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「カジノ住民投票条例(案)」に対する 山中議員の賛成討論 |
山中智子市会議員 2022年2月10日 |
私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議員提出議案第2号「大阪市におけるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致についての住民投票に関する条例(案)」に賛成の討論を行います。
まず何よりも、大阪の未来を左右するこんなに重要な問題を、議会だけで決めるのではなく、住民投票という形で、市民の声を聞くことを否定する理由がまったくわからないと申し上げたいと思います。
このまま議会だけで決めていいはずがない理由は枚挙にいとまがありません。
IR=カジノ誘致を大きな争点にして民意を問うたことは一度もありません。そのうえ、この間、カジノ誘致を言い始めて以来、橋下元市長も吉村前市長も一貫して「IR施設のために必要になる埋め立てや鉄道、道路などの基盤整備については、IR事業者に負担を求めるべきものだ」として、公費は投入しないことを何度も何度も明言されてきたのに、この言葉を反故にし、巨額の公費を投入する。しかもその経費が、次々と膨らんでいく以上、市民に是非を問うのは当然ではないでしょうか。さらに、コロナ後の社会のなかで、カジノというビジネスモデルがどうなっていくのか、ほんとうに収益性があるのか、おおいに疑問視されているなかです。事業者の描くバラ色の経済波及効果や納付金等による収入について、その信ぴょう性をどれだけ問うても、IR推進局は「事業者が言っている」というだけで、根拠のある説明はなされていません。また、この間の説明会や公聴会でも、夢洲の安全性や環境問題、「リスク分担」や「撤退の際に追う責任」、「65年もの契約期間について」、ギャンブル依存症対策などなど、たくさんの疑問や異議がだされましたが、何一つ、答えられないまま、新型コロナ感染症拡大を理由に説明会を中止にしたのであります。地域の合意形成に努める気など、さらさらないと言わざるをえません。
言うまでもなく市政の主人公は市民です。その市民の皆さんから、「市民の意見を聞きなさい」とたくさんの陳情も寄せられています。孫子の代に賭博場を残すカジノの是非を、議会だけで決めないで、この声にきちんと答え、住民投票に踏み切り、IRに賛成の側も反対の側も、懸命に市民に向き合い、市民とともにIRの是非を考えることが、いま、私たち議員に求められていると考えます。以上、賛成討論といたします。
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