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「高齢者福祉月間」にあたって、關淳一市長に申し入れ

日本共産党大阪市会議員団は8月29日、9月の「高齢者福祉月間」にあたって、關淳一市長にたいする申し入れをおこないました。申入れには、長谷正子、北山良三、石川かんじ、稲森豊、渡司考一、江川繁、小南かおる各議員が参加。大阪市側は、松村勝幸健康福祉局高齢者施策部長らが対応しました。

申入れは、小泉内閣によって強行された医療・年金・介護・税制などの改悪が、高齢者に大きな痛みを強いていると指摘。とりわけ、所得税・住民税における「老年者控除」の廃止、「公的年金控除」の縮小、これに追い討ちをかける大阪市の介護保険料・国民健康保険料の大幅に引き上げに、「年寄りは早く死ねということか」と大きな怒りの声がまきおこっており、大阪市に課せられていることは、何よりも、今日の大阪市を築いてきた高齢者に、豊かな「老後」を保障することだと強調しています。

申入れの項目は、「高齢者への増税と医療改悪の中止・見直しを国に求める」「介護保険を安心・有効に活用できる制度に改善する」「市独自の高齢者福祉施策をいっそう充実させる」「国民健康保険料の算定方式を住民税方式に戻すとともに、保険料の高齢者減免制度を新たに創設し、高齢者の保険料負担の軽減をはかる」「市営交通等を無料で利用できる敬老パスは現行の制度のまま存続させる」など、7つの柱17項目からなっています。

 

 

2006年 8月29日

大阪市長 關 淳一 殿

日本共産党大阪市会議員団 

        団長 下田 敏人    

 「高齢者福祉月間」にあたっての申し入れ

 今年も「高齢者福祉月間」をむかえます。誰もが、健康で安心して個性と能力をいかした生きがいのある高齢期の生活を送ることができる、活力ある長寿社会を築いていくことが求められています。「高齢者福祉月間」は、このような趣旨のもとに実施されるものと思います。

しかるに、いま、高齢者の生活はかつてなく深刻です。

この間、小泉内閣によって強行された医療・年金・介護・税制などの改悪が、高齢者にますます大きな痛みを強いています。年金給付額は今年も引き下げられるなど、収入が減り続けている上に、ありとあらゆる負担増が押しつけられています。高齢者医療は、この10月から窓口負担率が引き上げられるなど大改悪となりました。介護保険も、施設入所者の利用料が大幅に引き上げられ、軽度認定者は介護から排除され介護ベッドまで取り上げられようとしています。所得税・住民税における「老年者控除」の廃止、「公的年金控除」の縮小、高齢者を非課税措置対象から除外するなどで、高齢者の税負担は異常なまでに重くなっています。

さらに、これに追い討ちをかけるように、大阪市は、介護保険料・国民健康保険料を大幅に引き上げました。はたせるかな、この6月から7月、高齢者やその家族からの苦情や相談が、各区役所窓口に殺到しました。今、「年寄りは早く死ねということか」と大きな怒りの声がまきおこっています。

こうしたなかで、大阪市に課せられていることは、何よりも、今日の大阪市を築いてこられた高齢者に、豊かな「老後」を保障することです。

日本共産党大阪市会議員団は、「高齢者福祉月間」にあたり、大阪市が、国の悪政に反対し、その防波堤の役割を果たすとともに、介護・医療の拡充や「敬老パス」の継続など、高齢者のくらし、健康、福祉を守る温かい施策の実現にあらゆる努力を傾けるよう、あらためて強く要望するものです。

 

 

 

1、高齢者への増税と医療改悪の中止・見直しを国に求める。

 

2、介護保険を安心・有効に活用できる制度に改善する。

@ 国による介護保険制度の見直しにともない、介護サービスの後退がおこなわれないよう、市独自の対応・施策の抜本的拡充をはかる。

A 昨年10月から実施された介護施設での居住費・食費の負担増問題では、社会福祉法人の利用料減免措置を、すべての事業者の、すべてのサービスを対象とした措置に改善し、所得に応じて、すべての利用者が応分の減免措置が受けられるよう、拡充をはかる。また、減免措置を講じている事業者への市独自の補助制度を新設する。

B 介護サービスから除外されている高齢者を対象に、その生活実態に即し、ヘルパーによる家事支援や介護ベッド・電動車いすの貸し出しなど、市独自にでも必要な介護サービスを保障する。

C  新しい介護認定システムにより、高齢者の実態と認定結果に著しい乖離がある事例が頻発している。実態を調査し、市独自の対策を講じていく。

D 低額報酬やケマネージャーによるケアプラン作成制限の実態に鑑み、介護予防事業やケアマネージャー業務への市独自の援助施策を講じていく。

E 大阪市における介護保険第三期事業計画は、厚生労働省の数値目標に合わせるのではなく、地域における高齢者と事業者の実態にもとづいて作成する。

F 対象条件を大幅に緩和し、介護保険料の軽減措置をいっそう拡充する。

G 低所得者の居宅サービス利用料を3%に軽減する。

H 待機者を早急に解消する特別養護老人ホーム建設計画を立て、実施する。そのために、市遊休地の活用を図る。また、議事録の公開など、法人等選考委員会の運営を民主的なものに改善する。

I 施設での日常用品リース代など、自己負担の実情を調査し、施設に対して適切な指導を行う。

 

3、市独自の高齢者福祉施策をいっそう充実させる。

@ 高齢者の外出支援サービスを実施し、訪問理美容サービスをいっそう拡充する。

A 「高齢者住宅改修費助成事業」については、所得制限をなくし、助成限度額を引き上げるとともに、対象工事を拡大する。また、手続きを簡略にする。

B 高齢者医療の改悪に伴う負担増を緩和するために、市独自の高齢者医療助成制度を新設する。

C 高齢者への家賃補助制度を新設する。

D 「緊急通報システム」の協力者を行政の責任で配置する。

E 市営住宅家賃減免制度における「老年者特別控除」を復活させる。

F 高齢者の在宅での「熱中症」対策として、クーラー設置補助・クーラー稼動電気料金補助制度を新設する。

 

4、国民健康保険料の算定方式を「住民税方式」に戻すとともに、保険料の「高齢者減免制度」を新たに創設し、高齢者の保険料負担の軽減をはかる。 

5、介護保険制度で「要支援」「要介護」の認定を受けた高齢者は、大阪市として「障害者に準ずる」認定をし、税法での「障害者控除」を受けられるようにする。 

6、市営交通等を無料で利用できる「敬老優待乗車証(敬老パス)」は、現行の制度のまま存続させる。

7、高齢者世帯を対象とした水道(下水道)料金福祉減免制度の改悪をせず、現行のまま継続させる。

 以上