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市会本会議・代表質問での 井上浩議員の質疑と橋下徹市長の答弁要旨 |
井上浩市会議員 2012年7月12日 |
2012年7月12日の大阪市会本会議で井上浩議員が行った代表質問での質問要旨と橋下徹市長の答弁要旨です。 (日本共産党大阪市会議員団事務局でテープ起こしをしたもので、正式な記録ではありません) 質問の柱 1.「市政改革プラン(案)」について (1)パブリックコメントの意見をどう受け止め、生かしていくのか。 (2)「敬老パスを維持」という公約にもとづき、現行制度こそ維持するべきではないか。 (3)「現役世代への投資」のひとつでもある新婚家賃補助制度は、継続するべきではないか。 (4)各区の市民利用施設を9つに集約しようとするのは、行政区の再編ありきであり、そうであれば区割り案を先に示して、市民の声を聞くべきではないか。 (5)市民のくらしを守るのが、地方自治体の役割ではないのか。 2.府市統合本部の検討項目について (2)住吉市民病院の存続を願う多くの地域住民の声を、どう受け止めているのか。 (3)住吉市民病院は廃止ではなく、現地建て替えを行うべきではないか。 3.労使関係に関する条例案、職員の政治行為の制限に関する条例案について (1)労使関係に関する条例案は、労働条件に関わることも労使交渉できないということになるが、違法ではないと考えているのか。 (2)職員の政治的行為の制限に関する条例案は、憲法に保障される表現の自由も一切認めないということか。 4.災害廃棄物広域処理について (1)市民の不安にしっかりこたえると共に、市民合意を大前提にするべきではないか。 井上議員 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して2012年度補正予算案、及び関連諸案件について質問をいたします。 (1)パブリックコメントの意見をどう受け止め、生かしていくのか。 まず初めに「市政改革プラン案」についてであります。この間、パブリックコメントに、たくさんの市民の切実な意見が寄せられました。2万8千件をこす、たくさんの市民のわき起こるような声であります。また今回の議会には請願・陳情を合わせて566件寄せられています。市民の切実な願いが大きく広がっていることの現れです。各議員に対しても幅広い市民から申し入れや懇談の要請が殺到していることと思います。 「市政改革プラン」の「基本方針編」には、「サイレント・マジョリティ」という言葉が登場いたします。「サイレント・マジョリティなどの、表面化しにくいものを含めた多様な意見やニーズを的確に把握し、それを反映させていく」とあります。たいへんすばらしい理念だと思います。「サイレント・マジョリティ」の言葉の解説には、つぎのようにあります。「公の場で意思表示をすることのない大衆の多数派をいいます」とこのようにあります。マジョリティと言うことで、多数派だけではなく、マイノリティ、いわゆる少数派の、こういう方々の意見もくみとる。そういう姿勢もしっかりとこの内容の中には、意味合いのなかには含まれている。こういうことも当局からも説明を受けております。 さて、市長にお聞きを致します。このパブリックコメントの結果を市長はどのように受け止め、文字通り多様な意見やニーズをどのように生かしていくおつもりなのか、先ずお尋ねいたします。
橋下市長 パブリックコメント手続きは非常に重要です。ただ、市民のみなさんの意見によって、このパブリックコメントによって政策の賛否を問うものではありません。通常自由民の代表であります議員のみなさんと論議をしていますが、ただ、市民のみなさんからの直接の声も伺って、そこにきちんと直接返答を出すという、その手続きが重要でありまして、このパブリックコメントの声の数の多い少ないで政策についての賛否を問うものではありません。数というよりも、パブリックコメントの場合には、その意見の中身が大切だというふうに思っております。 また、先ほども言いましたが、特にこの260万人、有権者200万人を代表する議員のみなさんとの議論も大変重要だというふうに思っておりまして、最終的には、パブリックコメントの意見、また僕の所に直接届く様々な意見、議会のみなさんの意見を総合的に判断した上で「市政改革プラン案」としたものであります。
井上議員 今、市長は「中身が大事」だとおっしゃいました。本当に中味が大事だと思ってらっしゃるのか、たいへん疑問であります。いずれも市民がこれまで積み上げてきた、前進させてきた施策であり、市民の大切な財産であることは言うまでもありません。そういう貴重な財産にたいする意見でありますから、どの意見も一つ一つ丁寧に分析をし、また検証するという姿勢が本来必要であるのに、残念ながらそうした姿勢は全く伝わってまいりません。 これだけの切実な声が寄せられたわけでありますから、「市政改革プラン案」はいったんリセットして、市民の立場にしっかり立って、私は見直すべきだと思うんですが、このパブリックコメントというのは、市長の中でいったいどんな位置づけなのか。記者会見等では「利害関係者がパブリックコメントを寄せるんだ」と、こういうこともおっしゃったかと思うんですが、利害関係者の意見を聞かないのであれば、じゃあいったい誰の声を聞こうというのか。その関係している方は当然、関わっている訳ですから、意見を寄せるわけであります。そういった方々の声を聞かないのであれば、いったい誰の声を聞こうというのか。 また、市長はこのパブリックコメント、いったい何のためにやられたと思っているのか関連してお聞きしたいと思います。
橋下市長 パブリックコメントは直接市民の皆さんの意見を伺って、答えるという手続きでありまして、議会制民主主義の下においては多くの住民の皆さんの幅広い声を集約するのは議会でありますから、議会での議論が一番重要であります。ただ、それだけでは住民の皆さんに直接のコミュニケーション取ることが出来ませんので、パブリックコメントという手法を使ってですね、直接のコミュニケーションをとらさせてもらう。あくまで政策の賛否を問うものではなくてですね、直接のコミュニケーションをとるというところが重要であるかと思っています。 あと、パブリックコメントについては一つ一つ精査をきちんとサー組織で対応しております。これは一つ一つといいますか、全部市長ができるなんてのは、どだい無理な話でありまして、それをやろうと思えば、早く適正規模の基礎自治体に、この大阪市役所というものを再編しなければいけない。このいまの市長業務の中で、パブリックコメントを全部精査するなんていうことは、難しい話しでありますが、ただ組織としてはきっちり精査をしております。 どのような声を聞くのかと、利害関係者の声を聞かずして誰の声を聞くんだと言うことでありますが、当然、当事者の意見は聞きますけれども、大阪市民全体の声を聞かないとですね、お金はくれ、くれと。くれることには超したことないんです。ただそういうことをやるとですね、財政も成り立ちませんし、政策のバランスもとれません。 僕は、共産党のように無責任に意見をいう立場だったらそりゃ何でも言えますけども、政策を実行しなければいけない立場なんですから。共産党は何でも「やれ、やれ」「くれ、くれ」「お金を全部つけろ」と。何一つ実行できないと。 僕は今回、給食にしたって、医療費の助成にしたって、妊婦健診だって。これ議会のみなさんの協力も得ながらですね、こりゃ着実に実行しているところでありまして。そういうようなことをしっかりふまえてですね、市民の皆さんの意見を聞いております。 だいたい声の大きいところ、そういうところは本当にそれが市民の多くの声が反映しているのか、怪しいところでありまして。共産党さんも早く、市民の多くの声を反映するような党になって頂きたいと思っています。
井上議員 相変わらず自治の仕組みにすりかえたりと、いう答弁でありますけれども、市長の政治姿勢何ですよ、要は。市民の切実な声に真摯に耳を傾けるか、傾聴するかどうか。この姿勢が問われているにもかかわらず、そうした切実な声、悲痛な叫び、声なき声。そういうものにしっかりと、市民目線で耳を傾けるという姿勢が全く欠けている。そこが問題なんであります。全くの上から目線。こういうやり方では、本当に市民の立場に立った市政運営というものは、全くできない。それはやはりこのパブリックコメントに対する様々なご発言。そして今もご答弁にありましたけれども、そういう中に現れているのではないか。はっきりと申し上げておきたいと思います。 (2)「敬老パスを維持」という公約にもとづき、現行制度こそ維持するべきではないか。 さて、次に具体の問題でお聞きをしてまいります。まず敬老パスについてであります。文字どおり敬老の精神に立って創設された制度であります。健康、生き甲斐づくり、社会参加の促進、地域経済への波及等の効果については申し上げるまでもございません。 市長の選挙広報には「敬老パス維持」「私鉄にも」、と書いてありましたし、「大阪維新の会」のビラにも「だまされないで下さい」「敬老パスは無くしません」「敬老パス制度を維持します」とありました。この公約に照らしても、私は敬老パスは、市民の切実な願いに応えて、現行制度を維持するべきだと思いますがいかがでしょうか。
橋下市長 これはあのー、市長選挙、ダブル選挙の時に、まあ共産党が主にそうだったと思うんですが、「大阪維新の会が敬老パスをなくす」というようなデマを流しましたので、それに対して敬老パスは無くさないと、正直にいったところであります。中味についてはこれは検討が必要です。このままでは持続可能な制度にはなりませんと言うことは(ヤジ多数。議長「静粛に」)。どうなんですか、この不規則発言は(議長「続けて下さい」)。ああ、そうですか(笑)。ですからそのように「敬老パスは無くさないと」いうことをそのまま言ったわけでありまして。これは街頭演説でもいろんなところでも、タウンミーティングにおいても、ご負担については一部もってもらわなければ制度は成り立ちませんということは、言ってきました。ですから制度は、敬老パスという。ある意味、大阪での特別な制度であるこの敬老パスというものは維持していきますけども、持続可能な制度になるためにも一部負担を求めますし。 何よりも共産党さんのずるい所はですね、公立中学校の給食の問題とか、妊婦健診の問題とか、医療費の助成とか、まあいろいろ共産党さんが言ってた主張、財源問題は何一つ言わずにですね、この敬老パスについてもいろんなことを言う。公約の話も言われるんであれば、共産党は確か国民保険ですか、国民保険料下げるというふうに言ってたのに、全然下がってないじゃないですか。早く国民保険料、共産党の力で下げてもらいたいものですね。(ヤジ多数)。
議長 発言中ですのでご静粛にお願いいたします。市長に申し上げます、答弁は質問の範囲内でお答え下さい。
井上議員 私からも申し上げておきますが、質問したことに答えて頂きたいと思います。全然関係のない事、とんちんかんなこと言わないで下さい。 しかもですね、要はこの「敬老パス」について質疑している訳ですから、「公約に基づいてやって下さい」と言うことを申し上げたわけでありますが、共産党はどうのという、公党への誹謗・中傷に問題をすりかえる。これも卑怯なやり方ではないかと思います。政策論戦をしているんですから。まともに敬老パスの問題でお答えを頂きたいと思います。 高齢化社会を迎えている今、一生涯住みつづけたいと思える、魅力ある街作りにとって、これほど寄与し、また他都市に誇れる制度はありません。正にこういう、敬老・敬愛の精神が大阪という都市格を高めているわけです。そういう一つの都市格を高める一つの要因となっていることを私は確信をするものであります。 市長は、この「現役世代への投資」というようなことで、若い世代にいろいろ施策を打つというようなことをやっておりますけれども、お年寄りにも大事にして下さい。やっぱりお年寄りに優しい街。やっぱり今我々があるのも、親の世代、おじいちゃんおばあちゃんの世代、先輩方のご苦労があって、我々が今ある訳であります。そうした我々の、親の世代がですね、戦後の復興をにない、日本の経済、大阪の経済の発展をになって来られたわけですから、やっぱり、いくつになっても元気で、そして生き生きと住み続けられる、そういう、子どもだけとか現役世代だけとか、そういうことではなくて、やはりお年寄りにもやさしい街作り。この視点が市長には欠けているんではないでしょうか。その考え方を、私は改めて頂きたい。 あらためて市長にお聞きしますが、公約に基づいて敬老パス、守るべきではないでしょうか。もう一度お答え下さい。
橋下市長 公約はしっかり守ってます。敬老パスは維持します。ただ持続可能な制度にするために、一部ご負担は求めます。 高齢者世代もしっかり守っていかなければいけないというのは、十分承知していますが、この敬老パス、完全無料の制度というのが、日本全国の中で大阪市だけ。年間80億円以上のキャッシュがでている。こんな制度は他の都市を見てもありません。80億の現金というものが、どれくらいのお金なのかということを、これは議員のみなさんも高齢者の皆さんにも説明すべきだと思っています。年間10億、20億あれば、子どもたちに世界最高の教育環境を整える。ICT環境の整備もできます。 高齢者の皆さんに対しては、1回50円を求めますけども、50円で乗り放題です。本来地下鉄やバスというものは料金がかかるのが当たり前です。子どもでも半額です。ですから高齢者の皆さんを大切にするとういう、そういう主旨をこめて、意味を込めて、50円で乗り放題。おそらくこれに反対する高齢者の方もいるかとは思いますけれども、僕の感じている政治感覚では、多くの高齢者の方が、50円だったらこれやむをえないね。その分、子育て世代。非常に可処分所得が苦しい子育ての家計のなかで、子育てをしている世帯にもうちょっと配慮をしてあげて。教育の方にもっともっと投資をしてね。というのが、僕の聞いてるところの多くの高齢者の声でありまして、そこは共産党さんがが聞いている高齢者の声と違うのかもわかりません。
井上議員 公報にも「有料化」って書いてないんですよね。だから多くの高齢者、だまされたと、正に思っていると思います。「だまされないで」じゃないんですよ。有権者が正にだまされたと思っていると思います。実際にそういう声をたくさん町の中で私は聞いています。しっかり真摯に公約を守って頂きたい。あらためて申し上げておきます。 (3)「現役世代への投資」のひとつでもある新婚家賃補助制度は、継続するべきではないか。 次に新婚家賃補助制度についてであります。本制度は、経済的理由からなかなか結婚できないという若い世代にとりましても、希望の制度であります。私も収入の少なかった新婚時代、この制度に救われた一人でございます。定住効果ももちろんあります。新婚家賃補助制度も大切な「現役世代への投資」でありますから、この制度は継続するべきだと考えますが、どうでしょうか。
橋下市長 お金があればやりますので、どっから、お金を生み出すのかを先に言っていただきたいと思います。公約の事、いろいろ言われましたが、共産党の公約は、国政も地方も何一つ守れていないと思っています。
井上議員 新婚家賃補助制度のことで聞いたのですけれどもね。 市長はですね、この現役世代への重点投資と言いながら、結局この新婚家賃も制度を事実上、廃止にすると。保育料もあげる。上下水道料金の減免制度も切り捨てる。就学援助も切り捨てる。全く一貫性がない。ちぐはぐだと思うんです。どこが現役世代なんです。投資なんですか。 その乳幼児医療とか、妊婦健診とかいろいろおっしゃるんですけれども、それはもちろん、我々も繰り返し議会で取り上げ、要望してきたことでもありますし、また市民にもたいへん喜ばれていることであります。しかし、妊婦健診にしてもこれ全国最低だったんですよ。政令都市比較どころじゃない。全国で一番悪かった。それを政令市の水準にやっと追いついた。学校給食だって、全国でいえば、85%以上の自治体がやっている。それなのに大阪市はやってこなかった。そういう事があるわけです。ようやく、他都市の水準に追いついたというレベルなんです。やって当たり前なんですよ。 それをやったやったという事で、新婚家賃贅沢だ。保育料も委員会でだいぶ議論しましたけれども、これも他都市の水準、他都市の水準といっても低い方に合わせただけじゃないですか。 そんなむちゃくちゃな、いい加減なやり方で、大阪は大阪で、独自の制度を築き、前進させてきた歴史があるんですよ。他都市と違うんですよ。状況が。そういうものを一緒くたにして、結局引き下げるためのむちゃくちゃな比較をして、今回のようなやり方を強行しているわけです。全く道理もない。ちぐはぐなやり方だということを、厳しく申し上げておきたいと思います。 (4)各区の市民利用施設を9つに集約しようとするのは、行政区の再編ありきであり、そうであれば区割り案を先に示して、市民の声を聞くべきではないか。 さて次です。市政改革プラン素案の、段階においては、身近なプールをつぶしていき、当初9つにするとしていました。その一方で、何で道頓堀にプールやねんと。誰もがその意味不明さには思考停止状態に陥ったはずであります。また、男女参画共同センター、クレオ大阪は、中央、東西南北の5つのブロックに配置され、男女共同参画事業に多大な役割を果たし続けています。24館あったものが9館になってしまうかと思えば、5館あったものは逆に、24区に機能を振り分ける。というのですから、一体何故プール等は9という分母が前提になるのに、一方でクレオなどは24区が前提になっているのか。市民には全く理解できないと思います。これもまたちぐはぐであります。こうした行政区の再編先にありきで、「なんで9やねん」という数字の根拠はや前提が市民には正確に示されていないどころか、具体の区割り案すら議会に示されていないのであります。このように、既成事実を先につくってしまい、乱暴に住民施策を切り捨ててしまうのではく、市長が描く区割り案など将来的なビジョンをまず先に示した上で、市民の声を聞き、住民サービスのあり方を考えるべきだと思いますがどうでしようか。
議長 発言中ですから静かにして下さい。市長に申し上げます。議長の使命を受けてから答弁をお願いします。ですから委員の皆さんもお静かにお願いします。
橋下市長 ただ答弁の、どういう答弁するかは僕の自由じゃないですか。その前振りのところは。そりゃ制約があるんですか。ちょっと待って下さい。じゃあ、共産党は公約を何一つ実現したことのない政党ですから、公約の実現の仕方についてはご理解が無いのかもわかりませんが、公約を実現するのは大変なんです。お金を生み出さなければなりません。お金を生み出すことが政治家の一番大変な、大切な作業でありまして、何やれ、かれやれは誰でもいえることなんです。こりゃ非常に公約実現にあたっては、住民の皆さんにいろんな負担を求めざるを得ないところがありますけれども。給食についても、医療費の助成についても、「やってあたりまえ」の事だったら、もっと早くやっていれば良いだけのことじゃないですか。これが出来なかったのがこれまでの大阪市政の現状で、それをやるために今回大阪市政の改革というを続けております。 高齢者のみなさんにもご理解を頂きながら、他都市比較のなかで現役世代、教育、それから子育て世代にお金を回させてもらうために、ご理解を得ながらですね、すすめていかなくてはなりません。 プールの問題とか、ま、いろんな、男女参画センターの問題とか、いろいろいわれておりますけれども、これも公約実現したことない共産党ですから、このような意見を言うんでしょうけれども。 僕は公約を実現するためにですね、将来の大阪の都市構造をみすえて、何の施設はどれくらいにすべきなのか、このような機能はこういう所を使ってやるのか。そういうことを念頭にやっております。24というものが仮に将来、区が再編されたとしても、今の区役所。その24区を出張所として使うことも可能でありまして、自由民に身近なサービスは、より住民に身近なところで、出張所を使いながら、今の大阪市全域で24箇所でやることももちろん可能です。しかし、プールというこういうような、ある意味、広域的な施設でもあるようなものは、それは今24区にあるものを再編するということも当然必要なことであります。道頓堀プールのことを引き合いに出されましたけども、道頓堀プールについては税の投入は一切考えておりません。いまの温水プール含めてですね、管理運営費にどれぐらいお金がかかってるか。そのあたりについても、公約を実現したことのない共産党は何も認識が無いんだというふうに感じております。
井上議員 市長はもう公党への誹謗・中傷しかできないんですね。まともな論戦ができないと言うことではないでしょうか。 我々もずっと、もちろん先ほど申し上げたように、議会では市民の切実な要望を議会で繰り返し提案してまいりました。しかしそれが中々実現しない前進をしないという部分で言えば、やはりそれはもちろん我々の力不足は認めます。しかしそれを阻害してきたのは誰なのか。そここそ一番の問題ではないでしょうか。それを打開するため、解決するために我々は引き続き頑張っていきたいと考えております。 (5)市民のくらしを守るのが、地方自治体の役割ではないのか。 さて当然市長の言われるように、お金は天から降ってきません。当たり前です。だからこそ家計をうまくやりくりし、家族を守らなければならないのと同じように、市長は財政をうまくやりくりして、市民を守らなければならないわけです。私はさまざまな財政資料から見ても、本市は決して「破産会社」でもなければ、破産に向かっているわけでもないと認識をしております。 これまで具体に申し上げた、敬老パスも新婚家賃補助も、プールも、クレオも、市民の立場でうまくやりくりすれば十分に現行制度を維持継続できると考えますし、それが本来の地方自治体の役割だと、本来の地方自治体のあり方だと思いますが、市長いかがでしょうか。
橋下市長 まあ公立中学校の給食とか、医療費の拡充、それから公立小中学校への空調機の設置、妊婦健診の無料化、学校ICTの環境整備。その他待機児童の解消を含めてですね、100億を超える予算というものを、きちんと実行しようというふうにやっとるわけです。 共産党の方は、これを実現するために、いろいろ市民の要望を受けて提案したということを言われておりました。一体だれがその共産党の要望を実現しなかったかといえば、僕の前までの市長であります。その前市長を応援したのはいったいどこの党なんでしょうか。それまでの大阪市政で共産党が言ってることを実現出来なかった、その市長を応援していた共産党ということは、何をやってんだかさっぱり意味がわかりません。 市政改革プランについても、自治体の役割だなんだとか、そんなことはもう十分わかっとります。市民の暮らしを守るのは当然。僕でもあり、議会のみなさんとも議論しながら、当然これは、市民のくらしを守っていく。当たり前のことでありますけども。お金がない中でですね、どの施策に重点投資をしていくのか。新しく教育また、雇用、それから現役世代、子育て世代ですね。そういうところにお金をやっぱりしっかり回していく。OECD、先進国の中でもですね、こういう子育て世代や教育への投資というものが、非常に少ないのがわが日本国の状況でありまして。そこにしっかり光をあてていくと言うことを、今回大方針に掲げております。こういうことをやろうと思えば、住民の皆さんにいろいろな負担を求めなければいけませんので、本当にたいへん辛い状況があるのは、そこは承知の上でですね、いま改革、また現役世代投資をしてるわけでありまして。 共産党のように、だれからも文句を言われないような、いいことばかり言ってるのであれば、何の改革も何もすすみません。何よりも前市長の段階で、共産党がいろんな提案をしていて、それを実現できなかった市長を応援した矛盾だらけの共産党の、まず、質問自体が全てが矛盾に満ちていると思っています。
井上議員 市長の憲法にたいする考え方、民主主義にたいする考え方が、あまりにもゆがんでいる、かけはなれているから、私たちは市長選でそういう態度を取りました。 さて次に府市統合本部の検討項目についてであります。 まず地下鉄・市バスの民営化問題です。公共交通は、市民とともに築き上げてきた長い歴史がありますし、大阪市は交通政策と一体に街の反映と経済の発展を築いてきたのであります。 一昨年の平成21年度公営企業決算議会において、累積欠損金が平成22年度末に解消される見込みであるという事とともに、平成31年度には、1,081億円を超える累積譲与金が生まれることが示されました。たまたま、私その時の決算メンバーでございましたので、その議論に加わらせて頂きましたので、非常に鮮明にこのやり取りを覚えているところであります。 さあこれから、利用者、市民にどう還元をしていくのか、そういう立場からの議論が活発に行なわれたのが、印象的であります。 ちなみに平成31年度の1,081億円の累積剰余金は、地下鉄事業からバス事業への繰り出しを見込んで、算出されたものであります。このことは、地下鉄とバス一体の公共交通ネットワークが、将来的にも十分に持続可能な体系であることを示しております。 またバス事業については、経営改善にとりくむとともに、600両を基本にした場合、平成27年度にはバス事業においても3億円の経常黒字が生まれるという見通しも示されていたのであります。 市長、私は、市民と共に歩んできた公営交通がこれからも市民と共に歩むことが大阪の発展に繋がると考えます。 しかしバス事業で見れば、バスを頼りにしているお年寄りや障害者をはじめ、交通弱者が路線の整理・縮小によって冷たく切り捨てられている現実が既に進行しています。 地下鉄民営化、市バスの解体はやめるべきだと考えますが、市長、どうでしょうか。
橋下市長 公共交通機関は2つに分けて考えなければいけないと思っております。 きちんと市場の原理に基づいて採算ベースでしっかり運営をしていくという領域とですね、採算ベースには乗らないけれども、ある意味、福祉的な観点から市民の足を確保するというこの領域。この2つを分けなければなりません。 これまでの市交通局は、福祉的な観点のみで、この交通局をとらえて、すべてひとくくりにして、採算度外視ということをやっていましたので、「交通弱者切り捨て」という、まあそういう言葉は、「交通弱者を守れ」という言葉はすごいある意味、きれいな言葉ではあるのですけれども、それをやるために、一体どれだけのムダな税金が使われ続けてきたのか。交通弱者を守るという事よりも、交通局の職員を守るために、税金が使われてきたという現実も見なければなりません。 非常に労使の関係の不適切な関係の中で、民間の給与水準と比べても、驚くばかりのバス事業、地下鉄事業。特にバス事業ですね。驚くばかりの給与体系です。「交通弱者を守る」というフレーズは、これはある意味それを隠れ蓑にしてですね、実際のところは交通事業体で働いている公務員、交通局の職員の単なる給料を増やしただけという、こういう現状を改めて、真の市民のためになる交通事業体に生まれ変わらさなければなりません。 そういう意味においては、できる限り、採算ベースにのるものについては、採算ベースに。これは交通局で新しい交通局を目指してもらいます。 ただどうしても、採算ベースにのらない場合は、これは効率性とかそういうことを考えることなしにですね、真正面から公のお金を入れて、交通弱者をしっかりと守っていく。ですから採算ベースと採算ベースに合わないもの、これ2つにきっちり、わけていくことが、僕の大阪市交通局の新しい方針であります。
井上議員 地下鉄とバスを切り離して考えるから、そういう無理矛盾が、私は出てくるんだと思います。 先ほど申し上げたように、財政的な根拠、将来的な見通し申し上げました。十分に一体の公共交通ネットワークとしてやっていけるじゃないか。100年の大阪市公営交通の積み上げた歴史、やはりそういうものを未来に継承していくべきではないか。そう申し上げましたけれども、それに対する明確な反論はなかったと思います。 それどころか、福祉の問題と組合ですか、また何かごちゃまぜにして、相も変わらず、そういう答弁がありましたけれども。現実に福祉の部分を切り捨てていっているという部分があるわけですから、いくら口で「福祉」「福祉」と言っても、これは全く、信用できません。口でそうおっしゃるんだったら、ちゃんと、今、路線を縮小整理してしまっている「区長に全部おまかせする」、そんな、ええ加減な事をせずに、ちゃんと今の形態で、お年寄りや障害者をしっかり守るべきだ。そうでなければ、市長に「福祉」をいう資格はないと、はっきりと申し上げております。 (2)住吉市民病院の存続を願う多くの地域住民の声を、どう受け止めているのか。 さて次に、住吉市民病院の問題であります。市長の選挙公報には、「二重行政を抜本的に解消」「財源を捻出」「大阪経済を成長させ、保健・医療・福祉・教育を充実させます」とありました。しかし「保健・医療の充実」どころか、「廃止」という著しい後退に、住民は驚き、とまどい、怒りの声をあげております。そうした中、地域振興町会や社会福祉協議会を含め、多くの住民が立場をこえて現地建て替えを明確に要望しております。 市長は、この住吉市民病院の存続を願う多くの地域住民の声をどう受け止めておられるのかまずお聞きしたいと思います。
橋下市長 地下鉄の問題は藤本局長と経営のプロの話をやって下さい。素人である共産党がいくら地下鉄の話をしても、藤本局長にはかなわないと思いますから。正にプロとプロ同士のそういう議論をやって頂きたいと思っています。 それから住吉市民病院につきましては、これまでの市議会での議論の積み重ねというものは十分承知しておりますが、その時の視点はですね、やはり大阪市内、そこに囚われたですね、その考え方にどうも固執していたのではないかと言うように思っております。 僕も市民の皆さんのくらしを守るその責任があるわけですから、市民の皆さんにマイナスになること、悪くなるようなことをやるなんてことは、選挙で選ばれた者がやるわけがありません。そんなの自分のクビを締めることになるわけですから。 ですから全体として将来世代にわたってですね、これが大阪市民のためになるということをやっているわけでして。そりゃ明日、明後日の選挙のことばかりを考えているいわゆる政治屋はですね、いまの声だけにとらわれるんでしょうけども、やはり次の世代のことも踏まえて、大阪全体のことを考える真の政治家はですね、いまの声だけにとらわれることは、そりゃよくないと思っています。いまの声ばかりにとらわれることによって、そのような政治をやったからこそ、行政がやったからこそ、大阪府も、大阪市も火の車状態になってしまった。それはよくないってことですから。だからこそ将来世代の事も考えて、全体のバランスを考える。いまの住民の皆さんに反対意見が出たとしても、それはしっかりと説明説得をして、こちらの案の方が将来世代にとって、より大阪にとっていいことなんですよと、しっかり説明をしていきたいと思っています。 僕は知事の経験がありますから、府立の急性期のそういう病院。それの状況というものも十分把握しております。ですから、この住吉の病院とこの府立の急性期センター、こちらをどう機能統合すればですね、どのような効果があるのかということも、これは大阪府庁の職員と、大阪市役所の職員も合わせて議論した。今迄そういう議論がなかったものですから、大阪府立の病院を切り離して議論していたので、住吉市民病院の現地建て替えという話になったんでしょうけども、大阪市という枠をこえて周囲にあるさまざまな活用できるインフラをですね、活用した新しい案に基づいていけば、府立急性期総合医療センターへ機能統合する事の方が、大阪市民のために、またもっと言えば、妊婦さんのために、もっと言えば大阪のために必ずなるということを確信し、また行政的にもしっかり、それをつめて、そういう案の方が妥当であるということで、今回の案になったところであります。
井上議員 まあ「交通局のプロに聞け」とおっしゃるんですけども、細かい事、数字のことは別としても、やはり基本的な理念、市民の暮らし、福祉をいかに守るのかという哲学の部分で、市長と議論したいわけです。それを「議論は局長としてくれ」というのはあまりにも無責任だと思いますね。 知事を経験されていらっしゃるわけですから、府立の状態、よく掌握されてるはずなんですね。いま府立急性期総合医療センターの現状はどのようになっているのか。外科系をはじめとした病棟はすでに飽和状態です。入院待機患者数は年間数千人であります。また手術室は今後見込まれる件数の増加に対応しきれない状態で、これも飽和状態であります。 一方、住吉市民病院は年間約5万人の入院患者。約10万人の外来患者が利用しています。分娩件数では住吉市民病院が直近で年間726件。急性期の方は446件と、住吉の方が多く、住吉市民病院がもしなくなってしまえば、住之江区には分娩取り扱い施設はゼロとなってしまい、完全に姿を消す事になってしまいます。責任もてるんですか、市長。 また、住吉市民病院は入院診療が必要な重篤患者の対応をおこなう2次救急医療機関であり、急性期の方は救命救急処置や集中治療など、緊急性の高い重篤な患者の対応をする3次救急医療機関であります。それぞれにそうした役割をになっております。 さらに住吉市民病院は市町村の地域防災計画に位置付けられた医療拠点である、市町村災害医療センターであります。一方、急性期の方は災害発生時に被災地内の傷病患者等の受け入れ、及び搬出拠点となる病院であります。府内ただ一つの基幹災害医療センターであり、災害時には中心中の中心になる拠点であります。東日本大震災の教訓をふまえ、あらゆる面で災害に備えなければならないときに、民間に担えない医療を担う使命を持つ公的医療機関を整理縮小してしまってよいのか、というのが問われています。 (3)住吉市民病院は廃止ではなく、現地建て替えを行うべきではないか。 市長、住吉市民病院、急性期総合医療センター、それぞれに重要な役割を果たしているんです。住吉市民病院は廃止ではなく、これまで議会でも繰り返し論議されてきたとおり、現地建て替えを行うべきでは無いかと思いますがいかがでしようか。
橋下市長 公共交通機関の哲学の話はしっかりやりやっていきたいと思うんですが、さきほど議員からは、経営がこれで、今迄のやり方で大丈夫だと、まさに経営者しかわからないような話をしたから、そんな素人考えは言わないで、交通事業体を語る資格なっていうのはありませんと申し伝えるためにですね、交通局長と話をして下さいと言っただけで、哲学の話しは、こりゃします。政治家同士でやったら良いと思います。しかし、経営状況がいままでのやり方でいいかどうかなんてのは、交通事業体を経営したこともない人間が判断できることではありませんので、もうちょっと交通局長にしっかり教育を受けてもらいたいと思っております。 住吉市民病院についてなんですが、こちらについてはですね、いま共産党さんからいろいろご意見頂きました。それはしっかりと、意見は重要なことですから承ってですね、行政的に課題解決にしっかりと、これは反映させるか、ないしは検討しなければいけないところでありますが。ただ僕の聞いている報告では、いま共産党がいわれたですね議員から言われたような、そんな問題点というものの、そういう課題。それは提示は受けておりません。府立の急性期総合医療センターの状況はたしかに、ただ、僕は議員が言われているような状況ではない。そういう認識ですから、僕が知らないことも、これはもちろん議会で指摘をして頂かなければなりませんから、そういう事実関係はしっかり確認しないければいけませんが、いま府と市でそれぞれの専門、ある意味領域を担当している行政マンで検討したところ、機能統合の方がよりベターだというような結論になっています。 分娩でですね、一番僕が考えなければいけないというのは、今の時代ですね、これまでのかつての話とは違いますけれども、今の時代、分娩の事故リスクというものを考えなければいけない。そういう状況であります。その時にですね、これまでのように大阪市の病院施設だけの観点で考えていきますと、住吉市民病院で何か問題があった場合ですね、市立総合医療センター、都島の方に搬送されていたというような経緯があります。やはりこれは大阪府も、市もなくですね、市民にとっても府民にとっても、大阪市も府もその枠組みは関係ないわけです。災害拠点とかそういうこともですね、府立急性期総合医療センターというものは、これはもうすばらしい災害拠点病院にもなっておりますので、何も大阪府立だとか市立だとか、そういう枠組みにとらわれることなく、大阪市民のためになる病院の形態はどうなのかということをしっかり考えて、この様な方針というものを、出したところであります。この医師の確保の問題、機能を充実させる問題。いろいろなことを総合的に判断してですね今回のような形にしました。 住之江区には分娩施設が無くなるからどうなんだという、住之江区選出の議員の皆さんのご意見もこれからしっかり承らなければならないと思っておりますが、ただこれは根本論でありまして、そもそも大阪市の24区を前提にするのかという議論に、また立ち返らなければなりません。24区を前提にして、24区のそれぞれの区内にフルセットで全てのものを揃えるということは、これからの時代ありえません。ですから24区を再編し、その再編後の姿を見据えてですね、分娩施設はどうなのかと。いわゆる住之江区というものを前提にするんではなくて、新しい基礎自治体の姿を念頭においた上で、様々な施設については考えなければいけないと思っています。 ちなみにうちの妻も、分娩するときには車でだいたい20分か30分車で走らせるような所で、7人生んでるような所もありまして、歩いていける所だけが分娩施設の全てではありません。
議長 再度皆さんに申し上げておきます。答弁中は静粛に願います。また市長に申し上げます。答弁は質問の範囲内でお答え下さい。質問に関係のない発言はお控え下さい。
井上議員 府立の状態はそういう事ですので、よく検証して頂きたいと思います。 現場からそういう報告受けてないということなんですけども、なかなか市長に言いにくいんでしょうね。たぶんそういう、全体がそういう雰囲気ですから、ものが言えない状況があるという事も、ぜひ頭の隅に置いておいて頂きたいと思います。 現実問題、この府市統合本部の関係の職員の方が、ここでは具体に申し上げませんが、相当追い詰められていると言うような話しも実は聞いております。それは、やはりまじめに真摯に住民の立場に立って物事をやろうと思えば、市長の方針との矛盾、ここにぶちあたる。その中で悩み込んでしまう。出口が見えなくなってしまう。そういう職員もいるということ。どの規模でいるかというのはわかりませんけれども、現にそういう職員がいる。実際の住民の切実な願いに立とうと思ってやろうと思えば思うほど、その市長の方針との矛盾にぶち当たっている。その現実もぜひ直視して頂きたいと思います。 (1)労使関係に関する条例案は、労働条件に関わることも労使交渉できないということになるが、違法ではないと考えているのか。 次に労使関係に関する条例案、職員の政治的行為の制限にかんする条例案についてであります。 労使関係に関する条例案では、労使交渉で、管理運営事項の交渉を禁止しております。管理運営事項は行政のあり方、予算、機構、人員配置などですが、こうした労働条件に深くかかわる事について労使交渉を禁止することは、公務員労働組合そのものの存在を否定することであり、団体交渉権の否定でもあのます。条例に違反すれば、懲戒処分とするとしていることも極めて不当なものです。すべての労働者に保障された労働基本権を全面否定する本条例案は違憲・違法であると私は思いますが、市長にはその認識はございませんでしょうか。
橋下市長 僕に対して、いろいろものがいえない職員っていうのも多数いるのかもわかりませんけども、しかし根拠のあること、ないことすべて何でもかんでもいえる共産党のように、僕は無責任な、そういう立場ではありませんから、やっぱり根拠のあることしか、職員もなかなか言えないものだというふうに思っております。 この大阪市の労使関係に関する条例案については、違憲でも違法でも、何でもありません。管理運営事項についてはそもそも組合が関与することは、これはやってはいけない話しですから。やってはいけないことをやるなと言ってるだけでありまして、当然のルールであります。
井上議員 管理運営事項であっても、勤務条件などに密接に関連する場合は、地方公務員法55条第1項にあるように、団体交渉の対象になります。従いまして、管理運営事項であることをもって交渉を拒否することは、憲法および法律で禁じられている不当労働行為であります。 また、そもそも団体交渉ルールを使用者が一方的に定めて、それに反する交渉には一切応じないとすること自体も不当労働行為に他なりません。公務員も労働者である以上、使用者と対等の立場に立って、自らの権利を確保するため憲法28条による団結する権は当然に保障されております。市長は統治権者としては職員に対する命令権がありますが、使用者としての市長は、組合とまったく対等な関係でなければなりません。労使関係の対等性は、労働法の基本的なルールだということをわきまえて頂きたいと思います。 (2)職員の政治的行為の制限に関する条例案は、憲法に保障される表現の自由も一切認めないということか。 次に「職員の政治的行為の制限に関する条例案」についてでありますが、本市職員が「勤務時間内外」を問わず、集会でみずからの政治的主張をのべることや、政党機関紙の配布、署名活動やビラ配布、演劇、政治的アピールのためのバッヂの制作、配布等に加わったり援助すること、すべてを禁じるとしています。しかも、当局が違反と認めた場合「免職の処分を原則とする」事がうたわれております。 そこで市長にお聞きします。この条例案の規定からすれば、本市職員は日本国憲法に保障される表現の自由、思想良心の自由は一切認められないという事でしょうか。
橋下市長 まず条文の解釈がちょっと間違っていると思います。地方公務員法55条1項は交渉事項として当然認めます。これ3項に書いてあるように管理運営事項に関することは交渉の対象とすることはできないというふうに3項に書いてあるわけですら、もう少し条文をしっかりと読んで頂きたいと思っています。交渉事項、やらなければいけない事はしっかりと交渉事項にしますけども、交渉事項でない地方公務員法55条の3項、地方公共団体の事務の管理及び運営に関する事項は交渉の対象とすることができないというふうになってるわけですから、それをはっきりとルール化したところであります。 それから今回の職員の政治的行為の制限に関する条例案についてなんですが、どこをどうみて憲法上の表現の自由が一切保障されていないと言っているのか、さっぱりわかりません。これは地方分権時代を迎えてですね、地方公務員も、地方議員もですね、国家公務員や国会議員なみにその役割というものが、これから重きがおかれることになります。これまでのように国が決めたことをそのまま執行すればよいという立場では無くなって来るわけですから、そうであれば国家公務員に課せられているような、そのルールが地方公務員に適用されることは当然のことであります。ですから今回の、職員の政治的行為の制限に関する条例案が憲法上問題があるという事であれば、早く国政において、共産党、力があるわけですから、国家公務員法を早く改正してですね、自らが理想とされる法体系にすべきではなでしょうか。国家公務員法で認められるというよりも、むしろ国家公務員法で制限されている、その自由についてのルールをですね、それを地方にあてはめただけでありまして、憲法上なんら問題はありません。
井上議員 さきほど申し上げたように、憲法に明らかに抵触する。蹂躙をするものだと言うことを改めて申し上げて起きたいと思います。 「懲戒処分により、地方公務員の地位から排除することをもって足る」という閣議決定をもって、市長は処分ができんだと、いうことを論拠にしていますが、この閣議決定を論拠にするのであれば、国会答弁でありますから、一部を取り上げるのではなくて、全体を読んだ上で判断をする必要があります。 この「懲戒処分により、地方公務員の地位から排除することをもって足る」というそのあとに、どのように国会での答弁があったのかということでありますが、「地方公務員法案において、政治的行為の違反があった場合に、必ずこれを懲戒処分によって解職するというようなことは毛頭規定していない」こうあります。 そしてその後に、それはなぜなのか、なぜ毛頭規定していないかという説明があります。 まず政治的行為を制限するのは、これは全体の奉仕者としての地位からいって行政の公正な執行を確保するということが目的だからとこうあります。その次が重要なんです。地方公務員法第36条5項に「職員の利益を保護することを目的とするものである」という趣旨において解釈され、及び運用されなければならない、とこうあるんです。ここまで読んでいただかないといけないわけであります。 ではなぜ職員の利益を保護する規定がはいったのか。さらにその説明もあります。このようになっております「例えば首長の選挙の結果において、従来占めていた地位を追放させられるというようなことが起りうると。政変のたびごとに職員が更迭されるというようなことでは行政の安定が維持できないと共に、職員も非常に不安定なものになりますので、そういうようなことのないように保障するため」だと。この様に言っております。 つまり地方公務員は全体の奉仕者として政治的行為は一定制限されるものの、「市長の奉仕者」でなく、「全体の奉仕者」として憲法で保障される。基本的人権は守られるべき、そういう解釈に基づいているものだと思うんですが市長のお考えはいかがでしようか。
橋下市長 まず、今回の条例が憲法違反ということであれば、国家公務員法についても憲法違法だということを宣言してもらわなければいけないと思っております。 議員が引用されたのは何を引用されたんですか。それは当時の国会答弁ですね。これは、議員は政治と司法を混同していますね。司法というもの過去の事実、一定の事実をですね、認定していくのが司法ですから、過去の事実は一つでなんでしょう。しかし、政治というのはですね、その時々の状況によってその意思というものが変わってきます。これが政治です。ですから過去のそのときの政治意思とですね、今の政治意思は変わってくる。変わらなければ政治ではありませんから。 ですからこの大阪市の条例についてですね、日本政府が出した閣議決定のなかに、今、議員がご指摘の趣旨が本当に必要なんであれば、そこまで閣議決定の中に入れ込むべきなんでしょう。しかし、今回はいっておりません。「公務員の地位を排除すればもって足る」というその文言だけで、閣議決定されたわけですから、過去の国会審議の中でいろんなやりとりがあったんでしょうけども、もしその主旨が今回の閣議決定が反映されるということであれば、日本政府は閣議決定を変更しなければいけないと思っております。
井上議員 閣議決定の答弁の内容というのは、「刑事罰がもりこめるのかどうか」という事に対する答であったわけであります。ですからそれに対する答として、懲戒処分より「公務員の地位を排除することをもって足る」という国会でのやりとりがありましたよと、だから刑事罰は科せられませんよということを言っているだけでありまして、この全体の国会答弁をみたうえで、さきほど紹介しました。それを見た上で、果たして地方公務員法にも国家公務員法のような基準を適用するというようなことが果たして妥当なのかどうか。まったく論拠がないという事が既に国会でのやりとりでも示されているという事を私は紹介したまでであります。 そして、職員の保護ということを入れたのは、当時の国公法への批判のなかで、当初国会のなかで構想されていた、「国公法に準じて」という理屈が結局成り立たなくなって、大きな批判が議論の中でもあり、また国民のなかでもあり、そして「職員の保護」という事を立法目的で入れたという経過もぜひわきまえて頂きたいと思います。 (1)市民の不安にしっかりこたえると共に、市民合意を大前提にするべきではないか。 最後です。災害廃棄物広域処理の問題であります。この問題では、私は悲惨な原発事故をどう受け止めるかという事とも深く関わりがあると思います。今後の原発のあり方をどう考えるのかという事と、がれき処理の問題は切り離せないのではないか、私は思います。それは国会での事故報告書が、あの事故は正に「人災」だといっていることにも私は非常に注視しなければならないと思います。 ひとたび事故をおこせば、遠い将来にわたって人類はこの問題と向き合わなければなりませんし、事故後の対応を誤れば被害を拡大してしまうことにもつながりかねません。だからこそ私は、政府が「安全だ、安全だ」といくら言っても、住民合意の方こそ尊重するべきだと思います。市長はこの問題、スピード重視、いろいろ重視されていますけれども、スピード重視よりもやはり住民合意を重視すべきだと私は思いますがいかがでしようか。
橋下市長 刑事罰の関係は論理学を申すこと勉強して頂きたいなと思運ですが、刑事罰を付けちゃいけない理由が「地方公務員の身分を排除すればそれで足りる」という事ですから、だから排除するというふうに言っているわけです。もしそれが刑事罰、戒告とか、他の処分でいいということになれば、そりゃ刑事罰をつけなきゃいけないという議論になるわけでして、刑事罰をつけなくてもいいですよ、地方公務員の地位を排除すればいいんですから、だから刑事罰は付けちゃいけませんよということですから、閣議決定に従って「地位を排除する」ということを素直にやるだけであります。 災害廃棄物の事につきましては、こちらについて住民合意が必要なことはもう指摘の通りでありまして、これまでに住民説明会もやってきました。この住民説明会だけで十分かと言われれば、もちろんこれだけで100%充分だとも思っておりません。しかし、「住民合意」という、またそういう非常に耳障りのいい、そういう言葉を言うのは非常に楽なんですけども、住民合意なんてのは、じゃあどこまでやったらいいんでしょうかね。全員一致なんでしょうか。住民説明会には200名も300名も来られる。ここに共産党の議員さん来られてましたかね。自民党の先生方は来て頂きました。ああ、先生も来られてました。全員合意をあそこでとれというのですかね。それは無責任きわまりないですよ。 じゃあ、どこまで住民説明会をやりつづけないといけないのか。僕は100%、今回住民説明会が、これで100%、もう十分ですと、これで完璧ですというつもりもありません。ないけれども、賛成、反対の意見があるなかで、住民のみなさんがどう考えられているのか、感じてらっしゃるのか。住民説明会にこられた住民だけじゃなくて、此花区民の皆さんはどうなのか、此花区選出議員の皆さんの意見はどうなのか、そういうところを見てですね、最終的に総合判断しなければなりません。住民合意なんていう、そういう出来もしない完全一致。これだけの人数がいるんですよ、何万人もいる、もっと言えば何十万人何百万人もいる大都市で、完全一致なんていう、出来ないような話を批判の理由にするのは非常にこれはずるいと思いますね。それを言うんであれば、これぐらいの合意を得なさいとか、これぐらいの合意の水準ですよね。それを言えるんだったら言って下さい。それが言えないから、政治家というものは最終的に総合的に政治判断をしなければならない、いわゆるそういう責任を負っているわけです。
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