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市議団の実績

 

大阪市議会

橋下市長問責決議案

山中市議が賛成討論

 

山中智子市会議員

2013年5月30日

市会本会議で問責決議案について討論する山中議員

 大阪市議会で橋下徹市長(「日本維新の会」共同代表)に対する問責決議案(日本共産党、自民党、民主党系会派の共同提案)が否決された5月30日夜の市議会本会議では、採決に先立って行われた討論で、日本共産党の山中智子市議が「問責決議案を議決することこそ260万市民に負託された大阪市会の責務だ」と力説しました。

 決議案は、日本軍「慰安婦」問題などをめぐる一連の発言で橋下市長が「市政を混乱させた」ことを批判し、発言には「責任問題が伴うことを自覚すべき」と市長に猛省を求める内容です。

 討論で山中氏は、橋下氏の一連の発言について「女性をモノのように言い、男性をケダモノのように言う人間観、非常識なふるまいへの驚きと憤り」が内外に広がっており、「大阪市民も恥ずかしい思いをしている」と指摘。「市長の責任は重大だ」と発言の撤回と関係者・国民全体への謝罪を求めました。

 同日午前の松井一郎大阪府知事による、問責決議案可決なら出直し市長選を行うとの、どう喝ともとれる発言を受けて、前日に賛成の意向を示していた公明党が反対にひょう変、「猛省と責任の自覚を促す決議案」なるものを独自提出してきたことは残念でならないと指摘しました。

 その上で、市長の発言とその後の居直りの態度は、まさに「市長としての責任を鋭く問うべきものだ」と問責決議案に賛成するよう呼びかけました。

(2013年6月1日付しんぶん赤旗)


山中議員の討論要旨

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、「議員提出議案第19号、橋下市長に対し猛省と責任の自覚を促す決議案」に反対し、「議員提出議案第20号、橋下市長に対する問責決議案」に賛成する討論を行います。

  去る5月13日の「従軍慰安婦が必要だった事は誰にでもわかる」などの橋下市長の発言に対し、市民はもとより、広く国内はじめ、諸外国からも発言の撤回と謝罪を求める声が澎湃(ほうはい)として起こっています。

 朝日新聞の世論調査では、実に75%の人がこの発言に問題ありとしているのです。

 これらの人たちに共通するのは、女性をモノのように言い、男性をケダモノのように言う人間観はもとより、こういう発言を記者会見という公の場で平気で行うという、あまりにも非常識なふるまいへの驚きと憤りです。しかも、一私人ではなく、国政政党の代表であり、大阪市長という公人だからこそ許されないという声が広がるのは当然です。

 こんな市長で、恥ずかしいという市民の声も多く寄せられています。市民に恥ずかしい思いをさせ、大阪のイメージを大きく損なわせた市長の責任は、まことに重大であり、直ちに発言を撤回し、関係者はじめ広く市民、国民に謝罪すべきだったのです。

 ところが市長は、米軍に風俗を活用すべきとした発言は撤回し、謝罪したものの、「従軍慰安婦が必要だった事は誰でもわかる」とした発言については、「自分が必要だと思っているのではない」とか、「マスコミの誤報」であるとか、「国民の読解力の問題」とか、「日本だけが非難されるのはおかしい」とか、まさに居直り、開き直りに終始しているのであります。ある識者は、『「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と言いながら、「誰」の中に「私」は入っていないと言いだし、「誤報」だといい募る。この弁明がどんなに無責任かは「誰だってわかる」』と言っていますが、すべてを人のせいにする詭弁は、新たな怒りをよんでさえいます。

 さらに、釈明するとして仰々しく行われた、5月27日の外国人特派員協会の会見でも、持論を繰り返し、多くの海外メディアの皆さんから失笑を買う始末でした。フランス・フィガロ紙は、「支離滅裂な弁明」、韓国東亜日報は「またもや妄言」などと 一様に手厳しいものだったのです。

 6月に予定されていた姉妹都市サンフランシスコへの視察も中止せざるをえなくなるなど、恥の上に恥を塗るが如くで、ひいては大阪市民、大阪市に重大な損失を与えているのです。まさに今、市長としての責任が厳しく問われているのです。

 こういう中で、本日の朝刊各紙には、「市長問責決議案可決か」「戦後初めて」の見出しが踊りました。政治的立場の違いは脇へ置いてでも、悔しい、恥ずかしい、議会は何とか出来ないのか、という市民の声に何とか応えたいという努力が、一定、実ろうとしていました。

 ところが、昨日まで、自民党、OSAKAみらい、日本共産党。そして公明党の4会派で合意していた、本問責決議(案)について、今朝の松井知事の、可決なら出直し選挙だ、との大阪市会に対する、恫喝ともとれるような発言を受けて、突然、公明党の皆さんがひょう変、「猛省と責任の自覚を促す決議(案)」なるものを提出してきたのです。市民の皆さんの落胆と怒りを思うと、本当に残念でなりません。

 るる申し上げたとおり、5月13日の市長の発言とその後の開き直り、居直りの態度は、大阪市長としての資格に大いに関わるものであり、「責任の自覚を促す」などとお茶をにごすようなものでは決してありません、市長としての責任をするどく問うべきものです。本問責決議(案)を議決することこそ、260万市民に負託された、大阪市会の責務であると確信するものです。

 以上、「橋下市長に対し猛省と責任の自覚を促す決議(案)」に反対、「橋下市長に対する問責決議(案)」に賛成の討論といたします。