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西中島駐車場をめぐる大阪市「解同」横領事件 共産党前市議団長・姫野浄氏に聞く, 「しんぶん赤旗」2006年5月14日 |
財団法人「飛鳥会」(東淀川区)の小西邦彦容疑者(72)=「解同」飛鳥支部長=が業務上横領事件で逮捕された問題で、この事件を1975年12月の市議会決算特別委員会の質問で最初に明らかにし、大阪市の責任を追及した日本共産党大阪市議団前団長・前市長候補の姫野浄氏に話を聞きました。 私は、この問題には、3つぐらいの重要な問題点があると思います。 第一は、30数年の長期にわたり巨額な金が動いていることです。市民の常識では考えられない巨額な金が動いています。同じ「解同」系の医療生協が運営していた芦原病院の問題、西中島駐車場の問題のどちらにもいえることです。 芦原病院は、1968年から37年間、補助金で182億円、貸付金130億円、合計312億円が公金で出されています。これが病院の経営に使われたのかどうかも疑わしいことがわかってきました。補助金がでたらめに使われていたというのは、市自身が設置した調査委員会ん報告でも明らかになっています。 貸付金も返ってこないことがわかっていながら、毎年毎年新たに貸し付けています。この補助金と貸付金では関淳一大阪市長ほか4人に背任があるということで、刑事告発しました。 西中島駐車場は、74年に設立され、今年の3月末まで32年間にわたって、私の計算では60数億円になると思いますが、暴利を上げていました。旧三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に経理を全部任せていた。銀行も巻き込んだ大変な運営をやっていたことがわかります。 二つ目に、この不正が大阪市ぐるみでやられていたことです。芦原病院の場合は、補助金の支出から計画からすべて市の職員がかかわっていた。財団法人「飛鳥会」の決算書まで、市職員の解放会館の館長、副館長がつくっていたというとんでもないことがやられていた。これも背任罪になると思います。 三つ目に、市長らが言い訳をしたり、反省の弁を繰り返しているようですが、関市長は、記者会見でいわないことがあります。それは、どうしてこんなでたらめが長期間放置されてきたのか。この根本に触れません。これは、「同和」とついたら何でもまかりとおってきたのが、大阪市政なんです。「解同」のいうことは何でも聞くのです。 その点で、議会の責任も重大です。野党の日本共産党議員団だけが追及して、与党の議員は一切これに触れない。「何でですか」と記者が聞くので、同和問題を取り上げたら糾弾をうけるんです。「解同」の暴力、糾弾が怖いから追及してこなかったんですよといったんです。糾弾・暴力を恐れて与党議員はいいません。今もはっきりしたことはいっていません。 日本共産党がけが、暴力、糾弾を恐れずに追及してきたんです。このことをしっかり見てもらいたいと思います。関市長は、「歴史的経過がありますから」などといっていますが、歴史的経過ははっきりしています。 一貫して追求してきた日本共産党がからこそ、市民に真実を語ることができます。広く市民の皆さんに知らせて、市政の大きなゆがみのひとつを徹底して正していくことが求められています。 マスコミは、私が30数年、議会の中で質疑してきたけれども、テレビにしても、新聞にしても、1回も報道しなかった。 ゆがんだ市政が、芦原病院や西中島駐車場の問題だけではなくて、数百億円にものぼる「同和」未利用地や、市ゆとりとみどり振興局の官製談合事件で明らかになった大阪府同和建設協会偏重など、市政の中にまだたくさんあります。
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