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市議団の実績

「2006年度大阪市国民健康保険事業会計 

補正予算案」に対する修正動議の提案討論

  2006年5月31日市議会本会議 小南かおる議員

小南かおる市会議員

2006年5月31日

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第270号「平成18年度大阪市国民健康保険事業会計補正予算案」に対する修正を求める動議についてご説明いたします。

 修正動議の内容は、今年度から国民健康保険料の算定方式を変えたことによって保険料が増額になる世帯にたいしてあらたな減免制度をつくる、その財源を国庫補助金の増額で、まかなおうとするものです。新たな減免制度は、賦課方式を市府民税方式から所得比例方式に変えたことによって保険料が増額になる世帯、すなわち、各種税制控除が廃止・縮減されたり、あるいは、これまでの控除額が保険料に反映されなくなったりした高齢者、寡婦・障害者、複数多人数世帯にたいして減免をおこなおうというものです。

原案では、繰上げ充用の財源については、半額の181億5千万円のみを国庫補助金に求めていますが、我が党の提案は、繰上げ充用の財源の全額を国庫補助金に求めるとともに、滞納保険料収納分については、新たな減免制度による保険料軽減の財源にあてる措置をとるというものです。

以下、その根拠および理由について申し述べます。

 まず、第一に、2006年度から賦課方式を市府民税方式から所得比例方式(旧ただし書き方式)に変更したために、本市試算でも最高4.3倍以上の保険料負担世帯がうまれるなど、加入者の3割、18万世帯に負担増の影響があるとされ、その中でも、市民税非課税世帯や低所得世帯、高齢者世帯に過重負担が集中するといわれています。そのために、負担増大する世帯、とりわけ、各種税制控除が廃止、縮減された高齢者、寡婦・障害者、複数多人数世帯などへの特別減免制度を新たに創設し、国民健康保険料の収納率の向上と国保会計の健全化に寄与し、市民の健康を守る国保制度にするためです。

第二には、国民健康保険法では、その第1条で「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と定め、第4条では、「国は、国民健康保険事業の運営が健全におこなわれるように努めなければならない」と、国の責務を明確に規定しているからです。

第三には、我が党が繰り返し指摘してきたように、国が1984年から国庫負担率を45lから38.5lに減額したために、市民の命綱である国保制度が危機的事態に追いこまれました。国に最大の責任があります。だからこそ、本市は、国庫支出金による負担率をもとに戻すよう国に強く求めるべきです。

第四には、この間の本市国保会計赤字の原因は、保険料収納率の低下や自治体独自の施策を理由にした「国による調整交付金の不当なペナルティ減額」です。2001年から2005年までの5年間で、国保会計の単年度赤字総額は114億4千万円にたいして、いわゆるペナルティ減額は、総額で177億2千万円にのぼっています。実に62億8千万円も単年度赤字総額を上回っています。2005年度も不当なペナルティ減額が34億円にものぼっており、このような国の措置は、国民健康保険法の精神に反することは明らかです。本市として、ペナルティ減額制度の廃止と従来分の補填を国に要求することは、当然だと考えるからです。

 第五には、長引く不況と国の悪政による大増税・負担増の追い討ちで、市民生活は、いまだ悪化の一途にあります。こうしたもとで、保険料の過重負担を求める所得比例方式が、低所得層の保険料収納率低下に拍車をかけることは明白です。このことによって、いわゆるペナルティ減額のさらなる増大をもたらし、今でも「4世帯に1世帯」が保険料滞納世帯という異常な事態を、いっそう深刻な状況に追いやることは容易に想像できます。

 本市は、国民皆保険制度の大原則のもとで、本来やるべきでない短期保険証や資格証の交付までおこない、徴収嘱託員制度を創設し、かつてなかったような保険料徴収活動を展開しています。それでも、収納率が下降し続けるのは「払えない保険料」になっていることに大きく起因していることは明瞭です。本市は、この事態をしっかりと認識すべきです。

保険料算定方式の変更にともなう保険料過重負担を解消するために、思い切った保険料特別減免制度を創設して「だれもが払える保険料」にすることが求められています。

本市は、ムダな大型開発や破綻した第三セクター、乱脈な同和行政に惜しげもなく公金投入をし続けてきました。これを抜本的に見直し、必要な財政を投入してでも市民の健康と命を守る国民健康保険制度に改善するために、自治体としての責務を果たすべきだと考えます。

 併せて、本市の国保事業を安定させるためには、国が国保事業をはじめとする社会保障にしっかりと財政的措置をとるよう、市民とともに国に要求していくことが重要だと考え、本修正動議を提案した次第です。

以上、議員各位のご賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明とさせていただきます。