日本共産党大阪市会議員団文教経済委員の姫野浄市会議員と江川繁市会議員は、2月19日、大阪市の後藤幸雄教育次長に大阪市教育委員会委員長宛の「日の丸・君が代」押し付け反対を申し入れました。
最近の教育基本法改悪の動きなどとあわせ、市内の学校園では一昨年より教職員への「評価・育成システム」の試行がされたり、「日の丸・君が代」の押し付けが強められています。姫野市会議員と江川市会議員は、こうした問題がイラクへの自衛隊派兵問題や憲法改悪の動きと関連して強められてきていることを指摘しつつ、学校園で、人の内心まで踏み込んでまで「日の丸・君が代」が強制することは重大な人権侵害であること。教育委員会が学校園に押し付けることは教育行政の自立・自主性を自ら放棄する行為であること。卒業式・入学式等の学校園行事は教職員等との協議・合意を尊重することを強く申し入れました。この申し入れに対して後藤教育次長は「教育委員長等にその趣旨は十分伝える」と回答しました。
(申し入れ文書)
2004年 2月 19日
大阪市教育委員会委員長 山崎 高哉 様
日本共産党大阪市会議員 姫野 浄
日本共産党大阪市会議員 江川 繁
卒業式・入学式における「日の丸・君が代」押しつけ反対の申し入れ
「国歌・国旗」法が1999年(平成11年)に制定されてから市内の学校園の卒業式・入学式で「日の丸・君が代」の押し付けが強められてきました。また自衛隊のイラク派兵など、国会論議も不十分なまま平和憲法を踏みにじる行為が強行され、さらにこうした動向と一体で、憲法改悪、有事法制の「米軍支援法や国民保護法」といった法案が国会に提案されようとしています。
今、教育をめぐる情勢も極めて危険な状況にあります。言うまでもなく、学校教育は子どもたちが基礎的な学力を身につけることを基本にしながら、クラブ活動や学校生活を通じ、基本的人権を身に付け、社会の一員として責任を果たせるよう、その一翼を担う大切な役割を果たしています。そのためにはも、各学校園で未来を担う子どもたちを中心にして、教職員の合意による自主的で創意ある教育活動の取り組みの重要性や、少人数学級実現など教育条件整備の充実は緊急を要する問題です。
ところが、教育基本法改悪の動きとともに、2002年の秋からは「評価・育成システム」が試行され、子どもたちの人格の完成をめざして協力して学校教育に当たらねばならない教職員を「評価」の名のもとに「分断」「管理」する方向が強められています。
私どもは平和憲法(第9条)を守るとともに、教育基本法改悪を許さない活動の強化に全力を注ぐとともに、学校教育現場においては、思想・信条の自由を守ること、「公正で公平」な立場をとった対応を強く求めるものです。今年も卒業式・入学式の時期を迎えていますが、学校園における「日の丸・君が代」の扱いについては、押しつけや命令を止め、教育の条理に基づく学校園の自主的判断を尊重することを以下厳しく申し入れます。
第一に、卒業式・入学式等の学校行事は教育活動の重要な一環であり、その教育内容については、教職員、子どもたちの創意工夫、合意を尊重し、「内心の自由」を守ること。
第二に、国民の世論が分かれる「日の丸・君が代」の押しつけは、子ども、教職員、父母、市民の「思想・良心の自由」(憲法19条)を侵す重大な人権侵害です。子どもの権利条約では思想・良心の自由の保障を明記しています。この立場から「国旗・国歌法」(1999年成立)そのものにも、義務条項が何も盛り込まれておらず強要をやめること。
第三に、教育委員会が学校園に「日の丸・君が代」を押しつけることは、地方教育行政の自立性と自主性を自ら放棄するもので直ちに改善すること。
以上
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