた大阪市議会本会議で日本共産党市議団は、市民が真相解明を厳しく要求している職員「厚遇」問題や「ヤミ専従」問題などを解明する百条委員会の設置を提案しました。無所属議員は賛成しましたが、自民、民主、公明の反対で否決されました。

日本共産党は下田敏人議員が提案理由を説明。@条例などに基づかないヤミ退職金・年金制度がどのようにつくられたのかA1998年のカラ超勤裁判に関する大阪高裁の和解で、市長(当時)が二度と不適切な給与の支給をしないと約束しなから、なぜ守れなかったのかB一部の職員労働組合の役員や人権文化センターなどの職員が本来の業務につかず、これを当局が容認している―などについて、強い調査権限をもつ15人からなる百条委員会を設置し、問題の経過や責任の所在、真相などを明らかにし、議会として市民に対する責任を果たそうと訴えました。

下田氏は、職員「厚遇」問題に対して市民の批判が沸騰している最中にいわゆる「ヤミ専従」問題が明らかになり、同時に人権文化センターなどの職員で部落解放同盟(「解同」)の役員がセンター内にある「解同」支部事務所に入り浸ってまったく仕事をしていないという投書が相次いで寄せられていることを紹介。労使癒着、「解同」との癒着の徹底解明が求められているとのべました。また、一連の「厚遇」問題の徹底解明は、議会固有の役割で、責務だと強調しました。

 

 以下が下田敏人議員発言の全文です。

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、ただいま上程されました議員提出議案第16号「ヤミ退職金・年金制度、1998年の高裁和解条項の不履行問題ならびに非休職専従の組合役員・人権文化センター職員等の勤怠状況等に関する調査特別委員会の設置について」提案内容等ご説明申しあげたいと思います。

 本提案は条例などに基づかない、いわゆるヤミ退職金・年金制度がいったいどのようにしてつくられたのか。又、1998年のカラ超勤裁判に関する大阪高裁の和解において、当時の市長が二度と不適切な給与の支給をしないと約束しておきながら、それがなぜ守られなかったのか。あるいは一部の職員労働組合の役員や人権文化センター等の職員が全くと言ってよい程本来の業務についていないばかりか、これを当局が容認しているとする報道や投書がなされていること等について、地方自治法第100条第1項に基づく、強い調査権限をもつた15名の委員からなる調査特別委員会を設置し、問題の経過や責任の所在、事の真相等明らかにして、もって、市民に対する議会の責任を果たそうとするものであります。

 それでは、今なぜ100条委員会なのか

 それは第一に一連の職員厚遇問題等が未だ全容解明に至らないからであります。

 いうまでもなく、今回の職員厚遇問題は、歴代市長の選挙に功のあった労働組合・市労連とのいわゆる労使の癒着を背景として、ボーナス闘争で妥結したプラスアルファ分を公務員給与は高いとの批判をかわすために福利厚生費等に振り替えたり、互助組合をトンネルにするなどして、隠ぺい・カムフラージュしてきたことにその本質がありました。

 なかでも、1993年にはじまる互助組合を通じての退職金・年金制度というものは、いわゆる3号給付の退職金が92年までに廃止されると同時に、こっそりと市民や議会に隠してつくられるというだましと言おうか、なんと言おうか、全く常軌を逸したもので、もとよりなんら条例等に基づかない不法・不当な支出であって、まさにヤミ退職金・年金と言わざるを得ないものでありました。

 これが今回、市民の強い批判のもとで廃止されるに至ったことはおそきに失したとは言え当然のことでありますが、しかしながらこれが、いったい、どういう経過で誰の責任でつくられたのか、全然明らかにされておりません。

 又、90年にはじまった、カラ超過勤務手当に関する裁判の大阪高裁での98年の和解の中で、当時の磯村市長が、今後、不適切、不透明な給与、手当の支給が行われないよう地方自治法・地方公務員法を遵守することを誓約すると言明したにもかかわらず、その後も、いわゆるヤミ退職金・年金などが支給され続けていたことは、市民や裁判所をも愚弄するものとして、極めて重大でありますが、どうして、これが守られなかったのか、いったいどこに責任があるのか、これ又、全く解明されておりません。

 更には、この職員厚遇問題に対する市民の批判が沸騰しているまさにその最中、こともあろうに、いわゆる休職専従になっていない一部労働組合の役員が、全くといってよいほど業務についていない、まさに有給の組合専従に等しいとのマスコミ報道がなされたのであります。

 又、同時に、人権文化センターや青少年会館の職員で部落解放同盟の役員をしている者が、各人権文化センター内にある解同支部事務所に入り浸って、まともに仕事をしていないとの投書が相次いで寄せられたのであります。

 しかも、重大なことは、これら組合役員であれ、解同役員であれ、その勤怠状況について、当局が公認していたのではないかと言われていることであります。だとすれば、まさに、労使の癒着、解同との癒着きわまれりと言わざるをえないもので、徹底的な解明が求められるのであります。

 

 本調査委員会設置の第二の理由は、これまでの任意の調査では、解明は極めて困難であって是非とも調査権限の付与されたものが必要だからであります。

 周知のように、地方自治法100条1項では、関係人の出頭及び証言ならびに記録の提出を求めることのできる旨をうたい、同3項では、それらを拒んだ場合の罰則規定がされているのであります。

 しかるに、この職員厚遇問題が噴出して以来、予算議会等を通じ幾度となく質疑がかわされてきたにもかかわらず肝心なことになると、とたんに当局の隠ぺい体質というものが頭をもたげて、真相解明を阻んできたのであります。

 過日の財政総務委員会で我が党委員が、ヤミ退職金・年金のつくられた経過について質したのに対し、当局は、今となってはわかりようがないなどと、開き直りの答弁に終始したのであります。

 又、5月24日の建設港湾委員会で、私が、マスコミにより報道された建設局職員の勤怠状況を質したことについても、発覚後1ヶ月にもなるというのに、しかも、当人が出勤簿の押印を他の職員に依頼していたことを認めているにもかかわらず、調査中との答弁をくり返す始末でありました。

 まさに、馬耳東風、のれんに腕押しといったたぐいのもので、どうしても調査権限をもつ特別委員会が求められるのであります。

 

 第三はかかる問題の解明は、議会に課せられた当然の責務だからであります。

 この点で私は、この際、改めて議会の役割というものについて、かみしめる必要があると思います。それでは、我が大阪市会の果たすべき役割とはいったい何でありましょうか。それは言うまでもなく日本国憲法や地方自治法によって定められている議会の権限、機能を存分に発揮して、行政とのチェックアンドバランスを保持しつつ、何よりも市民の利益をこそ守ることに他なりません。

 そういう意味では、今回の一連の職員厚遇問題について、これがつくり出された根本にメスを入れ、その経過や責任の所在等を明らかにすることによって、二度とこのような問題を生じせしめないようにすることは、文字通り市民の利益に合致するものであって、しかも議会にしかなしえない議会固有の役割、責務と言わなくてはならないからであります。

 市民の期待に応えてこれを全うすることは、とりもなおさず市民の議会に対する信頼回復につながることは無論のこと、ひいては議会の権威を高めることにもなるのであります。是非とも100条委員会の設置が必要であります。

 以上、提案理由でありますが、我が党はこれまで1987年の提案を皮切りに過去10回、それぞれテーマに違いはあるものの、かかる100条委員会の提案を行ってまいりました。しかし、そのつど与党の諸君の「くさいものにふた」とばかりの反対によって、実現を阻まれて今日にまで至りました。

 ところが、今回は以前に倍する程の市民の熱い期待が寄せられております。

 議会におけるまさに、伝家の宝刀、今こそ抜こうではありませんか。議員各位が市民の負託に応えて、是非とも本議案に賛同されますよう切にお願いして、説明といたします。