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江川繁議員の予算組み替え動議 3月29日の大阪市会閉会本会議 |
江川繁市会議員 2006年3月29日 |
私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、2006年度一般会計予算等の組み替え動議を提出いたします。 動議の内容は、以下の3点です。 第一は、福祉や医療、教育、雇用、中小企業支援など、市民の切実な願いにこたえる施策を抜本的に拡充することです。第二は、大規模開発や破綻三セク支援などのむだを思い切って見直すとともに、公共事業については市民生活に密着したものに転換することです。第三は、人権の名で継続されている不公正・乱脈な同和行政をきっぱりと終結することです。 関市長が、マニフェストにもとづく初めての予算として提案した2006年度予算案は、住民サービスを切り捨て、民間委託の一層の推進で公的責任を後退させ、大型開発の失敗には無反省のまま財政悪化のつけを市民に負わせようとするもので、到底、「改革」などと言えるものではありません。 私は、わが党議員団の予算組み替え提案こそ、大阪市に今求められている真の改革だと確信します。 以下、動議の理由を説明いたします。 第一に、失業や中小企業の倒産、「格差社会」の広がりのもとで、大阪市民のくらしはいぜんとしてきびしい状況に置かれています。こういうもとで、大阪市は、全力をあげて市民のくらしを支援するという地方自治体本来の役割を、今こそ発揮しなければなりません。 まず、払いたくても払えない高すぎる国民健康保険料は、一般会計からの繰り入れを増額し、引き下げるとともに、低所得者・高齢者の保険料が非常に高くなる所得割保険料の「住民税方式」から「所得方式」への変更はやめるべきです。小泉内閣が介護保険制度の改悪をおこなったもとで、大阪市としては介護保険料の減額措置を抜本的に拡充することが必要です。また、生活保護世帯の上下水道料金の基本料金相当額の減額措置と市営交通料金の半額措置の廃止はやめるべきです。 また、一人ひとりの子どもに目がいきとどく少人数学級を実施するとともに、子どもの安全のために全ての学校園に警備員の配置が必要です。学校のトイレ改修とエレベーター、普通教室へのクーラー設置を進めるとともに、市立高校のクーラー利用料の徴収はやめるべきです。全国の77%の公立中学校で実施されている給食も、学校給食法にもとづいて、ただちに実現が求められています。また、政令市の中でもっとも多い保育所待機児の解消へ保育所の建設を進めることが必要です。学童保育への補助金増額と余裕教室の提供、障害者作業所への助成金増額など、市民の願いにこたえなければなりません。児童館と勤労青少年ホームは廃止してはなりません。 さらに、市営住宅建設予算の85億円削減をやめ、市営住宅をふやし、新婚世帯向け家賃補助制度の月額5000円引き下げはやめるべきです。震災対策のために、防潮堤の耐震補強予算の大幅引き上げが求められております。また、ゴミの減量に効果がない粗大ゴミの有料化をおこなうべきではありません。民間建築物のアスベスト除去への補助事業を抜本的に拡充することも必要です。 第二に、むだと浪費の大規模開発や破綻三セク支援を見直すことは、大阪市の財政を改善するだけでなく、市民生活を支援する財源をつくりだすことにもなります。 小泉内閣の「スーパー中枢港湾」づくりに追随する総額220億円の夢洲C12大水深コンテナ埠頭の着工予算や約400億円の大阪市負担が予想される阪神高速淀川左岸線2期事業の再開案は撤回するべきです。新たな大型開発が計画されている梅田北ヤード整備促進のための予算、夢洲開発の北港テクノポート線建設67億円、夢洲トンネル41億円の予算は必要ありません。第二期工事の必要がない関西空港への支援はまったくのむだです。ATCなど三セク3社に対する賃料など63億円の支援や大阪ドームへの支援は必要ありません。 また、大型開発を見直し、特別養護老人ホームや保育所の建設、小・中学校の校舎整備、公園の整備など、市民のくらしに身近な公共事業をふやせば、中小企業の仕事づくりにも役立ちます。こうした施策の拡充を求めておきます。 第三に、2002年3月末で国の特別法が終結したにもかかわらず、大阪市は、一般施策・人権行政の名で、いまだに年間130億円規模の不公正・乱脈な同和行政をおこなっています。 一民間病院である芦原病院に貸し付けた130億円の回収に全力をあげ、歴代の関係者に応分の返済を求めるとともに、病院用地として無償で提供してきた3043uの市有地や看護師寮の土地建物は正規の金額で賃料を徴収するべきです。 また、解同のいうままに購入した広大な同和未利用地の処分をはかり、人権協会への過大な管理委託料を是正するべきです。青少年会館などの過剰な人員配置や、保育所・学校等への乱脈・不公正な加配を改め、会館管理などの人権協会への委託をやめ、行政の主体性を確保することも必要です。 以上、提案理由を申し上げ、予算組み替え動議といたします。
「議案第146号平成18年度大阪市一般会計予算」等の組み替えを求める動議 「議案第146号平成18年度大阪市一般会計予算」「議案第153号平成18年度大阪市国民健康保険事業会計予算」「議案第156号平成18年度大阪市介護保険事業会計予算」「議案第159号平成18年度大阪市港営事業会計予算」「議案第160号平成18年度大阪市下水道事業会計予算」「議案第161号平成18年度大阪市自動車運送事業会計予算」「議案第162号平成18年度大阪市高速鉄道事業会計予算」「議案第163号平成18年度大阪市水道事業会計予算」及び「議案第165号平成18年度大阪市公債費会計予算」について、市長は別紙要綱により、すみやかに組み替えを行い、再提出することを要求する。 2006年3月 日 大阪市会議長 高野伸生 様 提出者 関根 信次 下田 敏人 矢達 幸 瀬戸 一正 渡司 考一 石川 莞爾 長谷 正子 稲森 豊 江川 繁 山中 智子 北山 良三 小南かおる (別紙) 1990年代の大型開発の失敗が、現在の財政危機の最大の原因であるにもかかわらず、関市長はここから教訓を学ぼうとせず、夢洲開発や関空支援を継続するとともに、阪神高速淀川左岸線2期事業の再開や新たな梅田北ヤード開発など、「都市再生」の名で引き続き大型開発を続けようとしている。 また、広大な同和未利用地の人権協会に対する過大な管理委託料や青少年会館などへの過剰な人員配置、保育所・学校への不公正な加配など、いぜんとして同和事業が温存されている。 その一方、低所得者・高齢者の国民健康保険料値上げ、生活保護世帯の上下水道料金と市営交通料金減額の廃止、新婚世帯向け家賃補助制度の月額5000円引き下げなど、市民には冷たい予算となっている。 したがって、大型開発推進や不公正・乱脈な同和行政にかかわる予算は撤回し、市民にあたたかい予算に組み替えるべきである。 1、市民のくらし、医療、教育、街づくりを優先した予算にする @ 国民健康保険料は引き下げる。 A 介護保険料の本市独自の減免制度を拡充する。 B 生活保護世帯の上下水道料金と市営交通料金減額の廃止は撤回する。 C 市独自で30人学級、少人数学級を実施する。 D 全ての学校に警備員を配置する。 E 学校のトイレ改修とエレベーター、普通教室へのクーラー設置を進める。 F 市立高校のクーラー利用料の徴収はやめる。 G 中学校給食を実施する。 H 公立・私立の保育所増設による待機児の解消。 I 学童保育への補助額の大幅引き上げと余裕教室の提供。 J 小規模障害者作業所への補助金増額。 K 市営住宅建設予算の削減をやめ、市営住宅をふやす。 L 新婚世帯向け家賃補助制度の月額5000円引き下げはやめる。 M 防潮堤の耐震補強予算を大幅に引き上げる。 N 粗大ゴミの有料化計画は撤回する。 O 民間建築物のアスベスト除去への補助事業を抜本的に拡充する。
2、大規模開発関連予算は削減する @ 夢洲C12大水深コンテナ埠頭の着工予算は削除する。 A 阪神高速淀川左岸線2期事業の再開案は撤回する。 B 梅田北ヤード整備促進のための予算は削除する。 C 北港テクノポート線と夢洲トンネル建設予算は削除する。 D 関西空港への支援は中止する。 E ATCなど三セク3社に対する賃料などの支援は中止する。
3、不公正・乱脈な同和予算は削減する @ 芦原病院に貸し付けた130億円の回収に責任を持つ。 A 人権協会に対する委託事業を中止する。 B 青少年会館などの過剰な人員配置は中止する。 C 保育所・学校などの不公正な同和加配は改める。
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