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 2001年5月18日
大阪市会各派幹事長 殿
                                                日本共産党大阪市会議員団幹事長 関根 信次

            議会の民主的運営に関する申し入れ

 日本共産党大阪市会議員団は5月議会の課題である正副議長などの選任が市民の理解が得られるものになるとともに、市民の負託に応えて議会運営の民主的改善に向けての実のある協議がされることを願って以下の提案を行うものです。

T 「大阪市会情報公開条例」の基本精神を具体化し、議会を市民にいっそう開かれたも
のにする。
@ テレビモニター公開を改善し、常任・特別委員会の直接傍聴を実施する。
・現行のテレビモニターでの公開に加えて、12政令指定都市のなかで既に9都市で
実現している直接傍聴を実施する。
・決算議会のテレビモニター公開は、現在の東ロビーからP1の場所に変更する。
・東ロビーと市民ロビーに受像機の複数設置は音声の重複など視聴者には不評である。
それぞれのロビーには1台ずつとし、2台分はP1やB1などの適切な場所に設置する。
・固定式カメラからズーム式カメラに変更し臨場感のある映像を提供する。
・議員控室でもテレビ傍聴ができる(府議会で実施)ようにする。
A 議会を市民の身近なものにするための改善をする。
・神戸市、京都市で実施されている本会議、委員会審議の家庭へのテレビ中継を行う
とともに、テレビを区役所ロビーでも見れるようにする。
・現行のテレビモニターを録画テープにして市民に貸出できるようにする。
B 「市政だより」とは別に、独自の「議会だより」を発行する。その編集委員会を議
会の中につくる。
C インターネット大阪市会ホームページに市会議事録を加えるようにする。
D 議事録をより速やかに作成するとともに、運営委員会や幹事長会議の議事録の作成
を提案します。

U 請願・陳情については市民の請願権を保障する立場で改善する。
@ 請願・陳情者が趣旨説明をする場をつくる。
本市会では理事者と議員からの提出案件は提案説明がされるにもかかわらず、市民
からの請願・陳情には提案説明の機会がありません。政令指定都市でも半数以上が請願・陳情提出者の口頭陳述の場がつくられており、請願紹介議員が趣旨説明をするという形をとっている所もあります。府下衛星都市でも多くの議会で実施されており、全国の流れからいっても直ちに改善すべきです。
A 速やかに審議し結論を出す。
・以前にあった選挙前の議会で一括審議未了・廃案にするという事は改善されてきま
した。しかし現在もなお、年度を越えて結論を出さない例が残されています。こうした取り扱いは「民意の反映という請願制度」の本来の趣旨から外れたものです。
・請願や陳情は提出された議会の会期内で結論を出すことを原則とし、結論が出ない
場合は「継続審議」として次回会議の議題とするべきです。
・6月から9月の通例では議会が開かれない期間に提出された請願・陳情については
月一回の常任委員会を開催して審議すべきです。
B 予算関連及び意見書・決議に関連する請願・陳情は「みなし採択」もしくは「みな
し不採択」の取り扱いにする。
予算関連及び意見書・決議に関連する請願・陳情や、同一趣旨の請願・陳情につい
て本市会は、予算あるいは採択される見込みの請願・陳情を先議し、それと同趣旨の請願・陳情はその後議題にするという取り扱いが行われ、それらは議決不要(「一事不再議」または「審査不要」)とされてきました。これは請願・陳情提出者に誠実で暖かい対応だとはいえません。国会ではこのような場合に「みなし採択」あるいは「みなし不採択」という結論を出しています。本市会でも国会と同様の対応をすべきです。

V むだのない簡素な議会と清潔な市政にする。
@ 市民に開かれた清潔な大阪市会にする。
無駄と乱脈を一掃し、簡素なものにすることは、89年の公金詐取事件で市民から
厳しい批判を受けた大阪市会としては大変重要な課題です。この点、住民訴訟で公費飲食をしたとして裁判に訴えられた公費飲食議員が謝罪もしないで議長に就任する事態がここ何回か起きていますが、このようなことは市民の理解と納得を得られないことは明らかです。
A 海外出張を見直し簡素なものにする。
出張は、進んだ行政を調査、研究するものです。海外出張についてもその立場から
根本的に見直し、真に必要な海外出張に改めるべきです。費用も、もっと簡素にすべきです。議員全員が任期中に一回は海外視察を行うなどというやり方はやめるべきです。正副議長が毎年一回海外出張することなどが慣習として続いていますが、これも必要なものに限定すべきです。
B 「議員面会証」は廃止する。
市政の主権者である市民が議員と会うのに「面会証」をもらわないと「議会棟」に
入れないという議会は大阪市会だけです。ただちに廃止するよう提案します。

W 議会役員及び議会推薦の監査委員の選出、構成を民主的に行う。
役員の選出・構成の基準は議席の占有率などの民意を反映したものを採用すべきで
す。
とりわけ監査委員選出については前記基準が大切です。今日まで正当な基準なしに
与党が監査委員を独占したために、乱脈な行政が市民から指摘がされても「問題なし」とされるなど「馴れ合い監査」が行われて来ました。そのような悪弊を正し、市民の信頼回復の第一歩として民意を反映した選出基準は不可欠なものです。

X 審議を徹底して行う。参考人招致を実行する。
@ 議員が「委員会での審議時間を短くする」、「理事者が資料提出を拒否するなど審
議を妨害しているのに審議を打ち切る」などということはやめるべきです。議会での審議は、問題点が解明されるまで徹底して審議すべきです。
A 地方自治法の改正で設けられた参考人制度を具体化するため、市会条例等を改正す
るよう提案します。

Y 議員定数は法定数を復活し、選挙区への配分は公正なものする。
地方議会は議員が、住民の意思や要求を反映し、行財政にかかわる重要事項を決定
する場であるとともに、行政の執行をチェックする大事な機関です。
大阪市会は、議員定数を一貫して法定数より減らしてきましたが、この結果、大阪
市会議員の一人当たり人口は全国で2番目に多く、主権者である市民の声を市政に反映させるパイプが非常に狭くなっています。さらに、議員の数が少ないということは、行政のチェック機能を弱めていることになります。こうした事態 は市民が主人公の大阪市政にしていくために、黙過できないものです。
現在の90名定数を法定数96名に戻し、市民の声を市政に生かし、十分に行政を
チェックできる議会にするよう提案します。
議員定数の各選挙区への配分は、公職選挙法が「人口に比例して、条例で定めなけ
ればならない」と規定しており、公平で公正な配分を行うよう提案します。
なお、地方議会の定数問題について、国会の論議でも「立法(地方自治法)の趣旨
とするところは、もとより定数の決定の際にはこの基準が尊重されることを期待する」との見解が述べられていることを付言しておきます。
                                      以上