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全国一斉学力テスト中止の申し入れ

 

 日本共産党大阪市会議員団は17日、大阪市教育委員会委員長あてに4月24日予定の全国一斉学力テストを中止するよう申し入れをおこない、安藤公仁教育次長らが対応しました。

 申し入れでは、全国一斉学力テストが子どもと学校の競争を激しくさせ、義務教育に格差と選別を持ち込むものと批判。さらに今回のテストでは、家庭のプライバシーに関わる調査を併せておこない、そのデーター処理を民間企業に任せるという個人情報の扱いでも、大阪市個人情報保護条例などに抵触するという指摘もあるなど、問題の多いことをあげ、大阪市は氏名を記入しない方式をとるとのことであるが、テストの中止を強く申し入れました。

 教育委員会は「申し入れの主旨は理解しました。テストには否定的要素もあるが、最小限に抑えて実施したい。子どもの学力を知りたいという声もある」と答えました。議員団は「犬山市は不参加を決めている。大阪市もふさわしい判断をして欲しい」と重ねて要請しました。

 申し入れには、議員団から、矢達幸、江川繁、渡司考一、山中智子各議員が出席し、先の選挙で当選した上野登喜子、寺戸月美、井上浩氏が同席しました。


2007年4月17日

大阪市教育委員会委員長  西村 仁 様

日本共産党大阪市会議員団

 全国一斉学力テスト中止の申し入れ

 

 4月24日に予定されている、全国一斉学力テストは、日本全国の子どもと学校の競争をいっそうはげしくさせ、義務教育に格差と選別をもちこむものです。本当に学力実態を把握するためであれば、全員調査をする必要はなく、統計学的にも5%程度の抽出調査で十分であり、「学力世界一」とされたフィンランドでも抽出して学力調査をおこなっています。また安倍政権がこの調査を実施するにあたってモデルとしたイギリスでは、テスト結果の公表で学校が激しい競争に追いこまれ、地域の学校が破壊され、全土で見直しがすすんでいます。また日本でも40年前に実施された「全国いっせい学力テスト」は、都道府県間や学校間の競争激化をまねき、さらに平均点を上げるため、成績不振の子どもを休ませ、カンニングを公然と推奨・黙認するなど教育の営みが破壊され、4年後には国民的な批判をあびて中止においこまれています。

 さらに今回学力テストに加えて生活習慣などの質問調査の時間があります。昨年行われた予備調査では、家庭のプライバシーに踏み込んだ内容の質問項目があります。そして学力テストの回収、採点、集計などを委託されているのは、小学六年生はベネッセ、中学三年生はNTTデータであり、民間企業に、学習に関する情報の管理をまかせることは、個人情報が不正に使われるおそれがあり、問題はあまりにも大きいと言わざるをえません。また文部科学省・大阪市教育委員会がこのような調査を行うこと自体、行政機関個人情報保護法、大阪市個人情報保護条例に抵触するという指摘もあります。プライバシーを調査する事への批判が高まり、文部科学省は「氏名・個人番号対照方式」を認めざるを得なくなりました。大阪市も氏名を記入しない方式とのことですが、子ども・保護者の情報を企業に委ねることの問題等を認めるなら、全国一斉学力テストそのものを中止すべきです。

 以上の点から、大阪市においては、この全国一斉学力テストを実施しないよう強く申し入れします。

以上