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市議団の実績

新教育長任命に反対する瀬戸議員の討論(要旨)

せと一正市会議員

2016年3月28日

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、只今上程されました、教育長に山本候補を任命する案件に反対する討論を行います。

任命同意にあたっての所信表明を拝見させていただき、また先ほどの我が会派の井上浩議員の質問に対する答弁もお聞きしましが、残念ながら、山本候補は大阪市教育委員会の教育長としては不適任だと申し上げなければなりません。 

その理由の第一は、新しい教育委員会制度は、これまで教育委員会が持っていた教育長を任命する権限と教育長に対する指揮監督の権限を奪った上に、教育長を任命し罷免する権限を市長に与えていますが、これでは、教育長任命には市議会の同意が必要だとは言え、教育委員会は市長に強く支配されることになるのは間違いありません。さらに、市長と教育委員会で組織される総合教育会議で、市長が教育の振興に関する大綱を策定する、大阪市にあっては大阪市教育振興基本計画をもって大綱に代えるとしていますが、これでは、教育委員会は正に形だけになり、教育の政治的中立が脅かされる、このことも間違いありません。

ところが、吉村市長は先程の答弁で、「新制度においても、市長から独立した行政委員会としての教育委員会を執行機関として残すことから、引き続き教育の政治的中立性は確保される」と強弁し、山本候補も「政治的中立については、市長が答弁した点を踏まえる」と答弁されました。吉村市長の答弁もまた山本候補の答弁も、新しい教育委員会制度が、教育の政治的中立性を奪う大きな危険性をもっているにもかかわらず、この危険性を覆い隠すものと言わなければなりません。新しい教育委員会制度の趣旨に沿った教育行政を進めようとしている山本候補の任命に同意するわけにはいきません。 

理由の第二は、学校教育の質の向上に関して、教員のモチベーションの向上や教員不足・過重負担をどう改善していくのかと問うたのに対して、山本候補は教員不足を抜本的に解消する決意も方策も示しませんでした。「学校配置の適正化の進め方」についてこれまでの取組みをどう総括しているのかの問いに対しても、この間地域や保護者などから教育委員会の強引な進め方にたいして批判の声があがっているにも関わらず意に介さないような答弁をされました。「少人数学級」を推進する考えはないのかという問い対しては、山本候補は「義務教育にかかる学級編成の標準の引き下げは、国が責任を持って必要な財源を確保し速やかに実施すべきである」とまるで人事のような答弁をされました。この問題では全国で自治体が国の施策を待つのではなく必死の努力をし、名古屋市は小学校12年で30人、中学校1年で35人、京都市も中学校3年で30人学級を実施しています。これらの点において山本候補の答弁は到底、容認できません。 

同意できない理由の最後は、山本候補が所信表明において、これまでの橋下前市長の下での3年間を手放しで「教育改革の取組み」だと評価しこれを継続するとしている点であります。山本候補は、本市の中学生の不登校数が全国に比して高い割合にあると述べていますが、これは、橋下前市長が進めてきた競争教育・管理主義教育と決して無縁ではありません。大阪市における学校教育をこうした角度から見ることができない人物に大阪市の教育を託すことはできません。 

以上をもって、反対討論といたします。