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地下鉄・バス民営化議案に対する岩崎議員の反対討論 |
岩崎けんた市会議員 2014年11月21日 |
両事業とも、一世紀もの長きにわたって市民の足の利便をはかり、住みよい大阪の街づくりに資することを目的に、まさに公共の福祉の増進を優先させる大阪市営交通事業として営まれてきたもので、その果たすべき役割は、益々強く大きくなりこそすれ、いささかも減ずるものではなく、今後とも公営企業として市民の負託に応えてしっかりと運営されるべきものと考えます。 以下、両事業について具体に申し上げます。 地下鉄事業は、昭和8年に、梅田−心斎橋間、開業以来、市民の税金と乗客の料金とで営々と築いてまいりまして、今や、ニュートラムを含め9路線、138qの営業キロを有するまでに発展し、2010年度に公営地下鉄として初めて累積赤字を解消して以来、毎年巨額の利益を積み上げて、2013年度決算では、333億円という過去最高益を記録いたしました。 2008年度には、7141億円もの企業債を有していたものが、5547億円にまで減少すると同時に、現金・預金668億円、運転資金残も526億円にも達している訳です。 まさに市民にとって貴重な財産です。今こそ市民、利用者に広く還元されなくてはなりません。 市民の強い願いである、8号線延伸など、未着手の条例路線の建設をはじめ、南海トラフの地震対策、可動式ホーム柵設置の抜本的推進、エレベータ−、エスカレーターの必要箇所への設置。トイレの美装化などの推進、バス・地下鉄ネットワークの観点でのバス支援の抜本的な拡充。地方公営企業法18条2項に基づく、一般会計への上納の実施等が求められているのであって、公営企業として運営されてこそ実現できるものと考えます。 一方、バス事業は、当局の民営化方針の下、地下鉄からのフィーダー系など道理ある支援まで打ち切られた為に、アベノ北操車場、上六の操車場等の売却を余儀なくされると共に、ドライバー等の給与カットやバス路線を相次いでカットして、公共の福祉よりも採算性の追及をこの間優先させて来た訳です。 結果、2013年度、バス事業は31年ぶりに経常黒字を出す事になりました。 当局の公営バス破綻論には、根拠が無いことがはっきりしましたが、次々とバス路線を廃止され、便数を減らされた市民の不満は沸点に達しようとしています。 実際、これまでの132の路線が2013年度103路線に減らされ、便数も10時から15時までは軒並み1時間に1本と、およそ大都市では考えられないような状況にされてしまいました。 その上、この4月からは、更に16路線がカットされた訳です。まさに公営交通の自殺行為と言わなくてはなりません。 交通局はここへ来て、シティバス株式会社へ「一括譲渡」するとの方針を明らかにいたしましたが、現状の事業性のある路線58系統、地域サービス系路線29系統、計87系統を引き継がせるだけで、何らの前進面もないばかりか、現状の路線すら守られる保証はありません。 今、市民が強く求めているのは、廃止された路線の復活であり、便数の拡充です。市民の身近な足としてのバスの役割の大きさに鑑み、フィーダー系路線等への地下鉄からの支援や地域サービス系路線等への一般会計からの補助金の拡充こそ肝要です。 申し上げるまでも無く、東京都や旧五大市など大都市圏では、すべからく公営バス事業として、例えば京都のようにバスが好調なので、厳しい地下鉄に補助金を回したところもあれば、名古屋のように一般会計から本市の4倍の40億円もの補助金を出してバスをしっかり守っているところもあります。 90年にも及ぶ本市バス事業です。市民の身近な足として、これからも一層その役割を発揮しつつ、もって、大阪の活気のある街づくりに貢献すべきものであることを重ねて強調して、以上廃止条例案への反対討論とします。 |