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市議団の実績

2017年度補正予算(第1回)に対する

小川議員の反対討論

小川陽太市会議員

2017年9月27日

写真 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第131号「2017年度大阪市一般会計補正予算(第1回)」について、日本共産党の修正案に賛成、原案に反対の討論をおこないます。 

 まず、総合区素案に関する住民説明会の実施経費400万円についてですが、いったい何のための説明会なのか、ということです。

 吉村市長は「自分は特別区論者だ」と公言しながら、特別区・総合区、それぞれベストの案をつくって市民に選んでもらう、と、今回「総合区素案」なるものが公表されました。そもそも、まったく次元の違う「特別区」と「総合区」を比較できるかのように見せかけること自体が、市民を欺くものです。

 さらに、住民自治の拡充をめざす「総合区」であるはずなのに、今回の素案は、市民的議論もなく勝手に、合区どころか再編ともいうべき8区ありきと決めつけ、コスト増を避けるという行政の都合だけで考えられたものであり、とてもではないですが、市民への説明にふさわしい代物ではありません。まさに、「総合区はカムフラージュ」という市長の言葉通り、市民を煙に巻き、混乱と困惑をもたらすようなものです。このような「素案」の説明会は断じて認められません。 

 次に万博誘致についてです。今回、誘致活動強化として5600万円を計上、大阪府・市・経済界等で構成する誘致委員会全体では15000万円となります。開催立候補国が2カ国から4カ国に増加して、状況が変化した事で各国の支持獲得のために、南米やアフリカなどへプロモーションに出かけるための経費追加とのことですが、そこまでやるかと申し上げたい。

 現在、万博会場建設費だけでも1200億円、関連事業費730億円と巨額の経費が見積もられています。この先、人件費の高騰など不確定な要素がおおく、さらに先日、経産省がBIEへ提案書ビッドドシエを提出致しましたが、その中で万博会場面積が155haと従来の計画の約1.5倍に拡大している事など、経費の増加が心配されます。その上、今回の万博誘致は「夢洲まちづくり構想」に位置づけられておりIR誘致とセットであり、万博関連事業費とされる540億円の地下鉄建設費などの負担についても、関西財界関係者からは、IRのためのインフラを万博にも活用する「一体開発」を求める声も上がっています。

 一方、BIE加盟国からカジノに対する批判的な見方も強く、開催地決定の投票への影響を心配する官邸からは「IRと万博をセットで議論するな。」と各省庁に指示が出されたとの報道等もあり、必要なインフラも一体誰が負担するのか、どのように整備していくのかなど中身がまったく決まらない、どうなるか分からないという状況です。わが会派は、万博の理念自体に反対するものではありませんが、市民負担が見通せない夢洲での無理な万博誘致は反対であると申し上げておきます。 

 最後にIR事業化の推進予算についてです。統合型リゾートIRつまりカジノ誘致の為に、専門家とアドバイザリー契約を結ぶ為に補正予算300万円と、平成30年度から32年度の債務負担行為18900万円、府市あわせて38000万円にものぼるものです。

 しかし、現在、国会の解散にともない実施法の成立はなんら見通せない状況です。にもかかわらず大阪市と府は何が何でもカジノ誘致と躍起になっているのです。ご存知の通り、日本はすでに世界有数のギャンブル依存症大国であり、多くの国民が懸念を持っています。

 国のIR推進会議のとりまとめでは、「世界最高水準のカジノ規制」を言わざるをえなくなってます。しかし、国の公聴会で、大阪府市IR推進局は「カジノ施設はIR収益の原動力」といい、カジノエリアの面積上限の基準の緩和を求めるとともに、入場回数制限を不要などと主張しています。

 大阪IR基本構想(案)中間骨子では、世界最高水準の成長型IR「世界中から人・もの・投資を呼び込み経済成長のエンジンになる」「世界の幅広い層をターゲットにする」といいますが、これは幻想ではないでしょうか。IR研究者の大阪商業大学の谷岡学長は「海外客は1割以下で、国内客を中心に設計すべき」として、「とりわけ10万円から100万円を自由に使える層」がターゲットとあけすけに語っています。

 結局、大阪周辺の一般市民の所得・資産がカジノ事業者に吸いあげられるだけで、本来、地域経済に回るはずのお金が回らなくなり、ますます大阪の経済は冷え込んでしまいます。まさに、過去の破綻済みの呼び込み型・無駄な大型開発の失敗の繰り返しではないでしょうか。 

 以上指摘してまいりましたが、今回一緒に提案されている就学援助金の入学準備金の入学前支給26000万円については賛同するものであると申し上げて、討論と致します。