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市議団の実績

補正予算案に賛成

自民・公明が提案した附帯決議には反対

開会本会議での渡司考一議員の討論

わたし考一市会議員

2009年9月17日

私は日本共産党市会議員団を代表して議案第130号・平成21年度大阪市一般会計補正予算原案に賛成、提案されようとしている附帯決議案に反対の討論をおこないます。

まず最初に、こうした提案は、採択されたとしても、原案にはなんら影響を与えるものではなく、原案とは別に採択されることがのぞましいということを申し上げておきます。

 

今回の本市補正予算案は、国の補正予算の一部を受けて編成されたもので、若干なりとも市民生活に資するものであり、わが党はこれに賛成するものであります。市長がその財源について、全額確保するために努力する事も当然の事であります。ところが附帯決議案と先ほどの登壇者の発言は政府が実施した補正予算案について「国民の生活を守り、景気の回復と未来への経済成長にむけた取組みを推進してきている」などと自画自賛の評価をしていますが、これはまったく事実と相違するものであります。

 

 この際、政府が実施した補正予算の全体についていくつかの問題を指摘しておきたいと思います。

 

 第一に、大企業への大盤振る舞いとなっていることであります。

 同補正予算は、大企業の資金繰りを支援するために、事業費20兆円を超える枠組みを用意しました。非正規労働者の首切りを続け、ため込んだ莫大な内部留保には手をつけない大企業に、国民の税金をつぎ込むことは許されない事であります。

 

また、環境対応車への買いかえや省エネ製品の普及支援策は、消費者への助成という体裁はとっていますが、外需依存で業績悪化している自動車業界、電機業界を支援することをねらったものでした。

 

大型公共事業を前倒しで進めることも重大です。1m建設するのに1億円もかかる東京外環道を初め、小泉内閣時代に白紙としていた高速自動車道の計画などを復活させ、大規模に進めようとしているのであります。

また、研究開発減税は、中小企業は研究開発やりたくても手がだせません。大企業が最も恩恵を受ける減税策であります。

 これら大企業応援策は、日本経団連が3月9日に発表した緊急提言に盛り込まれていたものであり、国の補正予算は、まさに、財界の要求にほぼ満額こたえたものとなっています。

 

第二に、貧困と格差を拡大させてきた構造改革路線は、根本的な転換をすることなく、国民生活への支援策は、一時的、限定的なものにすぎないことです。

 雇用保険を受給していない人への職業訓練期間中の生活保障は、派遣村を初めとした労働者の要求が反映したもので、当然です。しかし、3年間の措置ではなく、恒久的な制度とする必要があります。

 仕事が激減し、倒産、廃業に直面している中小企業へは、これまでの延長ではない抜本的な対策を強めなければなりません。

 子育て応援特別手当は、対象をなぜ就学前の3歳から5歳に限定したのか、支給もなぜ一回きりなのか、まともな説明はありませんでした。後期高齢者医療、介護、障害者への支援策も、制度の根本的見直しには手をつけず、一時的な取り繕いにすぎません。

 今、国が取り組むべきは、社会保障費2200億円の削減路線をきっぱりと撤回し、この間削減した1兆6200億円をもとに戻し、社会保障充実路線へ転換を図ることであります。

 第三は、巨額の借金のツケを、消費税の大増税によって国民に回そうとしていることです。

 この補正予算により、2009年度の公債発行総額は44兆1130億円となります。国、地方合わせた2009年度末の長期債務残高は816兆円に達する見込みであり、国民一人当たり640万円の借金を抱えることになります。

 政府は、消費税の大増税は社会保障財源の確保のためと言ってきましたが、巨額の借金の穴埋めが本音であることは明らかであります。このような国民へのツケ回しは断じて容認できません」

 

 以上の理由から、わが党は、国の補正予算全体を美化・評価するような附帯決議にはとうてい賛同できないということを表明し、討論といたします。