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市議団の実績

てらど議員が

国民健康保険事業会計補正予算案の

修正を求める動議を説明

てらど月美市会議員

2012年5月25日

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第182号、2012年度大阪市国民健康保険事業会計補正予算案の修正を求める動議についてご説明をいたします。

 修正動議の内容は、2011年度の国民健康保険事業会計への2012年度歳入からの繰上充用の財源182億円の全額について、国庫支出金を充てるよう修正するというものです。市長案では、繰上充用の財源について、半額の91億円は2012年度の繰越滞納保険料収納分を充て、残りの半額を国庫補助金に求めています。

 わが党は、滞納保険料収納分については、国保料の支払いに苦しむ市民の今後の保険料軽減に充てるのが当然だと考え、この修正案によって、国保加入者1人につき、少なくとも1万円の国保料引き下げを実現しようとするものです。

 

 なぜ、繰上充用の財源の全額を国庫支出金に求めるべきか、その根拠及び理由について申し述べます。

 第一は、そもそも国民健康保険法では、その第1条において、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と定め、さらに第4条では、「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない」と、国保の健全運営に対する国の責務を明確に定めております。法の趣旨からみて、本市の昨年度までの国保事業会計での不足財源については、全額、国庫支出金を充てるべきだと考えるからであります。

 

 第二に、国保会計の財政悪化をまねいた主な原因は、1984年に国庫支出金を医療費の45%から38.5%に大幅削減したことに続き、事務費負担を全廃するなどの改悪がおこなわれ、本市国保会計に対する国庫支出金の負担率が60.37%から25.92%に激減したことにあります。その結果国保を運営する大阪市と、加入する被保険者の負担が大きく増え、国は自らの役割を放棄し、矛盾のしわ寄せを大阪市と被保険者に押し付けてきたからであります。本市として国保会計の健全化を図るために、国に対して、国庫支出金の大幅な増額を求めてゆくのは当然のことであります。

 

 第三は、わが党が繰り返し指摘、批判してきた普通調整交付金のペナルティー減額であります。本来、国保財政に入るべき国からの交付金が大幅にカットされ、本市では、毎年のように国保会計の赤字額を上回る交付金減額が行われてきました。保険料の収納率の低下を理由とする普通調整交付金のペナルティー減額が、本市では1997年度から始まり、2010年度で止まってはいるものの、累計で187億円。また、乳幼児医療費助成制度などの本市独自の施策実施などを理由にした調整交付金のペナルティー減額が、1999年度から始まり、累計で140億円。合わせて2010年度までのペナルティー減額は累計で327億円に達しており、これは本市の累積赤字額182億円を大きく上回っています。国による一方的なペナルティー措置が、いかに国保事業の健全な運営を阻害しているかは明瞭であります。本市としても、国に対して、今なお残る独自施策を理由とする不当な普通調整交付金のペナルティー減額措置を、直ちに廃止するよう求めるとともに、従来の減額分についても「全額補填せよ。」と強く要求すべきであります。

 

 次に、なぜ、繰上充用財源に充てようとしている繰越滞納保険料収納分を、保険料の引き下げに充てるべきか、その理由について申し上げます。

 それは、本市の国保料の実態が、被保険者にとってあまりにも過酷で情け容赦のないものになっているからです。40才代の夫婦と子ども2人の4人世帯で所得200万円の場合、保険料は38万円、所得に対して19%もの負担です。現行の保険料算定方式も保険料減免制度も所得だけを基準にしており、支出の状況はほとんど保険料に反映されません。本市では現役世代の45%が非正規労働で安定した収入が得られないという状況です。あまりにも生活実態と乖離した保険料負担となり、本市が強権的な収納対策を強めるにもかかわらず保険料滞納世帯が3割近くとなっている状況はここに原因があるといわなければなりません。国保料の引き下げは待ったなしの課題であります。

なお、市政改革プラン(素案)で打ち出されている、本市独自施策の3割減免廃止など、国保会計への一般会計繰入金10億7千6百万円の削減による、さらなる負担増は撤回すべきだと強く申し上げます。

 以上、本修正動議への議員各位のご賛同をお願いいたしまして、修正案の説明とさせていただきます。