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市議団の実績

「特別区設置協定書の承認について」に対する

山中議員の反対討論

山中智子市会議員

2014年10月27日

私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第333号「特別区設置協定書の承認について」に反対の討論を行います。

 まず最初に、本協定書は、13回に及ぶ法定協議会で、次々に指摘される問題点や矛盾について答えることのできない知事・市長が、クーデターにも等しい民主主義蹂躙の手段で維新の会以外の会派を排除してとりまとめたものであり、決議、意見書が、市会の多数をもって議決されている通り、「無効」なものであることを、あらためて申し上げておきます。本来なら、上程できるようなものではなかったのです。

そして、同時に本協定書は、手続きもとんでもないものなら、その中身も、突貫工事のでっち上げさながら、検討に値しないものだということが、財政総務委員会や、各常任委員協議会の議論で明らかになりました。

市民の負託を受けた議会として、キッパリと否決する以外にありません。

以下、具体的に指摘いたします。 

橋下市長は、都構想の大きな柱として、これまで府市で二元的に行われていたとする広域行政を府に一元化して、大阪の成長戦略を強力に進めると言ってこられました。それじゃいったい、具体に何をするのかといえば、「平松市長はカジノに反対だった。だから進められなかった」などと発言しているように、カジノを含む統合型リゾート、IRの誘致であったり、淀川左岸線延伸部やなにわ筋線の建設等であったりと、またぞろムダな大型開発そのものではありませんか。

特に、カジノの誘致は、アクセス整備に巨費を投ずるにとどまらず、ただでさえ世界で最も多いギャンブル依存症患者をさらに増加させるとともに、大阪経済の活性化にもまったく役立たないものです。

 神戸女学院大学名誉教授の内田樹(たつる)さんは、「賭博は何も生み出しません。何も価値のあるものを作り出さない。借金しても、家族を犠牲にしても、それを『する人』が増えるほど胴元の収益は増える。一攫千金の夢に迷って、市民生活が出来なくなる人間が増えるほど儲かるというビジネスモデルです。」と言っておられます。まさにその通りで、たとえ少々雇用などが増えたとしても、それ以上のはかりしれないマイナスをもたらすものです。

それに、市長は度々、WTCやりんくうゲートタワービルなどの失敗をあげ、府と市があったからだとおっしゃいますが、とんでもない話です。これらは90年代、景気対策と称して、競って公共投資を積み上げた結果です。つまり政策選択上の大きな間違いであって、大阪市解体などという統治機構とは何の関係もないのです。結局、都構想とは、ムダな大型開発を府に一元化し、一人の指揮官のもとで、強力に推進することによって、WTCなどと同じ過ちを繰り返すことにほかならないのです。 

 また、もう一つの大きなうたい文句は、二重行政の解消で4000億円をうみだす、特別区はニアイズベターで、市民サービスはよくなる、ということでしたが、それが全くのまやかしである事がすでに明らかになっています。

 府市統合による効果は、全くないに等しいにもかかわらず、逆に、コスト増は、とことん切り詰めた大都市局の試算でも、イニシャルコスト600億円、ランニングコスト毎年20億円増。特別区発足後5年間で1,071億円もの収支不足が生ずる始末です。市民サービスは良くなるどころか、さらに切り縮めざるをえず、特別区の運営、区民のくらしは惨憺たるものだと言わなければなりません。

 しかも、北区・湾岸区以外の3つの特別区では、庁舎を建設するとしていますが、特別区の中心、交通至便のところで、建設に必要な用地が果たしてあるのかどうかさえ、いまだにはっきりしないままです。住民投票で賛成が得られれば、それから物色するという大都市局の説明は、後は野となれ山となれ、住民の便、不便に大きくかかわる問題もまったく明らかにしないまま、まさに白紙委任を求めるようなものではありませんか。 

さらに、看過できない問題は、各特別区が、府に財源も権限も、そして財産も取り上げられる半人前の自治体の寄り集まりだという事です。

 市町村税である、固定資産税、法人市民税等は府税扱いにされると共に、特別区の起債許可権限すら府に握られる有り様です。

 しかも、大阪城、動物園、美術館、高校、大学などなど、市民の税金で営々と築いてきたものが、無償で府に移管される事になります。市内在住65歳以上無料とか、大学の入学料減額等の市民向けの優遇措置が果たしてどうなるのか。この決定すら府に委ねる以外になく、ささやかな楽しみや就学の機会をも市民から奪いかねません。

 その上、多くの事業が特別区独自で運営できなくて、国民健康保険、介護保険、水道事業等、100を超える事業を一つの一部事務組合で共同して行わざるをえず、市民の命とくらしに関わる事業が、市民の声が届かない、目が行き届かないなど、ますます市民から遠ざかってしまうのです。

 区議会議員の定数にしても、中核市並みの自治体とは到底言えないものとなっています。現在の市会議員の定数をそのまま当てはめたために、人口34万人の湾岸区はわずか12人。同じ人口の東京北区の44人、吹田市の36人の1/3以下という状況です。因みに定数12人の市町村はと言えば、人口1万人の能勢町です。

 付け加えれば、区議会の議場等のスペースも驚くほど切り縮められたものとなっています。中核市の議場等の平均面積は、3400uであるにも関わらず、議員1人35uで算出した結果、一番多い定数23人の南区ですらわずかに805u、中核市平均の1/4という状況です。

 コストを小さく見積もるためとはいえ、これほどまでの議会無視は、議会などあろうがなかろうが、特別区で決められることなど限られている、府に何もかも握られている、という特別区の無力さを象徴しているのではないでしょうか。

まさに中核市並みどころか、半人前自治体の寄り集まりだと断ぜざるをえません。 

特別区とは、こういうものだからこそ、唯一の都区制度のもとにある東京特別区では、今や、自立を求めて、都区制度の廃止を望む声が澎湃として起こっていることは周知の事実です。基礎自治体である各特別区が、基礎自治体としてのすべての事務を処理し、充実した住民自治を実現するために、特別区と決別し、一般市になることを願っているのです。 財政力の豊かなところは、固定資産税や法人市民税が100%入るので、立派にやって行けるし、そうでないところは、きちんと地方交付税で補てんされるがゆえに、何の気兼ねもなく事業を遂行できる、その道をめざそうという訳です。

 市長がやろうとしている都区制度は、区長は公選であっても、自立した一人前の自治体ではない、との嘆きの声が上がり続ける時代遅れの制度なのです。

今、大阪市でなすべきことは、政令指定都市を解体し、その権限や財源を府に吸い上げる時代遅れの集権を持ち込むことではなく、むしろ、政令市としての権限・財源の拡充など地方分権の推進、地方自治の充実を国に強く求めることです。同時に、市域内においては、ニューヨーク市のコミニティー委員会のような都市内分権に思い切って取り組むことだと申し上げ、討論といたします。