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「永住外国人に対する地方参政権付与に反対する意見書」 への井上議員の反対討論 |
井上ひろし市会議員 2010年3月26日 |
私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、ただいま上程されました議員提出議案第20号、「永住外国人に対する地方参政権付与に反対する意見書」(案)についての見解を申し述べたいと思います。 永住外国人は、わが国のそれぞれの地方自治体で住民として生活し、納税義務を負うなど、日常生活をめぐる様々な問題を通じて、地方政治と密接なかかわりを持っており、日本国民と同様に地方自治体に対して多くの要求や意見を持っています。 地方自治体は、地方自治法第1条に明記しているように、「住民の福祉の増進を図ること」を第一の任務としています。住民生活に密接な関係を持つ地方自治体の運営は、本来、その地方に住む全ての住民の意思に基づき、住民自身の参加によって、進められるべきものです。これは、民主主義社会の当然の原則であり、憲法が保障する地方自治の根本精神です。 したがって、外国籍であっても住民として生活し、納税など一定の義務を負っている人々に、地方参政権を保障することは、憲法の地方自治の精神と合致するものです。 1995年の最高裁判決は、判決理由の前半部分で、選挙権は、憲法上、在留外国人には及ばないと述べ、地方参政権についても、その対象は日本国民のことであり、永住外国人に「選挙の権利を保障したものということはできない」としています。しかし、判決理由の後半部分では、「民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思にもとづいて地方公共団体が処理することとされており、在留外国人のうちでも永住者等について、その意思を地方公共団体に反映させるべく、法律をもって、選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である」としています。 つまり憲法は、永住外国人に選挙権を与えるかどうかは、「国の立法政策にかかわる事柄」だというのが、最高裁判決です。 判決を読めば、まったく誤解のないこの主旨を曲げて、「永住外国人に対して地方参政権を付与することは憲法上問題があると言わざるを得ない」と言っても、それは世間で通用するものではありません。 今日、世界的に見れば、OECD加盟の主要先進国30カ国で、不明の2カ国を除けば地方参政権を付与していないのは日本だけになっています。 これまで、わが党は、1998年に永住外国人に被選挙権をふくむ地方参政権を付与する法律案を国会に提出し、その実現をめざして奮闘してきました。また、同年には、民主・公明両党も法案を提出しました。翌年には、今回、反対の意見に固執している自民党も含めた、自由、公明が、その連立政権合意にで、法案を成立させることを明記しているのであります。 今こそ、これまでの議論の積み重ねをふまえ、永住外国人への地方参政権付与は早期実現を図るべきです。 以上、本意見書案には反対であることを申し述べ、討論と致します。 |