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市民が安心できる行政を安心、安全の審査のはずが不安一層大きく

マンション等の耐震強度偽装問題についての緊急申し入れ 

日本共産党大阪市会議員団の瀬戸一正、石川かんじ、長谷正子、稲森豊、江川しげる、北山良三、山中智子議員らは5日、重大な社会問題になっているマンション等の耐震強度偽装問題について、關淳一大阪市長に緊急申し入れ書を提出しました。再発防止のために緊急に4項目を要望しました。

 要望書では、問題の根本には1998年の建築基準法改悪で、これまで自治体が行ってきた建築確認・完了検査を、国などの指定を受けた民間機関も実施できるようにした「規制緩和」があると指摘しています。

 現在、大阪市内には27の民間機関があり、1999年度にほぼ100%だった行政による建築確認件数が、2004年度にはわずか4%にまで激減し、住宅局の建築指導部の審査業務にかかわる職員も半減し、知識や経験の蓄積が困難になる事態が生まれています。

1、市民からの相談や建築確認の再検査等の要求に対応できる窓口を設置する。

2、1999年以降の大阪市内の建築物について、「構造計算書」の偽造などの不正がなかったかどうかを調査し安全性を確認する。

3、民間機関からの建築確認報告をチェックできるよう、住宅局建築指導部の審査体制を強化する。

4、民間の指定検査機関が建築確認をおこなう場合、自治体は簡単な報告を受けるだけという現行建築基準法の改善を国に求める。など、4点を要望しています。

また大阪市は、1124日に姉歯建築設計事務所が関与した市内淀川区のホテル「ヴィアイン新大阪ウエスト」(淀川区宮原4丁目)の、建築確認申請書に添付されている構造計算書及び構造図調査結果、建築基準関係規程に適合して、安全性が確保されていると発表していましたが、建築主が独自に構造計算書を民間機関で再調査すると、一部に申請書の数値と差異があると情報提供を受け、再度、大阪市が調査したところ、改ざんが行われていることが確認されました。本日、大阪市は建築主に対して、ホテルの営業の自粛を要請しました。

市会議員団は「なぜ大阪市が改ざんを見つけられなかったのか」「長野県や兵庫県のように設備費用にいくらかかるのか調査する必要があるのではないか。」「もし建築主から大阪市に対して、損害賠償を請求されたらどうなるのか」と質問。

住宅局菊植潤建築指導部長は「非常に巧妙だった。改ざんを見抜けなかったことを重大に受け止め責任を感じている。」としつつも、設備費用調査については、調べる必要もないとオールジャパンで対応は見守っていくと、大きな社会問題になっている状況や市民の不安や命に責任を持つ行政とは、到底考えられない冷たい答弁。

市議団は建築基準法を遵守するという法の番人の役割を忘れては困ると厳しく指摘しました。

 

大阪市長 關 淳一 様

マンション等の耐震強度偽装問題についての緊急申し入れ

2005年12月5日

日本共産党大阪市会議員団

団長 下田 敏人  

 千葉県の「姉歯建築設計事務所」によるマンション等の建築にかかる「構造計算書」偽造事件が発覚し、マンション住民の立ち退きやホテルの営業中止が余儀なくされるなど、重大な社会問題になっている。本日、淀川区のホテルでも構造計算書の改ざんが明らかになった。広く、マンション住民等の不安感の解消はじめ、事件の再発防止に向け、緊急の徹底した対策が求められているところである。

 そういう点で、特に重要なことは、同設計事務所が、耐震性等をチェックすべき民間機関の検査体制がずさんなことを見越した上で、偽造をくり返していたことであり、安全性を軽視し、早さと安さを競う民間機関の過当競争が浮きぼりになったことである。 

まさに、この問題の根本には、1998年の建築基準法改悪で、これまで自治体が行ってきた建築確認・完了検査を、国などの指定を受けた民間機関も実施できるようにした「規制緩和」があると言わなくてはならない。

 現在、大阪市内には約20の民間機関があり、1999年度にほぼ100%だった行政による建築確認件数が、2004年度にはわずか3%にまで激減している。また、住宅局の建築指導部審査課の職員は半減し、審査業務にかかわる知識や経験の蓄積が困難になる事態が生まれている。

 よって、大阪市におかれては、住民の安全を守り、建築確認への行政としての責任を果たす上において、以下の対策を緊急にとられるよう申し入れるものである。

1、市民からの相談や建築確認の再検査等の要求に対応できる窓口を設置する。

2、1999年以降の大阪市内の建築物について、「構造計算書」の偽造などの不正がなかったかどうかを調査し、安全性を確認する。

3、民間機関からの建築確認報告をチェックできるよう、住宅局建築指導部審査課の体制を強化する。

4、民間の指定検査機関が建築確認をおこなう場合、自治体は簡単な報告を受けるだけという現行建築基準法の改善を国に求める。

以上