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市議団の実績

2014年度国保会計補正予算案の修正を求める

寺戸議員の提案説明

てらど月美市会議員

2014年5月27日

私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第261号、2014年度大阪市国民健康保険事業会計補正予算案の修正を求める動議について御説明をいたします。

修正動議の内容は、2013年度の国民健康保険事業会計への2014年度歳入からの繰上充用の財源132億円の全額について、国庫支出金を充てるよう修正するというものです。

市長案では、繰上充用の財源について、半額の66億円は2014年度の滞納繰越分保険料収納追加分を充て、残りの半額を国庫支出金に求めています。

我が党は、繰上充用の財源については全額国庫支出金追加分を充てるとともに、滞納繰越分保険料収納追加分については、国保料の支払いに苦しむ市民の今後の保険料軽減に充てるのが当然だと考え、この修正案によって、国保料引き下げを実現しようとするものです。

まず、なぜ、繰上充用の財源の全額を国庫支出金に求めるべきか、その根拠及び理由について申し述べます。

 第1は、そもそも国民健康保険法では、その第1条において、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と定め、さらに第4条では、「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない」と、国保の健全運営に対する国の責務を明確に定めております。法の趣旨からみて、本市の昨年度までの国保事業会計での不足財源については、全額、国庫支出金を充てるべきだと考えるからであります。

第2に、繰上充用しなければならない国保会計の累積赤字の主な原因は、1984年に国庫支出金を医療費の45%から38.5%へと大幅削減したことにつづき、事務費負担を全廃するなどの改悪が行われ、本市国保会計の歳入総額に対する国庫支出金の負担率が、84年度の約60%から2013年度は約26%へと、大幅に低下させられてきたことにあります。その結果、国保を運営する自治体と、加入する被保険者の負担が大きく増え、国は、自らの役割を放棄し、矛盾のしわ寄せを自治体と被保険者に押し付けてきたからであります。だからこそ、本市の国保会計の収支不足の全額を補てんするために、国に対して、国庫支出金の大幅な増額を求めていくのは当然のことであります。

第3は、国からの普通調整交付金のペナルティ減額が、本市国保会計の赤字を膨張させてきた大きな原因となってきたからであります。

具体的には、保険料収納率の低下を理由とする普通調整交付金のペナルティー減額が、本市では1997年度から始まり、2010年度からは止まってはいるものの、これまでの累計で187億円に達しています。そして、乳幼児医療費助成制度などの本市独自の施策実施などを理由にした調整交付金のペナルティー減額が、本市では1999年度から始まり、2012年度までの累計で154億円に達しています。この二つの国によるペナルティ減額は合わせて341億円で、本市の累積赤字額132億円の2.6倍にもなります。

国による一方的な交付金のペナルティー減額措置が、いかに本市の国保事業の健全な運営を阻害しているかは、きわめて明瞭であります。

国に対して、このような国民健康保険法の趣旨にも反する不当な普通調整交付金のペナルティー減額措置を、直ちに廃止するよう求めるとともに、従来の減額分についても「全額補てんせよ」と強く要求すべきであります。

次に、繰上充用財源に充てようとしている滞納繰越分保険料収納分を、なぜ保険料の引き下げに充てるべきか、その理由について申し述べます。

 第1は、本市の国保料の実態が、被保険者にとってあまりにも過酷で情け容赦のないものになっているからであります。40歳代の夫婦と子ども2人の4人世帯で、所得200万円の場合、国保料は介護分を含め約40万円で、所得の20%を占めます。これは、全国20の政令指定都市の平均額よりも高いものになっています。また、大阪市の国保加入世帯の平均所得は約96万5000円と、全国平均の141万6000円、大阪府平均の125万円と比べ、大幅に低くなっており、生活の実態からかい離した国保料を引き下げる必要性はますます高まっています。

 第2は、本市の国保会計は、後期高齢者医療保険と分離した2008年度以降ほぼ毎年黒字を計上し、これが累積赤字の解消と一般会計からの任意繰り入れの減額に費やされ、保険料の引き下げにまったく生かされていないからであります。

今回の補正予算案によって明らかになった決算見込みでも、2013年度も23億円の黒字となっています。その結果、2008年度から2013年度までの6年間で、なんと254億3000万円もの黒字となります。年平均にすれば42億4000万円の黒字であります。これに加えて、一般会計からの国保会計への任意繰り入れを、2008年度の215億円から、2014年度予算では176億円へと39億円も減らしています。

これだけ黒字を出し、一般会計からの任意繰り入れを減らしているのに、国保料は昨年度2%、そして今年度もまた2%と、2年連続で引き上げを行なっているのであります。こんなやり方は、市民の納得が到底得られないのも当然であります。国保会計の好転が国保加入者にはまったく反映されないで、一層過酷にするなどということは許されないのであります。今こそ、国保料の引き下げへの見直しを具体化すべきであります。

 以上、本修正動議に議員各位の御賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明とさせていただきます。