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「公設民営・国際バカロレア中高一貫学校」設置に対する 江川議員の反対討論 |
江川繁市会議員 2016年12月13日 |
私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第234号「指定公立国際教育学校等管理法人による大阪市立学校の管理に関する条例案」及び、議案第235号「大阪市立学校設置条例の一部を改正する条例案」に反対する討論を行います。 この2つの条例は、大阪市の公費で国際教育課程の中高一貫教育校を設立し、その運営を民間に任せる、いわゆる「公設民営・国際バカロレア中高一貫学校」を設置するという、全国的にも極めて異例なものであります。 これについて2つの大きな問題点を指摘いたします。 第一は、大阪市はいま、公教育すなわち大阪市自らおこなう教育の方は経費縮減のためだとして、強引に小中学校の統廃合を進めています。また大阪府も大阪市も、府立と市立の高校を廃止する計画をどんどん進めています。その中で新たに公設民営、すなわち大阪市が公費で新たな学校を設置しそれを民間に運営させようとしている点にあります。その先には、民間の利益優先の教育に大きく変質することが懸念されます。 今回の国際バカロレア中高一貫校も、住之江区の南港緑小学校と南港渚小学校、二つの小学校跡地に作ろうとするものであります。 第二は、経済界が求めるエリート育成のための英才教育に、大阪市が税金をつぎ込もうとしている点です。関西経済同友会は2008年3月の提言で「現状の公教育に限界があり、このような英才教育ができないのであれば、特区にて公立学校の民営化・民間委託を試験的に実施し、その展開をはかるべきである」と主張していました。 私たちは、子どもと教育の立場から見て、公設民営で学校を経営すること自体に反対であります。尚、大阪市が設立・運営する中学校や高校において、国際的な教育課程を導入することについては、今後学校関係者で大いに議論することが必要であります。 大阪市が今やるべき事は、建設費で約60億円かかる「公設民営・国際バカロレア中高一貫学校」の設置ではなく、小中学校全学年に35人学級を広げること、学校維持運営費の増額、就学援助費の拡大、公立幼稚園の存続など、全ての子どもたちに成長・発達を保障するため教育条件を良くすることであります。 以上、反対討論とします。 (2016年12月13日) |