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靖国DVD「誇り」を教育に持ち込ませないよう申し入れ |
申し入れでは、文部科学省の委託事業として扱われようとしている、日本青年会議所が作成したDVDアニメ「誇り」を使った「近現代史教育プログラム」を教育現場に持ち込ませないよう求めています 議員から「平和と民主主義が大切だという到達を否定するアニメであり、歪んだ歴史観が持ち込まれることになる」「文科省の委託事業を選定するメンバーに青年会議所の会頭が加わっていること自体にも問題がある」等指摘し、市内の学校で使用しないよう強く申し入れました。 教育委員会は「昭和49年の文部省通達『学校における補助教材の適正な取り扱いについて』に従って対応していく」と答えました。この通達では「その内容が教育基本法、学校教育法、学習指導要領等の趣旨に従い、かつ児童生徒の発達段階に即したものであるとともに、ことに政治や宗教について、特定の政党や宗派に偏つた思想、題材によつているなど不公正な立場のものでないよう十分留意すること」とあり、教育委員会は問題になっている教育プログラムは教材に適さない考えを示しました。
2007年6月20日 大阪市教育委員会委員長 西村 仁 様 日本共産党大阪市会議員団 アニメDVD「誇り」を使用する「近現代史教育プログラム」を 教育に持ち込ませないことを求める申し入れ
文部科学省の委託事業として、日本青年会議所作製のアニメ「誇り」をつかう「近現代史教育プログラム」が各地の中学校などで行われようとしていることが5月17日の国会質問で明らかになりました。 アニメのストーリーは、若くして戦死した靖国の「英霊」が現代にあらわれ、自分の子孫である女子高校生に、日本の戦争は、アメリカによってやむを得ず行わざるを得なかった戦争であるとし、「自衛のための戦争」「アジアの人々を白人から解放」するための戦争だったと語りかけるものです。また戦争での加害の事実には触れず、日本がアジア諸国を助けたと描き、日本人の戦争への反省は「GHQによる洗脳」の結果と説明します。 しかもこの事業は、ビデオ上映だけで終わらず、アニメを見たあと生徒にグループ討論をおこなわせ、そこに靖国史観のテキストで研修したおとなたちが加わることがセットとされています。手引書には「当時中国は内乱状態にあり日本が中国の内乱に利用され、支那事変は仕組まれた戦争であったことを中心に説明する」「戦後の裁判で悪い国とされたことについて、これを払拭することに重点を置く」など論点のポイントが書かれるなど、教育上大きな問題があります。 日本やドイツがおこした戦争は不正義の侵略戦争であった―。この認識は戦後の国際政治の出発点です。日本もそのことを認めて国際社会に仲間入りしました。戦後五十年のいわゆる村山談話は、「植民地支配と侵略」によるアジアへの「多大の損害と苦痛」への「痛切な反省」を表明しています。 こうした世界と日本の根本原則からいって、今回発覚した教材が公教育で使われることは、あってはならないことです。国会でこの問題を追及された伊吹文部科学相は「私が校長なら使わない」と答弁せざるを得ませんでした。 大阪市教育委員会として、後援をしないことはもちろん、市内の実態を直ちに調査するとともに、この教材を使った教育事業が予定されているところは直ちに取りやめさせること、また、この事業の認可を取り消すことを政府に申し入れることを求めます。
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