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市議団の実績

石川議員の国保料補正予算の修正を求める動議

一人につき少なくとも1万円の国保料減額を実現せよ

石川かんじ市会議員

2007年5月29日

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第125号「平成19年度大阪市国民健康保険事業会計補正予算案」の修正を求める動議についてご説明いたします。

修正動議の内容は「2006年度の国民健康保険事業会計への2007年度歳入からの繰り上げ充用の財源、386億円の全額について、国庫補助金を充てるよう修正する」というものであります。

市長提案では、繰り上げ充用の財源について、半額の193億円は2007年度の滞納保険料収納分を充て、残りの半額を国庫補助金に求めています。

我が党は、滞納保険料収納分については、国保料の支払いに苦しむ市民の今後の保険料軽減に充てるのが当然だと考え、この修正案によって、国保加入者一人につき少なくとも1万円の国保料減額を実現しようとするものです。

以下、その根拠および理由について申し述べます。

まず第一に、2006年度に国民健康保険料の賦課方式を変更したために高齢者や低所得者の保険料負担が激増しました。さらに加えて、本年2007年度は4.5lの保険料引き上げが行われ、大阪市の2007年度試算でも、収入が220万円の65才以上単身者で1.4倍増になるのです。また、国保世帯の6割は、保険料が引き上がると推計されているのであります。

連続する国保料負担激増は、ただでさえ、政府の庶民増税の押しつけによって、負担が「雪だるま式」にふくらんでいる時、ますます暮らしを圧迫することは明らかであります。大阪市の国保加入世帯の23lが滞納世帯となり、短期証発行世帯は4万世帯を超え、収納率は下降の一途で今や8割台にまで落ち込んでいるのであります。

国民の生存権を保障する社会保障としての国民健康保険制度は、いつでも、どこでも、だれでも必要かつ十分な医療を受けることを国が保障する目的で創設されました。ところが、この趣旨に反して、国保料滞納者に短期保険証や資格証の交付を容赦なくおこない、事実上の保険証取り上げを強行し、市民の「命綱」を断ち切ろうとしているのであります。これでは、制度の趣旨、目的から外れる一方なのであります。まさに、「高すぎて払いたくても払えない国保料」になっていることを大阪市は認識すべきです。

いま、大阪市に求められているのは国保料が増額になる世帯に対して、とりわけ、税制改正や賦課方式の変更によって負担増となっている高齢者、寡婦、障害者、複数多人数世帯などに、あらたな減免制度や国保料の軽減を行うことです。負担の軽減、収納率の向上、国保会計の健全化に寄与し、市民の健康を守る国保制度にするために是非とも実施すべきだと考えます。

第二に、この間の国保会計赤字の大きな原因の一つに、国庫支出金の減額、いわゆるペナルティ減額があります。ご承知のとおり、保険料収納率の低下や自治体の独自施策を理由として、普通調整交付金を不当に減額交付するものです。

大阪市国保会計に対して強行された不当なペナルティ減額は、2006年度単年度決算見込み額で33億8千万円にのぼります。2002年度から2006年度までの5年間では、実に183億5千万円になるのであります。

一方、同じ5年間の国保会計の単年度赤字の総額は118億4千万円であります。普通調整交付金の減額措置が、赤字分を大きく上回り、大阪市国保会計を直撃しているのです。普通調整交付金が適正に運用されておれば、少なくとも直近の5年間で国保会計には65億1千万円残るのであります。

元々、普通調整交付金は、財政力の違いを調整するために必要最少額を交付するもので、その交付金をカットすることは、必要額を否認する、もしくは必要額を認めないということであります。

大阪市としても国に対して、このような不当で法の趣旨に反する普通調整交付金の減額措置をただちに廃止するよう求めることは当然であり、従来の減額分については、国に補填を要求するべきと考えます。

第三には、国庫負担率を元に戻すことであります。我が党が、繰り返し指摘してきたように、国は1984年度に当時49.8lあった国庫負担率を34.5lにまで激減させました。このことによって国保事業が危機的状況に追い込まれました。高すぎる国保料、収納率低迷の事態も国庫負担率の激減が最大の原因であります。   

大阪市は、保険料負担を市民に被せるのではなく、国に対して、きっぱりと国庫負担率を元に戻すよう求めるべきであることは明白です。

 市長、あなたは、ムダな大型開発の失敗、乱脈な同和行政に多額の税金を投入してきました。そのために大阪市の財政は危機的な状況におち入りました。あなたは、この失政になんら反省もしないで、「市政改革」と称して、市民のくらし、福祉、教育などを切り捨ててきたのであります。

日本共産党大阪市会議員団は、これを抜本的に見直し、市民のくらしと健康を守る国民健康保険制度に改善するため、自治体としての責務を果たすべきだと申し上げているのです。

併せて、本市の国保事業を安定させるためには、国が国保事業をはじめとする社会保障にしっかりと財政的措置をとるよう、市民とともに国に要求していくことが重要だと考え、本修正動議を提出したのであります。

説明は以上であります。

議員各位のご賛同をお願いいたしまして、提案説明と致します。