|
北山良三議員の一般質問と橋下徹市長の答弁(要旨) |
北山良三市会議員 2014年5月14日 |
(※日本共産党大阪市会議員団事務局でテープ起こしをしたもので、正式な議事録ではありません) ◇北山議員 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、これまでの取り組みや今後の方針ならびに補正予算案等に関連して、橋下市長に質問をいたします。
まず最初に、今回の出直し市長選挙についてお聞きをいたします。 今回の選挙には全く大義がなく、税金のムダ使いであり、市長はこれを強行しそして大変なムダ遣いをしたということで、明確に反省すべきではないか。このことをお尋ねしたいと思います。 まず第1に、あなたが求めた法定協議会での「区割り案の絞り込み」は、もともと「第4ステージのテーマ」でありました。ところが、十分議論が煮詰まってもいない「第2ステージの議論のさなか」で、突然、一方的に「区割り案の絞り込み」を求め、これを否定されたことで法定協議会をかってに閉鎖し、選挙を強行し、「議会に妨害されている」などと主張したのであります。あまりに身勝手であり、二元代表制を否定する手法であり、反省すべきではありませんか。 第2に、市政運営にとって最も重要となる予算議会が、2月14日から始まるその直前の2月7日に辞表を提出するというあなたの振る舞いは、市民と議会および市職員への極めて無責任な態度であり、この点でも反省すべきでありませんか。 第3に、今回の選挙では、再選されても市長の残りの任期も、議会構成も何も変わらないのに、6億3000万円もの無用な選挙費用をつぎ込み、予算案の急な変更を余儀なくされての職員への過重負担をおわせ、本来不必要であった残業人件費までかかってくるなど、大量の税金のムダ使いに至っているという点でも反省すべきではありませんか。 まずご答弁を頂きたいと思います。
◆橋下市長 北山先生、僕、知事の時にですね答弁調整会議を初めてやったときに、共産党からの質問に対しては2行ばっかりだったんですよ。他の会派の方にはキチッとした答弁になっているのに、何で共産党だけこうなんですかって。共産党にはこういう対応んですって。それはおかしいと。それは共産党といえども見解合わなくても住民代表なんだから、しっかり答えなきゃいけないだろうって事で、知事の時には共産党に対する答弁が一番長くなったんです。 北山先生とも、僕、見解が合わないときもあるし、いろいろ言い合いになりますけど、先生、僕が行ったときにはちゃんと、前振りはいらないのかもしれませんけれども、お忙しいところありがとうございますとか、言って下さるじゃありませんか。そのあと必ずケンカになりますけれども、議長ともねいろんな事でやりとりやりますけれども、それでも僕らは選挙で選ばれて落とし合う、たたかう者同士ですから、腹の中でどう思っていようが、でも一応社会人としての行為いろいろあると思うんですよ。 だからさっきも、松崎先生一方的に言われても、でも先生の僕に対する質問の仕方っていうのは、まあ社会人としての範囲の中でやっているから、一方的に言われて腹立たしいけれども、でもちょっと、共産党の中にね、そういう事をわきまえていない、ちょっと若造議員が一人いるんですよ。でね、これ言論の自由だから何言われても良いんですよ。お互いに僕もやり合ってるし、そりゃ公明党にも民主党にも自民党ともやり合って、ワーってなってメディア通常こうなりますけれども、一定のルールの中であればいいんだけれども、この議場の中でね、ガキじゃないのに睨んできたりとかね、エヘラエヘラ人を小馬鹿にしたような笑い顔だったり、何言ってるかわからない、ブツブツブツブツ聞こえないこと言ったりね。その本人は僕と今迄ね論戦したこと無いんです。僕を呼ばない。こういうのはね、ちょっと非礼に過ぎると思って。(※実際には2012年2月24日・財政総務委員会、2013年11月8日・決算特別委員会で直接質疑応答) 僕は北山先生は尊敬してます。大変申し訳ないけども、今日はちょっとこれ会派の質問でそこちゃんとその若造の教育してもらわない限りは、ちょっと非礼な態度で返させてもらいたい。これは申し訳ないです。 だから選挙については反省しておりません。僕が嫌なんだったら、対立候補を立てて落としてくれればいいと思ってます。
◇北山議員 私の質問とはほとんど関係の無いご答弁が大半を占めたわけでございますが、しかしいずれにしても反省はしないと仰っておられます。 じゃあ次にお聞き致しますが、この選挙の結果というのをどう受け止めておられるのか、ということをお聞きしたいと思います。 結果は既に発表されている通りでございます。大阪市長選挙史上最低の投票率(23.59%)、最高の無効票が出ております。(67,506票)、前回の市長選挙であなたが取られた得票に比べますと、75万813票から37万7472票へと実に50.3%に半減しております。全有権者に対する得票率はわずか17.85%。 これらの選挙結果は、「都構想の設計図をつくらせてくれ」「法定協議会のメンバーを差し替えさせてくれ」「秋に住民投票をさせてくれ」とのあなたの提起に、「市民が後押しをした」などとはとても言えないものではありませんか。それどころか、「市民の批判が増幅された」。こう受け止めるべきではありませんか。いかがでしょうか。
◆橋下市長 投票率は対立候補を立ててこなかったんで仕方ないでしょう。絶対得票数でいけば、歴代の市長が取ってる直近の市長が取ってる票数より多い。もっと言えば、共産党が支持していると思われる候補者の倍近くは、僕は取ってます。
◇北山議員 これまでの市長選挙で、当選した市長が取った票。これを基準にして仰られました。 しかしこれはそもそも候補者がどういう条件。構成で立候補してるか。選挙の条件によって得票というものが変わってまいります。複数の有力候補では複数の有力候補者では得票が割れます。当選者の得票数は小さくなります。1人の有力候補者では投票数の圧倒的得票を得ることになって当選者の得票数が大きくなるのが当たり前であります。このように条件の違う選挙を比べて、遜色ないかのような評価をされているようでありますが、全く間違ってると思います。 ちなみに、戦後の大阪市長選挙、全部調べてみますと、有力候補者が1人だけの選挙は、今回を除けば昭和30年に1回だけあります。有権者数は今の7割程度しかいないのに、その時の有力候補、当選者は69万6503票を獲得しておられます。今回の得票数の結果をこれまでの市長選挙と遜色ないと言うのなら、この有力候補一人で選挙をやられた時の得票と比較をしてものをいうべきじゃ無いのか。今回の37万7472票は当時のたった54%にしか過ぎません。市長の立場は、たいへん見苦しい言い訳をしていると言わざるをえません。もっと謙虚に、今回の結果は市民の後押しとは言えない、そういう状況だったと謙虚に受け止めるべきではないかと、あらためて申し上げたいと思います。
次に、「都構想」は、提案されている内容やその必要性からも、また、今後の合意形成にむけた見通しからみても、すでに破たんしているのではないのかという点で、市長の見解をお聞きしたいと思います。 これまでの法定協議会での議論や本大阪市会での議論では、各議員からの様々な問題点の指摘にまともに答えられずに経過をしてきております。 「府市再編で4000億円浮く」という話はまったくの偽りでありました。効果額と示した数字も「都構想」と無関係なものばかりがならんでおります。「特別区になれば住民サービスが良くなる」どころか、財源が小さくなって今より悪くならざるを得ない。また、特別区間の税収や財産の大きな格差の調整も実行不能であります。特別区の庁舎だって新たには建てない。こういうことでありますが、いったいどうやって1万uや2万uもの民間ビルを確保するのか。全くデタラメだらけじゃありませんか。この先の道は全く見えない状況になっております。 だから市長は、選挙に打って出て、あなたの口のうまさで市民をごまかして、世論を誘導し、「都構想」への活路を見出そうとしたのではありませんか。 その選挙でも、市民はだまされずに、あなたを後押ししなかったじゃありませんか。昨日の議論でもありましたけれども、「将来の市財政を見通せば都構想が必要だ」と、色つきのパネルまで作って「このままなら大赤字、都構想なら大黒字で新たな活用可能財源が生み出せる」「これが都構想のすべてだ」。このように市民に仰いました。 しかし、その内容は、前提や基準の違う数値を比較して錯覚をさせようとしたり、何よりも、地下鉄・市バス民営化など「都構想」とは無関係な施策の数値を積み上げ、「新たな財源を生み出す」と「都構想」による効果であるかのようにごまかそうとしたにすぎません。 また、この選挙では、「誰がトップになっても過ちを犯さない府市再編を」と訴えられました。つまり「都構想」で市長の職をなくし、知事だけのワントップになれば「過ちを犯さない」と言っています。「大阪市が巨大都市であり、知事と市長のツートップだったから税金のムダ使いの過ちを犯してきた」という主張であります。その具体例として、WTCやATC、オスカードリームなどの失敗を上げておられます。 これらの失敗や税金のムダ使いの原因は、都市の規模が大きいということや、府市のツートップというようなことにあるのではなく、主には市長や知事の政策の間違いと議会のチェックの弱さに起因しております。大阪市を解体し、知事のワントップにすれば「税金のムダ使いの過ちを犯さない」という保証はどこにもありません。 こんなごまかしの議論は、議会にも市民にも通用しないのであります。 加えて、市長は、「都構想の設計図づくり」「法定協議会委員の差し替え」「秋に住民投票」などと言ってきましたが、これからこれらをどのように進めていくおつもりですか。もはや、市民や議会の同意が得られる見通しは、皆無に等しいのではありませんか。 結局、これまでの法定協議会や大阪市会での議論では、様々な問題点の指摘にまともに答えられず、行き詰まって選挙に打って出て、「都構想」への活路を見出そうとしたけれども、その選挙でも、市民はだまされず、市民の後押しがえられずに、市民や議会の合意形成の見通しが全くたっていないんではありませんか。この点どうお考えでしょうか。
◆橋下市長 しっかりと進めていきます。
◇北山議員 私の質問に答えられない時には、一行にも満たないようなご答弁になってるようでありますが、市長にしては寂しいんじゃありませんか。これから都構想、都構想と強気の発言もされてきた訳ですから、いや、そうじゃないというなら明確にその展望を示すべきじゃありませんか。そういう事ができない中で「しっかりやっていきます」だけですか。 これではいったいこの間何を選挙やってきたのか改めてわからない、言わざるを得ません。 市長は、これまでの議論の行き詰まりを認めて、そして今回の出直し市長選挙の結果を謙虚に受け止めて、都構想はキッパリ断念し、撤回すべきだ。この様に申し上げておきたいと思います。
次に大事な点として、都構想を断念して、市長が進めようとしている施政方針を転換しなければ、市民と大阪市への被害はますます大きくなるということであります。それは今回の補正予算(案)の中にも表れております。この角度からいくつかお尋ねしたいと思います。 まず第1に、「都構想」による大阪の最大の成長戦略が、カジノを中心施設とする「統合型リゾート(IR)だ」として、その準備予算が計上されております。 カジノは、「射幸心をあおり」「正常なる経済活動を阻害し」「犯罪の温床になる」などとして刑法で禁じられております。また「ギャンブル依存症や家庭崩壊を招く」など様々な社会問題を引き起こす恐れが、多方面から指摘をされております。こんな施設の誘致で大阪の経済と街が健全に発展するわけがありません。 ワントップのリーダーにして、この事業のために新たな鉄道や高速道路の建設などの基盤整備に、莫大な公金投入にのめり込もうとしております。こんな税金のムダ使いはやめるべきではありませんか。お答え頂きたいと思います。
◆橋下市長 税投入だけでやるつもりはありません。
◇北山議員 今日はどうしたんでしょうかね。市長。 税投入だけでやるつもりはない。そりゃそうでしょう。民間事業者がカジノをつくる。そういう事で既にこの間の新聞紙上でも何名もの会社の経営者が訪問してきていると伝えられております。 しかし税を投入することも間違いはございません。今の御答弁でもそのように仰ってる訳です。税投入だけでやるつもりはない。税投入はやるといってる訳です。そういうこと、カジノに向けてはやるべきではない。こう改めて申し上げたい。
次に、「なにわ筋線」の整備事業についてお聞きします。 「なにわ筋線」の建設に向けても、本補正予算案で、検討調査予算が計上されております。 国土交通省による調査結果では、「なにわ筋線」建設の意義として「新大阪へのアクセスの改善」「南北都市軸の強化」「都市鉄道ネットワークの強化」などもあげておりますが、今後の人口の減少を見通し、地下鉄網やJR環状線の現状からみれば、これらの意義は極めて希薄であります。 結局「なにわ筋線」は、「関空へのアクセスの高速化」が主たる目的となっているのであります。直近の調査によりますと、その概算建設費は1800億円から3200億円とされており、おおむね2500億円程度と考えるのが有力だとされています。 一方で、東海道支線の地下化・うめきた地下新駅の設置事業がすでに決定されており、これにより、JRでの関空への所要時間が17分間短縮されることになります。その結果、「なにわ筋線」整備による関空までの時間短縮効果はたった5分ということであります。つまりは、「2500億円かけて5分の短縮」。「1分短縮に500億円かける事業」ということになるのであります。市長、こんな事業計画は、ばかげているとは思いませんか。いかがでしょう。
○木下議長 市長に申し上げます。議員の質問に対し、誠実にご答弁頂くよう、お願いをしておきます。
◆橋下市長 ばかげた事業とは思いません。
◇北山議員 議長の呼びかけにも関わらず、誠実な答弁とは私は思えないと思います。これは議場におられる各議員の皆様とかも、傍聴に来られている市民の皆さんも、こういうことでホントにいいのかという態度ではないかと、私は思います。私は誠心誠意市民の立場から、市長に質問をさせて頂きたいと思います。 市長は、かつての巨大開発事業でのムダ使いの失敗を批判してきました。しかし、今のご答弁、結局私の質問に対して、止めるべきだと申し上げているのに、ドンドン進めていくと、こういう主旨のことになっておりまして、結局「かつての巨大開発事業でのムダ使いの失敗」批判をしてきたにもかかわらず、平気で同じように繰り返そうとしているということであります。それどころか、「都構想」に装いを変えて、カジノ誘致など、もっとひどい巨大開発事業のムダ使いに踏み込もうとしていると言わざるをえません。 こんなことはきっぱりやめて、今、この大阪市で活動している20万の中小事業者を応援する経済活性化の方針に転換すべきではありませんか。 例えば「住宅リフォーム補助制度」の創設などで、たとえばこれをやれば街の工務店や畳屋さん・建具屋さん・家具屋さん・電気工事屋さん・水道工事屋さん・塗装屋さん、様々な業種に、たくさんのお仕事が回ってまいります。市内の事業者、たくさんの仕事が増えてくることにつながってきます。 また、保育所や高齢者施設の思い切った規模での建設、公園や生活道路の整備、あるいは、地震津波災害対策や水道管・下水管の耐震化の抜本的促進など、市民が求める身近な公共事業を優先する予算にするべきではありませんか。市長のご見解をお聞きしたいと思います。
◆橋下市長 議長の議事運営には僕は敬意を払っていますけれども、議場は住民代表ですから、やっぱりそれは、議場の中での態度振る舞いとか、それがおかしいものに対して、やっぱり研修やってもらわないと。僕は北山先生がキチンとそういう事を、礼儀をわきまえていることは十分承知しています。だからキチンと答弁したいんですけどね、中にその若造のですね、そういうマナーを知らないようなそういう議員がいるんでね、研修してからしっかりやって下さいそれは。議長の議事運営については敬意を払いますけれども、そこは大変申しわけありません。 しっかり中小企業対策進めています。
◇北山議員 ただ単に中小企業対策をやってくれと言ってるんじゃないんです。大阪経済の活性化、この戦略について、今市長はカジノの誘致、そしてその基盤整備、アクセス整備などで、多額の税金を投入しようとしてる。これが経済戦略だと仰ってる訳で、こういうことでは無しに、やはり大阪の経済戦略というのは、現にこの大阪市に存在する20万の中小事業者。ここが元気にならなければ、ホントの意味での大阪の経済は活性化しない。このことに大きく舵を切るべきではないかと申し上げてるんです。そのことに充分なまともな答弁が出来ないというのは、これはホントに大阪市民、大阪市で頑張ってる中小業者の皆さん、ホントに愕然とするんではないかと思います。
次にお伺いしたいのは、つい先頃の議会で否決をされた公立幼稚園の廃止・民営化の無謀な再提案についてであります。 昨年12月に議会で否決された14の公立幼稚園の廃止・民営化が、またぞろ同じ幼稚園名をあげて提案されています。これは、議会の審議と議決をまったく愚弄するものであり、到底認められない許しがたいものであります。 今回の再提案の主な理由として、民間幼稚園を対象とする「要支援児受入促進指定園制度」や「特別支援教育補助金制度」。これらを設けることで、「要支援児の受け入れ促進の環境が整備されるから」と主張しておられます。こんなやり方で、公立幼稚園が担っている「要支援児の幼児教育を受ける権利を保障する」という役割を消滅させるわけにはいかないのであります。 「指定園」を設けることで、それ以外の民間幼稚園の要支援児の受け入れが、現状よりも後退する恐れがあります。しかも、「指定園」に手を挙げる民間幼稚園と受け入れ枠が、それぞれの地域で求められる程度に確保される保証がどこにあるのでしょうか。これは、公立幼稚園廃止のための「アリバイづくり」でしかないのではないでしょうか。 ましてや、公立幼稚園の役割は「要支援児の受け入れ」はもちろんながら、さらに幅広いものがあります。だからこそ、5か月前に議会で否決されたのであります。市長は、こんな無謀な提案を撤回すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○木下議長 橋下市長に再度申し上げます。議員の質問に対しては、しっかりと誠実にご答弁頂くよう改めてお願いをしておきます。
◆橋下市長 質問が撤回すべきではないかっていうのが結果ですから、それに対する答えとして、誠実にお答えします。 撤回すべきではありません。そのまま進めます。
○木下議長 この際、お図りをしたいと存じます。暫時休憩致したいと思いますが、ご意義ありませんか。 意義がありますから、起立により採決をしたいと存じます。 議長発議に賛成の諸君の起立を求めます。 多数であります。よって暫時休憩いたします。
(休憩)
○木下議長 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。市長より先ほどの答弁の中で一部不適切な部分があった旨の申し出がありましたので、会議録作成の際、議長において適当に措置することといたします。また、市長から指摘のあった点については議長において適切に対処しておきます。 この際、議員並びに理事者各位に申し上げます。市会の品位を保持し円滑な市会運営に今後とも特段のご協力をいただきますようお願い申し上げます。 北山良三君の質問を続行いたします。
◇北山議員 それでは引き続き橋下市長にお尋ねをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。 次のテーマとしましては、住吉市民病院用地への民間病院誘致についてお尋ねをしたいと思います。 先ほど松崎議員との間でも相当長時間にわたって詳しく議論がされておりましたが、私からも少し質問させていただきたいと思います。 今回の補正予算(案)では、3月議会で修正削除された「住吉母子医療センター」これ仮称ですが、建設整備費が再度計上されております。住吉市民病院の小児周産期医療機能の府立への統合は、住吉市民病院用地への民間病院の誘致と一体のものであり、この点は、昨日の議論でも市長は明確に一体のものであるとご答弁されておりました。 市の南部医療圏における小児周産期医療の1次・2次医療機能、これを民間病院の誘致によってカバーするということが住吉市民病院廃止の前提条件となっております。先ほどの質疑にもありましたが、しかもその内容として、特に小児医療という点では管理料3以上のレベルで小児医療を行う、こういうレベルで民間病院を誘致する、こうなっております。 昨年12月3日に、誘致する民間病院事業者の選定がなされましたけれども、5ヶ月以上たった今でも、協定書が作成され契約書が交わされる状況には至っておりません。3月議会での質疑では、これ私が委員会で質疑させていただきましたが、「4月を目途に」と当局からの答弁でありましたが、これ未だに実現しておりません。民間病院誘致が進まない中で、府立との統合事業だけを先行させていくというやり方には納得できません。市民の皆さんも当然不安に感じておられます。 市長として、改めて何が問題になっていて、どう解決していこうとしているのか。そして今後、この小児医療で管理料3以上のレベルの民間病院の誘致の展望、これ明確に今改めて示す必要があると思います。市長から今後の民間病院の誘致の展望についてご答弁いただきたいと思います。
◆橋下市長 民間病院の誘致につきましては、住吉市民病院廃止条例可決の際の議会からの大阪府市共同住吉母子医療センター、仮称ですが、整備にあたっては現行の住吉市民病院が担っている産科・小児科等の機能存続と南部医療圏の小児・周産期医療の充実のため責任をもって民間病院の早期誘致を実施すること、という附帯決議をうけて地元住民の皆さんの小児・周産期医療の不安解消のために誘致することとし、昨年12月に事業予定者を決定してきたところであります。 現在、病院局と事業予定者は民間病院の運営等に関する基本的事項を定める基本協定書の締結に向けて継続して協議を続けておりまして、提案内容を確実に実施することを担保できるような内容の協定書を早期に結ぶよう指示しています。民間病院の誘致と府市共同住吉母子医療センターの整備は一体としてすすめるべきものであります。 病院はそれは数多くあればそれはいいに超したことはありませんが、公立病院をそのまま増やしていくというわけにはいきません。やはり公立病院と民間病院の役割分担を考えたうえでこの南部医療圏、南の方にはですね、大阪府立の急性期の医療センターがあるわけですから、そちらの公立病院というものも最大限活用しながら、公立病院と民間病院の役割分担をしっかりと、そこを役割分担を引いてですね、適正なその医療圏と言いますか医療サービスというものを充実させていきたいと思っております。 問題というところは、やはりその役割分担の中で民間病院にどこまでのものを担わせるのかというところだと思うんですけれども、府立急性期のほうでですね、高度医療の部分等についてはそこできちっと担ってもらいますので、民間病院はその前段階と言いますかそういう役割もあるのではないかと思っていますが、ただ、附帯決議が出ていますのでしっかりそれを受け止めてですね、元々の公募条件、そして事業者のその提案内容、これが実現できるようなその基本協定書をきちっと締結をしていきたいと思っています。
◇北山議員 協定書を結んでいくというのはこれまた当然のことだと思います。問題にしているのは今それが行き詰まっている状況にあると。5ヶ月経っても契約がなされないということを問題にしているわけで、これをどのように進めようとしているかということなんです。 先ほどの松崎議員との質疑の中でも南部医療圏において、この小児医療というものの位置づけ、これ議論がありました。市長は府立があるということで何か小児医療のレベルが落ちてもいいかのようなニュアンスに聞こえるようなご答弁があったかように思うんですが、実は大阪市内、南部医療圏が最も小児救急、つまり今回求められている民間病院のレベル、この小児の救急受け入れであります。つまり、二次医療機能であります。だから管理料3以上こうなっているんです。 なぜかと言いますと、元々府市統合本部が出された資料、それがここにありますが、府市統合本部で出された資料では南部医療圏が最も小児・救急医療の受け入れの水準が低いんです。例えば、北部医療圏では、発生した小児救急の発生に対して78.3%をその地域で受け入れているんです。ところが南部医療圏は僅か33.1%しか受け入れができていないんです。この4つの北部、西部、東部、南部、4つの医療圏の中で最も受け入れレベルが低いのが南部医療圏なんです。だからこそ、この管理医療3以上というハードルを設けている、ここを落としてはならないということなんです。改めて、従ってこの管理料3以上のレベルで小児医療が行える内容でしっかりと民間病院を誘致する、この展望について改めてもう一度、市長の立場から展望についてお示しいただきたいと思います。
◆橋下市長 あのう、事業者を選定する委員会でそのような意見も出て、そしてあの提案内容は議員はご覧になっていただいているんですかね、事業者の。あれが実現すればそれはいいということなんでしようか。あの提案内容で事業者を決定した以上はこれはもう病院局に今は事務的な作業と聞いていますので、きちっと基本協定を結んでですね、あの提案内容が実現できるようにね、しっかりとやっていきたいと思っています。
◇北山議員 今のお言葉を踏まえて、協定書はきちっとこの目処で、落とさない内容で結んでいただきたいし、そして民間病院の誘致、これにきちっと責任を持っていただきたいということを改めて求めておきたいと思います。
私の質問の最後のテーマとして、水道事業の民営化方針と調査費の予算について質問をいたします。 水道は、市民生活、都市活動に1日たりとも欠かすことのできない最も重要なライフラインであります。安全安心の水道水の供給をはかるため、水道法において、水道事業は原則として市町村が行うものとされております。したがって、全国1429の水道事業体のうち、1420の事業体が公営となっており、例外的に民営化されているのは限定的地域等の、わずか9つの特定事業だけであります。自治体全域が民営化される水道事業は存在しません。 ところが、橋下市長は、昨年5月の議会で大阪広域水道企業団との統合案が否決されると直ちに、それこそ、全国の自治体のどこでもやっていない「水道事業の民営化」の検討を指示して、このほど民営化基本計画案をまとめたのであります。民営化して、行政や議会のチェックを希薄にし、安全安心の水道水の供給が本当にできるのか。 また、一般市民に対して、良質で府内2番目に低廉な料金が維持できるのか。さらに、収益性向上には無縁な管路の耐震化が公営よりもより促進されるという保証があるのか。これらはその保証は全く担保されなくなるということになるのではありませんか。 こんな水道事業の民営化は撤回すべきだと思いますが、市長の見解をお伺いしたいと思います。
◆橋下市長 これはあのう、安心安全を守っていくことはしっかりと引き続きですね、行政としてやっていきます。その事業のオペレーションをですね、これは公営組織がやらなくても民営化されたですね、そのいわゆる株式会社等がオペレーションはできるわけですから、実際の事業はですね。ですから、そちら、いわゆる責任と事業のオペレーションと分けて、もっと効率のいいその事業体にしようと。事業経営にしていこうということなんです。 あのう、老朽化したその水道管のですね、その更新について、これ加速化していくと、民営化すれば加速化できるというについて担保がないということですけれども、ただそれは、今のままの公営企業だったら年50qとその計画なんですよ。ただ、それをいいとするかどうかですね。南海トラフの巨大地震というものがもうこれ30年以内に発生するだろうと言われているようなこの中で、年50qのその更新ペースというのは遅すぎますよ。 じゃあ、年80qのペース、これ、僕が考えるわけにはいかないからこれは水道局でしっかり考えてもらいましたけども、年80qまでだったらいけると。ただ、それは民営化ということをやりながら、その事業のオペレーションの効率化を図りながらそこでいろいろ効率化図ってですね、合理化図ってですね、そうすれば年80qの更新ができると。その場合は、前提条件としては水道料金を上げないという前提ですよ。水道料金上げるんだったらいくらでもこれ更新できますけれどね。 だからこれ、こういう議論をやるときにですね、その民営化がいいか悪いかという議論ではなくて、その老朽したね、その管を老朽管をどうやって更新するのか、年50qのペースでいいんですかということです。これ早めろと言った時に、じゃあ水道料金を上げてもいいんですかということです。そこについてまずしっかり前提条件を置いてもらわないとですね、民営化だめだ、だめだって言うんだったら、じゃあ老朽した老朽管の更新もやめる、年50qのペースで行くのか、それとも水道料金を上げてでもペースアップするのか、そこについて何にも意見出されないじゃないですか。 これは民営化というのはワンセットでその老朽管の更新ペースを年80qに上げる、年50qのところを年80qに上げる、その代わり水道料金の負担も上げませんよと。これをやろうと思えばですね、手法としてはこの水道事業の民営化というものをとらざるを得ませんよと、もしくは反対というんだったら、その老朽管についての更新をどのようにやるのかね。水道料金上げてもいいというんだったら上げましょうよという宣言してくださいよ。 水道料金上げてもいいと、どんどん上げていってもいいというんだったら民営化やらなくてもいいと思いますよ。僕はそれは市民の期待といいますか、市民が望んでいることではないと思うんですね。ですからそこの前提、事実を言わずにね、民営化反対だ、反対だって言うのはそれはちょっと違うと思います。 それから水需要予測というものもしっかり見ていただければ、これ組織がじり貧にになってしまうことはもう間違いないです。だから水道局の職員のですね、今、局長をもとにどんどんマネジメントしてもらいながらいろいろその対応を進めてもらっていますけども、やっぱり大阪市水道局の技術っていうものはこれすばらしいものがありますから、そうであれば大阪市域内に留まらずにですね、他のいろんな自治体から仕事を取ってくると、もうそういう時代になりますよ。 現に大阪市外のね、大阪府域内の市町村の水道事業、水道企業団のほうと統合するなんていう話になっているじゃないですか。いろんな形で大阪市の水道局をね、これ積極活用していく、僕はこれはまさに日本の成長戦略に繋がっていくと思うし、何よりも市民の皆さんの負担を上げることなく老朽管を年50qのペースから年80qのペースに上げると、これはね、僕はもう最大の市民のメリットだと思ってますから、民営化について賛成、反対、まあ反対だ、反対だっていうふうに言われるんだったら、老朽管の更新については今のままのペースでいいのか、それとも水道料金をどんどん上げてってもいいのか、その点についてしっかりと答えていただきたいと思います。
◇北山議員 市長の今のご答弁についてですが、そもそも料金の値上げと老朽管の管路の耐震化と、これをどちらを取るかというような設定で物事を今おっしゃられているわけです。そういう発想がまず間違っていると思います。 老朽管の管路を耐震化していく、これが公のままであれば50qしかできないという設定はそもそも間違っております。で、我が党はかねてから老朽管の改善、耐震化、これをもっと早いペースでやっていくべきだと主張してまいりましたし、そのためにもその財源、いろろな提案もしてまいりました。 現に、現時点で見ても水道事業は年間大きな黒字を出しております。で、これまでも大阪市の水道事業の場合は、まだまだ効率化できる部分は確かにあります。 例えば、これまで我が党が提案してきたことで言いますと、大変過剰な水利権をずっと確保してきまして、高い水利権を払い続けてきたというようなことを我が党はずっと指摘をしてまいりました。こういうことを改めて、もっと耐久・老朽管に耐震化を図るいうほうに回すべきだ、具体的な提案をしてまいりました。 また設備や施設のダウンサイジング、こういう提案も我が党はこれまでやってまいりました。市長が、我が党がこれまでこの水道事業をめぐって様々な効率化を提案や、また老朽管を耐震化すべき内容の具体的な提案をしてきたその審議の議事録、ご覧になったことありますか。私どもは、ただ批判をしたり反対をするだけではなしに必ず対案を出して、そしてこういう道があるというものをお示ししながら老朽管の耐震化、こういうものを提案してきたわけであります。 時間が来ましたので、改めてこの点は今後も、水道事業の民営化の問題については引き続き議論してまいりたいというふうに思います。時間がまいりましたので、与えられた時間の中での質問ということですので、本日はこの程度にとどめ、さらなる議論は後日開催されます各常任委員会での審議に譲ることとして質問を終わります。ありがとうございました。 |