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市議団の実績

敬老パス改悪やめよ.大阪市議会でわたし議員

(一般質問全文)

わたし考一市会議員

2008年12月4日

  大阪市議会本会議が四日開かれ、日本共産党の、わたし考一議員が一般質問に立ちました。わたし議員は、敬老パス・水道料金減免制度、国保証の取り上げ、雇用と中小企業支援、大型開発の中止・見直し、同和行政終結などで平松邦夫市長の姿勢をただし、市民のくらしを応援するために全力を尽くすことを求めました。

 わたし議員は、「多くの高齢者の生きる支えになっている」「制度があるからこそ低い年金でも何とかやっていける」「財政難の中でも続けてほしい」などの声を紹介し、敬老パスや上下水道料金減免制度の改悪は撤回すべきだと迫りました。国保料滞納者への資格証明書の交付について、「多くの自治体が国の発行義務付けに抗し、住民の医療を守る立場で頑張っている」と述べ、資格証明書を保険証に切り替えることと、十八歳末満のすべての子どもたちに通常保険証を直ちに無条件で送付するよう求めました。

 雇用の問題でわたし議員は、派遣切り・首切りが行われる中、非正規労働者の直接雇用、正社員化を行うよう在阪大企業への啓発、指導を求めました。

 平松市長は敬老パスと水道料金減免の改悪について、「持続可能な制度とするために示したもので、市議会での議論も踏まえ見直すべきものは見直していきたい」と答弁。資格証明書の交付については、「法の趣旨に基づき発行している」と答えるにとどまりました。大型開発、同和行政などは従来の市の姿勢や方針を繰り返しました。

(「しんぶん赤旗」2008年12月5日付)


 大阪市会開会本会議でのわたし議員の一般質問

 

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、2007年度一般会計決算報告ならびに当面する施策等について、平松市長に質問したいと思います。

 いま、アメリカ発の金融危機と世界的な経済の混乱、長期にわたった投機マネーによる原油や穀物の高騰で、庶民は物価高にあえぎ、中小企業はコスト増と大企業による単価切り下げに悲鳴をあげています。

 その上、自・公政権による構造改革路線のもとで、若者は派遣労働で使い捨て、高齢者は後期高齢者医療制度でうば捨て、中小企業は貸し渋り、貸しはがしで切り捨てる、さらに社会保障予算は毎年2200億円が削減されるなど、国民に苦難を押し付ける政治が強行されました。こうした中で、貧困と格差の拡大が日本社会に重くのしかかっています。政府の調査では、57%もの国民が「生活が苦しい」と答え、その数は6年連続で増え続けているのであります。

 こういう中で、本市には、住民の福祉の増進に務め、暮らしを守るという地方自治体本来の役割を発揮することが、強く求められているのであります。

 ところが平松市長は、市民サービスの全面的な削減に踏み出し、国の悪政にさらに追い打ちをかけようとしています。市長が9月に発表した「経費削減素案」は、市民にもっとも喜ばれている「敬老パス」の有料化をはじめ、上下水道料金減免制度の改悪、学校維持運営費、難病患者への見舞金などをばっさり削り、市営住宅管理センターを統廃合し、さらに、他都市と比較しても下位の水準にある職員給与なども引き下げて、財政難をもっぱら市民と一般職員に犠牲をおしつけて乗り切ろうとするものであります。

 そもそも、本市の財政危機は、大型開発の失敗や長年にわたる不公正・乱脈な同和行政によるものであり、市民にそのツケを回すなど、到底許されません。それどころか市長は昨年の選挙で、「セーフティネットの再構築で子どもからお年寄りまで安心できる大阪にする」と公約されたのであり、こういう時こそ、市民の暮らしを応援するために全力をつくすべきであります。

 以下、こういう立場で重点的に質問したいと思います。

第1に、くらし、子育てと教育を充実させる問題についてであります。

まず、敬老パス、水道料金減免制度についてです。

 言うまでもなく、この両制度は多くの高齢者の生きる支えとなっており、この制度があるからこそ低い年金でもなんとかやっていける、あちこち気兼ねなく移動できて元気のもとになっているなど、財政難のなかでも続けてほしいとの声が多数寄せられています。

 お一人だけ紹介します。「私は2006年に守口市から大阪市に引っ越してきて、最初に敬老パスをもらった時は本当にうれしかった。多くの友人からも、大阪に来てよかったねと喜ばれた。敬老パスのおかげで、今年になってからでもダーウィン展への佐伯祐三展へも気軽に行けた。なにしろ時間だけは充分にあるのだから。敬老パスは命の次に大事と大切に扱っている。一部有料化という声があるがそんなせこいことは言わず、従来どおりにお願いしたい。他に節約するところはあると思う」との声が寄せられています。

 こうした声を受けて、本議会は去る10月10日「敬老優待乗車証等の見直し(素案)反対に関する決議」を採択しました。市長は議会のこの決議を尊重し、この両制度の改悪について撤回すべきだと考えますが合わせて答弁を求めます。

次に、後期高齢者医療制度についてであります。

 同制度が実施されて8ヶ月が経過しました。この間、対象となる75歳以上の高齢者をはじめ、塩川元財務大臣や、中曽根元総理など元政権中枢にいた人、そして、舛添厚生労働大臣まで、「この制度は姥すて山行きのバスだ」と表現するなど、立場の違いを越えて、同制度に対する国民の批判の声と廃止を求める世論が沸騰しています。

 これらの国民の声に押されて、政府は制度実施後わずか2か月で「見直し」を決定し、低所得者への保険料軽減策などを実施しましたが、同一収入の世帯なのに、保険料負担が13.6倍もの格差が生まれる事例が発生するなど、さらに矛盾が広がり、もはや、廃止しかないという声が一層高まっているのであります。

 こうした中で参議院ではすでに「廃止法案」が可決されており、衆議院においても早急な可決が求められているのであります。大阪市長としても、同制度の廃止を国に求めるべきであります。市長の答弁を求めます。

続いて「国保料滞納者への資格証明書の交付」についてです。

 本来、国民健康保険制度は、憲法に示されている「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度であります。したがって、保険料が払えない加入者からの保険証取り上げは、決して許されてはならないことであります。

 10月30日に発表された厚生労働省の調査資料では、全国1798自治体のうち551自治体、実に、30.6%の自治体で資格証明書を発行していない事が明らかになりました。政令市の、さいたま、広島市を含む多くの自治体が国の発行義務づけに抗し、住民の医療を守るという立場に立ってがんばっているのです。大阪市においても、1万818世帯に交付されている資格証明書は、ただちにすべて保険証に切り替えるべきであります。

 また、我が党は、緊急の課題として「児童福祉法に則り、18歳までのすべての子どもたちに無条件に国保通常証を交付せよ」と強く求めてきました。これを受け大阪市は11月5日、「中学校卒業までの子どもを対象に、資格証明書の交付をやめ、3ヶ月間有効の短期保険証を交付する」ことを明らかにしました。これは「一歩前進」と評価できるものの、なお、不十分な対応だと言わざるを得ません。

 大阪市が児童福祉法で規定する、「地方公共団体は、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」との立場に立ち、短期証ではなく「通常保険証」とし、交付の仕方については「取りに来い」というような子どもの保険証を人質にするような対応ではなく、直ちに18歳までの子どもたちに無条件で送付すべきであります。

 以上資格証問題について、合わせて市長の答弁を求めます。

次に保育所の民間委託についてであります。

 大阪市はこの間、慣れた保育士さんがいなくなるのは不安、などの保護者の声を押し切って、保育における公的責任を後退させる民間委託を繰り返してきました。待機児解消という大義名分がなくなってもなお、新たな基準を設けて経費削減のために民間委託を続ける姿勢は改めるべきです。

 さらに、大正南保育所の廃止は、大阪市の子どもに対する冷たさ、保育に関する無責任さの象徴です。子どもの安全のために当然行うべき耐震工事さえせず、建て替えのお金を惜しんで廃止するなど、絶対にあってはなりません。直ちに安全対策を講ずるとともに、廃止を撤回するべきです。あわせてご答弁下さい。

次は市営住宅についてであります。

 いま、公営住宅に対する需要はますます高まり、本年7月募集にあたっての平均応募倍率は38.3倍にもなっています。ところが、自民・公明政府が強行した公営住宅法施行令の改悪によって、来年度から収入基準がさらに引き下げられ、公営住宅を必要とする多くの世帯が申し込みすらできなくなります。そればかりか、今後5年間にわたって家賃が値上げされ、3万2700円から4万円に値上げされる世帯が生まれるなど、来年から多くの世帯に影響が及ぶのであります。今日、民間では家賃が一挙に22%もあがるなど聞いたためしがありません。市長は国に対して公営住宅法施行令改悪の中止を求めるべきであります。市長の答弁を求めます。

次は学力テストの問題です。

 市長は学力テストの結果を公表すべきと教育委員会へ要求し、教育委員会もこれに応じ公表に同意しました。元々、公表しない事を学校現場や子供たちに約束しておこなったテスト結果を一方的に公表にふみきるというのは、まさに言語道断、教育行政を司る資格に欠けるといわなければなりません。道徳教育がもっとも必要なのは市長と教育委員会じゃありませんか。

 元々、学力テストは1960年代に行われた結果、過度な競争を生み、テスト対策のために、それこそ「勉強どころじゃない」という状況がうまれ、廃止になったシロモノであります。すでに大阪では橋下知事の競争をあおる異常な態度に、その兆候が現れています。

 市長、こんな百害あって一利なしの学力テストは、国に対し中止を求め、大阪市は不参加とすべきであります。あわせて答弁をお願いします。

続いて、大阪市立大学の2部を廃止しようとしている問題についてです。

 まず、夜間大学についての認識であります。文部科学省は、「雇用形態に関係なく、勤労青年を含めた幅広い年齢層の人々に多様で柔軟な学習機会を提供していくことが重要である」と述べていますが、市長はどのように考えておられるかお聞かせください。

 市立大学は、1880年に設立された大阪商業講習所を起源として、130年近い歴史を誇り、8学部、大学院10研究科を有するわが国最大の公立大学です。独立行政法人化されたとはいえ、大阪市立大学にかわりはなく、2部はその重要な構成部分であります。

 その2部が、「志願者数の減少」などを理由に、2010年度から学生の募集を停止し、在籍者が卒業すれば廃止をするとされています。「志願者数の減少」などという根拠はまったくありませんし、また学生の「有職率の低下」も口実になっていますが、非正規やアルバイトなど入学後に仕事先を確保した学生は全くカウントされていないのであります。また、大学の調査では、所得が400万円以下の世帯の学生は、1部で15%、2部では35%となっております。学費が安く、働きながら学ぶことができる2部の存在意義はけっして失われておりません。今、在学生200名以上がアンケートを寄せ、大半が2部を残してほしいと答えています。引き続き、存続をはかるべきであります。ご答弁ください。

第2に雇用と中小企業支援の問題についてお尋ねいたします。

まず、雇用の問題についてであります。

 この間、派遣労働など非正規で働く労働者は増え続け、全国ベースでは1990年879万人、働く人全体に占める割合は20%だったものが2007年には1719万人となり倍増、率にして約34%と激増しています。さらに10代後半では72%が非正規雇用という状況に追い込まれています。本市でも1997年に24%だった非正規雇用の割合が2007年には37%と、10年間で13万人増、率にして13ポイント増となり、全国平均よりも3ポイントも高くなっています。

 この背景には1999年におこなわれた派遣労働に関する法律の規制緩和があります。派遣労働の広がりで多くの大企業職場で人がモノ扱いされ、今までさんざん低賃金で働かされたあげく、景気悪化の下で大量の派遣切り・首切りが公然とおこなわれ、この年の瀬に無情にも使い捨てにされているのであります。

 非正規で働く多くの人たちが正社員として、安心して働きたいと願っています。市長はこうした声に応え、国に対し労働者派遣法の抜本的な改正を求めるべきであります。

 また、「派遣労働が常用雇用にとって変わるものであってはならず、あくまでも臨時的一時的な仕事に限られる」とされていながら、多くの大企業がこうした点を無視し派遣労働者を常用雇用の代替えとして働かせています。本市が在阪大企業に対し、こうした実態がないかどうか調査をすべきであります。

 またそうした企業があれば、直接雇用、正社員化を行うよう啓発、指導を行うよう求めるものであります。

 さらに本市が多額な補助金を支出している企業への対応についてであります。

 この間、京都府に続き、兵庫県も企業誘致補助金のあり方を見直し、雇用、特に正規雇用を誘因する制度へと改善がされました。また、兵庫県知事は補助金を支出した企業に対して「期間工の正社員化を要請する」と答弁しています。本市でも補助金を支出した企業、また、支出予定の企業に対し正規雇用への要請をすべきであります。

 雇用問題の最後に、本市が雇用の面で範とならなければならないという事であります。本市が地下鉄清掃労働者に見られる「官製ワーキングプアー」をつくっているようでは話になりません。

 特に、公立保育所では職種が正規を含めて6種類もあり、月額臨時任用職員はクラス担任をもたされ正規職員と同じ仕事を押しつけられながら、毎年3月末には解雇されるなど黙過できない事態が広がっています。正規と同等の職種については正規職員とし、パート、アルバイトについては同一労働、同一賃金の原則を導入すべきであります。

 以上、雇用問題について合わせて答弁をお願い致します。

次に、緊急の課題となっている金融施策についてであります。

 あいつぐ負担増と増税、社会保障の切り捨てに加え、中小企業は資材と燃料高騰、さらに、銀行の貸し渋り・貸しはがし営業困難に追いうちをかけています。許し難いのは、公的資金の投入をうけた資金供給で最大の責任を果たすべき3大メガバンクが、この1年間だけでも2兆7600億円も中小企業への貸出を減らす先頭に立っている事であります。

 市長は本市20万中小企業を代表して在阪各行に対し貸し渋り、貸しはがしを止めるよう要請すべきではありませんか。

 また、銀行の「貸し渋り」を招いた大失政として見逃せないのが、「責任共有」制度です。従来は信用保証協会が100%保証していたのを、協会8割に減らしたため銀行の貸し渋りが加速されました。本市の実績でも責任共有制度が実施される前の対比で融資実行は金額、件数ともに約30%減になっています。10月31日から実施された、「大阪市緊急金融対策」は、保証協会の100%保証で行われざるをえず、「責任共有」制度が、最早、破綻している事を示すものであります。「責任共有」制度はすみやかに撤回することを国に求めるべきであります。あわせて市長の答弁を求めます。

第3にまちづくりと環境問題についてお尋ねいたします。 

まず、震災対策についてであります。

 本年5月、中央防災会議が、上町断層帯でマグニチュード7.6の直下型地震が発生した場合、大阪府下における建物の崩壊97万棟、死者は4万2000人というシミュレーションを発表し、衝撃を与えました。また、南海・東南海地震は、2030年までに発生する確率が40%から50%とされています。

 いうまでもなく市民のいのちと安全を守ることは、本市の第一義的責務であります。死者・行方不明者が6436人に及んだ阪神・淡路大震災では、その80%の方が、崩壊した建物の下敷きになって亡くなられています。住宅や公共建築物の耐震化は喫緊の課題と言わなければなりません。

 ところが、本市の木造住宅耐震診断・改修補助制度の利用は、制度創設の2005年以降、診断275件、改修51件にとどまっているのであります。制度の抜本的拡充をはかるべきであります。同時に公共の建物では耐震化が病院・診療所で76%、保育所、77.4%にとどまっており早急に100%を目指し、耐震補強を推進するべきであります。合わせて市長の答弁を求めます。

次は、ゴミの減量と焼却炉廃止についてです。

 今、大阪市に必要なのは発生抑制と再使用を基本にしたゴミ減量の徹底と、さらなる分別を行い焼却優先から卒業する事であります。

 ところが、本市のゴミ削減目標は2004年からの6年間でわずか8%にすぎません。今日のゴミ問題での市民意識の高まりと環境問題に応えたものになっていないのであります。もっと削減目標を引き上げるべきであります。

 また、大阪市は、現在10ヶ所あるゴミ焼却工場を9工場体制に移行しようとしていますが、焼却炉は莫大な建設費用と運転コストをともなう事業であり、可能な限り削減すべきです。とりわけ、耐用年数の25年をはるかに過ぎて39年も稼働している森之宮工場は真っ先に廃止するべきです。併せてご答弁ください。

第4に大型開発の中止、見直しについてであります。

 市長は、テクノポート大阪計画の終結を宣言いたしました。遅きに失したとは言え、当然のことだと思います。

 しかしながら、これによって、我が党と市民の反対を押し切って、390億円もの巨費を投じた夢咲間の地下鉄インフラは、全くの無用の長物となりました。今後、最大で、年35億円の借金返済だけが回ってくることになります。

 又、同じく休止を余儀なくされた新島2区事業も支出予定の420億円の元利償還が、特に、2011年度以降、数十億円の規模で続くのであります。いったいこれ程の浪費があるでしょうか。市長、こういう、状況に対してどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。

 又、新島1区事業、フェニックス事業も本市財政にとって、大変な負担となろうとしています。それというのも、この880億円を要する護岸の建設費用の内、3割弱の国の補助金を除く650億円を、ゴミ埋め立て終了後に造成土地を売却してまかなうという資金計画となっているからであります。

 夢洲からのアクセスの見通しもない中で、土地など売れるはずもなく、650億円が丸々本市負担となるのであります。近畿2府4県、175市町村のゴミ排出者に対し、応分の負担を求めるべきです。答弁を求めます。

さて、WTCの三度目の破綻が明確になりました。

 これによって、本市出資金や貸付金等が毀損されることに加え、銀行債権に対する損失補償で、都合、700億円もの損害をこうむることになります。採算を度外視したバカでかいビルをつくり、テナントが埋まらないといって、建設局等7局を入居させ、ありとあらゆる支援を積み重ねた上、平成16年の特定調停では、必ず再建させるとしていたにもかかわらず、5年も経ずしての破綻であります。

 本当にひどいもので、このような事態に至らしめた、歴代の市長、港湾局長、「現・元」与党の責任が厳しく問われてしかるべきではないでしょうか。市長、どう決着をつけるつもりですか。

 又、平松市長には、銀行に対して更なる債権放棄を求めること、最も有利な条件で売却することなど、このWTCの損害を最小にとどめる責任があります。

 ところが、平松市長は、大阪府への売却一本槍ではありませんか。これが果たして、市民的利益に合致するでしょうか。とんでもないと思います。現入居テナントの50億円の保証金の返還に、移転費用の負担、府庁の移転費用に府会本会議場の整備費用等、差引すれば、どれだけ残るかわかりません。

 しかも、府庁のWTCへの移転は、府民的利益とも相反するものであります。来庁者の利便性を欠くばかりか、府職員の通勤時間も増加する上に、他の官庁との連携にも齟齬をきたしかねません。防災拠点としてもふさわしくありません。

 府への売却を優先することはやめるべきです。あわせて答弁をお願いします。

続いて淀川左岸線延伸部の問題についてお聞きします。

 橋下知事は、府庁移転構想に合わせ「州都を視野にした場合、淀川左岸線延伸部は絶対に必要だ」と言い出しました。続いて9月には関経連が、関西圏の高速道路網建設を促進する協議会を立ち上げ、とくに淀川左岸線延伸部の実現に力を入れると発表しました。平松市長がこうした動きと合わせ、9月の記者会見で「促進協議会は非常にありがたい提案だ」と発言したことは建設へ踏み出すものであり重大であります。

 延伸部は、ランプを含めた事業費が3500億円とされ、これを街路事業とした場合には少なくとも市の負担が1300億円にもなる大型開発であります。この道路は有識者委員会のヒアリングでも建設に肯定的な沿線住民の声はごく少数であり、交通量そのものが減少するなかで大阪府民にとって必要がなく、環境、費用などの面からも計画を中止すべき路線であると考えますが市長の答弁を求めます。

第5に同和行政終結についてお尋ねいたします。

まず、大阪市が先月発表した今後の人文センターなどのあり方についてであります。

 案では青少年会館などを統合し(仮称)市民交流センターに統合するとなっています。しかし今まで同和地域に限って行われてきた各種事業については基本的に継続となっており、なお、不十分な見直し策だといわなければなりません。同和地域だけで行ってきた各種の事業については全廃し、会館については貸し室事業に限定すべきであります。

 次に、同和行政の諸施策についてです。人権博物館・アジア太平洋人権情報センター・部落解放人権研究所など解同主導施設への補助金を全廃すること、同和未利用地や市営住宅附帯駐車場の管理など人権協会へのいっさいの事業委託をやめること、職員配置をおこなわないなど人権協会との関係をきっぱり断つこと、教員の不公正な同和加配を改めるとともに同和教育を廃止すること、同和事業の未利用地を早急に処分することなど、同和行政を今こそ全廃するべきです。その上で、同和行政終結の宣言をすべきであります。

 合わせて市長の答弁をもとめます。

最後に財政危機をどう乗り切るかについてです。

 財政難の大きな原因の一つは、「三位一体改革」と称しておこなわれた地方交付税の削減であります。07年度決算では一般財源ベースで、前年よりも310億円の減となっており本市に深刻な影響を与えています。地方交付税等のあり方をせめて元へ戻せと国に対し要求すべきであると考えます。

 また、我が党は、今まで申し上げたとおり、ムダな開発と同和行政をきっぱり止め、それでも財政が足りない場合は、公債償還基金からの一時借入をおこない、手当をすべきと従来から申し上げてまいりました。与党からも声が上がっていますが、大阪市自身が昨年秋に、借入のための詳細な検討をおこなっていますし、すでに大阪府や、多くの政令市で借入をおこなっています。90年代に過剰な公共投資をおこなったしわ寄せを市民と職員におしつけない、この立場にたてば公債償還基金からの一時借入は当然の選択肢とすべきであります。あわせて市長の明快な答弁を求めます。

 以上、質問といたしますが、答弁のいかんによっては再質問することを申し添えておきます。