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市議団の実績

「関西電力管内の原子力発電所の稼働に関する

大阪市民投票条例案」

と修正案に賛成する北山議員の討論

北山良三市会議員

2012年3月27日

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表し、議案第166号「関西電力管内の原子力発電所の稼働に関する大阪市民投票条例案」に賛成する討論を行います。 

本条例案は、関電の原子力発電所の稼働の是非を、大阪市民の投票によって直接意思表示する機会をつくろうというものであります。

わが党議員団が本条例案に賛成する理由は、過酷事故を発生させれば、市民の生活と事業活動が根本的に破壊される「異質の危険性」をもつ原子力発電所について、その稼働の是非を市民の投票によって直接意思表示するという権利が、憲法上も地方自治の本旨からも認められていると考えるからであります。

福島第一原発の事故は、他のいかなる事故や災害にもみられない「異質の被害」をもたらすことを明らかにしました。

放射能汚染の広がりは、日本国内はもとより、海外にまで及んでいると報告されています。その被害は、土壌・大気・海洋などの広範囲にわたる自然破壊をもたらしています。

また、人体への影響も深刻で、急性障害ととともに晩発性障害による健康被害や生命の危険についても、20年・30年たってからガンを発症させるなど、将来にわたって脅かし続けるものであります。1986年、26年前のチェルノブイリ原発事故は、現在進行形でその被害が続いており、WHOは、事故によるガン死亡者数の増加を9000人と推計しています。

さらに、社会的・経済的被害でみても、すでに避難を余儀なくされている方々は、この先20〜30年間は地元に戻れないと言われており、地域社会丸ごと存続できない状況になっています。自然を相手に成り立つ農業や漁業はもちろん、観光・流通など関連産業も含め経済的ダメージは計り知れません。

また、原子力発電所に関する技術は、本質的に未完成であり「異質の危険」を持つものでもあります。

今ある原発のどんな形の原子炉も、核エネルギーを取り出す過程で、莫大な「死の灰」を生み出します。100万キロワットの原発が1年間稼働すると、広島型原爆1000発分を超える「死の灰」がたまります。これを、どんな事故が起こっても原子炉の内部に安全に閉じ込めておくという手段が、今の技術ではありません。「使用済み核燃料」を安全に後始末する方法も確立していません。今は貯蔵プールに沈めているだけで、それも冷却機能が途絶えれば、放射能汚染事故の発火点になってしまいます。

加えて重大なことは、日本は世界有数の地震多発国であり、津波大国であるということであります。津波を表す外国語は存在せず「Tsunami」は国際語になっています。

関西電力の原発が集中する福井県にも、活断層が存在し、過去にも1586年の「天正大地震」による大災害の記録が残されています。こんな日本で、また関西地域で、原発に頼ることの危険性は、特別に深刻なものであることは明白であります。

 このような状況にある原子力発電所だからこそ、市民が、その危険性を理解し、稼働の是非を投票によって直接意思表示するという権利を否定することは、到底できないのであります。

なお、本条例原案の第5条第1項第2号における「の市町村」の文言の削除、および第12条第2項の削除の2点に関する修正案にも賛成することも申し添えておきます。

以上をもって、賛成の討論といたします。