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一般会計補正予算案に対する 井上議員の反対討論 |
井上ひろし市会議員 2019年10月9日 |
私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第127号2019年度補正予算案に反対する討論を行います。 まず、消費税増税に伴う、マイナンバーカードを活用した消費活性化策の実施準備についてです。 これは、消費活性化策と言いながら、普及率がわずか14%に過ぎないマイナンバーカードの所持者しか利用できない制度であり、国の準備不足は明白であります。 また、マイナンバーカードの情報をクレジットカードなどに乗せることになれば、個人情報の流出の危険性がより大きくなりますが、その安全対策がどのように図られるかも定かではありません。 そもそも消費税増税で、国民には5.7兆円もの負担を押し付けながら、消費の落ち込みを回避する対策を講じなければならないこと自体、本末転倒であり、複数税率の導入や期限付きのキャッシュレス決済時のポイント還元、プレミア付き商品券の発行などの対策を取っても、増税の痛みを回避することは決してできません。
次に、IRの事業化に向けた環境アセスメントに係る現況調査についてです。 「大阪市環境基本条例」で定められているように、環境アセスメントは事業者選定後に、事業者自らの負担で実施するものであり、そもそも行政が公金を立て替えて実施すべきものではありません。 ましてや、住民合意も形成されておらず、IR誘致についての国の基本計画すら策定されていない段階において実施するなど、言語道断であります。 このようなルールを逸脱した現況調査においては、公正性や客観性も担保されないのであり、IRへの前のめりの特別待遇の公金支出は断じて認められません。
最後に、市営住宅維持管理業務への指定管理者制度の導入準備についてです。 公営住宅法においては、その目的について、「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与する」と規定されているのであり、法の趣旨に沿った整備、および管理・運営が求められていることは言うまでもありません。 ところが府においては、すでに府営住宅への維持管理業務への指定管理者制度が導入されており、指定管理者を審査する際の評価点数は、100点満点中50点が「管理に係る経費の縮減に関する方策」に割かれているのであり、このことからも、住民の安全・安心をいかに確保するかではなく、管理に係る経費をいかに縮減するかという所に、本制度導入の目的があるのであります。 今日、各市営住宅では、住民の高齢化や貧困化などによって、管理運営上の様々な課題が生じているのであり、行政によるきめ細かい対応が一層求められています。 こうした時に、指定管理者制度を導入するなど、住民の生活安定と社会福祉の増進に逆行するものであり、決して認められません。
なお、災害時避難所となる中学校体育館への空調機設置に係る実施設計、および消防自動車の更新整備に係る債務負担行為の追加については賛成である旨申し上げ、以上討論と致します。 |