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大阪市教育行政基本条例(案)に対する 井上議員の反対討論 |
井上浩市会議員 2012年5月25日 |
私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第179号「大阪市教育行政基本条例案」および修正案に反対する討論を行います。 本条例案の内容は、政治による「教育への不当な支配」そのものであり、教育の条理を守る立場から到底認める訳にはいきません。 以下、具体に反対の理由を申し上げます。 まず第一に、教育振興基本計画の策定および点検・評価に関し、地方教育行政法第23条、24条および27条に明確に定められている、教育委員会と市長の職務権限の役割分担にかかわらず、教育委員会と市長が共同で策定、点検・評価するとしていることです。 これは、教育の自由と自主性をゆがめ、政治的中立を損ねるものであり、こうした違法な条例は断じて認める訳にいきません。 第二に、本条例案に先行して「国旗国歌条例」によって、すでに教育現場が丸ごと政治によって不当に支配されているからです。 卒業式、入学式で教職員に国旗・国歌を強制した上、不起立の教員に対し、保護者説明会で謝罪させるという事態が起きました。内部の問題を、保護者や生徒たちまで巻き込んで「極めて不適切な行為」と断定し、一般市民の内心にまで介入しているのであります。不適切な行為であるかどうかの判断は、まさにそれぞれの思想信条にゆだねられるべきものではありませんか。 教育行政基本条例案の前文には、「教育に寄せる市民の多様な願いや思いをくみ取って」という一文があります。しかし多様な願いや思い、すなわち多様な価値観を尊重するどころか、特定の価値観を保護者や生徒にまで押しつけているのであります。ここに市長の教育に対する基本認識があらわれており、教育は2万%強制という価値観が色濃く出ているのであります。 教育の条理に反する本条例案は、教育現場を強制と管理でしばりつけ、過剰な競争を持ち込むものでしかなく、教育現場が抱える課題を解決する方向を何ら示しておりません。 それどころか逆に、一層教育現場を荒廃させるものでしかありません。 子どもたちの個性や能力を、豊かに育むためにも、ゆがんだ教育観に基づく本条例案はきっぱり撤回すべきであることを改めて申し上げ、反対討論とします。 |