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「市長の退職申し出について」に対する反対討論 |
せと一正市会議員 2019年3月13日 |
私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、ただいま上程されました、市長の退職申し出について断固、同意できませんので、議案に反対する討論をいたします。 まず最初に、予算編成と審議を控えたこの大事な時期に辞職をほのめかし、市民や職員を混乱させたあげくに、任期途中で市政を投げだし、知事に鞍替えしようとする、いったいどこまで身勝手なのかと申し上げたいのであります。 辞職に同意できない第1の理由は、決着ずみの都構想を前に進めるために辞職することに、何の道理も大義もないからです。そもそも都構想については2015年の住民投票で市民によって否決されているではありませんか。あのとき吉村市長もふくめて維新の会のみなさんはなんと言ったのか。住民投票はこれがラストチャンスだ。二度目の予定はありません。こう言われました。ところがその舌の根も乾かないうちに、再挑戦だとして蒸し返し、法定協が設置されました。しかし提案された特別区設置素案は、議論をすればするほどボロボロであることが鮮明になって来ました。 特別区設置のためには庁舎建設にしても職員増にしても莫大な経費がかかって、その分特別区での市民サービスの低下は免れない。職員体制も今の大阪市のやっている仕事が実施できる保証はどこにもない。 財政調整に至っては結局、府の言いなりにならざるをえない。あらゆる面で都構想には何のメリットもないどころか、市民に大きな災いをもたらすものだ。これらが維新の会のみなさんを除くすべての会派の共通認識になりました。 ところが市長は素案の修正を求められても一切応じない不誠実で頑なな態度に終始したのであります。そうして、いつまで経っても維新以外の賛同が得られないなかで、本来なら潔く断念すべきところを、こともあろうに、公明党との密約文書まで公表し、公明党が約束を守らないことを理由に、辞職してダブル選挙に乗り出したのであります。市民不在、自分勝手の極みと言わなければなりません。 辞職に同意できない第2番目の理由は、市長が辞職して、吉村市長が府知事選挙に、松井知事が市長選挙に、それぞれ出馬されようとしているからです。市民のみなさんからは市長と知事の仕事・職責はそんなに軽いものかという怒りの声があがっています。まさに維新の会は市長、知事のポストを、ひいては府政・市政を弄んでいると言わなければなりません。 それだけではありません。現職有利を防ぐ目的もある公選法の任期規定から見ても、入れ替え出馬してさらに4年間の任期を得るというのは脱法的行為だという批判は免れないのであります。市長と知事のポストを今後4年間握っていれば、その間に再び都構想に挑戦できる、こう考えているのなら、とんでもないと言わなければなりません。 第3番目の理由は、市長が辞職されて入れ替わり選挙に臨もうとしているその最大の狙いが、府議会と市議会の維新の議員を増やすことにあるとしか思えないからです。ある新聞は社説で「住民の審判を仰ぐというが、同日となる見込みの大阪府議選と市議選にのぞむ党の仲間を後押しする狙いがある。住民不在の党利党略と言うしかない」、「府民、市民の判断は、もともと予定されている議会選で分かる。四重選挙とすることで機運を盛上げ、議会選で単独過半数を目指す戦術に他ならない」こう厳しく指摘をしています。議員選挙を有利に進めるための辞職など、これほどの私物化、これほどの党利党略があるでしょうか。断じて同意はできません。 以上、反対討論とさせて頂きます。 |