|
山中智子議員の予算組み替え動議 |
山中智子市会議員 2007年3月15日 |
私は日本共産党 動議の内容は、次の3点です。 第一は、市民の命とくらしを守る、という自治体としての立場にしっかりとたち、福祉や医療、教育など、市民の切実な願いにこたえる施策を思い切って拡充することです。第二は、ムダな大型開発をやめて、公共事業は、市民のくらしにとって不可欠な身近なものに切り替えることです。第三は、不公正・乱脈な同和事業を、完全に終わらせることです。
以下、動議の理由を説明いたします。
第一に、「ワーキングプア」が大きな社会問題になるほど、働いても働いても普通の生活ができないなど、異常なまでの「格差」と「貧困」が広がっています。こういうもとで、市民の一番身近にあり、市民の悲鳴に直接接する 予算原案にもりこまれている、高すぎて、払いたくてもとうてい払えない国民健康保険料の値上げは、市民を守るどころか、追い打ちをかけるものではないでしょうか。 この間、わが党議員団が実施した「市民アンケート」でも、「国民健康保険料が去年の倍になっております。国民年金もだんだん減っていきます。先が不安です」「保険料の上がり方がふに落ちません。年寄りは死ねということですか」「五万円の年金から、国保料をはらって、電気代の支払いも大変です」など、多くの方が国民健康保険料の負担の重さを訴えておられます。値上げは撤回し、一般会計からの繰り入れを増やして、市民が払える保険料にするべきです。 障害者自立支援法のもと、負担増にみまわれている重度障害者の方たちから、ささやかな楽しみである年に一度の給付金をとりあげる仕打ちもまた、信じられない冷たさです。 これらの、くらしを追い詰める負担増や給付の切り捨てをするのではなく、むしろ、乳幼児医療費助成制度は、所得制限も一部負担もなくして、入院・通院とも、小学校卒業まで広げる、保育所をつくって、待機児をなくす、特別養護老人ホームを大幅に増やす、介護保険料の減免制度を抜本的に拡充する、など、市民の切実な願いを、前進させることこそあるべき姿です。 子どもと教育をめぐっては、当たり前のことさえできていないのに、さらに予算を減らすことは許されません。小中学校整備費や校舎補修費のカットはただちにやめて、トイレ改修などを急ぐとともに、全国85%の公立中学校で実施されている中学校給食を、全校に広げるために足を踏み出すべきです。さらに、一人ひとりの子どもにていねいに目がいき届き、いじめの早期発見にもつながる少人数学級の実施も待ったなしの課題です。
第二に、無駄遣いの最たるものである大型開発に、相も変わらず巨額の予算を盛り込んでいる問題です。 無駄遣いへの怒りが今ほど大きい時はありません。そんななかで、夢洲トンネル35億円、北港テクノポート線23億円、阪神高速道路・定川左岸線2期事業27億円、ATCなど三セク3社に対する支援64億円など、いつまで無駄遣いをつづけるつもりかと、市民から強い批判の声が上がるのは当然です。 また、国は、「国際競争力の強化」をうたい文句に、スーパー中枢港湾づくりなど、新たな港湾の整備・拡充を地方に求めています。それにつきしたがって、夢洲の、まったく必要のないC12大水深コンテナ埠頭の建設に固執し、そのために他の岸壁の用途を変える無駄な投資までおこなって、巨大な埠頭をつくることも市民の理解はえられません。 一方で、市営住宅の修繕や建て替え、小・中学校の校舎の補修、公園の整備、下水処理場の悪臭対策など、身近な公共事業は大幅に削減しています。大型公共事業の無駄を徹底して削り、公共事業は市民のくらしに関連したものに転換するべきです。市民に身近な公共事業は、中小企業の仕事を増やし、地域経済をあたためます。
第三に、この間の、衝撃的な芦原病院問題や飛鳥会事件によって、本市の同和行政が、いかに部落解放同盟いいなりで、不公正・乱脈なものであったかが明らかになりました。こうしたなかで、予算原案には、同和事業の一定の削減は盛り込まれました。 しかし、旧同和校への教員の加配などは、まったく手つかずであるとともに、何よりも、本市の同和行政をゆがめてきた一番のおおもとである、部落解放同盟、人権協会との癒着にメスを入れるものになっていません。同和行政の完全な終結のために、人権文化センターや旧同和住宅附帯駐車場などの人権協会への委託は廃止し、解同との関係をキッパリと断ち切るべきです。
以上、提案理由を申し上げまして、予算組み替え動議といたします。
|
「議案第43号平成19年度
「議案第43号平成19年度
2007年3月15日
提出者 関根 信次 下田 敏人 矢達 幸 瀬戸 一正 渡司 考一 石川 莞爾 長谷 正子 稲森 豊 江川 繁 山中 智子 北山 良三 小南かおる
(別紙)
国民健康保険料の4.5%もの値上げや重度障害者給付金の廃止、介護保険料の減額要求にこたえないなど、市民には冷たい予算となっている。 その一方、スーパー中枢港湾づくりや夢洲トンネル・北港テクノポート線の建設など、大型開発には手厚い予算を組んでいる。 また、同和事業の廃止が待ったなしの課題になっているにもかかわらず、同和予算の見直しは一部にとどまっている。 したがって、ムダな大型開発や不公正・乱脈な同和行政にかかわる予算は見直し、市民にあたたかい予算に組み替えるべきである。
|