title


市議団の実績

法定協正常化に向けた条例案に対する

山中議員の賛成の討論

山中智子市会議員

2014年8月7日

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議員提出議案第17号「大阪市会における大阪府・大阪市特別区設置協議会委員の推薦手続きに関する条例案」に賛成の討論を行います。

 本条例案は、大阪市会推薦による特別区設置協議会委員9人について、市会各会派の所属議員数の比率により按分するよう定める事によって、多数者等による恣意的な選定手続きが行われる事を防ごうというものです。

 申し上げるまでもなく、府・市特別区設置協議会は、誰がみても維新の会の私的な勉強会と化したにもかかわらず、7月3日、9日、18日、23日と回を重ねて、異議なし、異議なしと繰り返したあげく「協定書」なるものを決定したと称している訳です。厚かましいというか、恥知らずというか、あいた口がふさがりません。

 このカッコ付き協定書について、7月25日の市会本会議において、多数の議決によって、無効であると宣言されたことは、余りにも当然だと思います。

 今、求められていることは、一日も早く大阪府議会、市会ともに民主的なルールに則って、特別区設置協議会委員が推薦され、正常化した協議会において、真摯な議論が尽くされる事ではないでしょうか。

 ともかく1月31日の時点に議論を戻す事が肝要です。

 そもそも、今日のような不正常な事態に立ち至ったのは、1月31日の第13回協議会で、自分たちの意見が通らないからといって、知事、市長が一方的に「閉鎖だ」などと口走り、打ち切った事によるものです。事前の代表者会議で、引き続き4案で議論する、次回第14回は2月12日に開く、と決められていたにも関わらずです。

 そして、その後も私たちの「第14回の会議を開くべき」との再三の要求にも、会長は一切聞く耳を持ちませんでした。

 そうして、協議会メンバーの差し替えを問うなどとして、市長は出直し選挙に打って出た訳です。ただただ、気に入らないからと言って、卓袱台をひっくり返したようなものではありませんか。

 「理解できない」「わがまますぎる」「子どもじみている」「税金の無駄遣い」当時マスコミに寄せられた市民の声です。ことほど左様に全く意味のない選挙だったと思います。

 ところが、いまだに対抗馬を立てなかったのだから従うべきだ、などと言い募る向きがありますが、とんでもない話です。

東大名誉教授の御厨貴さんは「議会を説得する責任を放棄して辞職し、市長選で勝ったら『僕の民意の方が新しい。議会は言う事を聞け』という態度は、問答無用の危険な手法だ。橋下氏のそうした仕掛けをほかの政党が見破り、候補者を立てなかったことは非常に良かった」と当時、言われました。立てなかった事こそが正しい選択だったという事です。実に23.59%という低投票率にも端的に示されているのではないでしょうか。

 にもかかわらず「信任された」などと強弁して、府議会運営委員会の多数を握っている事をいいことに、自民、民主の委員に加え、公明の委員まで維新のメンバーと差し替えるという、前代未聞の暴挙に出た訳です。

 市会の委員についても、自民、みらい、そして、私なども「入り口論に終始している」「特別区を設置することに反対している」よってもって規約違反だと決めつけ協議会から排除しようとした訳です。しかし、2013年2月以来、13回議論を重ねて、議論をすればする程、矛盾が噴出して、まともに答えられないことの繰り返しで、区割案を絞り込むどころか、一歩も前に進めなかったというのが実際ではありませんか。

 私たちは、ただの一度たりとも議事を妨害した事などなかったのです。

 しかも、この特別区設置法を所管する総務省自身が、この法律に基づく協議会は、合併協議会と同じで、反対意見を述べる事は一向にかまわないし、結果として協定書が反対多数で作られない事もありうると明言しています。

 今回のいわゆる反対派メンバーの締め出しが、いかに理不尽きわまりないものであったか、明々白々なのです。

 以上の経過からも明らかなように、協議会委員の推薦については、一切の恣意的なものが入り込まないような、キチンとした民主的なルールに基づいてなされるべきであり、そういう仕組みを府議会、市会でつくるという点で大変意義深いものがあるという事を重ねて申し上げ、賛成討論と致します。