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副首都推進局設置に反対する 瀬戸議員の討論 |
せと一正市会議員 2016年3月1日 |
私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第1号 大阪市市長直轄組織設置条例の一部を改正する条例案、議案第2号 副首都推進局の職員の給与の取り扱いに関する条例案、議案第8号 副首都推進局の共同設置に関する協議の3案件に、反対する討論を行います。 副首都推進局は、「大阪都構想」が否決されたことを受け、大阪を副首都にすることが必要だ、そのために最適な大都市制度はやっぱり「大阪都構想」だ、こうした流れの中で、今回提案されているものであります。副首都という目新しい旗を掲げて、大阪市を廃止し幾つかの特別区を設置したい、これが副首都推進局設置の真の狙いでありますので、到底、賛成できません。 以下、具体的に理由を述べます。 最初に、住民投票で一度否決された大阪都構想を、修正すると言って再び持ち出す、その手法についてであります。 吉村市長は、5月の住民投票の結果は重く受け止める、しかしながら、11月の市長選で一度否決された案を修正する、その議論を続けさせて下さいと訴えて当選した、これは有権者に約束した公約だから、当選した以上、バージョンアップに取り組むのは当然だと言われます。しかし、市長選挙と住民投票では性格が違うではありませんか。市長選挙は都構想の是非だけが投票の基準になったわけではありません。他方で住民投票は都構想に賛成か否かに絞ってやられた選挙であります。都構想の是非を問う民意としてどちらが重いかと言えば、住民投票の結果の方が重いのは明らかであります。 市長は、修正の議論もさせてくれないのは市長選挙で示された民意を否定するものだといわれます。しかし市長の言う修正の議論とは、大阪市を廃止する制度設計について、特別区の区割りや名称を変えましょうという議論であって、大阪市を廃止することをやめる選択肢がまったくないことは明らかです。これは正に、住民投票で示された、大阪市廃止には反対という民意に真っ向から背き、これを否定するものであり、この立場から、断じて認めるわけには行きません。 しかも大阪維新の会は住民投票の前に、これがラストチャンスだ、結果が拘束力を持つ法定住民投票だ、最高の民主主義だ、これに負けたら従います。こう言ったのであります。ここまで言いながら、再び、都構想を持ち出す手法は、正に大阪市政における民主主義を踏みにじるものだという点も申し上げておきます。 次に、大阪を副首都にするという議論についてであります。ある新聞が、副首都推進本部でやられている議論は「的はずれな放談」だと論評しました。10万人の盆踊り、若者たちを集めての大ゲーム大会などで、副首都の機運を盛り上げようという議論であります。 首都というのは現在の東京を指す、これは分かりますが、副首都なんて定義はどこにもありません。定かでない定義の副首都をつくるために新しい大都市制度が必要だ、それが大阪都構想だというのは、まさに、市民をまどわす新たなトリックに外ならないではありませんか。こう申し上げておきます。 なぜ、大阪市民は大阪都構想に反対しているのか、改めて4つ申し上げます。 一つ目は、大阪市を廃止するからであります。大阪市はなくしませんと言う言葉とは裏腹に、歴史も文化も伝統も持って発展してきた大阪市が地図の上からもなくなります。 二つ目は、大阪市を分割してしまうからです。現在は一つの自治体ですが、バラバラにはしませんと言う言葉と裏腹に、五つの特別区と言う独立した自治体にバラバラになります。 三つ目は、特別区が大阪府の「従属団体」になるからです。現在は大阪府と対等な関係にある自立した大阪市が、五つの特別にされることにより、権限的に、そして財政的に大阪府の内部団体となり、その統制化に置かれ、大阪市民の自主決定権が奪われてしまいます。 四つ目は、大阪市民というものがなくなるからです。大阪市民の「解散」です。大阪市民は大阪市と言う自治体があってこそ存在するアイデンティティです。大阪市が廃止になったら「私は大阪市民だ」とは言えなくなります。 長い歴史と文化、伝統を持って発展し、そして大阪全域や関西を引っ張るエンジンとしての役割を現に果たしている大阪市を、廃止・分割する、これに、大阪市民が強く反対するのは当たり前であります。私たちもこれに同感いたします。 最後に、副首都推進局で総合区の設置を検討するからという理由で賛成すると言う議論に触れて置きます。総合区を検討するのであれば大阪市職員だけの組織でやるのが筋ではないでしょうか。大阪府職員がトップとなり、大阪府・大阪市の職員半分ずつで構成される副首都推進局で議論をするというのは大間違いです。副首都推進局が設置されたら行政としての都構想修正案の検討が始まる、それを止めなければならないのに、総合区を検討してくれるならと言って推進局設置に賛成する、これでは、市民の理解は得られないのではないでしょうか。 住民投票の結果を受けて今やるべきことは、大阪市を廃止せず、大阪市を残したまま都市内分権を強める、住民の参加と住民自治を強化する、こういう街づくりだ、このことを申し上げて、反対討論といたします。 |