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保育所民営化問題で市長への申し入れ
 

18日、日本共産党大阪市議団は、保育所民営化問題で市長への申し入れをしました。

 市長申し入れには、姫野浄団長をはじめ、長谷正子、稲森豊、渡司考一、山中智子、北山良三の各議員が参加。健康福祉局の木原悦治児童施策部長らが対応しました。

市立保育所の民営化計画をやめ、市立保育所として存続・充実を
 大阪市長 磯村隆文殿
       2003年6月18日
       日本共産党大阪市会議員団

 大阪市は、5月に突然「公立保育所の再編整備について」なる文書を発表し、現在137カ所の公立保育所を、10年間かけて大幅に削減するという、全面的な民営化計画を打ち出し、今年度から実行に移そうとしています。民営化の計画されている保育所では、保護者から「障害児の子どもはどうなるのか」「保育士が突然変わったら大変」など、不安と怒りの声が渦巻いています。実際に民営化された保育所では保育士が突然いれかわり子供の発育に重大な影響を与え、いじめをひきおこすなど小さな子供たちが最大の犠牲にされています。この計画は手続きの点でも、また、乳幼児保育における市の役割を大幅に後退させるという内容の点でも、決して容認できるものではなく、日本共産党市会議員団は、本計画の撤回・凍結と、市立保育所の存続・充実を強く求めるものです。
 一、手続きが、市民不在、議会軽視で、きわめて、非民主主義的であるということです。議会にも、具体的な計画を一切示さず、十分な審議もしていないにもかかわらず、突然議員や関係者への一片の文書でもって、今年度から保育行政を大転換する方針をすすめようとするのは、まったく市長と市当局の独断専行です。
 二、この計画は、公立保育所を、障害児やアレルギー児の受け入れ、休日保育などに特化し、その他の部分は全面的に民間に依存しようということです。市当局は、その理由として、深刻な待機児問題や保育所に対するニーズの増大と多様化、危機的な財政事情、などをあげていますが、この説明にはなんの道理もなく、また、このやり方では、いっそう多様で切実となる市民の保育ニーズには応えることはできません。
 第一に、いまでも、日本一の待機児をかかえ、公立保育所の増設こそが求められているときに、それを削減しようというのは、全くの逆行です。いま、安上がりの「待機児解消」策の下で、民間園には定数以上の乳幼児が詰め込まれていますが、保護者からも民間園側からも、「狭い園庭で子どものけがが心配」「施設を増設しようにも、先行きが不透明なので民間ではむつかしい」と悲鳴があがり、待機児解消のうえでも、公立の役割発揮こそが求められています。
 第二に、公立が障害児保育や休日保育などの多様な保育を充実することは、公的保育の役割として当然のことですが、それを理由に、一般保育の部分を全面的に民間に委ねようというのは、全く道理がありません。
 第三に、結局この目的は、「財政事情」を理由にして、保育における公的責任と福祉行政を後退させようとするところにあることは明白です。しかし、本市の「財政危機」の原因が公立保育所など、福祉行政のやりすぎにあるのではなく、三セク支援や普通建設事業費の拡大など、大型開発に偏重した行財政運営にあることは明らかです。その失敗のつけを市民と未来を担う子どもたちの保育に回そうというのは、市民福祉の向上を使命とする地方自治体として、まったく自殺行為であり、逆さまそのものです。よって、日本共産党市会議員団は、本計画を撤回し、白紙に戻すとともに、いっそう市立保育所として存続・充実することを強く求めるものです。