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 2002年2月27日
大阪市教育委員会委員長 西崎 建策 様
                                          日本共産党大阪市会議員 矢達 幸
                                          日本共産党大阪市会議員 江川 繁

               「日の丸・君が代」押しつけ反対の申し入れ

 今、子どもたちが基礎的な学力を身につけることや、いじめ、不登校、校内暴力の解決は、大きな社会問題となっています。これらの解決のためには、何よりも各学校園で21世紀を担う子どもたちを中心にして、教職員の合意による自主的で創意ある教育活動の取り組みがますます重要となってきています。また、教育行政としては、30人・少人数学級実現など教育条件整備の充実が求められています。
 ところが、学校園への「日の丸・君が代」の押しつけは、これらの取り組みを「強制」によって真っ向から蹂躙し、「教育困難」にさらに拍車をかけるものであり、以下に述べる点からも、卒業式・入学式などで学校園への「日の丸・君が代」の押しつけをしないよう強く申し入れるものです。
 第一に、国民の世論が分かれる「日の丸・君が代」の押しつけは、教育基本法(第10条)が禁じている教育行政の教育内容への介入です。卒業式・入学式等の学校行事は教育活動の重要な一環であり、その教育内容については、教職員、子どもたちの創意工夫、合意が何よりも尊重されなければなりません。
 第二に、「日の丸・君が代」の押しつけは、子ども、教職員、父母、市民の「思想・良心の自由」(憲法19条)を侵す重大な人権侵害です。子どもの権利条約でも思想・良心の自由の保障を明記しています。この立場からも1999年に成立した「国旗・国歌法」そのものにも、義務条項が何も盛り込まれておりません。この時の小渕首相も「今回の法制化にあたり義務づけを行うことは考えておらず、国民の生活に何ら影響や変化が生ずることにならない」(1999年6月29日衆議院本会議)と答弁しています。
 第三に、教育委員会が学校園に「日の丸・君が代」を押しつけることは、地方教育行政の自立性と自主性を自ら放棄し、政府・文部科学省が目指す教育の国家主義化と「物言わぬこどもづくり」と言われる国家統制にすすんで加担することにほかなりません。
以上