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市議団の実績

北山議員がおこなった

維新の会提案の「大阪市職員基本条例案」に反対する討論

北山良三市会議員

2011年9月30日

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、ただいま上程されました議員提出議案第40号、「大阪市職員基本条例案」に反対する討論を行います。

本条例案が施行されれば、憲法に定められた「市民全体への奉仕者」という公務員の役割が、「市長への奉仕者」に変質させられ、そして職員全体が、市民の利益よりも上司の評価を意識する働き方に大きく変貌させられてしまいます。また、過度な競争を職員に強要した揚句、全職員の5%と決めて無理やり最低ランクに相対評価された職員を簡単に免職にでき、さらには、職員には何の責任もない職場の改廃や事業の民営化・職員定数の削減等により、意図的に過剰人員をつくりだして免職できるなど、労働法や最高裁の判例に反する職員の首切りが横行します。

こんなことになる仕掛けが満載されている本条例案には、断固として反対いたします。以下、その主な問題点を具体的に指摘します。

第一は、幹部職員を公募化し、任期付き採用とするという点です。

本条例案では、すべての局長級幹部や総務担当部長などの幹部職員を「準特別職員」と規定し、民間からも含め、それまでの職歴は一切問わず広く公募し、マネジメント能力を基準として、任期付きで採用するとなっています。

こんなことになれば、市民のための行政の専門性の蓄積や継続性が損なわれ、短期的な結果にばかり目が奪われ、本市の中長期的な発展が阻害されます。また、市民へのサービスの低下と職場の混乱がもたらされます。そして、市長に異を唱える幹部職員は再任用されず、市長への忠誠が絶対化され、市長の独断的行政執行を許してしまう危険性をもつ仕組みと言わなければなりません。

第二は、職員を5段階の相対評価でランク付けし、2年連続の最低ランク者は免職にでき、また、職務命令違反5回・同一職務命令違反3回で直ちに免職するという点です。

これらは、上司にとって気に入らない職員は簡単に首にできるということにつながります。また、一定比率を決めての相対評価による職員のランク付けは、職員どうしのチームワークや協力・連携と絆を壊し、過度で非人間的な競争をもちこみ、職員の士気を低下させる要因となります。さらに、上司の目を気にして、萎縮し、もの言わぬ職場づくりになることは明らかです。それらは、自治体としての行政水準や市民サービスの向上にとっても大きな障害をもたらします。

第三に、本条例案施行後6ヶ月以内に、総人件費と職員削減目標を設定し、かつこれを4年ごとに見直すとしたうえで、職制もしくは定数の改廃、または予算の減少による廃職・過員が生じたときは、職員を免職するとし、加えて、事業の民営化や一部事務組合化等により職制が廃職される場合は、当該職制に所属する職員を免職できるとしている点です。つまり、あらかじめ設定された総人件費と職員削減目標をもとに、市長の一方的な職場組織の再編や廃止、職員定数削減等の方針によって、いつでも職員の首切りができるようにするというもので、まさに職権乱用の不当労働行為であります。

これでは、職員は安心して働き続けることができなくなります。それは職員のモチベーションを低下させ、働きがいを奪い、ひいては市民サービスの低下を招きます。 

第四に、本条例案は、日本国憲法をはじめいくつもの法令や最高裁判例に抵触する恐れがある内容を含んでいるという点であります。

そもそも、憲法15条の「公務員は全体の奉仕者」の規定に反するなど、憲法の規定に抵触する恐れのある内容が含まれています。そのほか地方公務員法、地方公営企業法、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、その他各種の労働法制等にも抵触する恐れがあります。それは、市会第375号での照会に対する、本年9月28日付の大阪市人事委員会委員長からの回答書でも、そのいくつかが指摘されているところであります。 

以上のような点をふまえ、本条例案に強く反対することを重ねて表明し、討論を終わります。