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市議団の実績

地下鉄・バス料金値上げ条例案に

対する岩崎議員の反対討論

岩崎けんた市会議員

2013年11月29日

私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第318号、大阪市自動車運送乗車料条例の一部を改正する条例案。ならびに議案第319号、大阪市高速鉄道及び中量軌道乗車料条例の一部を改正する条例案に反対の討論を行います。

 この両条例案は、2014年4月からの消費税増税分を転嫁するために、バスは200円を210円に。地下鉄は1区を除く、2区以上の料金についてそれぞれ10円の値上げを盛り込んだもので、こんにち一部の高級品の売れ行きは別として、尚、消費の低迷が続く中で、一層これに拍車がかかると同時に、乗客のバスばなれ、地下鉄ばなれが懸念されるのであります。 

特に地下鉄は、2010年度には累積欠損金を解消し、2012年度も198億円もの利益をあげており、全区値下げの好機だったのであります。

 ところが、橋下市長が、民営化を強引にすすめる目的で、初乗り180円に固執したことにより、全区値下げはおろか、料金体系そのものも、恣意的で、いびつな、ものとなっているのであります。

 橋下市長に無理矢理押しつけられた格好の交通局は、初乗りが高いとさかんに吹聴しておりますが、地下鉄は建設費が高くつくので、平面を走らせている私鉄と比較するのは、元々ムリがあるのです。

 ですから、公営地下鉄はどこも初乗り200円で、京都は210円ということで、東京は唯一の例外なのであります。

しかも数は少ないですが、私鉄との競合区間をみてみると、例えば鶴橋・ナンバ間です。近鉄と平行に走っておりますが、近鉄が300m距離が長いために、現在は同額の200円です。地下鉄が180円になれば、こちらが安くなる訳です。

逆に、梅田・天王寺間は、地下鉄が270円に対して、JRは190円と、地下鉄が80円高くなっています。

このように、競合区間でみる限り、初乗りだけでなく、むしろ2区以上で値下げが必要である事が、はっきりするのであります。

その上、本条例案では、例えば梅田・本町間は、180円なのに、もう1駅心斎橋まで乗れば240円。同様に天王寺・大国町間は180円なのに、もう1駅ナンバまで乗れば240円。それぞれ60円高くなる訳です。こんな不合理な事はありません。

こういう中で我が党は、減収額が43億円と比較的影響が小さい上に、3割の初乗り利用者だけでなく、残り7割を含む、全ての利用者に喜んでいただける、全区料金据え置きを提案いたしましたが、交通局は、消費税増税分を転嫁するのは当然だと言いながら、

初乗り値下げには、ほおかむりする一貫性のない答弁に終始したのです。とても容認することはできません。

尚、橋下市長も交通局も、民営化でこそ値下げが可能だと言ってますが、それは2015年4月時点で、今より地下鉄職員を800人減らすことを前提にしているだけのことで、元よりこれが達成できるという何らの保証もありません。

 生身の人間を消しゴムで消すようなことはできませんし、付帯事業等で吸収することも容易ではありません。

むしろ逆に固定資産税等66億円、法人税等44億円。都合110億円の負担もなく、建設改良費等への出資が受けられる公営でこそ、値下げが容易であることを申し添えて、以上、反対討論といたします。