2002年8月28日
大阪市長 磯村 隆文 様
日本共産党大阪市会議員団
団長 姫野 浄
「高齢者福祉月間」にあたっての申し入れ
今年も9月の「高齢者福祉月間」をむかえました。
周知のように、憲法は国民の生存権と社会保障への国の責任をうたい、老人福祉法は「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、健全で安らかな生活を保障されるものとする」と定めています。今日の日本を築いてこられた高齢者に、生きがいのもてる老後を保障することは、国と大阪市の大きな責任です。
ところが、先の通常国会では、高齢者の病院窓口での1割〜2割負担を徹底する医療改悪が与党によって強行され、この10月から実施されようとしています。「病気になっても医者にかかれない」という心配と不安の声が、高齢者のなかで大きく広がっています。
これにとどまらず、来年度は、介護保険料の値上げや年金の減額も予定され、すべての高齢者から保険料を取り立てる新しい医療制度の導入も検討されています。「小泉改革」が国民とりわけ高齢者に痛みをしいるものであることがいよいよ明白になってきています。
こうしたもとで、大阪市には、医療改悪の中止を国に求めるとともに、介護保険で市独自の改善措置を拡充することなど、住民の福祉に責任をもつ地方自治体本来の役割を発揮することが強く求められています。
このような立場から、今年の「高齢者福祉月間」にあたり、以下の要望をおこなうものです。
1、安心できる大阪市介護保険へ、制度の抜本的改善を国に要求するとともに、 自らの公的責任を果たす。
@ 介護保険料を、所得階層の第1、2段階の人は無料とし、3〜5段階の人は基 本額の4分の1を減額する。また、第2号被保険者についても、国保加入者の介 護保険料減免を拡充する。
A 当面、すべての居宅サービスを、新規も含めて3%に軽減するよう国に要求す ると同時に、市独自の利用料減免制度を設ける。
B 特別養護老人ホーム待機者を早急に解消する建設計画を立て、実施する。その ために、市遊休地の活用を図る。また、選考内容の公表など、法人等選考委員会 の運営を民主的なものに改善する。
C 大阪市として、質の高い介護サービスを市民全体に保障する公的責任を果たす ために、市社会福祉協議会による訪問介護サービスやデイサービスを復活し、充 実する。とりわけ、措置でおこなう訪問介護サービスなどは、市社協ヘルパーを 派遣する。
D 税制面での優遇策や補助金など、介護保険で重要な役割を果たしている非営利 の法人等への支援策を実施する。
E 第三者機関を、認定等に対する苦情処理も対応できるオンブズパーソンへ充実 させる。
F 施設での日常用品リース代など、自己負担の実情を調査し、施設に対して適切 な指導を行う。
2、高齢者保健福祉計画の見直しをすすめるとともに、すべての高齢者を対象と する市独自の福祉施策をいっそう充実させる。
@ ふれあいデイサービス事業、ふれあい家事サービス事業は、全高齢者に対象を 広げ、低所得者に対する料金減免制度をつくる。
A 「介護予防、生活支援事業」の中で未実施の外出支援サービスや訪問理美容サ ービス等は早急に実施するとともに、低所得者に対する料金減免制度をつくる。
B 「高齢者住宅改修費助成事業」については、すべての高齢者を対象にして、所 得制限をなくし、支援限度額と支給額を引き上げるとともに、対象工事を拡大す る。また、手続きを簡略にする。
C 月5万円の在宅老人介護手当てを実施する。
D 老人医療費助成制度の復活を大阪府に求めるとともに、市独自の助成を行う。
E 高齢者への家賃補助制度を新設する。
F 「ペンダント式緊急通報システム」の協力者は行政の責任で配置するとともに、 昼間、事実上「独居老人」となる高齢者も対象とする。
G 在宅介護支援センター事業の委託を医療法人や医療生協にも拡大する。
H 保険で良い入れ歯の治療を受けられるように、診療報酬の改善を国にもとめる。
I 大阪府で実施している「街角デイサービス事業」を大阪市でも実施するととも に、「民間デイサービス事業」を拡充する。「宅老所」など、市民の自主的な取り 組みに対する支援を強める。
J 地下鉄・市バスの敬老優待パスの交付年齢を「65歳から」に改善する。
以上 |