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市議団の実績

 
山中智子議員の代表質疑と答弁(要旨)

※8月24日の大阪市会本会議・代表質疑、山中智子議員の質疑と、松井一郎市長の答弁を掲載します。この記録は、日本共産党大阪市会議員団事務局で文字起こししたもので、正式な記録ではありませんのでご了承下さい。

 ○主な質疑項目

1.コロナ感染状況についての認識を問う

2.「住民投票などやっている場合ではない。コロナ対策を最優先に」との市民の声に応えるべきではないか。 

3.コロナ禍で市民の連帯が求められるとともに、説明会も十分にできない状況にある。市民を分断する住民投票を10億円も使って強行することが許されると思うのか。認識を問う。

4.コロナ禍の下、大阪市の持つ力を存分に発揮すべきで、大阪市を弱体化させるようなことはすべきではないのではないか。

5.本市財政の今後の見通しも立たないなかで出された「財政シミュレーション」の更新版は、状況を楽観視した都合の良いものではないか。

6.大阪市廃止・特別区設置にともなう初期コスト、ランニングコストは市民にとってまったくムダな支出ではないか。

720億円の府からの支援なども絵に描いた餅になりかねず、住民サービスは削らざるを得なくなるのではないか。

8..自主財源も乏しいうえに、自前の庁舎ももてない半人前の特別区などつくるべきではないのではないか。

9.モデルである東京特別区は、都区制度廃止の運動を続けている。どう受け止めているか。

10.大阪市廃止・特別区設置は時代錯誤も甚だしいのではないか。

11.コロナ禍の下、十分な説明が難しいうえに、かなりの低投票率になる恐れがある。そのような住民投票に正当性があるといえるのか。


1コロナ感染状況についての認識を問う

 

 

○山中智子議員

 日本共産党・市民とつながる・くらしが第一大阪市会議員団を代表して、特別区設置協定書案に関して松井市長に質問させていただきます。

 新型コロナウイルス感染症は先行きの見通しが立たず、全国的に連日かなりの新規感染者数が発生して、緊急事態宣言解除時点の累計感染者数は16,000人でしたが、今や62,000人を突破しました。大阪の状況も厳しく、ほぼ連日のように百数十人の感染者が発生して、東京を超える日まであるという事態になっています。

 宿泊施設や大阪市では特に自宅での療養者が大きく増加すると同時に、入院患者も徐々にではありますが増え続け、そのうちの重症患者数は昨日現在で68人と4月時点の最高人数65人を超え、病床確保を危ぶむ声も上がっています。

 これを第2波と呼ぶかどうか別にして、これから秋にかけてさらなる感染拡大は必至と見なければならないと思います。こういう状況について市長はどのように捉えておられるのでしょうか。認識をお伺いいたします。

 

◆松井一郎市長

 新型コロナウイルス感染状況については、一旦落ち着きを見せたもののその後再び感染者が多数発生している状況にあります。

 これまで本市では対策の司令塔である大阪府と緊密な連携を図り、感染拡大防止に努め市民の安全安心を確保に鋭意取り組んでまいりました。

 医療検査体制の確保については、十三市民病院のコロナ専門病院化や、保健所体制の充実強化を行い、また検査場を増設し、市内一日当たりの PCR 検査数を、4月に最大で約300件だったところ、現在最大で約1000件以上に増やすなど様々な取り組みを進めているところです。

 今後も大阪府と連携をし、重症化するリスクの高い高齢者や基礎疾患を有する方への感染リスクを減らす対策や、医療機関など施設内での感染拡大防止の取り組みを進めるなど、引き続き新型コロナウイルスへの対策に全力を尽くしてまいります。

 

 

2「住民投票などやっている場合ではない。コロナ対策を最優先に」との市民の声に応えるべきではないか。 

 

 

○山中智子議員

 そういうご答弁ですが、ともかくこういう状況の中で、市民の感染への不安、それから暮らしや営業の不安が渦巻いています。今こそコロナ対策に国も大阪市も万全を期してほしい、誰もが望んでいるのではないでしょうか。そういうなかで、あくまでも住民投票を行おうとなさっていることについてお伺いします。

 月に行った意見募集では、寄せられた意見888件の内、596件がコロナの最中の実施はやめてほしい、というものでした。つい先日、私に声をかけてこられた方は、「正直、都構想には賛成ですが、いまは、命が心配なので延期してほしい」というふうに仰っていました。

 この臨時会に22件の請願・陳情が提出されていますが、そのすべてが議決に反対するものです。そして、コロナ対策を優先すべきなどコロナへの不安などから議決しないことを求める陳情が15件に上っています。なかには、26,261名の署名が添えられたものもあります。

 さらにこれまで投票や開票の管理者を担っていただいている地域の皆さんも、高齢化が進む中で万が一感染したら命に関わるからと、いくつかの地域では一切の協力を辞退する旨表明されています。市長、こんな時に住民投票などやっている場合ではない、コロナ対策をこそ最優先に。これがこの間示されている市民の皆さんの声です、当然だと思います。この声に答えるべきではありませんか。

 

◆松井一郎市長

 現在バーチャル都構想のもとで、私と吉村知事が方針を一致させながら、先ほども申し上げた通り、医療体制の強化をはじめ市民の皆さんの生活支援、教育環境の充実などに全力で取り組んでいます。

 コロナ対策は対策として全力でこれを取り込む。そしてアフターコロナを見据えた、この大阪の成長・再生・成長、住民サービスの充実に向けた長期の視点で将来設計を描く、これも重要でありまして、コロナ対策もこれは万全を尽くしていく、住民投票は住民投票として将来の大阪を、どういう大阪を作っていくか市民の皆さんに判断を頂く。これは僕の市長としての公約ですから、これを、二つを同時に進めてまいりたいと思っています。

 

 

3コロナ禍で市民の連帯が求められるとともに、説明会も十分にできない状況にある。市民を分断する住民投票を10億円も使って強行することが許されると思うのか。認識を問う。

 

○山中智子議員

 アフターコロナを見据えることは、それはそれで重要な事だと思います。見据えて、ご自分の公約に向かって行かれたらいい。でも、今まずやるべきは市民の命を守ることでは無いでしょうか。

 先日市長が囲みで「目の前で、もう人がばたばた倒れているような状況で、医療崩壊がわかっているなかではこれはやっぱり柔軟に、一度決まったことだからというわけにはいかんでしょう」と、こういうふうに仰っていたのを聞いて、私は正直唖然としました。現にいま、市長の目の前かどうか知りませんけれども、今苦しんでいる人がおられる。コロナで亡くなっている人もおられるわけです。どの方にとってもその命は、たった一つの大事な命です。

 目の前でばたばた倒れなければいい、そんなことは口が裂けても言ってはいけないというふうに思います。ともかく、現下の課題は、アフターコロナを見据えた将来設計よりもコロナから、市民の命やくらしを守ることです。

 バーチャル都構想で知事と市長が一致して、と仰いますけれども、特措法の権限は知事なんですから当たりまえだと思います。どこだってそうやってると思います。それよりも第1波からの大阪市の対応はいったいどうだったのか。このことをちゃんと検証しないといけないと思います。市民の間からは、市としての独自施策などまるでなかったではないか、そういう声が寄せられています。

 市がやったことと言えば、雨合羽を募ったり、子どもたちにフェイスシールドを配布して小児科医会から苦言を呈されたり、果ては、定額給付金支給についてのあの体たらくです。全国一遅くて、大阪市はいったいどうなっているんだと、そういうふうに言われるような始末でした。

 そのうえ、財政力の弱いところでも、独自の見舞金だとか協力金などの制度を作って、住民に寄り添っていこうとする自治体があるなかで、国の施策にのっかったり、府の休業要請支援金や、先日終わったミナミの営業時間短縮協力金の半額を負担したぐらいだったわけで、しかもこれら大阪市が負担した287億円のうち、8割以上は国からの交付金で補填されるわけです。

 東京都は1兆円近くあった基金がほぼ底をついたというふうに聞いています。大阪市は何を言っても、何を要望しても「経済は府なんだ」こう言って支援の制度をつくらない、そういう様子に対して、市民の皆さんは「市長は、大阪市廃止、都構想推進のために、大阪市不要論を意識づけようとしているのではないか」とか、「バーチャル都構想だと自慢しているけれども、バーチャルだか何だか知らないけれども、都構想って結局基礎自治体は何もしてくれないということなんですね」こういう、本市のコロナ対策の冷たさに怒り呆れる声を随分お聞きをしました。

 まあ、そういう声もあるなかで、未就学児を養育する世帯への特別給付金、これを支給されることになったんでしょうが、いずれにしても第2波とも言えるような状況の下、これまでの反省の上にたってコロナ対策に万全を期すことこそ、いまやるべきことだというふうに強く申し上げたいと思います。

 何で私がベラベラとこのコロナ問題について一人で喋るのかというと、大阪市に対してコロナのことで一括して答えてくれる部署さえ無い、そういう中で勝手に喋ってくれと言われて勝手に喋っている、そういう今実態だと言うことも申し上げておきたいと思います。

 いずれにしましても、かつて経験したことのない不安に多くの市民がおののくとともに、とにかくすべての人が生活様式の変化に戸惑っている時です。地域の行事も全く出来なくて、心細い思いをしている高齢者の方もたくさんおられます。子どもたちも大変です。感染拡大防止のために我慢したり他人の立場や思いをおもんばかったりすること、市民の一致協力、政党・政派をこえた市民の連帯というものが、今ほど求められている時はないというふうに思います。

 そういう時に市民の税金10億円もムダに使って市民を真っ二つに分断する大阪市廃止の住民投票を強行しようとする、とんでもないことだと思います。

 しかも、前回39回行った市民への説明会が、今回はたった8回のみである上に、密を避けるために参加定員も極めて限られたものとなっています。その人数とて、これだけの感染の拡大の中で、市民の皆さんが参加されるのかもはなはだ疑問です。分かりやすい説明を尽くさなければならないとする大都市法に照らして、こんな説明会しかできない環境の中での実施。このことは許されるというふうにお思いでしょうか? もう一度はっきりと答えて下さい。

  

◆松井一郎市長

 今山中議員が仰っていた、この都構想が許されるのかどうか、10億も使って無駄だと、一度答えが出てるじゃないか。それよりももっとやることがあるじゃないか。それは山中議員が去年の4月の統一地方選挙の時も同じことを言われてました。

 市民との連帯だということで、まああのー、その、我々から見ると想像もしないような、あの御党と自民党が組まれる中で、同じようにこんなことやってる場合じゃない、もっと他にやることがたくさんある。松井をやっつけようと。いうことで徹底して言われた中で、僕は選挙においてもう一度、この大阪の将来・未来をつくるために、もう一度この都構想の住民投票、皆さんに判断頂けるように、もう一度やらしてくれということで、知事を辞職して市長に立候補して、そして選ばれたわけです。これが公約ですから。大阪の未来・将来のために二度と二重行政。特に我々が一番、我々世代がこのことを一番よく知ってるわけですから、こういう不幸なそういう関係を終わらせるために知事を辞めて市長をやってるわけですから、これは大阪の未来のために非常に必要な大都市制度改革であると思っております。

 また選挙については、これは必要な民主主義の手段でありますから、不要不急なそういう行事ではありません。これはやっぱり有権者の皆さんが政治にコミットする、非常に重要な民主主義の行事ですから、これはやらなければならないし、そのための経費というものは必要だと思ってます。

 

 

4コロナ禍の下、大阪市の持つ力を存分に発揮すべきで、大阪市を弱体化させるようなことはすべきではないのではないか。

 

 

○山中智子議員

 まあ、本当に選挙で勝ったら市民の命を危険にさらしてもいいという、そういうご答弁だったのかなというふうに思います。

 で、10億円が必要なコストだとおっしゃる。そりゃね、どうしても市長がちゃんと議会で議決した上で、住民投票またになさるのであればなさったらいいけれども、今この環境の中でなさることではない。

 で、すぐに選挙はやってるじゃないかと仰るけれども、この住民投票は別に任期が選挙のようにあるわけではありません。また普通の選挙っていうのは、選挙が終わればその自治体は続いていくわけですから、政策論争をしながら自治体は動いていく。

 でもこの住民投票は、やってしまったら絶対に後戻りできないし、もし仮に賛成多数ということになれば、大阪市を潰すという作業をしていかなければならないわけです。コロナと戦いながら大阪市を潰す仕事していく。こういう住民投票を選挙と一緒くたに語られるというのもちょっと本当におかしいんではないかなというふうに思います。

 いずれにしても、コロナとの戦いは本当に大仕事です。大阪市を潰す事に費やすお金やエネルギー、それから時間などを私はやっぱり今はコロナ対策に使うべきだというふうに重ねて申し上げたい思います。

 第一、少しでも市民のこと大阪市のことを考える気持ちがあるのなら、この状況の中で政令市大阪市を潰すなどという愚は取らないというふうに思います。

 今はコロナ禍といういわば未曾有の危機に直面しているわけです。コロナ対策の抜本的な拡充のために、大阪市のもつ財政力や組織力を存分に発揮することが強く求められているのではないでしょうか。

 それは市内の累計感染者数が、これ21日の数字ですけれども、市内が3,967人と府内の累計感染者数7,586人の内の、半数以上を占めている上に、経済的に苦境に立たされている中小業者の数も圧倒的だからであり、そして同時にこれら様々な市民の不安の解消に努めるべき責任と、それに応えられる潜在的な力が大阪市にはあると思うからです。いずれにしても、今日大阪市を弱体させるようなことはすべきではないと思いますが市長いかがでしょうか。

 

◆松井一郎市長

 山中議員、大阪市だけでやるよりは府市一体で対応した方が、これはコロナ対策も存分にさらにパワーアップできるんじゃないでしょうか。これは、今回大阪府と大阪市で、今特措法の話されましたけれども、特措法が出来る前から大阪府が司令塔となり、そしてこのコロナ対策においてはその情報収集、そしてその対応方針、一元化でオール大阪でこのコロナに立ち向かっていこうということを決めました。

 これは非常に大切な話なんです。というのも新型インフルエンザ当時、同じような感染症ですよ。山中議員もいらっしゃったと思うけど、あの時大阪府と大阪市でどれだけ揉めてたのか。こういう感染症、いや、揉めてたんですよ。僕全部それ聞いてますから。当時の厚労大臣、舛添大臣に出張って来て頂いて、やっと一体で対応することができたんです。それも直接お聞きしてるんで。そういう過去の不幸せなことは全部横に置いて、大阪市だけの力、違うでしょ。大阪市民は大阪府民でもあるんですから。府市一体でさらに1+1の力を5にも10にも出来るんだから、そのことで市民の住民の皆さんの命と財産、これを守っていく。こういうことが僕は必要だと思ってるし、まさにコロナで今回経験したこと、こういうことも踏まえて今後府市の力が、大阪市だけとか大阪府だけとかじゃなくて、こういう危機事象には一体で制度として取り組めるような仕組み、これが我々がやらなければならない職務職責だと、こう思ってます。

 

 

5本市財政の今後の見通しも立たないなかで出された「財政シミュレーション」の更新版は、状況を楽観視した都合の良いものではないか。

 

 

○山中智子議員

 その新型インフルエンザの話は、ちょっと橋下当時の知事が愚痴ったことだけだと、作り話はもういい加減におやめになったらどうかなというふうに思います。

 そういうことですけれども、まあそうやってね一本化だとか、人間関係なんだとかっていうような言い方で、結局住民投票ありき、大阪市廃止ありきで、もたれ合っていると言うか、そういう形で知事任せにしてきた、そういう日々の過ごし方が今結果に表れているんじゃないですかって言うことをよくお考えいただきたいというふうに思います。

 ともかく今なすべきことは、大阪市の解体などでは決してなくて、大阪市の持つ力を100%発揮してコロナ対策にこそ全力を傾注することだというふうに思います。

 12万人の未就学児に5万円をというこういう施策もやっぱり政令市の財政力があったからだというふうに思います。

 コロナ対策という点では、一つはPCR 検査の拡充ですね。これはエピセンターへの網羅的な PCR の実施だとか、クラスターの起きやすい介護・医療・福祉・保育・学校など幅広い検査が感染拡大を防ぐための喫緊の課題だと、今医師会の皆さんはじめ多くの専門家から提言が出されて、国もようやくそんな通知を出し始めていますが、このPCR検査の拡充が急がれています。

 そしてそういう中で、休業や時間短縮を要請することが必要だと、そういうふうに判断した場合には財政調整基金も活用しながら、十分な補償を行うこともまた当然だと思います。

 先日のミナミへの時間短縮の保証金のようなことでは、ちょっとどうにもならないというふうに思います。加えて保健所の抜本的な機能の拡充も今緊急に求められています。

 この間、感染拡大防止と現場の負担軽減のために、コロナ専門チームの体制強化が行われていますけれども、それにとどまらず、やっぱり将来を見据えて恒常的な体制の拡充強化。これが不可欠だというふうに思っています。

 その点では、何か特別区になれば保健所が四つになって良くなる。そういう議論がありますけれども、現場をよくご存知の方達からはとんでもないと、そういう声が聞こえてきています。もちろん保健師さんなど専門職を抜本的に増やしながら大阪市保健所の数を増やしていくことは必要ですけれども、今の人員をほんの少し増やす程度で、四つにバラバラにすれば、力や機能が分散するだけで何らプラスにならないばかりか、むしろマイナスだろうという、そういう意見が大半です。

 数より中身だと、ここは申し上げておきます。もちろん PCR 検査の拡大にしても、それから保健所など公衆衛生機能の強化にしても、あるいは休業等への支援金にしても、諸々国の支援や国の姿勢の転換は不可欠です。国に強く求めるとともに、大阪市としてできることはすべてやる。こういう構えでコロナ対策、コロナ対応に全力を尽くすことだと思います。

 いずれにしましても、秋にはさらなる感染拡大は避けられません。そしてその頃にはインフルエンザの流行とも重なって、まさに命に直結するほどの医療現場の混乱が生まれるのではないかというふうに言われています。

 WHO もコロナの流行は長期化する、対応を途切らせることなく持続的に実施していくことが重要だと、こういうふうに言っています。

 ですからまあ様々にコロナ対策に継続的に、お金も人も注いでいく時ですし、そうなれば支出も当然増えるというふうに思います。その上コロナ禍のもと、世界経済も日本の経済も不透明で厳しいものになっていくでしょうし、本市の財政も今後一層厳しさを増してくるというふうに思われます。

 財政局からは一貫して、今後の財政見通しを持てる状況にはないというふうに聞いています。こういうふうに税収の見通しも立たない、経済もどうなるか分からない、そんな中にも関わらず今回、令和7年度から21年度までの15年間の財政シミュレーション、特別区のですね財政シミュレーションの更新版なるものを出してこられた訳ですけども、これは一体何なんでしょうかと申し上げたいと思います。

 経済も税収も、これはコロナ以前の収支概算をベースにした上、学校給食費の無償化は加味していますけれども、それ以外のコロナ対策での本市の持ち出しは含まれていません。

 逆に収入面では地下鉄やバスの民営化、ゴミの民間委託などによる効果額が、今年3月時点の概算には反映額が少ないとして、大幅に効果額を積み増しをして、そしてその結果特別区は収支不足は生じない。つまり赤字にはならない。そういう結論を出す、そういうものになっています。

 とりわけ大きいのが地下鉄からの配当金などの効果額ですけれども、これはお聞きをすると、コロナ禍など微塵の気配も無かった、2019年4月の大阪メトロの中期計画を基にした、などとして3月に出した収支概算よりも、今回令和7年度は53億、そしてそれ以降は毎年71億円という金額を積み増ししています。3月の時点で固定資産税だとか一定の法人税、それから配当などは入っていたはずですから、この積み増しした分というのは、丸々儲けが増えるということでなければ出ない金額なんではないかというふうに思うわけです。

 コロナを受けて乗客も激減をし、今後メトロからの配当などどうなるか分からないにも関わらず、コロナ禍における経済の先行きについて、あまりにも楽観視していると言うか、まああまりにも都合よく数字を出していると言わざるを得ないと思うんですけれども、いかがでしょうかお答えください。

 

◆松井一郎市長

 今回更新した財政シミュレーションは、小中学校の給食の無償化を反映した、令和2年3月版の市の粗い試算をベースとして作成いたしました。その後本市補正予算で追加措置した感染症対策の経費はこれ盛り込んでいませんが、国の補正予算の措置でカバーされるという状況をお示ししております。

 今後財政的な影響において感染症対策、税収等の動向のほか国からの財政措置などの合理的な試算をすることは困難でありますが、新型コロナによる影響は全国の地方自治体の課題でもあります。経済の下振れや、地方税源の減少などがあっても、地方の新型コロナ対策をはじめとした行政需要に対応し、安定した財政運営が行えるように国において、地方交付税などの相応の財政措置がなされるものと考えていますが、収支に大きな影響を生じさせることのないよう、国に対してしっかり働きかけをしていきます。

 そもそも地方の財政運営は国の地方財政制度により、地方全体の歳入や必要な歳出を見積り、市町村などが安定的に財政運営ができるように、地方交付税などの必要な財源が確保される仕組みが講じられているものであります。

 今回の財政シミュレーションは住民投票に向けて住民の皆さんの判断の参考にしていただけるものと考えます。

 また今委員が仰られたように、このコロナによって大阪経済非常に打撃を受けております。この大阪経済をV字回復をさせていく。この大阪経済をさらに成長させるためにも、制度として府市がバラバラにならない、広域行政を一体化して成長戦略を一元化をして、スピーディーに実施できる。そのような仕組みが必要だと思っております。

 

○山中智子議員

 市長、地下鉄のこと全然仰らないんですけれども、これすごい大問題だと思うんですね。これがなければ特別区はずっと大赤字ということになるわけですね。

 ですから今回のこのシミュレーションで突然出てきた追加の効果額。累計では1,547億ですが、その中で特に大きいのが地下鉄の1,047億ですね。

 これが本当にあるのかどうかっていうのは、これ大問題なわけですよ。つい先日メトロの営業収益ですね、この4月〜6月期、第1四半期の営業収益が発表されましたが、前年比42%減で最終損益は39億円の赤字になるということでした。

 ですから最終的に配当金が得られるかどうかさえ全く不透明と言わざるを得ませんし、メトロ自身コロナを受けて、この5月にはその時の中期計画についてはもう改訂版を発表して、去年4月の計画にあった中期的な収支の見込みっていうのは、全て削ってしまっています。

 去年の4月の計画にあった、大阪市への財政貢献などはもう項目さえない。今は何も見通せないとしてるわけです。先日の大阪日々新聞によると、この効果額の上乗せについて大阪メトロは、事前調整は無く、試算にどのように活用されたかは承知していないというふうにしているということです。メトロは知らないと言っている。

 メトロが知らないと言っているものを、わざわざ今回新たに付け加えて効果額に積み増しをする。こんなことしていったい誰が責任を持つのかと申し上げたいわけです。私は先ほどこの財政シミュレーションの数字について、先行きを楽観視したものと申し上げましたけれども、むしろものすごく過大に見積もったものというのが実際のところではないかと言わざるを得ません。これがなければ赤字なんですからね、市長いかがですかもう一度ご答弁ください。

 

◆松井一郎市長

 メトロの財政収支につきましては、今回コロナ禍において、これは民間の他の鉄道事業者もすべてそうなんですけれども、利用者が激減をしております。だからこの5月の決算の数字っていうのは、非常に厳しい。だがこれはコロナによる特別な状況の中での数字です。我々はやっぱりこれから長期的にこの特別区の運営を見ていくわけですから、そういう状況の中においては十分特別区役所は財政的に成り立つという判断を致しております。

 目の前の今のコロナの状況であれば、これは大阪市を、例えばこのコロナがあと5年10年続ければ、大阪市のままでも持ちませんよ。そりゃ分かっていただけるでしょう。今のままでも持ちません。これだけ税収が落ち込んでくるわけです。他の事業者も全て税収落ち込みます。メトロだけの話じゃないんです。僕らが言ってんのはそういう状況にならないためにコロナ対策はやっていく。そしてコロナ後、アフターコロナ後、成長させるためにも二度とバラバラにならない。そういう大阪を作っていく。今委員が仰っている話では、このコロナの状況が続ければ、メトロの収支どころか、大阪市であっても、これ独自財源というのは非常に厳しくなります。それと特別区の制度というのはまた別の話です。

 

 

6大阪市廃止・特別区設置にともなう初期コスト、ランニングコストは市民にとってまったくムダな支出ではないか。

  

 

○山中智子議員

 まず、コロナ前に戻るかのような、メトロも、そういうこと思っているのは市長だけじゃないかなと思いますよ。やっぱり働き方にせよ何にせよ、コロナ前のようにはならないというのが大方の見方なわけです。それを、もうなんかコロナの微塵もなかった、しかも大阪メトロがどんどん業績を上向きにいっていた時のものを今引っ張ってきて、これで特別区はやっていけるんだと仰る。一方でメトロがしんどくなれば大阪市だってダメだと仰る。大阪市はダメだと仰りながら特別区はバラ色なんだという。こういう言い方も本当にもっと市民に対して責任持っていただきたいというふうに思います。

 仰ったように、国がもちろんコロナ等で税収など落ちた分、全部持ってくれるのが本来だという。この言い分よくわかりますけれども、実際にはそうなってないということもしっかりとご認識いただきたいと思いますね。

 本市の一般財源の推移を見てみましたら、市税のピークはご承知のとおり平成8年ですけれども、その後バブルの崩壊やリーマンショックがありました。そしてリーマンショックを受けた平成21年の市税は、ピーク時と比べると1,540億円落ちています。市長がおっしゃるように、税が落ちても国が見てくれるとおっしゃるんだったらば、これ別に減ってないはずなのに、同じ時に税と一般財源は873億円落ちています。半分ぐらいしか見てくれてないわけですよ。これが実際です。全部見てくれるなんていうことはなかなかなりません。

 第一この財政シミュレーションの中にも、極めて粗い試算であり、今後の景気動向等で変動する可能性もあるため、相当の幅を見る必要がある。幅を持ってみる必要があると、こういうふうに書かれています。幅を持ってみる、今日コロナ禍の下で、費用や歳出が増え、収入が当初見積もり以上に増える。こんなことはあり得ないと考えて幅を持ってちゃんとシミュレーション出すのが当たり前だというふうに思います。過大な見積もりで市民を欺くようなことはすべきではないというふうに思います。

 それで今回庁舎建設をしないなど極力初期コストを抑えこもうとしていますけれども、それでもイニシャルコストが、特別区は204億円、大阪府は38億円で設置のコストは計241億円。それからランニングコストが、特別区は年14億円府は16億円で、毎年計30億円増えるわけですよね。これ考えたら、なおのこと今やるべきではないなと。先ほどみたいにコロナが収束しなければ、大阪市のままでもしんどいとおっしゃるんだったら、こんなコストをかけいるようなことを今するべきではないなあというふうに思うわけです。

 必要最小限の庁舎建設を行うというふうにしていた当初案と比べれば、かなりこのコストは減額したことは間違いありませんけれども、しかし膨大な費用を要することには変わりありません。これがまさに大阪市廃止・特別区設置に伴う市民の被る、費用負担です。これはやっぱり市民にとって全く無駄なのではないかと思いますけれどもいかがでしょうか。

 

◆松井一郎市長

 特別区の設置に伴うコストは、特別区制度で目指す大阪の成長のための取り組みをスピーディーに進める体制と、身近なことは身近で決めることができる仕組みの構築を実現するための投資だと考えています。

 しかしながら出来る限りコストを抑制することは重要であり、法定協議会での議論の結果、既存の庁舎を最大限活用することにすることにより、当初案から約320億円、前回と比較しても約350億円の削減が図られました。

 今議員からいろいろご指摘、いろんな話がありましたけれども、一番厳しかったのが平成21年。その後ですね23年からは府市一体で様々な取り組みをした結果、税収は伸びてまいりました。その府市一体にならない以前と、この10年間をぜひ比べてもらいたいと思います。その府市一体で様々な経済成長のための形作りをしてきたことによって、今回はコロナによって今非常に厳しい状況ですけれども、このコロナは特別な事象じゃないですか、世界中で。100年ぶりと言われる感染症じゃないですか。そうじゃなければ日本の中でも、やっぱ大阪っていうのは10年間一体になることによって市税収入も府税収入も伸びてくる。そういう形ができてきたわけです。これを続けていきましょうというのに、共産党さんがなぜ反対なのか、僕にはよく分かりません。

 

 

720億円の府からの支援なども絵に描いた餅になりかねず、住民サービスは削らざるを得なくなるのではないか。

 

 

○山中智子議員

 私はね、全くこれは無駄としか言いようがないというふうに思います。仰ったように、確かに平成21年しんどかった年もあったし、この間振り返ると大阪市は無駄な大型開発に巨費を投じて、でそれが次々と失敗をして、厳しい財政状況に陥った、そういう状況でした。

 敬老優待パスの有料化だとか新婚家賃補助制度、いろんなものを市民政策を切り捨てて、職員給与も20政令市中最下位という水準にまでカットをしてきたわけです。そうやって市民の皆さんにすごく我慢をしていただいて、もちろん職員にも我慢をしてもらって、ようやくここへ来て阿倍野再開発などの負の遺産、借金が着実に減少して財政的にも、コロナで中々どうなるか分かりませんけれども、財政的にも一旦明るい兆しが見えてきた、そういう時だというふうに思います。その時にやれIRだとか、カジノだとかやってしまえば、結局同じことではないですか。

 別に府市がどうのではなくて、制度の問題ではなくって、政治の中身の選択だということいつも申し上げています。ですからこうやって市民の皆さんに我慢して頂いて生み出してきた明るい兆し。こういう力は真っ先にやっぱり市民的施策の拡充や、今は何よりコロナ対策のために使われるべきものです。

 それをむざむざ大阪市廃止・分割のために、少なくとも15年間で700億円もの巨費が費やされるわけです。とてもこれは看過できるものではありません。

 しかもこのままでは現行の住民サービスさえ維持できるか、何の保証もないではありませんか。大阪府が特別区のために、年20億円、10年間拠出するってこれもシュミレーションに入ってますけども、このコロナの中で府だってしんどくなる。今となってはこれも絵に描いた餅ということになりかねません。市長どうですか、私やっぱり住民サービス削らざるをえなくなると思うんですがいかがでしょうか。

 

◆松井一郎市長

 特別区設置期間において住民サービスをより安定的に提供できるように、特別区の財源充実を図るという観点から、設置から10年間は総額200億の財源を追加配分するするということですけれども、大都市制度協議会での議論を経て決定され協定書にも記載がされております。

 大阪府において協定書に基づき必要な条例制定など適切に対応されることとなっております。制度設計上、現在の住民サービスを適切に提供する上で、必要となる財源は特別区に細分される仕組みとなっております。

 今議員から色々お話ありましたけれども、この間大阪が成長してきた、その財源を持って市内の住民サービスも拡充をしてきているわけです。給食にしても塾代助成にしても、クーラーにしても橋下市長の時からスタートしたんじゃないですか。

 これ全部皆さん、山中議員その以前から議員だったんでしょ。その前やってないじゃないですか。今のサービスは橋下さんがスタートして財源を生み出し、作ったわけですよ。それは認めればどうですか。それはどこで財源を見つけてきたのか、大阪に税収を伸ばしてきたからです。その以前は出来なかったんですよ。

 大阪市でも、それはやっぱり事実は事実として認めてもらいたいし。それから夢洲、IR・カジノの言及されましたけど、じゃあどうするんですかそれ。市民の皆さんの税金を投じてほったらかすんですか。埋め立て費用。負の遺産を。それを我々は有益な資産に作り替えるために、万博やろうと活動して誘致活動して万博勝ち取ってきましたよ。そしてここに公共事業としてお金を投資するんじゃなくて、民間に投資してもらうために、IRという施設を何とか実現しようということで今活動している訳です。カジノについては共産党さんとは全く考え方が違いますから、ご批判されるのは仕方がないですけれども、我々は今まで皆さんがつくった負の遺産を有益な資産に作り替えるために色々と手立てを講じているということです。

 

8.自主財源も乏しいうえに、自前の庁舎ももてない半人前の特別区などつくるべきではないのではないか。 

9.モデルである東京特別区は、都区制度廃止の運動を続けている。どう受け止めているか。

 

 

○山中智子議員

 大阪が成長しているって言ってるのはたぶん維新だけだと思いますね。この間大阪がそうやって今までにやってなかったサービスをやれているのは、一つは他の市民サービスズタズタに削りながら、それから職員給与をカットし、一方であの90年代の無駄遣いの借金が減っていったと、そういうことではないかなというふうに思います。

 市民サービスを削らざるを得なくなるっていう事本当にお認めになりませんけれども、財政シミュレーションには小さい字で、経費削減を前提にしているということを書かれています。さらに今回出された財政シミュレーションには、各区に現在あるプールやスポーツセンターを大幅に減らす、もう「市政改革3.0」では消えてしまった、この市民利用施設は大幅に減らすということも盛り込まれた上での数字です。

 住民サービスの維持という言葉とは裏腹に、サービスをカットしなければやっていけないとことがはっきりと現れているわけです。そりゃあコロナ禍で見通しが立たない上に、膨大な税金を使うわけですから当然そうならざるを得ないと思います。その上こともあろうに庁舎建設の費用が出せないということで、1区、2区、4区が1,500人もの職員が同居するとそういうことになって、これも本当にあの半人前の自治体だというふうに言わざるを得ないというふうに思います。

 ちょっと時間がありませんのでこの半人前の自治体作るべきではないということについては、申し上げておきたいと思います。

 東京の特別区がやっぱりもうこの間特別区ってのはどれだけ頑張ってみても、やっぱり一人前の自治体ではないんだということで、せめて一般市になりたいという、そういう要望を出し続けているというこの点についてお聞きしたいと思います。

 市長、東京でやめたいと、こう言っているものをどうしてこれから大阪で作るんでしょうか。はっきりお答えください。

 

◆松井一郎市長

 東京の特別区長会において、「都」と「区」の制度廃止に係る議論があったことは承知していますが、10年以上前の議論であり、現在廃止運動が続けていられることは承知しておりません。

 東京23特別区は内部団体から出発し、一般市並みの事務を担っております。一方大阪の4特別区は、中核市並を基本に、都道府県や政令指定都市の権限であっても、住民に身近な事務を担うこととしております。このように大阪の特別区は、東京の特別区以上に幅広く住民に身近な仕事を実施することや、事務の分担に応じた財源配分を行うなど、東京の特別区と比べてもより権限を持った優れたものであると思っております。

 委員からですね、今この10年で大阪市の市民に対するサービスが、もうボロボロだ言われましたけど、言われるんなら何がボロボロか具体的に教えてもらいたいと思います。

 我々はその住民サービスは身近で担うことによって、住民サービスを破壊したというような事はやってきていないつもりですし、そうだと、そういう評価もいただいております。ただあの一時は敬老パスについても有料化した時期がありました。しかしそれは吉村市長時代にも、その有料化の部分についてはこれは再無償化という形で見直しましたし、そのように委員が言われるように、市民の皆さんのサービスをボロボロに削ったというそういう印象操作はやめていただきたいと思います。

 

10.大阪市廃止・特別区設置は時代錯誤も甚だしいのではないか。

○山中智子議員

 時間があまりないので沢山言えませんけど、敬老パスも今も一回50円要ります。水道料の助成制度というのもなくなりましたし、市民学習センターなど皆さんが本当に大事に使っていた施設も本当に無くなりました。市民病院もなくなりました。それから町会の皆さんへの補助ももズタズタに削られて、町会の皆さん本当に怒っておられます。新婚家賃補助制度もなくなりました。枚挙にいとまがないというふうに申し上げておきたいと思います。

 東京の特別区長会が特別区長のことは知らないというふうに仰いましたけれども、もちろん東京だって、そんな制度の事ばっかりやってられないですから、華々しくずっと運動してませんけれども、やっぱり特別区長会の意思は、都の区の制度を廃止して一般市になりたいと、こういう声、こういう思いを持ち続けておられます。

 副首都を目指すとか、都になるんだというふうにおっしゃりながら、その東京の特別区長の声には耳を傾けようともなさらない。しかも不交付団体の東京には財政力では足元にも及ばないのに、大阪では東京より多くの仕事を特別区が担うというふうにおっしゃるわけですから、財政的には本当に厳しいですね。もう無謀だというふうに言ってもいいと思います。

 世田谷区の保坂区長は先日新聞で「東京の都区制度が戦時下にできたという、こういう成り立ちを言われた上で、東京特別区がどれだけ自治権拡充を一生懸命やって来られたかを紹介された後、特別区制度はもう時代遅れです。大きな権限財源を有する大阪市を廃止するのなら、東京の特別区が自治権拡充のためにどんな苦労をしてきたのか、その歴史にも目を向けて欲しいと思っています。」と、そういうふうに語っておられます。

 時代遅れだというふうに言っておられるわけです。多くの市が政令市を目指して、全国的に政令市はもう20市に及んでいます。戦時下の東京ならいざ知らず、今の流れからすれば大阪市廃止は時代の逆行だと思いますが、市長いかがでしょうか

 

◆松井一郎市長

 特別区長の皆さんと、私もいろんな方存じ上げていますんで、いろいろ話させていただいてます。

 特別区への都からの権限委譲は、そら皆さん求められています。財源の移譲。特別区の都区財政制度というのは非常に問題がある。今東京の都区財政制度っていうのは、45%が都、55%が特別区に配分をされると。その中身がよくわからないと言われている特別区長も大勢いらっしゃる。そこは見える化してくれ。そういう声を聞きまして大阪の特別区制度、都区財政制度においても見える化をしております。

 3年間の決算の中身、それを平均値を取って毎回都区財政制度の割合を見直すというような形も作ってきております。だから東京の特別区長が不満に思われてることを、できるだけ我々は新しい特別区を作るわけですから、そういう意見をとりいれながら、東京特別区以上の特別区を作っていきたいと、こう思ってます。そしてその制度の特別区長の皆さんからご意見色々話聞く中で、特別区が全て合体をして政令市になりたいという、そういうご意見は聞いたことがありません。今委員から言われたように、全国あちらこちらで政令市を目指していると。じゃあ東京特別区が23区合体して旧の東京市を作りたいと思われてるのかと。それこそ自治として時代の逆行するという話だと思います。

 

 

11.コロナ禍の下、十分な説明が難しいうえに、かなりの低投票率になる恐れがある。そのような住民投票に正当性があるといえるのか。

 

 

○山中智子議員

 そんなこと言ってません。世田谷は東京世田谷市になりたいって、そういうふうに言ってるわけですよ。そんな、みんなまとまって政令市になりたいと言ってるなんて、一言も言ってません。

 東京で廃止しようとしているものを、これから大阪で作ろうと。まあ、見える化とおっしゃるけれども、私それも凄く眉唾だと思いますし、東京の皆さんが東京特別区が色々意見持ってるのは、見えないことだけではないですよね。やっぱり特別区の自治が通らない。このことが一番問題だというふうに言っておられると思います。

 東京で、もうやめようと言っているものを大阪でこれから作ろうとする。これとんでもないことだと申し上げておきます。

 何が何でも住民投票という構えですけれども、まあ冒頭に申し上げたように市民の皆さんは、ご自分やご家族のとにかく命を守りたいということが第一です。感染が怖くて投票に行かないという方もたくさんおられるでしょう。それから仮に陽性になっておられる方、あるいは濃厚接触者の方は投票できるかどうかはかなり難しいというふうに聞いています。

 また説明会も回数にせよ人数もかなり制限されますし、地域での勉強会などもなかなか十分にできません。分からないからよう行かんって方もたくさんおられると思います。

 かなりの低投票率になる可能性があると思います。大阪市を無くすかどうか、こんな重要な問題後戻りできない住民投票が、低投票率になってしまったとしたらその住民投票に正当性はあるのでしょうか。

 

◆松井一郎市長

 あの先ほど申し上げましたけども、様々な手法で協定書について住民の理解を深めることとしております。説明が不十分になるということは考えてはおりません。

 直接ご説明できない部分についてはオンラインなど、新しい技術を活用して説明を尽くしたいとこう考えております。私は日本の国家構造のあり方として、現在一極集中ではなくて、東京の一極集中ではなくもう一つの軸になる都市、日本を引っ張っていくそういった都市、副首都と言われるような都市が必要だ、思ってます。それは大阪は十分それを担うポテンシャルがある、こう思ってます。

 大阪の将来にとって嘗ての府市あわせ、揶揄されるような状況に戻さないためにも、大阪市と大阪府の司令塔はひとつになって、戦略を迅速に決定できる仕組みとして広域機能を制度的に一元化することが必要であると、こう考えています。

 また身近な住民サービスを住民により身近なところで決定できる仕組みとして、基礎自治体を設置をする必要があり、まさに特別区制度、大阪都構想が副首都大阪にふさわしい大都市制度であると思います。

 特別区設置により副首都の成長、圏域の安全安心を支える強い大阪・関西そして成長の果実を元にした豊かな住民生活の実現につながるものと確信をしてます。大阪の成長発展の為に、大阪都構想の実現を必ず成し遂げたい思いますし、その事を住民の皆さんにきめ細やかに伝えていきたいと思います。

 最後は究極の民主主義、住民投票で皆さんに判断を頂きたいと思います。低投票率ということ言われますけど、低投票率にならないためのコロナ対策をする中で、様々な形を作っていきたいと思いますんで、これまた議会のみなさんにもご相談をして投票所を増やすとか、いろんな形で低投票率にならない形を、是非作っていきたいなと。共産党の皆さんもぜひそこはご賛同を、賛成いただきたいと思っています。

 昨日行われました選挙においても、このコロナ禍ですけれども、前回のこれ4年、4年の選挙ですけど、前回の投票率よりは伸びておりますし、住民の皆さんがしっかりと判断をいただき、重要性を理解いただければ低投票率にならない、こう思ってます。

 

○山中智子議員

 また究極の民主主義と仰いましたが、この究極の民主主義をみんなが知り、考え、投票に行くということがこれほどまでに困難な環境でやっちゃいけないというふうに申し上げているわけです。

 色々言われましたけれども、結局広域機能の一元化にしても基礎自治体の充実にしても、破綻をしている、だからそういうことを市民の皆さんが十分理解できない間にやってしまいたいとしか、もう思えない暴挙だというふうに思います。こんなやり方で大阪市をなくすかどうかという後戻りのできない住民投票を絶対にやるべきではない。重ねて申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。