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 卒業式・入学式における「日の丸・君が代」押しつけ反対の申し入れ
日本共産党大阪市会議員 矢達 幸  長谷 正子

                                                                                          2003年2月4日
大阪市教育委員会委員長 山本 研二郎 様
                                                                                                 日本共産党大阪市会議員 矢達 幸 
                                                                                                 日本共産党大阪市会議員 長谷 正子

卒業式・入学式における「日の丸・君が代」押しつけ反対の申し入れ

 今、教育をめぐる情勢は極めて危険な状況におかれています。「教育基本法」の全面的な「改正」の動きが激しくなってきています。憲法「改正」論議や「有事法制」をめぐる動きとともに、全く予断を許しません。
 言うまでもなく、子どもたちが基礎的な学力を身につけることや、いじめ、不登校、校内暴力の解決は、大きな社会問題となっています。これらの解決のためには、何よりも各学校園で未来を担う子どもたちを中心にして、教職員の合意による自主的で創意ある教育活動の取り組みがますます重要となってきています。教育行政としては、少人数学級実現など教育条件整備の充実が緊急に求められています。
 ところが、昨年の秋より「評価・育成システム」なるものが導入されています。これは、子どもたちの人格の完成をめざして協力して学校教育に当たらねばならない教職員を分断し、子どもたちや保護者との信頼関係を破壊しかねない結果となります。まさに今、教育が国家によって、物言わぬ教職員や国民がつくられていく危険があります。
 かかるとき、今年も卒業式・入学式の時期を迎えています。
 学校園における「日の丸・君が代」の扱いについては、押しつけや命令を止め、教育の条理に基づく学校園の自主的判断を尊重することを厳しく申し入れるものです。
 第一に、国民の世論が分かれる「日の丸・君が代」の押しつけは、教育基本法(第10条)が禁じている教育行政の教育内容への介入です。卒業式・入学式等の学校行事は教育活動の重要な一環であり、その教育内容については、教職員、子どもたちの創意工夫、合意が何よりも尊重されなければなりません。
 第二に、「日の丸・君が代」の押しつけは、子ども、教職員、父母、市民の「思想・良心の自由」(憲法19条)を侵す重大な人権侵害です。子どもの権利条約では思想・良心の自由の保障を明記しています。この立場から「国旗・国歌法」(1999年成立)そのものにも、義務条項が何も盛り込まれておりません。
 第三に、教育委員会が学校園に「日の丸・君が代」を押しつけることは、地方教育行政の自立性と自主性を自ら放棄するものと断ぜざるを得ません。
以上