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井上議員の一般質問と 橋下市長の答弁(要旨) |
井上ひろし市会議員 2013年12月5日 |
※12月5日の大阪市会本会議、一般質問での井上ひろし議員の質疑と、橋下徹市長の答弁を掲載します。この記録は、日本共産党大阪市会議員団事務局で作成したもので、正式な記録ではありませんのでご了承下さい。 井上議員の主な一般質問項目 @都構想とは、市民のくらしや市民サービスをよくしようとする制度ではないことは明らかであり、都構想そのものがすでに破綻しているのではないか。 A結局、都構想とは財源・権限を都に吸い上げ、広域インフラヘひたすら投資するのがねらいではないか。 @5月議会で、府広域水道企業団との統合案が否決されたことを真摯に受けとめるべきではないか。 A水道は極めて公共性の高いライフラインであり、民営化ではなくダウンサイジングや管路の耐震化を進めるなど、安全・安心で安定した水供給に努めるべきではないか。 @南海トラフ巨大地震への対策を本市としてどう取り組むのか。 都構想に費やそうとする財源と労力は、災害対策にこそ優先的に振り向けるべきではないか。 A全市的な避難計画の策定と防災訓練の徹底をしっかりと位置付け、取り組みを強化するべきではないか。 @南部医療圏に不足する小児周産期医療を充実させるとともに、府立急性期・総合医療センターの「飽和状態」を解消する見通しはあるのか。 A南部医療圏で求められている公的医療を存続させるため、住吉市民病院は廃止するべきではないと考えるがどうか。 @保育士配置基準・保育所面積基準の見直しや上下水道料金福祉措置の廃止等の影響をどう認識しているのか。 A公立保育所の民営化はやめるべきではないか。 11月28日の記者会見での、「錬金術」発言の真意は何か。 ◆井上議員 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、市政運営等について市長に質問いたします。
パッケージ案で示された、分割した特別区の財源の乏しさ。諸々のコストが覆い被さる問題。これらの問題によって、現在の住民サービスの水準さえ維持できなくなるのが、火を見より明らかです。 改めて市長にお聞きをいたします。住民のくらしや市民サービスを、良くして欲しいというのが、市民にとって一番願っている事でありますが、その一番市民が願っている住民のくらしや住民サービスを良くしようという、そういう制度では無いということが、この間の議論の中で明らかになった以上、都構想そのものがすでに破綻していると考えますが、いかがでしょうか。
○橋下市長 議員から、この都構想は市民のくらしや市民サービスが良くならないという事のご指摘がありましたが、残念な事に、この市民のくらし市民サービス良くなるんですね。都構想は。明日の法定協議会でキチッと資料出させてもらいますが、今の大阪市役所体制でも、年に300億円〜400億円の収支不足があります。これをいわゆる財政調整基金や土地売却という形で、その場しのぎで補填をしながら、何とか財政運営をしているんですが、今数字は整理していますけれども、キチッと広域行政と基礎自治の役割分担を明確化し、特別区が住民サービスに特化をしていく役所に変わればですね、このいわゆる収支不足というものが、5区案に於いては数年で解消します。そのあと、黒字がどんどん積み上がっていくという数字を整理していますが、そのような形でキチッと明日提供しようと思ってますが、役割分担を明確化すればそのような形になります。 そのことによって、市民サービスはその浮いた財源でしっかりと住民サービスを充実させていく、さらに特別区の方は、住民の身近なところに意思決定機関が置かれる事になりますから、今24区の区役所にいろんな事を住民の皆さんが言いに行ってもですね、なかなか区長としてもいろんな事をやりたいんだけれども、自分のところに決定権がないということで、区役所ではいわゆる基礎自治体としてのサービスを提供することができませんが、これが大阪都構想になれば、大阪市内に複数のいわゆる自治体、特別区ができまして、そちらで意思決定をすることが出来ますので、住民の皆さんは区役所に行けば、基本的な事は全て解決が出来るということで、市民のくらしや市民サービスは良くなるのが大阪都構想です。
◆井上議員 市民は、大阪都構想などは望んでおりません。先ほど言いましたように市民のくらしをしっかり応援して欲しいということが市民の願いであって、自治体の仕組みを、形をですね変えて欲しいという事を望んでいる訳ではありません。 限られた財源の中で、どういう政策をして選択するかという事が重要だいとうふうに市長は良く仰います。お金は天から降ってこないんだ、当たり前の話であります。だから市長は都構想で合理的な仕組みを作るんだと言ったはずなんです。ところが、その財源の根拠を大元から崩したら、選択肢を選択できない。財源が今より不足することが明らかになっているにも関わらず、選択の幅が広がるとか、質の問題だとかいうのは本末転倒だということをはっきり申し上げておきます。 そしてまあ、言う事もですね、コロコロ、コロコロ変わるんですね。バーチャルと現実の区別がつかなくなってるんじゃないですか、市長は。政治の中身こそ直視してください。形ばかりにこだわって、そしてこちらが追求するとすり替えばかりに終始する。これが本当に市民を欺くものだ。はっきりと申し上げておきたい。 結局ですね、都構想というのは、財源・権限を都に吸い上げて、市民サービスそっちのけで広域インフラへひたすら投資するのが狙いなんじゃないですか。
○橋下市長 言えば良いだけの政治家はホント楽ですね。僕はいうだけじゃなくて、実行しなきゃいけませんので、共産党ていうのはいろんな事を言いますけども、何一つ実行出来ない政党で、ホントに楽だなあと思いますね。 財源不足なんていうのは、全く根拠ないです。キチッと財源はですね、この大阪市役所体制でそのままこの自治体運営するよりも、キチッと特別区として住民サービスに特化する。当たり前です、こんなの役割分担を明確化すれば、余分な仕事っていうことやらなくてよくなるわけですから。そういう事でですね、収支不足というものが解消するという事を明日キチッとお見せしようと思っています。12月6日ですね、ですから今、鋭意、資料を整理していますけれども、法定協議会でキチッとお示しをしようと思っております。 そのことによってこの特別区、収支不足が数年で解消した上で、そのあと累積の黒字が積み上がっていきますから、今の大阪市役所体制でやるよりもですね、住民の皆さんに税金を還元できる、その量が増える事は間違いありません。 後は大阪全体の広域行政については意思決定をキチンと一元化した上でですね、大阪市、大阪府という不毛な話は止めて、大阪全体で発展していくという事をしっかりと進めていく。 いろんな事を言うのはいいんですけど、共産党のいう事ばかり聞いていたら、大阪市役所2年か3年で破綻してしまいますから、そんな事はできませんけれども、もうちょっと現実的なね、財政運営が出来るような案をしっかり提案してから言ってください。 バーチャルと現実を混同しているのは共産党でしょ。
◆井上議員 相も変わらず、答弁に詰まると共産党への誹謗中傷にすり替えると。まともに政策論線してくださいよ、市長ね。お願いしたいと思います。 やはりこの大阪都構想、市長の選挙公報にもですね、二重行政を抜本的に解消、財源を捻出、大阪経済を成長させ保健・医療・福祉・教育を充実させます、ちゃんと公約してるんですね。明日発表する。今頃何を言ってるんでしょうかね、市長。 この維新の会のビラにも大阪維新の一番の目標、二重行政のムダを省いて住民サービスを充実。これが一番の目標なんでしょ。じゃあどうやって住民サービスを充実させるのか。それを先に示さないといけないんじゃないですか。 まさに市民にとって百害あって一利なし。こんな大阪都構想につきあわされてる、職員のみなさんも、また法定協議会に参加されている議員のみなさんも、ホントにお気の毒ですよ。ホントにムダな労力、エネルギーを費やしてる。このムダな労力、エネルギー。これは本来は、冒頭に申しましたように、市民のくらし命を守るという、本来の地方公共団体の役割に傾注するべきだ、いうことを改めて申し上げておきたいと思います。
5月議会で、府広域水道企業団との統合案が否決されました。私は、この結果を真摯に市長は受け止めるべきだと思いますが、まずその受け止めについて市長にお伺いいたします。
○橋下市長 ですから統合案と違う形を選ぼうと思っています。
◆井上議員 無責任な回答ですね。 トータル給水と揚水供給とという業態が違う訳でありまして、これは全く二重行政ではないということを我々は繰り返し申し上げてまいりました。この事の発端というのは、水道事業の二重行政を解消するんだと。そういうことから始まった訳であります。しかしそもそもの根拠が崩れている訳であります。メリットが無いどころか、デメリットだらけだと言う事も明らかになり、結果として議会は否決をした訳であります。 そういうそもそもの目的と言いますか、市長が言っていた根拠とするところ。これも完全に崩れたにも関わらず、全くそういう経過や現実を見ていないから、これを真摯に受け止めていないから、民営化などという話をまた持ち出しているんではないでしょうか。 水道は極めて公共性の高いライフラインであり、民営化では無くてダウンサイジングや管路の耐震化を進めるなど安全安心で安定した水供給に勤めるべきだと思いますがいかがでしょうか。
○橋下市長 言うのは簡単ですよそれは。だからその管路の耐震化、それも進めて行かなきゃいけないし、そのペースアップも水道局に指示を出しました。今迄の計画よりも前倒しでやっていこうと思ってます。それから水道料金についても、やはり大阪市、今水道料金、この体型が不合理なところがありますから、そこはやっぱり見直していくということも指示を出しております。 それは今の公営企業のままではできません。これは民営化の手法を使って経営を効率化する。それは人件費やいろいろな契約の発注の形態を変えながらですね、その効率化をしていく事で財源を生み出す。それで民営化をやることによってですね、市民の皆さんに負担がかからないようにやる訳ですね。だからその議員が何かいろんなこと言ってますけど、どうやるのか示してから言ってください。
◆井上議員 それは市長が提案する事でしょ。何かですね、市長も引くに引けず破れかぶれになってるという感じがいたしております。 水道事業民営化検討素案には、組織統合による広域化は自己水を含む資産の譲渡などが課題となり、ハードルが高い。こうあります。確かにその通りですね。そういう事が一つの重要なポイントとなって、結果として否決をされたんだというふうに認識しています。 でそれがダメだったという事で、今度は民営化後の新会社は、組織統合では無くトータルシステムによる事業運営ノウハウを最大限活用し、府内水道事業の運営一元化を目指していくと、こうあります。組織統合はハードルが高いけれども、運営の一元化はハードルが低いとでも考えているんでしょうか。 42市町村は公営でやっております。大阪市は民営化をして、これどうやって運営の一元化をやっていくんでしょうか。すでに企業団からは水道はライフラインの最たるもので、公が責任を持つのがあるべき姿だ。こういう声が出ておりますし、大阪市が民営化すると、連携が出来なくなり残念だと、こういう声も上がっております。こうして企業団の疑問に対しても、しっかり答えていかなければなりません。信頼関係崩れて来てるんじゃ無いですか、市長は。 また、公営のままではじり貧だと、こういう事もですね、しきりに仰って、過剰に危機感をあおっている訳ですが、給水収益は減少しているものの、一方で資本費なども減少をしております。2011年度決算は約77億円の黒字でありましたが、2012年度決算は約102億円の黒字となっており、25億円の増収であります。 じり貧だじり貧だと仰います。確かに我々だってもちろんそんな楽観視はしておりません。厳しい状況であるという認識はもちろん持っておりますけれども、じゃあじり貧だというなら、この102億円の黒字がどのようにじり貧化していくと見ているのでしょうか。それはっきり示していただきたいと思います。 じり貧だ、じり貧だと危機感をあおるばかりではなくて、今こそ真剣にダウンサイジングをしっかり進めながら、じり貧にならないようにするのが市長の役割じゃないですか。 そういうことをまともにやろうとせずに、とにかく民営化一辺倒。これは本当に、市民を欺くものだと、はっきりと申し上げておきます。 民営化は、事業を不安定にさせるものでしかなく、公共性の高いライフラインにはしっかり公が責任をもつべきだというふうに申し上げておきます。
私も東日本大震災後、被災地にまいりましたが、自然の巨大なエネルギーと甚大な被害に言葉を失うとともに、災害対策の重要性を痛感しました。 言うまでもなく、南海トラフ巨大地震への対策は喫緊の課題であり、防潮堤や鉄扉等の耐震化はもちろん、地震による地盤の液状化で防潮堤が沈下し、高さを確保出来なくなる事態も考えられ、それへの対応や、鉄扉の開閉に支障をきたす事などへの備えも必要であります。 本市として、どのように災害対策に取り組んでいくのか、お答えください。また、いま府と市が一体となってやらなければならない最重要課題の一つは、この災害対策でありますから、都構想に費やそうとする財源と労力を災害対策にこそ優先的に振り向けるべきではないでしょうか。合わせて答弁を求めます。
○橋下市長 水道はダウンサイジングはやりますんでね、それだけではもう賄いきれないような状況になっているので民営化が必要なんです。その、黒字だ黒字だと言って欺いているのは共産党でしてね、国保会計も黒字だから国保料金を下げろっていつも言ってますけどもね、そんなの累積赤字なんて全く考えてないじゃないですか。この水道についてだってね、耐震化の費用ってものをどれだけ考えてるんですかね。そういう事を無視して、目の前の数字だけを見て、黒字だ黒字だと大騒ぎしているような、こんなメンバーがいるからね、日本の財政なんて破綻してしまう訳なんですね。もうちょっとしっかりしてもらいたいですね。 それからね、災害対策についてですが、大阪府から公表された南海トラフ巨大地震と津波に関する被害想定を踏まえますと、ハードとソフトを組み合わせた防災対策を早急に進めていく必要があります。周囲の安全安心を確保するため、まずハード対策については府市一体で防潮堤などの耐震化などを含め、整備計画を見直すとともに、必要な財源を確保し、重点的に取りくんでいきます。また密集市街地対策や地下空間における浸水対策などもすすめていきます。 ソフト対策については、新たな浸水想定をふまえ、17区に於いて地域事情に応じ、津波避難ビルの指定など避難を優先した具体的なとりくみを進めるとともに、地域における自主防災活動を支援していきます。 南海トラフ巨大地震等に備えて、自助、共助、公助の観点からそれぞれの責務と役割を明確にし、平成26年秋頃に大阪市地域防災計画を改定し、防災減災対策を推進していきます。 やるべき事はきっちりやりながら、住民のくらしを守り、住民サービスを充実するために都構想にも全力を尽くします。
◆井上議員 都構想や市政改革プランによってですね、地域力も弱まってしまって、またコミュニティも分断されてしまっております。地域が疲弊してしまってます。日常の地域力福祉力が弱まってしまえば、いざというときに力を発揮できません。自立自助などと市長はしきりに仰いますが、こんなことではこんな市政改革プランや都構想など、推進するという中では、十分な災害時、緊急時の対応というのは、私は出来なくなってしまう。こういうふうに思っております。 全くこの都構想や市政改革プラン。こういうやり方というのは、災害対策にも逆行してるんじゃないか、地域力を弱めてしまってる訳ですから。この点からも、都構想や市政改革プランは、絶対にこれは我々としては認められない。都構想は撤回するべきだという事も改めて申し上げておきたいと思います。 全市的に、避難計画の策定と防災訓練の徹底をしっかりと位置づけて、私はそのとりくみを今こそ強化するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○橋下市長 地域における防災の取り組みは行政だけでなく、地域の方々が主体となって担って頂いておりまして、大災害の発生に備えて、自助共助の取り組みが重要であると考えています。これまで地域防災活動アドバイザーが区役所と連携し、地域における自主防災活動の支援を行い、避難所開設訓練等の推進を図っています。さらに各区役所において地域事情に応じ、区地域防災計画の策定をすすめていますが、その中に地域における避難計画等をしっかり位置づけ、それを踏まえた防災訓練を実施するなど、自助共助の意識を高め、地域防災力の強化を図っていきます。 共産党は中央集権体制そのものの組織ですから、あまり地方分権に関心ないのかもしれませんけれども、大阪市内に特別区が出来れば、地域力がどれだけ増すか。それだけの決定権と財源がそれぞれの地域に降りる訳ですから、地域力というものが更に増大するということ、これは地方分権が分からない人たちにはわからないでしょう。
◆井上議員 まともに政策論争してください、市長。
住吉市民病院の廃止条例が可決され、廃止後の跡地に民間病院を誘致するということになりました。このことはやはり、この地域に医療機能が必要であるということを認めているわけであります。 現行では、小児・周産期の分野で住吉は101床。府立急性期のほうは89床。合計190床であります。これが、統合される母子医療センターでは125床となるのであり、65床減ることになります。現行の医療機能を維持しようと思えば、最低この65床は確保しなければならないことはいうまでもありません。住吉市民病院も、元々の現地建て替え案を基準にすれば84床、これだけの病床を確保しなければならないわけであります。本来は、これだけの水準が必要だととにかく調査に調査を重ねてそういうデータ、数字を出してきたわけですから、本来は現地建て替え案、これを基準にしなければならないわけであります。 今回、応募のあった民間病院は、小児科病棟35床、産婦人科病棟34床、合わせて69床やりますということであります。しかし、この民間病院は、これまで小児・周産期の分野では、産婦人科10床のみを展開してきたところであり、10床から一気に69床へ7倍もベッドを増やすという計画であります。 選定委員会は、選定理由、評価等に関する問い合わせ、及び異議には一切応じないとし、非公開で市民の目をいわば排除しております。選定委員会での議論経過は、これ市長、住民に公開するべきではないですか、あまりにも不透明ですね。小児・周産期医療の大規模経営の実績とノウハウがない応募法人に対して、本当に7倍もの増床という、この計画通りできるんでしょうか。医師の確保は一体どうやってしようとしているんでしょうか。また、継続して運営する保証はあるんでしょうか。これらのことを、一番重要な問題をちゃんと確認したんでしょうか。応募法人は1法人だけであったわけでありますから、実現性はなくても許可する以外なかったんじゃないですか。平成28年、建物はできたが、人材確保ができないから当初描いていた小児・周産期医療はできませんでは、済まされないのであります。府立急性期と関連の強い阪大や住吉市民病院との関連が強い市大でも関連病院への医師確保が大変厳しいと、当局も市長も繰り返し言ってきたじゃないですか。そういう中で、これしっかり、7倍にベッド増やして、医師確保できる保証はあるんでしょうかね。これで、南部医療圏の小児・周産期医療を充実させることが果たしてできるのか、大変疑問であります。 また、機能統合によって、府立急性期の飽和状態を解消する見通しがあるのでしょうか。私は、府立のほうが飽和状態であるから、府立の役割に照らして計画どおり中央部分を拡張し、この飽和状態を解消することが第一義だということを繰り返し申し上げてまいりました。私は、その飽和状態と言っていることに対して、病院局長も、市長もこれ否定をしてきたわけなんですが、何も私、病院見に行って、その感覚的にですね、患者さんがたくさん待っているから多かったとかそんなことで飽和と言っているわけではありません。府立急性期総合医療センター新棟増築の必要性について、こういう資料に、飽和状態、飽和状態と頻繁に出てくるから飽和状態だというふうに言ったわけであります。 どのように書かれているか。外科系をはじめとした病棟がすでに飽和状態に近く、狭隘化は自明であるのでこれを拡張するのが喫緊の課題。外来外科療法室が需要に追いつかず飽和状態。内視鏡の件数は平成18年5171件から23年7868件と年々増加しており、物理的収容力が飽和状態。年間延べ924人の内視鏡医療待ち患者がおり患者ニーズに即応できない状態。当医療センターの外来外科療法の実施数は平成20年3440件、平成21年4167件、平成22年4570件、平成23年5287件と増加している。ベッド数も22年度に12台から16台に増やしたものの物理的収容力が飽和状態であるためにこの先の件数は頭打ちの状態、やむを得ず皮下注射での対応や他病院の紹介による断りを余儀なくされている。高度救急救命センターとしても使命を達成するためには手術室の飽和状態は絶対に回避しなければならないが、現在12室ある手術室の使用状況は平成18年4512件、平成20年5177件、平成23年6539件と急増しており、物理的な場所確保の観点からは鈍化傾向になっている。今後見込まれる件数の増加には対応しきれない状態であり、手術待ち患者の問題が表面化している。 病院局、こういう現状分析をしているじゃないですか。だから私は、飽和状態ですね、っていったんですけれど否定するんですね。全く議論がかみ合いませんでした。 こういう状態だから府の方は中央部分を拡大するために新棟建設をしようという計画をすすめていたわけですよね。市民病院と府立急性期は役割・機能も全く違いますし、二重行政でもなんでもありません。それぞれに重要な役割を担っているわけです。住吉市民病院を廃止してしまい、南部医療圏に不足する小児・周産期医療を充実させるとともに府立急性期総合医療センターの飽和状態を解消する見通しはあるのか市長にお聞きします。
○橋下市長 応募してくれた事業者の提案にですね、できないんじゃないんか、できないんじゃないかって失礼だと思いますよ。審査会がきちんと審査をしながら、これをきちっと決定といったことをやったわけですから、この事業者の方にですね、本来であれば、できる限りこの南部医療圏を支えてもらうためにがんばってくださいねってエールを送るのが普通であってですね、できないんじゃないんか、できないんじゃないかって、議員は何を目的としているかよくわかんないですね。これは事業者からの提案ですね、公募の主旨に沿った提案となっておりまして、新病院の開設時期についても工事に工夫を凝らし、住吉市民病院廃止後も医療の空白を置かない提案となっています。 また、医師などの職員確保についても、大学及び、当法人関連施設からの医師派遣を中心に様々な手立てを講じながら、平成28年度の病院開設の開院に向けて医師などの確保に全力で取り組み小児・周産期医療を安定的かつ継続的に実施していくこととしております。 また、高度専門医療を担っている府立急性期総合医療センターでは、待ち患者が多いとしても緊急時等患者の状態に応じて適切に診療が行われていればなんら問題はなく、飽和状態という表現は当たらないと認識しています。 さらに、整備する新棟においては、小児・周産期医療の充実をはかるとともに手術室、内視鏡室、外来化学療法室などを整備することとしており、今回誘致を決定した民間医療機関と合わせ、医療機能の向上と地域住民のサービス充実が図られるものと考えております。 飽和状態、まあ、経営上の状況で、それはもっと施設を拡張したいというその府立病院機構のほうの思いなんでしょうけれども、これは各病院でですね、待ち時間、日数ですね、そういうことをきちんと調べましたら府立病院機構でも他病院と何ら変わるところがありません。ですから、患者さんを受け入れることができない、住民の皆さんに対しての医療サービスが低下するということはありません。 むしろ、病床のベッド数もですね、この民間病院のほうが約70床 、小児・周産期のほうに70床用意してですね。で、府立病院のほうには60床、小児・周産期、これ増床ということになりますから。南部医療圏のことで考えれば、130床。当初の住吉市民病院では120床ということですから、それを考えればですね、南部医療圏ということで考えれば、ベッド数も建て替え計画よりも増えます。 さらに、府立病院機構のほうで小児・周産期の医療機能が確実に高度化することに間違いありませんから、南部医療圏のですね、小児・周産期の医療サービスレベルというものが、これがもう増大することは、拡充されることは間違いありません。 その上で、公立病院、これは大阪市立、府立という垣根をもう取っ払ってですね、公立病院が南部医療圏で一つに整備することによって、市税投入もこれは抑制することができます。税金を抑制し、そして、小児・周産期のベッド数を増やし、そして、小児・周産期の医療の医療レベルを上げるという、これこそまさに、市政改革の好事例の象徴だと思っています。
◆井上議員 失礼だとおっしゃいました。そっくりその言葉をお返しします。地域住民にどれだけ失礼なことをしたんですか、市長はあれだけの声に対して。その応募法人をチェックするのはあなたの仕事じゃないですか。そんな無責任なことを言ったらダメですね。徹底的にチェックするべきですね。ちゃんとできるのか。余りにも無責任ですね。 先ほど、災害対策での議論の中で都構想に費やそうとする財源と労力は、災害対策にこそ、優先的に振り向けるべきだと申し上げました。 この公的医療機関の充実もまさに災害対策の一環です。日常の体制がしっかり整っていてこそ、災害時、救急時に力を発揮できるわけであります。あの東日本大震災の時、大阪は震源から700q離れているにも関わらず震度3の揺れを記録しました。このときエレベーターの閉じ込め事故も発生しました。市内では、10名の方が閉じ込められたと報告されておりますが、此花区で1名、西区で2名、港区で1名、住之江区で6名。住之江区が6名と一番多いわけですが、この6名の方々は大阪府咲洲庁舎・旧WTCの中で4名、ATCの中で2名、それぞれ閉じ込められたわけです。また、咲洲庁舎は東日本大震災で360カ所破損したと言われております。ちなみに、昨年4月の暴風雨の際にも咲洲庁舎は大きく揺れ、エレベーターが6基停止したと聞いております。巨大地震に備え、湾岸部やそれに近いところでも防災対策を強めなければならない時に、その要となる住吉市民病院の市町村災害医療センターとしての機能を失うことは災害救急医療の大後退であります。全国的にも二次救急医療機関が減る中で、本来、二次救急で受け入れるべき患者が三次救急に流れ、いわば最後の砦の救命救急センターがいつも処置中か満床に近い状態になっていることも問題となっています。二次救急である住吉市民病院がなくなれば三次救急の府立急性期の負担が大きくなります。小児・周産期医療はもちろんのこと災害医療、救急医療という民間ではなかなか担えない、採算がとれない、だからこそ公が担ってきた。そういう南部基本医療圏で求められている公的医療機関を存続するために住吉市民病院は廃止するべきではないと考えますがいかがでしょうか。
○橋下市長 医療についてはもうちょっと広い視点で見てもらえませんかね。これ南部医療圏だけで大阪府全体で考えてもですね、府立総合医療センターは都道府県に1カ所の基幹災害医療センターに指定されており、さらに、地域災害医療センターには救命救急センターを中心に18病院であり、加えて市町村災害医療センター約40カ所や災害医療協力病院に約260の救急病院等が位置づけられています。このように災害時には、府内全域の災害医療センターで患者を受け入れる体制をとっています。住之江区のですね、また住吉市立病院だけが大阪の災害に関して全部対応するというそういう体制じゃないんです。この医療については大阪府全体のこの医療のネットワークをしっかり見てから発言をしてください。 こうした体制の中で、機能統合後は、機能強化された府立急性期総合医療センターが近隣の災害医療協力病院とも連携しながら、医療救護活動が引き続き、迅速かつ適切に行われるようその役割を充分果たしていくものと考えます。府立急性期総合医療センターでは、従来の三次救急に加えて、平成24年4月から二次救急の受け入れも本格化しております。この南部基本保健医療圏にですね、小児・周産期医療と二次救急医療については安定的かつ継続的に供給できるよう取り組んでいきます。 まあ、これから民間事業者が一生懸命やってくれるっていうんですから、できれば邪魔をしないでくださいよ。南部医療圏の医療レベルが上がると。先ほどから言ってますけれどね、小児・周産期のベッド数がこれまでの、住吉市立病院の建て替え計画よりも10増えると。さらに府立急性期のセンターと一緒になること、機能統合することによってにこの小児・周産期の医療技術、医療サービスのレベルが高度化することは間違いないわけです。それに加えて、市立病院というものが整理されて、その市税投入が減ると、このどこが問題なのかはっきり言わずしてですね、市民の不安を煽るようなことばかり言うのはやめてもらいたいですね。
◆井上議員 市民を翻弄させたのは市長のほうであります。住吉市民病院の機能というのはやっぱり引き続き先ほど申しましたように強く求められておりますので、住吉市民病院を残すべきだと改めて申し上げておきます。
保育士配置基準、保育所面積基準の見直しや上下水道料金減免措置の廃止等の影響についてお聞きをいたしますが、私いくつかの保育園にこれらの影響について聞いてみました。 1歳児保育特別対策費の見直しによる影響について。職員の数を減らさざるを得なくなってます。15対3、つまり5対1の事ですが、これを15対2.5という形で職員の数を減らして、保育してみたものの、1歳児という一番手をかけてあげないといけない年齢なので、対応が難しくなり、結局15対3に戻し、0.5人分は園で持ち出しをしている。それから、水道料金の福祉措置の見直しによる影響についてですが、プールの日を減らす事になり、子どもたちも猛暑の中我慢しています。泥遊びや水遊びもたっぷりさせてあげたいが中止せざるを得ない状況になっています。 それから、その他自由に何でも書いてくださいという所にはですね、待機時解消で定員以上の受け入れを求められている状況の中、今年度から定員の変更を60名から70名になってしまい、それに伴い保育単価が少なくなり、年間400万円ほど運営費が減り、とても運営が大変です。保育士の募集をかけても、なかなか来ません。人員不足が続き、職員も休みがとれない状況です。というふうにありました。大変な影響が出ていると思います。 私、この保育基盤を本当に弱体化させてしまっている。これではですね、待機児童の解消にも逆行するんじゃないかというふうに思いますが、これらの現状認識、どのようにお考えでしょうか。
○橋下市長 いろいろご指摘がありましたけれども、じゃあ他都市の保育所はどうしたらいいんですか。僕はこの国基準を超えるものは国基準通りに、他都市よりも高い水準になっているサービスについては他都市並みの水準にまず合わさなければいけない、ということを基本としました。 いいますのも、大阪市は財源が青天井にどんどんいくらでも使ってもいいような、それだけの財源を持ってる訳ではありません。むしろ大阪府と大阪市の整理がキチンと出来ていない中で、基礎自治体、基礎自治体っていろんなところで議員のみなさんいいますけれども、基礎自治体にしては考えられないくらいな、市債、負債というものを負ってるのが大阪市の状況で、こんな状況の中でですよ、他の都市よりもあふれんばかりの税金を、お金をどんどん投じるなんてのはできません。 ですから基準は国基準を超えるものは国基準どおりに。他都市よりも高い水準になっているサービスの水準になってるものは他都市並みの水準に先ず合わせて、その目的は、大阪市はそういう状況で財源が非常に厳しい状況の中で、待機児童という数も非常に多い訳ですから、認可保育所をどんどん増設していかなければならない、保育ママの事業を拡充しなければならない。こちらの方にお金を使ってる訳ですよ。 ですから、配置基準もですね政令市の13都市は6対1ですよ。それから、水道料金も減免措置なんていうものもですね上下水道の料金の福祉措置なんていうのも、他の都市でやってません。そういう都市の保育所はどうやって経営してるんですか。 ですから、認可保育所の方にも、今迄の補助や減免措置というもの、これが今大阪市が出来なくなってしまった事もご理解頂いた上でですね、しかしこれは目的は大阪の待機児童をできる限り少なくしていくという目的でですね、認可保育所の増設。それから保育ママ事業の拡充。これまで僕が今やっている税の投入を集中してやってきたということ何回かあるんでしょうけれども、それはどんどん絞りつつある中でですね、今回待機児童の解消に向けて、そういう所にお金を使っている訳ですから、個々の今の認可保育所の事も重要ですけれども、でもそこだけのことを考えるのではなくて、大阪市全体で認可保育所を増設して、それから保育ママ事業の拡充をしながら、待機児童を減らしていくという事を考えれば、今の認可保育所の方にですね、国基準は国基準通りに、他都市よりも高い水準になっているものは他都市並みに、そこは大阪市の税金の投入を押さえてもらうと、いう事の協力はして頂かなければいけないと思っています。
◆井上議員 じゃあ認可保育所の基盤が弱まってもいいというお考えなんでしょうかね。私、文経でこういう施策については市長と繰り返し議論をしてまいりましたけれども、ホントに現役世代への重点投資というなら、待機児童の本流中の本流である、一番中心にすわらなければならない認可保育所。ちゃんとですね支援して頂きたいと。今紹介したような事態に陥っていると、ちゃんと実態調査をして手当をして頂く事を要望しておきます。
次に公立保育所の民営化問題についてですが、この間の公立幼稚園の民営化問題では党派立場を超えた共同が広がりました。その中で、民営化そのものには反対ではないという立場の方からも、何でも民営化・廃止という事で果たしていいのかという事が議会の意思としても示されたのではないかと、理解をしております。 各地域においても、地域ぐるみ、街ぐるみで公立幼稚園を守ろうという運動が広がりました。その背景には、本市における幼稚園教育の長い歴史と伝統、実績、そして地域住民や保護者、関係者による地域の財産、市民の財産としての深い思い入れが行動として現れたのではないかと思います。 私は、地域の公的財産だという思いは、幼稚園に限らず、公立保育所においても同様に地域住民の中に根付いていると考えております。同時にセーフティネットとしての機能という角度からも公立幼稚園の議論の中で活発に行われた訳でありますが、これは公立保育所についても共通する問題であります。 平成15年度の公立保育所の障害児童数は、515人でしたが、平成25年度は712人となっております。10年間で200人増えている訳であります。傾向としては、公立幼稚園と全く一緒です。 また、小中学校特別支援学級の在籍生徒数は、平成15年度2432人でしたが、平成24年度4640人と、およそ倍近くになっています。子どもの数は減っているのに、支援を要する子どもの数は増えている。こういう現状です。 それから、全国児童虐待件数という数字がありますが、平成2年度、1101件だったのが、平成22年度、55154件。実に20年間で虐待件数が50倍に増えています。大阪市も傾向としては一緒だという事であります。この虐待も増え続けているというのが残念ながら現実であります。 公立保育所の優位性は、もちろんセーフティネットの機能だけではありませんが、公立保育所の役割と機能は求められていると思います。公立保育所の民営化は、キッパリ止めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○橋下市長 修学前の子どもたちに対して、大阪市が何を目標にしなければいけないのか、そこを目標を見誤ってしまうとですね、議員のような見解になってしまうのかなというふうに思いますね。やるべき事はですね、待機児童の解消なんです。 これはですね、もちろん個々の保育所のですね、その質を高めていくという所も重要ですが、量も増やしていかなきゃいけないんですよ。ですからその質の部分は、そりゃ国基準とか、他都市並み。まずはそこで押さえて、押さえるというよりもそれでもう十分だと思いますけれども、国基準・他都市。6対1の配置基準だって、じゃあ13政令都市はみんなこの基準でやってるのに、そこがじゃあ質がね低いのかっていうような議論。そんな事はわき起こっていません。 ですからそれは他都市並み、ないしは国基準という、質はそこまでにしておきながら、今大阪市でやらなければいけないのは、待機児童の解消です。量を拡大しなければいけない。量拡大しようと思えば、財源が必要なんです。 ですからこの公立保育所についても、もちろん障害のある子ども、支援が必要な子どももキチッと受け容れていく。これは公立保育所でなくても民間の保育所でもキチッとやっています。ですから大阪市でその機能はしっかりと維持した上でですね、今は待機児童の解消。お母さん方が子どもを預けて働きに行きたいと思ってるお母さん方に、キチッと今対応出来ていない部分があるわけですから、その量の拡大ってことをやろうと思えば、余分にお金がかかっている部分から、必要なところにお金を回さなければいけません。 公立保育所の民営化についてはですね、市議会での御議論もふまえ策定しました、公立保育所新再編整備計画にもとづき、区の状況を踏まえ、5箇所の公立保育所について平成27年度の移管に向け手続きを進めているところであります。保育所の民営化に当たっては、セーフティネット機能を担保するため、障害児など配慮を要する児童の受け容れ実績を評価し、民間法人を選定しています。民間法人でもやってるんです。キチッと。 ですからそれを、その機能を低下させないために、大阪市としてはありとあらゆる政策を、手立てを講じながらですね、それでもやっぱり今の市立の保育所に通常の民間保育所に投入している税よりも、多い税が投入され、その額もですね、少しの額じゃなくてかなりの額なわけですから、そこは保育所の民営化ということで財源を生み出しながらですね、やっぱり量の拡大を今大阪市はやっていかなければいけない。質の確保も重要ですが、その質のレベルはね、追求していったら青天井ですから、僕は少なくとも国レベル、他都市レベルは、ここはキチッと質は守りながら、今大阪市の喫緊の課題。量が少ない、というところを解決する事。これが大阪市の先ず第一の目標であって、そのためには公立保育所の民営化は絶対にやらなければいけないと思っています。
◆井上議員 我々は民間を何も否定していません。むしろ、もっともっと頑張って頂くために、市がもっと応援をしてあげなければならなと思っています。民間は民間の役割、特色があるんです。公立は公立の役割特徴があるんです。その選択肢を現役世代、子育て世代から奪う事が問題なのであり、公立幼稚園民営化の議論の中でも、そのことは厳しく市長に突きつけられたところであります。 やっぱりですね、公立保育所に預けている保護者の皆さん、幼稚園問題も一緒なんですけども、公立幼稚園に行っている子どもたちもいるわけですし、失礼なのは市長ですよ。乱暴に民営化する、廃止する。あまりにも失礼です。民間にできるものは民間にの一点張りで、まるで、やればできる、やってやれないことはないと精神論を押しつけているも同然です。そういうことでは、保育の質は決して確保できません。 子育てという市政運営でも極めて重要な課題についてこの公的責任を投げ捨てる公立保育所の民営化や株式会社の参入はきっぱりと我々は反対だということを申し上げておきます。
11月28日の記者会見での発言についておたずねします。 市長は、泉北高速鉄道の株式売却をめぐり、府が外資系の投資ファンドに優先交渉権を与えることを決めたことに関連し、行政資産を持っている自治体が手本にしてもらいたい事例だ。大阪市交通局も同じようなことをやるべきだと発言し、『いわゆる僕でいうところの錬金術ですよ』と言われました。この発言の真意をおたずねします。
○橋下市長 共産党の皆さんのように言うだけじゃあ僕は務まりませんのでね、この仕事は。お金をしっかりと確保しなければ政策は実行できません。今の大阪市が抱えている課題、これを解決しようと思えば、多額のその財源が必要になります。これは、日々の生活のために、あるいは支出をしていくお金ということに限らずですね、大阪の都市構造を解決、それこそ防災・減災、このためにはですね、ものすごいハードインフラの整備が必要になります。また、大阪の都市を活性化させるためには、これは交通網の整備も喫緊の課題でありまして、これはいろいろ東京との比較で僕も研究しているんですが、やっぱり大阪、交通網の整備については遅れています。ですから、こういうこともですね、きちっとすすめていくためには、都市構造を転換していくためには、それはもう少々のお金ではなくて、これは相当な財源が必要になってくる。 ただこれはですね、今まで税を投資してきたいろんな事業、特にこの地下鉄というものが象徴的なものですけども、大阪市民の皆さんが税を投入してきた、それがトンネルやレールのまんまだったら、これは換価、他のモノに変えることは出来ませんけれども。これは民営化という手法をとることによって株というものに資産が変わりですね、そしてこの株を通じてですね、さらなる今の時代に必要な、今後必要なですね、ハード整備、インフラ整備に充てていく。これこそまさにですね、自治体経営が、これから自治体経営としてやっていかなければならないこと。 それはハード整備、インフラ整備をやるのにですね、また借金をやって、後年の子どもたちや孫たちに全部負担を押しつける、そういうやり方もあるのかもわかりませんが、僕はそういうやり方は違うと思いますね。共産党はどういうやり方をとろうとしているのかさっぱりわかりませんが、僕は今までの市民の皆さんが投じてきたその税をしっかりと株という形で回収してですね、インフラの整備に充てていく。 投資したものがですね、特に地下鉄なんでいうのは、きちっとですね、これは成功事例の象徴だと思うんですけれど事業としてうまくいっているわけですから、投下資本は回収して新たな投資に充てると。そういうことをもって発言したところであります。
◆井上議員 昨日の堺市議会で、松井知事らに米ファンド売却方針の白紙撤回を求める決議が維新の会以外の全会派の賛成で可決しました。決議ではローンスター社の提案は乗り継ぎ運賃の値下げ幅が10円でしかないなど沿線住民の願いに応えたものとは到底言い難いと強調し、利用者の利便性より提案価格を偏重し、ローンスター社を優先交渉権者とした点を白紙にもどすよう求めています。維新堺市議団は討論で次点となった南海電鉄は乗り継ぎ運賃の80円値下げなど沿線住民の願いに応えた提案をしていると認めながらも、当決議案は市議会の権能を超えるとして、採決では議場を退席したとのことであります。 アメリカの投資ファンドローンスターは一体どんな会社か。日経ビジネスによると例のローンスターは不良債権投資をテコに高収益を狙ういわばハゲタカファンドの一つ。米国ではこの分野のリーダー格の一社だが日本ではまだこうしたファンドに対しては抵抗や偏見も根強いとあります。市長は知事時代に平成20年3月不動産鑑定士に調査と駐車場など府庁の敷地の鑑定を依頼しています。同月末にまとめられた調査報告書には、売却額とともに大口投資家や外資ファンドなどの需要も見込めるとしており、後にWTCへの庁舎移転の話へと繋がります。結局市長、あなたがやろうとしていることは、市民の財産の公営企業を売り飛ばし、その原資を錬金術に注ぎ込もうとしていることであり、カジノを誘致しようとしているだけではなく、大阪市政そのものをカジノ化しようとしているのであります。ハゲタカに食い荒らされペンペン草もはえないような空疎な大阪市に絶対させてはなりません。公共の福祉の機関の長として、市長として本来あるべき姿と全く相容れません。 まさに橋下市長そのものが、市民にとって百害あって一理なしと申し上げて質問を終わります。
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